入門 計量経済学 第02回 ―本日の講義― ・マクロ経済理論(消費関数を中心として) ・経済データの取得(分析準備) ・消費関数の推定

Slides:



Advertisements
Similar presentations
1 「マクロ経済学Ⅰ」 蓮見 亮
Advertisements

マンデル・フレミング モデ ル で見る日本経済 篠崎ゼミ 2 年1 G 菊池悠矢 長田真波 東海林佑斗 井上和正.
第 2 章 国民所得決定理論. 1. 有効需要の理論 Jhon Maynard Keynes: 有効需要の原理 「経済全体の活動水準は経済全体でど れだ けの需要があるかによって決まる」
2016 年度 計量経済学 講義内容 担当者: 河田 正樹
短期均衡 (2) IS-LM モデル 財市場 IS 曲線 – 財市場の均衡 – 政府支出の増加,減税 貨幣市場 LM 曲線 – 貨幣需要,貨幣市場の均衡 – マネーサプライの増加 IS-LM モデル – 財政政策の効果,金融政策の効果 – 流動性の罠 – 実質利子率と名目利子率の区別 貨幣供給.
IS-LM 分析 マクロ経済分析 畑農鋭矢. 貨幣の範囲 通貨対象 M1M2M3 広義流動性 現金通貨(日銀券 +補助通貨) 預金通貨 (普通預金・当座 預金など) 主要銀行・信 用金庫など ゆうちょ銀 行・信用組合 など 準通貨 (定期預金など) 主要銀行・信 金など ゆうちょ銀 行・信用組合 など.
経済の仕組みと経済学. 経済学とは 「経世済民」経済 世の中を治め、民の苦しみを救うこと 人々が幸せに暮らすためのしくみでありその活動 = 経済学とは: 「希少な資源を競合する目的のために, 選択・配分 を考える学問」 2.
陰関数定理と比較静学 モデルの連立方程式体系で表されるとき パラメータが変化したとき 如何に変数が変化するか 至るところに出てくる.
入門B・ミクロ基礎 (第4回) 第2章 2014年10月13日 2014/10/13.
乗数効果 経済学B 第6回 畑農鋭矢.
第6章 閉鎖経済における短期のマクロ経済理論
経済と株価ー講義② 企業活動と付加価値①・・・GDP上の考察 ・マクロ経済学上の付加価値 ・GDP統計の相互関係 ・GDP統計とは①~③
―本日の講義― ・計量経済学とは ・入門計量経済学で学ぶこと ・授業の進め方と成績評価
国際収支表をどう読むか 国際収支の均衡 国際収支とGDP
マクロ経済学初級I 第6回.
第1章 国民所得勘定.
第11回講義 マクロ経済学初級I タイプIIクラス.
第16章 総需要に対する 金融・財政政策の影響 1.総需要曲線は三つの理由によって右下がりである 資産効果 利子率効果 為替相場効果
実証分析の手順 経済データ解析 2011年度.
<キーワード> 景気循環 総需要・総供給モデル
初級ミクロ経済学 -生産者行動理論- 2014年10月20日 古川徹也 2014年10月20日 初級ミクロ経済学.
ミクロ経済学の基礎 経済学A 第1回 畑農鋭矢.
経済原論II  ミクロ経済学入門 2016年度 麻生良文.
月曜3限 1132教室 担当者: 河田 正樹 年度 経済データ解析講義内容 月曜3限  1132教室 担当者: 河田 正樹
現代の経済学B 伊東光晴「ケインズ」第3回 一般理論の骨組み(ii) 現代資本主義とケインズ経済学 京大 経済学研究科 依田高典.
市場の効率性と政府の介入.
イントロダクション.
前回分(第1章 準備,1-1):キーワード ・ 生産,分配,消費 ・ 市場と組織 ・ 競争市場と均衡 ・ 市場の失敗と政府の介入
