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第7回 独立多群の差の検定 問題例1 出産までの週数によって新生児を3群に分け、新生児期黄疸の 第7回 独立多群の差の検定 教科書p148~169 問題例1 出産までの週数によって新生児を3群に分け、新生児期黄疸の 強さを調べたところ次のようなデータを得た。在胎週数によって 黄疸の強さに差があるといってよいか。 在胎週数 黄疸の強さ(データ) データ数 平均値  分散 (週) (ni) (mi)   (si2) ~36 13 11 6 3 10    13 ~38 11 10 7 7 5 5 8     6 ~40 8 7 5 5 4 3 3 7 5     11/3 帰無仮説:在胎週数によって黄疸の強さに差がない H0:s12 = s22 = s32、 m1=m2=m3= μ 対立仮説:在胎週数によって黄疸の強さに差がある H1:s12 ≠ s22 ≠ s32 、 m1 ≠ m2 ≠ m3 有意水準5%で検定

=>同じ母集団からの標本である:分散は等しい H0:μ1 = μ2 =・= μk、s12 = s22 =・= sk2 一元配置分散分析法 要因 測定データ データ数 平均値 分散  Ai  xij ni    mi    si2  A1 x11 x12 ・x1n1 n1    m1   s12  A2 x21 x22 ・・・x2n2 n2    m2   s22  ・ ・・・・・・・・・・・・   ・    ・  Ak xk1 xk2 ・・ xknk nk    mk   sk2 全データ数 帰無仮説:要因によって平均値に差がない =>同じ母集団からの標本である:分散は等しい H0:μ1 = μ2 =・= μk、s12 = s22 =・= sk2 m1 s1 要因A1標本 測定 母集団 m2 s2 要因A2標本 測定 測定 mk sk 要因Ak標本

要因 測定データ データ数 平均値 分散 Ai xij ni mi si2 A1 x11 x12 ・x1n1 n1 m1 s12 要因 測定データ データ数 平均値 分散  Ai  xij ni    mi    si2  A1 x11 x12 ・x1n1 n1    m1   s12  A2 x21 x22 ・・・x2n2 n2    m2   s22  ・ ・・・・・・・・・・・・   ・    ・  Ak xk1 xk2 ・・ xknk nk    mk   sk2 総変動 群間変動 群内変動 偏差平方和

群間変動と群内変動 全体の平均: 総変動の偏差平方和: dfT=N-1 dfA=k-1 群間変動の偏差平方和: 群内変動の偏差平方和: dfE=N-k ST=SA+SE 分散比: F分布:f(u:k-1,N-k)

分散の均一性の検定(Bartlett検定) 分散の偏り度: データ数に対する補正係数: sE2 = SE N-k M C 自由度k-1のχ2分布 χ2α=5%=5.991 分散は均一と見なしてよい πx≧1.2367>α 帰無仮説を採択

F(2,12)α=5%=3.89 πF≧5.0<α 帰無仮説を棄却 在胎週数によって黄疸の強さに差がある 在胎週数 黄疸の強さ(データ) データ数 平均値  分散 (週) (ni) (mi) (si2) ~36 13 11 6 3 10 13 ~38 11 10 7 7 5 5 8  6 ~40 8 7 5 5 4 3 3 7 5    11/3 F(2,12)α=5%=3.89 πF≧5.0<α 帰無仮説を棄却 在胎週数によって黄疸の強さに差がある

集団検診で肥満者14名を抜き出し、体重によって3群に分けて、 血中の中性脂肪濃度を調べた。各群間で中性脂肪濃度に差が 問題例2 集団検診で肥満者14名を抜き出し、体重によって3群に分けて、 血中の中性脂肪濃度を調べた。各群間で中性脂肪濃度に差が あるといえるか。有意水準5%で検定しなさい。 中性脂肪濃度は非正規分布 帰無仮説:肥満群間で中性脂肪濃度に差がない H0:順位は各群にばらつく 対立仮説:肥満群間で中性脂肪濃度に差がある H1:順位が群間で偏りがある

Kruskal-Wallis検定(ノンパラメトリック法) K=3かつN=n1+n2+n3≦17の場合 Kruskal-Wallis検定表 n1 n2 n3 P<0.05 ・  ・  ・ 5 5 5.666 πH≧5.96<α 帰無仮説を棄却 群間で測定値に差がある

教科書付録(p362)

健常成人32名について血中ホルモン値Aを測定し、その年齢別 分布を見た。Aの値には年齢差があるといえるか。有意水準5% 問題例3 健常成人32名について血中ホルモン値Aを測定し、その年齢別 分布を見た。Aの値には年齢差があるといえるか。有意水準5% πx≧14.44<α 帰無仮説を棄却 :分散は一様ではない Kruskal-Wallis検定:大標本の場合 分散は一様か yes パラメトリック法 分散分析:F分布 no Hは自由度k-1のχ2分布に従う

χ2=5.59 df=k-1=4,χ2α=5%=9.488 πx≧5.59>α 帰無仮説を棄却できない 血中ホルモン値Aの値には年齢差があるとは言えない

演習7.1 血中物質Aの濃度を日を変えて3~5回測定した。 (1)個体間変動は個体内変動に比べて有意に大きいとみなせるか。 (2)標準偏差で見たときの個体間変動に対する個体内変動の比を求めよ。