伝達事項 皆さんに数学と物理の全国統一テストを受けても らいましたが、この時の試験をまた受けていただ きます。 基礎物理学の講義を受けてどれだけ皆さんの理解 が進んだかを見るためのものです。このテストの 結果は成績とは無関係です。 むしろ、私が皆さんを適切に指導できているかど うかが問われるところです(冷や汗;) 皆さん、是非頑張って下さい。いや、お願いしま す。
伝達事項 希望事項:自由席にして欲しい。前に空いている 席だけでは足りないのでは? 前の席に座りたい希望者を募ります。
2章 力と運動
ニュートンの運動の3法則 運動の第一法則 外力を受けない時 外力の和が0を含む 運動の状態は変化しない 静止している物 静止状態のまま 動いている物 等速直線運動 (当初速度を維持して運動し続ける)
ニュートンの運動の3法則 運動の第二法則 F = ma ニュートンの運動方程式 F: 力(物体に作用する外力)(ベクトル量)
ニュートンの運動の3法則 運動の第三法則 作用反作用の法則 F1:物体Aが物体Bに及ぼす力 (作用) 物体A 物体B (作用) 物体A 物体B F2:物体Bが物体Aに及ぼす力 (反作用) F2 F1 |F1| = |F2| (力の大きさ(絶対値)が等しい) F1 と F2 の向きが反対
宿題(解答1) 直線運動 6. まっすぐな道路を走っている質量1000 kgの自動車が5秒間 に20 m/sから30 m/sに一様に加速された。 等加速度運動 運動の第二法則 F = ma ニュートンの運動方程式 (1) 加速度はいくらか? Dv(速度変化) 30(m/s) – 20(m/s) 10(m/s) a = = = Dt(時間変化) 5(s) 5(s) = 2 m•s-2 (2) 車に働いた力はいくらか? F = ma = 1000 (kg) × 2 (m•s-2) = 2000 (kg•m•s-2) = 2000 N
宿題(解答2) 直線運動 6. 一直線上を30 m/sの速さで動いている20 kgの物体を6秒間 で停止させるには平均でどれほどの力を加えたらよいか。 運動の第二法則 F = ma ニュートンの運動方程式 まず加速度を求める: 30 m/s → 0 m/s Dv(速度変化) 0(m/s) – 30(m/s) –30(m/s) a = = = Dt(時間変化) 6(s) 6(s) = –5 m•s-2 次に物体に働いた力を求める F = ma = 20 (kg) × (–5) (m•s-2) = –100 (kg•m•s-2) = –100 N 答:進行方向と逆方向に平均100 Nの力
力の合成 平行四辺形をかいて 合力 力のベクトルの起点から F2 対角線を書く F1 3つ以上の力の合力 1,2の合力 F12 2つの力の合力を求める F1 その合力とその他の力の 合力を求める F123 F3 1,2,3の合力 残りの力の数分この作業 を行う
力の分解 力を分解したい方向に直線を描く 力 元の力が対角線になるように直線 を描いて平行四辺形をつくる F2 平行四辺形の各辺のうち元の力 の起点を通る辺が分解された力の ベクトル 一般に、物体が移動する方向や、物体が置かれている面に対 して垂直な方向に力を分解することが多い。 (このように力を分解したほうが便利なことが多いため) 力を分解する方向は任意にとれるため、分解の方法は一つで はない
垂直抗力・摩擦力 W : 質量mの物体に働く重力 N : 机が物体を押し返す垂直抗力 N W = mg W = −N (運動の第三法則より) f : 物体を押す外力 f F : 机と荷物の摩擦力 N f = −F (運動の第三法則より) F 机 F = μN μ : (静止)摩擦係数 物体が動いていない時、μ : 静止摩擦係数 物体が動いている時、μ’ : 動摩擦係数
斜面での垂直抗力・摩擦力 W : 質量mの物体に働く重力 N : 斜面が物体を押し返す垂直抗力 F : 机と荷物の摩擦力 N F 物体が静止している場合、 運動の第三法則より Wsinθ θ Wcosθ N = −Wcosθ θ θ F = −Wsinθ W
宿題(解答3) 260 N 240 N 200 N 240 N 12 13 5 3 120 N 260 N 4 160 N 100 N 5 120 N 200 N 218.4••• N = 218 N 100 N 160 N 210 N 150 N 60 N 横向きの合力(右向きを正) = 160(N) – 100(N) = 60 N 上向きの合力(上向きを正) = 240(N) + 120(N) – 150(N) = 210 N 合力の大きさ = [{210(N)}2 + {60(N)}2](1/2) = 218.4••• N = 218 N
演習 質量60 kgの物体が下図の斜面に静止していた時、下記の力を計算 しなさい。ただし重力加速度をgとする。 W : 物体に働く重力 N : 斜面が物体を押し返す垂直抗力 3 m F : 机と荷物の摩擦力 4 m
演習 質量60 kgの物体が下図の斜面に静止していた時、下記の力を計算 しなさい。ただし重力加速度をgとする。 W : 物体に働く重力 = 60g N N N : 斜面が物体を押し返す垂直抗力 F F : 机と荷物の摩擦力 Wsinθ θ Wcosθ N = −Wcosθ = 60g × (4/5) θ θ = 48g N F = −Wsinθ = 60g × (3/5) W = 36g N cosθ = 4/5 5 m 3 m sinθ = 3/5 θ 4 m
宿題 質量26 kgの物体が下図の斜面に静止していた時、下記の力を計算 しなさい。ただし重力加速度をgとする。 W : 物体に働く重力 N : 斜面が物体を押し返す垂直抗力 5 m F : 机と荷物の摩擦力 12 m
宿題 図のように、水平と角度θ [rad] をなす滑らかな斜面上に質量m [kg] の小球を置き、小球に水平な力を加えて静止させた。この時小球に 加えている力を求めなさい。ただし重力加速度をg [m•s-2]とする。 力 3 m 4 m
予習項目 地球の周りをまわっている人工衛星の周回運動を止めたら その後人工衛星はどうなるか答えなさい。