第4章 MIXED Model 4.1 MIXED Model とは 4.2 反復測定データの分析1 分割法タイプのデータ

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第4章 MIXED Model 4.1 MIXED Model とは 4.2 反復測定データの分析1 分割法タイプのデータ 4.3 反復測定データの分析2 Multi-level Models Growth Models 4.4 Discussion

4.1 MIXED Model とは “MIXED”は,固定効果の要因とランダム効果の要因が混在した実験計画を意味 ランダム効果の例 ブロック因子 被験者要因 二段サンプリングで1次抽出単位の効果 反復測定データの分析が PROC GLM よりも 柔軟に行うことができる 特に経時データ・成長データの分析に威力 SASでは MIXEDプロシージャで分析する SPSSはバージョン11からサポート

MIXED Model の特徴 ランダム効果の要因をモデルに組み入れることができる 被験者内分散共分散行列について様々な 指定が行える PROC GLMは固定効果要因のみ.固定効果要因のモデルでランダム効果モデルを模している 被験者内分散共分散行列について様々な 指定が行える 欠測値があっても解析可能 MANOVAだとobservation全体が除かれてしまう これ以外にも...

モデルの構造式 u がランダム効果を表す要因 Z は u のデザインを表す既知の行列

平均と分散

推定方法 最尤法(ML)もしくは制限付(or 残差)最尤法(Restricted/residual ML) 反復法で数値的に解く 統計的推測は主に漸近理論に基づく

MIXED Modelの例 普通のANOVA 誤差分散が等質でない場合のANOVA Random coefficient model Multilevel analysis nest 構造のデータ解析 反復測定データ Linear growth model unconditional with a person-level covariate 他

4.2 MIXED Modelによる 反復測定データの分析1 分割法タイプのデータ

SASプログラムの要点 DATA ステップは1変量型で作成 MODEL ステートメント RANDOM ステートメント 固定効果要因を指定(X) RANDOM ステートメント ランダム効果要因を指定(Z, V[u]) REPEATED ステートメント 誤差εの共分散構造V[ε]の指定

注:データのタイプ 1変量型        多変量型 (ANOVA, MIXED) (MANOVA; repeated) OBS SUB A B X 1 1 1 1 3 2 1 1 2 4 3 1 1 3 6 4 1 1 4 5 5 2 2 1 3 6 2 2 2 2 7 2 2 3 3 8 2 2 4 2 9 … OBS A B1 B2 B3 B4 1 1 3 4 6 5 2 2 3 2 3 2 3 …

SAS プログラム例 data data323; do sub=1 to 10; input a @@; do b=1 to 4; input x @@; output; end; end; cards; 1 3 4 6 5 1 3 3 6 7 1 1 4 6 8 1 3 5 4 7 1 5 7 8 9 2 3 2 3 2 2 5 6 2 3 2 2 3 3 3 2 4 6 6 4 2 6 4 5 6 ; SAS プログラム例 title '*** MIXED PROC for SPF_p.q' ***; proc mixed data=data323; class sub a b; model x=a b a*b; repeated b/type=cs subject=sub R; run; quit;

被験者内分散共分散行列の例 TYPE=UN /* 自由に推定(無構造) */ HF /* 球面性の構造 */ CS /* 複合対称性 */ AR(1) /* 1次の自己相関構造 */   UN(1) /* 独立・異分散 */ VC /* 独立・等分散 [CRF]*/   … VC は普通のデザインには使ってはいけないようである.自由度の算出が異なる. Source NDF DDF Type III F Pr > F A 1 8 7.04 0.0291 B 3 24 2.74 0.0658 A*B 3 24 4.24 0.0155 際は,8 と24をプールした誤差で検定すべき.

被験者内分散共分散行列の推定結果

考察 Null model LRT chi^2 type=UN(自由) の推定結果に近い方が良い [CRF] (無相関)を基準として,各構造のように相関を入れた場合に減少するカイ2乗値 type=UN(自由) の推定結果に近い方が良い 自由度がなるべく小さいモデルが良いモデル このデータはCSだろう ANOVAによる反復測定データの分析でよい

要因の検定結果 Type=UN とMANOVAは一致して欲しいが... ・ UNとMANOVAの自由度が合わないのは何故か? ・ VC は普通のデザインには使ってはいけないようである.自由度の算出が異なる. Source NDF DDF Type III F Pr > F A 1 8 7.04 0.0291 B 3 24 2.74 0.0658 A*B 3 24 4.24 0.0155 際は,8 と24をプールした誤差で検定すべき. Type=UN とMANOVAは一致して欲しいが...

簡単なまとめ Mixed モデルはランダム効果を「正式」に 扱うためのモデル ランダム効果の分散共分散を分析者が指定できる 成長データ・縦断的データの分析には重宝 自由度の指定は難しい?

4.3 MIXED Modelによる 反復測定データの分析2 Multi-level Models Growth Models

二段抽出モデル

Random-effect model 学校をランダムにJ 校(school)選び,各学校からランダムに Ij 人被験者を選んで数学のテスト(mathach)を行った Proc mixed; class school; model mathach = ; random school;

Multilevel model のセットアップ ← レベル1 ← レベル2 Proc mixed; class school; model mathach = /solution; random intercept/subject=school;

メモ_11 model statement は,いつも定数項を含む random statement は,いつも誤差項を含む random interceptはinterceptの係数がランダムであることを意味 その影響はschoolの値ごとにブロック化される Proc mixed; class school; model mathach = /solution; random intercept/subject=school;

メモ_12 O O Proc mixed; class school; model mathach = /solution; random intercept/subject=school; 学校1 学校2 O O

レベル2の共変量 学校の予算 budgetj を説明変数に付加 Proc mixed; class school; model mathach = budget/solution ddfm=bw; random intercept/subject=school;

成長曲線モデル(予測変数なし)-1

成長曲線モデル(予測変数なし)-2

成長曲線モデル(予測変数なし)-3 Proc mixed; class sub; model y = time/solution ddfm=bw; random intercept time/subject=sub type=un; Intercept と time の係数がランダム

メモ_2 O Proc mixed; class sub; model y = time/solution ddfm=bw; random intercept time/subject=sub type=un; 被験者1 被験者2 O

成長曲線モデル(予測変数あり)-1

成長曲線モデル(予測変数あり)-2

成長曲線モデル(予測変数あり)-3 Proc mixed; class sub; model y = time sex sex*time/solution ddfm=bw; random intercept time/subject=sub type=un gcorr;

最終モデルでは? ---SAS and SPSS staffs help me---

4.4 Discussion LCA versus MIXED

LCA vs MIXED Model_1 LCAで可能,でもMIXEDで不可能? 分析モデル2 多変数のモデル モデル修正

LCA vs MIXED Model_2 LCAで不可能,でもMIXEDで可能?? 3要因交互作用(年齢*性別*親)の検出 観測時点が個体によって異なる場合 F F M M 時間 時間 親健康             親アル中

参考文献 Littell, R.C. et.al (1996). SAS System for Mixed Models. SAS Institute Inc. 岸本淳司(1996). PROC MIXED 入門.SUGI-J’96/IDS Conference論文集. 179-197. Singer, J.D. (1998). Using SAS PROC MIXED to fit multilevel models, hierarchical models, and individual growth models. Journal of Educational and Behavioral Statistics. 24, 323-355.