Ishiwatari et al(2007) の紹介 灰色大気の気候状態の太陽定数依存性 ~暴走温室状態から全球凍結状態まで

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Ishiwatari et al(2007) の紹介 灰色大気の気候状態の太陽定数依存性 ~暴走温室状態から全球凍結状態まで Dependence of climate of gray atmosphere on solar constant: From the runaway greenhouse to the snowball state Ishiwatari et al(2007) の紹介 地球および惑星大気科学研究室 河合 佑太

イントロダクション

はじめに 地球型惑星の気候を決める重要なパラメータ は? 太陽定数 地球の気候 (現在)平均気温: 15度, 極冠あり 軌道要素(離心率) 自転傾斜角, 自転角速度 など 地球の気候 (現在)平均気温: 15度, 極冠あり 太陽定数が数十%変化すると, 現在の穏やか な気候状態は失われてしまう * 太陽定数: 地球型惑星の気候を決定する重要なキーのひとつ

太陽定数が減少した場合の気候: 全球凍結状態 (Ishiwaari) 原生代前期・後期に地表面全体が氷 に覆われた可能性がる: 雪玉地球 (Snowball earth)仮説 先行研究: Budyko(1969), Seller(1969) 現在の太陽定数を数%減少させただけで全球 凍結状態に至る 現在の太陽定数付近では多重解を得る 氷冠末端緯度 1次元エネルギーバランスモデル 極冠末端緯度 *具体的な太陽定数の減少の大きさの話はおいといて、まず太陽定数がとある量より減ると.. * 雪玉地球仮説: * 要因: 太陽の活動度, 温室効果ガス, 氷床のアルベド * 地質学的観測事実によって裏付けられている *物理的考察のパイオニア的研究 Budyko: 一次元EBM を使って考察 正味入射 太陽放射 惑星放射 南北熱輸送 太陽定数(Wm-2)

太陽定数が増加した場合の気候: 暴走温室状態 形成期の地球? 先行研究: Komabayashi (1967), Ingersoll(1969), Nakajima et al. (1992) 一次元放射対流平衡モデル 対流圏:飽和, 成層圏: 放射平衡 海洋を持つ惑星の大気が射出できる外向き長波 放射には上限がある S/4 => それ以上の入射フラックスが与えられると平衡解が消失する * 平衡解の消失= GCM では大気の温度と水蒸気量が増加し続ける (Nakajima et al, 1992)

研究の目的 先行研究(Budyko 1969; Nakajima et a, 1992 他) 基本的に一次元モデル 南北エネルギーバランスモデル, 鉛直一次元放射対流平衡モデル 全球凍結状態または暴走温室状態一方のみを表現するモデ ル Ishiwatari et al(2007) 三次元 GCM を使って気候の太陽定数依存性を調べる 大気の運動と簡単な放射過程を取り扱う 気候レジームのブランチ構造の調査する 暴走温室・全球凍結状態の両方を表現できるモデル 同時に一次元EBMも用いて, 結果を相互比較 * 問題意識を確認 * より複雑なモデルを使う(大気の運動を考慮)と, 解の構造(安定性, 分岐, 種類 etc)が変わるかも * ex) 安定性: large/small ice cap instability の有無 分岐: 全球凍結解に飛ぶ S の下限の変化   種類: 振動解? * 当時, 洗練したモデルによる雪玉地球仮説の大計算はあったが, 簡単なGCM と EBM 間での解を比較してみようとする研究見られなかった

モデル

1次元 エネルギーバランスモデル 基本的には, North(1975)と同じ 南北熱輸送は拡散で近似 熱拡散係数: 0.5 Wm-2K-1 ただし, OLR は一次元放射対流平衡解(Nakajima et al, 1992)から地表面温度の関数として決定 相対湿度: 60% 1次元エネルギーバランスモデル * EBM の説明 * North(1975) は, 南北熱輸送を拡散項でパラメーター化 * 熱拡散係数 D の値はS=1380Wm-2の氷なし解の南北温度分布を最もよく再現するようにとる 正味入射 太陽放射 惑星放射 南北熱輸送