IS-LM分析 経済学B 第10回 畑農鋭矢.
7: 新古典派マクロ経済学 合理的期待学派とリアル・ビジネス・サイクル理論
マクロ経済学 II 第9章 久松佳彰.
(景気が良くなり)ハンバーガーの需要が拡大すると
短期均衡モデル(3) AD-ASモデル ケインジアン・モデルにおける物価水準の決定 AD曲線 AS曲線 AD-ASモデル
第5章 回帰分析入門 統計学 2006年度.
マクロ経済学初級II タイプIIクラス 白井義昌
月曜3限 1141教室 担当者: 河田 正樹 年度 経済データ解析講義内容 月曜3限  1141教室 担当者: 河田 正樹
特殊講義(経済理論)B/初級ミクロ経済学
<キーワード> 景気循環 総需要・総供給モデル
インフラ政策の推進による経済再生 公益社団法人 日本青年会議所 2017年度 経済再生グループ 防災大国日本確立委員会.
春の統計学・計量経済学勉強会 第1回:2017年2月21日(火) 市野泰和
マクロ経済学初級I 第4回.
マクロ経済学初級I 第5回講義.
中国の資金循環モデルによる 財政・金融政策の考察
マクロ経済学初級I (春学期) 2006年 白井 義昌 4月11日 マクロ経済学初級I.
第4章 投資関数.
生産要素への需要と生産要素価格: 労働市場・資本市場・土地の市場
バブル崩壊後の日本経済の 貯蓄率低下について
経済学とは 経済学は、経済活動を研究対象とする学問。 経済活動とは? 生産・取引・消費 等 なぜ、経済活動を行うのか?
経済入門 ⑦ 西山 茂.
動学的一般均衡モデルについて 2012年11月9日 蓮見 亮.
V. 開放経済のマクロ経済学.
VI 短期の経済変動.
V. 開放経済のマクロ経済学.
マクロ経済学初級II タイプIIクラス 白井義昌
第8回講義 マクロ経済学初級I .
マクロ経済学初級I (春学期) 2005年 白井 義昌 4月19日 マクロ経済学初級I.
数量分析 第2回 データ解析技法とソフトウェア
7: 新古典派マクロ経済学 生産要素の完全雇用 ケインズ経済学の中心的な考え方(需要サイド,4章と5章のIS/LMモデル) ↑ ↓
循環構造 民間部門経済循環の流れ circular flow 家 計 企 業 (価格メカニズム) 市場機構 が働く p p 消費財市場 y
第6章 IS-LMモデル.
第7章 単回帰で「消費関数」を計測する 1.所得の定義 1.1 国民純生産 国内総生産(GDP) ⇔ 所得
マクロ経済学初級I タイプIIクラス 白井義昌
古典派モデル(1) 基本モデル 生産要素市場の均衡(労働市場,資本市場) 生産関数 消費関数,投資関数 財市場の均衡 政策の効果
第9回講義 マクロ経済学初級I タイプIIクラス.
経済学(第7週) 前回のおさらい 前回学習したこと(テキストp.16,19) ◆ マクロ経済学における短期と長期 ◆ 完全雇用とはなにか ◆ 短期のマクロ経済モデルの背後にある考え方 (不況の経済学/有効需要原理) ◆ 民間部門はどのように消費や投資を決定するか ◆ ケインズ型消費関数とはなにか ◆
均衡予算の乗数効果 専修大学 経済の世界 作間 逸雄.
第3回講義 文、法 経済学.
マクロ経済学初級I 第12回 今学期のまとめ.
経済学入門 ミクロ経済学とマクロ経済学 ケインズ経済学と古典派マクロ経済学 経済学の特徴 経済学の基礎概念 部分均衡分析の応用.
第5回講義 文、法 経済学 白井義昌.
Presentation transcript:

入門 計量経済学 第02回 ―本日の講義― ・マクロ経済理論(消費関数を中心として) ・経済データの取得(分析準備) ・消費関数の推定 入門 計量経済学 第02回       ―本日の講義― ・マクロ経済理論(消費関数を中心として) ・経済データの取得(分析準備) ・消費関数の推定    ・Excelによる回帰分析 ・SPSSによる回帰分析 清水千弘(Chihiro SHIMIZU) cshimizu@reitaku-u.ac.jp

本日の講義の目標 本日の講義の目標 -経済データに親しむ -Excelで回帰分析 -SPSSで回帰分析  -経済データに親しむ  -Excelで回帰分析  -SPSSで回帰分析 *実際に消費関数を推定してみよう!!!! cshimizu@reitaku-u.ac.jp

1.マクロ経済理論(消費関数を中心として) 1.1.計量経済分析の手続き モデルの構築 データの収集 関数推定 モデルのテスト 予測 or  政策シミュレーション 1.2.モデルの構築 計量経済学と統計学:統計学を基礎とする 計量モデルの構築:モデルとは→現実の社会の動きを単純化して表現するもの 1.3.経済理論=モデルの構築 基本的競争モデルにおける家計 家計における消費の決定 家計における貯蓄の決定 基本的競争モデルにおける企業 企業の供給決定 企業の労働需要と資本需要 基本的競争モデルにおける市場均衡 労働市場 生産物市場 資本市場 cshimizu@reitaku-u.ac.jp

経済モデル構築の意義と憂鬱 →経済モデルの構築・計量経済学的接近法の重要性 日本政府は,財政赤字を削減すべきか,財政赤字を増やしても公共投資を拡大させるべきか? 政策論争:経済的な価値観の相違。政策評価の相違 実証経済学(positive economics) 「……である」  経済がどのように機能しているのか 規範経済学(normative economics)「……であるべき」  種々の行動仮定の望ましさ 実証経済学の憂鬱 適切な経済モデルはどのようなモデルか→モデルの不一致 政策効果はどの程度か→量的な不一致 規範経済学の憂鬱 部分的に有益でも部分的に有害なことが存在する  →一般均衡 政策論争:意見の不一致が, モデルの相違によってどの程度生じているか 推定の相違によってどの程度生じているか 価値観の相違はどの程度か →経済モデルの構築・計量経済学的接近法の重要性 cshimizu@reitaku-u.ac.jp

伝統的経済モデル/古典派経済学 と ケインズ派経済学 伝統的経済モデル/古典派経済学 と ケインズ派経済学               ・経済理論体系は,均衡への接近法が異なる。 ・ケインズ派と古典派の2つのモデルがかなり重複している。 ・新しい経済理論の登場  例.実証分析・M.フリードマンの恒常所得仮説等 古典派 ケインズ派 貨幣 ・ケインズは,古典派の取引需要に加えて,貨幣に対する投機的需要を付加 ・ケインズは,労働供給関数を除いて硬直的な賃金を仮定 ・ケインズは,貯蓄(消費)が利子率よりも所得に依存することを仮定 生産関数 利潤最大化条件 労働供給関数 貯蓄 利子率 cshimizu@reitaku-u.ac.jp

2.経済データの取得(分析準備) 経済データの収集/経済データへの精通 Webでの収集+データベースの利用 国の統計:http://www.esri.cao.go.jp/ 麗澤大学のデーベース:http://www.ie.reitaku-u.ac.jp/~tak/reistat_index.html データ収集→分析用データベースへの変換(Excelの教材に) cshimizu@reitaku-u.ac.jp

3.消費関数の推定 消費の決定:所得によって決定される 平均的に高い所得家計ほど多く支出する But.各家計の嗜好.経済環境に応じて行動は変化する →標準的な(均質的な)家計を想定 : モデルの前提 消費関数(consumption function) 限界消費性向(marginal propensity to consume:MPC) 独立(基礎)消費(autonomous consumption) PC = a + m (YDP) PC:消費((実質)民間消費支出) YDP:可処分所得 消費関数の推定 まずはグラフを作成しよう:データの確認 折れ線グラフ 伸び率のグラフ 散布図 回帰分析(詳細は,第3回講義以降:まずは体験しよう!) Excelによる推定 SPSSによる推定 理論と実際の違いに注意→モデルの改善 cshimizu@reitaku-u.ac.jp