3 次元大気大循環モデル(GCM) 地球流体電脳倶楽部 AGCM 5.3 大気成分: 乾燥空気+水蒸気 (http://www.gfd-dennou.org/arch/agcm5/) 大気成分: 乾燥空気+水蒸気 力学過程: プリミティブ方程式(3 次元静力学モデル) 物理過程 放射過程: 灰色放射(Nakajima et al, 1992 と同じ) 対流過程: 湿潤対流調節スキーム(Manabe et al., 1965) 降水過程: 大規模凝結スキーム, 雲の形成は考慮しない 鉛直乱流拡散: Mellor&Yamada(1972) のレベル2 * 大気成分:各成分の分子量・比熱は同じ値かつ一定(理想気体)に取る * 放射特性: (大気は)太陽放射に対して透明, 赤外放射に対し灰色(吸収係数一定)

3 次元大気大循環モデル(GCM) 下部境界の取り扱い 地表面: swamp ocean(Delworth and Manabe, 1988) 地表面アルベド: 結氷温度 (263K)以下では0.5, それ以外は 0 解像度 水平方向 T21 鉛直方向 L16( S<1400 Wm-2), L32( S>1450 Wm-2) * 積雪量, 氷の質量収支, 海氷の移動, 融解熱は考慮しない ← EBM の結果と直接比較できるようにするため.. * 海洋運動に伴う熱輸送は扱わない * 海洋のモデリング階層 * swamp ocean < slab ocean < mixed layer < dynamical ocean * swamp ocean * 熱容量ゼロ * 熱収支は水平方向に関してlocal に決まる * 備考: * 暴走温室設定は計算不安定! *モデル上層に強い減衰レイヤーを入れる

EBM 計算の結果

エネルギーバランスモデルの結果 * 平衡解3っ(氷なし, 部分凍結, 全球凍結)と非平衡解: 暴走温室状態(X印) * 解の特徴について 全球凍結解 部分凍結解 氷なし解(ε) 小極冠不安定 大極冠不安定 暴走温室状態(ζ) * 解の種類: * 平衡解3っ(氷なし, 部分凍結, 全球凍結)と非平衡解: 暴走温室状態(X印) * 解の特徴について * 凍結解: Budyko たちとよく似た結果 * 氷なし(branch α)<-(安定性の)臨界点A-> 部分凍結branch β ↔ pt B ↔ branch γ ↔ pt C ↔ branch δ (↔ pt D ↔ branchε) * 安定性: branch β, δは不安定平衡解(large/small ice cap instabilty, north(1975)) * 1306Wm-2<->1903Wm-2 で多重解 * 氷なし解(branchε): Budyko たちと違う結果 * pt D ↔ branchε ↔ pt F ↔ branchζ ← our EBM は暴走温室状態を発生できる. Pt E<Sな氷なし平衡解はない! Ishiwatari et al(2007) Fig.1

エネルギーバランスモデルの結果 * 部分凍結解と氷なし解のブランチのつながりをよく見たい-> S.vs.地表面平均温度の図を使う 全球凍結解 部分凍結解 氷なし解 小極冠不安定 大極冠不安定 暴走温室状態 Ishiwatari et al(2007) Fig.2b Ishiwatari et al(2007) Fig.1 * 部分凍結解と氷なし解のブランチのつながりをよく見たい-> S.vs.地表面平均温度の図を使う (暴走温室状態はプロットできない) * 大氷冠不安定(branchβ): 全体的には不安定 * EBM における氷なし解(Ε, Ζ)の多重性は Nakajima et al の一次元放射対流平衡解の多重性(安定解+不安定解)に対応している. Ishiwatari et al(2007) Fig.2a

GCM計算の結果

GCM の結果 * GCM 計算から得られたブランチ構造をEBM の計算結果と比較しながら味わう. * 平衡解の種類はやはり3つ 全球凍結解 部分凍結解 氷なし解 小極冠不安定 大極冠不安定 暴走温室状態 * GCM 計算から得られたブランチ構造をEBM の計算結果と比較しながら味わう. * 平衡解の種類はやはり3つ * GCM の方の部分凍結解のブランチの臨界点Bはより赤道寄り.. => はどれー循環によって効率的な熱的混合が行われる:EBM のlarge ice cap instability は緩和される(out EBM では表現されてない cf Lindzen&Farrel(1977)) * 初期値のsensibility が強い部分について言及: EBM のlarge ice cap instabilty に対応? Ishiwatari et al(2007) Fig.1 Ishiwatari et al(2007) Fig.3 EBM GCM

GCM の結果 * GCM 計算から得られたブランチ構造をEBM の計算結果と比較しながら味わう. 全球凍結解 部分凍結解 氷なし解 小極冠不安定 大極冠不安定 暴走温室状態 * GCM 計算から得られたブランチ構造をEBM の計算結果と比較しながら味わう. * EBM の small ice cap instabilty に明確に対応するブランチはない? * 部分凍結解から氷なし解のtransition は連続的のようだ(過去の研究と整合的) * GCM の暴走温室状態を発生させる最小入射量は Nakajima et al と整合的(RH 60% では W=330wm-2 ~ S/4) Ishiwatari et al(2007) Fig.1 Ishiwatari et al(2007) Fig.3 EBM GCM

各ブランチに対応する循環場の様子は..

S=1380Wm-2: 地球的気候 1380 1200 * やはり大気循環の様子も気になる.. Ishiwarari et al(1998)

S=1800Wm-2: 暴走温室状態 * ハドレーセルの背は高くなる *亜熱帯域の R.H. はどうなった? * 温度は全体的に増加(水蒸気量が増えて光学的に大気が厚くなるので) * 南北の温度コントラストは減る * 要因:潜熱加熱 * より活動度が高くなった擾乱が潜熱を運ぶ * 循環構造の基本パターンはあまり変わらない!  * ハドレーセルの背は高くなる * ハドレーセルの下降域の位置は変わらない *亜熱帯域の R.H. はどうなった? Ishiwarari et al(1998)

S=1250Wm-2: 最大氷冠状態 *降水の極大域がNS30度付近に * S=1380Wm-2では赤道域 * 循環セルのトルクの符号が反対に : ice line(22度)付近で上昇, 赤道で下降 * iceline 付近の降水は, 赤道からの潜熱輸送で維持されている * 一方, 顕熱輸送は熱帯域を暖めている

S=1250Wm-2: 最大氷冠状態における熱収支 *降水の極大域がNS30度付近に * S=1380Wm-2では赤道域 潜熱輸送 顕熱輸送 *降水の極大域がNS30度付近に * S=1380Wm-2では赤道域 * 循環セルのトルクの符号が反対に : ice line(22度)付近で上昇, 赤道で下降 * iceline 付近の降水は, 赤道からの潜熱輸送で維持されている * 一方, 顕熱輸送は熱帯域を暖めている

大気の構造

結論

結論 三次元 GCM を使って気候状態の太陽定数依存性を調 べた EBMの結果で見られる大極冠不安定は発生. 一方で, 小 極冠不安定は見られなかった とある太陽定数の値では, 暴走温室・部分凍結・全球凍 結状態のどれにでもなり得る 最終的な平衡状態は初期値と太陽定数の変化のさせ方 に依存 従来のEBM (Budyko, 1965等)で表現できなかった暴走 温室状態は, 部分凍結・全球凍結状態と気候状態の分岐 図上で比較的近傍にあることが分かった

参考文献 Budyko, M. I. (1969), The effect of solar radiation variations on the climate of the Earth, Tellus, 21, 611 – 619 Ishiwatari, M., S. Takehiro, K. Nakajima, and Y.-Y. Hayashi (2002), A numerical study on appearance of the runaway greenhouse state of a three-dimensional gray atmosphere, J. Atmos. Sci., 59, 3223 – 323 M. Ishiwatari, K. Nakajima, S. Takehiro, Y.-Y. Hayashi. (2007) Dependence of climate states of gray atmosphere on solar constant: From the runaway greenhouse to the snowball states. Journal of Geophysical Research 112:d13, D13120 Nakajima, S., Y.-Y. Hayashi, and Y. Abe (1992), A study on the ‘‘Runaway Greenhouse Effect’’ with a one-dimensional radaiative-convective equilibrium model, J. Atmos. Sci., 49, 2256 – 2266 North, G. R. (1975), Analytical solution to a simple climate model with diffusive heat transport, J. Atmos. Sci., 32, 1301 – 1307. Sellers, W. D. (1969), A climate model based on the energy balance of the Earth-atmosphere system, J. Appl. Meteorol., 8, 392 – 400.