Journal club 聖マリアンナ医科大学 西部病院 3年目 遠藤 拓.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
Lesson 19. 評価の指標 §B. ROC 曲線. 疾 患 +- 検 査 + a (真陽性) b (偽陽性) - c (偽陰性) d (真陰性)
Advertisements

Update in ESC: Dabigatran among OAC
輸血の適応/適正使用 血小板製剤 福井大学輸血部 浦崎芳正.
背景 CABGを必要とする虚血性冠動脈疾患の背景には動脈硬化の影響があり、プラークの退縮効果が明らかにされているスタチンを投与することで予後を改善する効果が期待される CABGを行った患者に対しスタチンを投与することで予後を改善する効果を検証することが本研究の目的である 2015/2/17 第45回日本心臓血管外科学会.
エビデンスとなる研究論文を検索・読解する必要があります。
CHA2DS2-VAScスコア別 RE-LY®サブグループ解析結果の考察 小川 久雄 熊本大学大学院 生命科学研究部 循環器病態学
Yokohama City Save Hospital ☆Emergency and Critical Care Medicine☆
トラネキサム酸の効果 出血を伴う外傷患者の死亡リスクを低下 科学的根拠をここに示します.
I gA腎症と診断された患者さんおよびご家族の皆様へ
磁気治療機器が、線維筋痛症患者の痛みを抑制 できるかどうかを検討する。 同時に機器の安全性を検討する。
Journal Club N Engl J Med 2014; 370:
ICU退室後のPTSDと家族の精神状況 おもしろいとおもいます。 しかし、統計学的手法が難しい研究ですね。
聖マリアンナ医科大学救命救急医学教室 今西 博治
開放隅角や閉塞隅角でも治療済みであれば制限はありません
チュートリアルシリーズ 検索事例編③ 小児の頭部外傷 リスク評価について (CT検査は必要か?)
家族の介護負担とメンタルサポート (part II)
集中治療室入室経験者の その後の生活・人生について
CHA2DS2-VAScスコア別 RE-LY®サブグループ解析結果の考察 小川 久雄 熊本大学大学院 生命科学研究部 循環器病態学
かゆみが血液透析患者のQOLに与える影響の検討 ~SF-36v2を使用して~
Targeted Temperature Management at 33℃ versus 36℃ after Cardiac Arrest
回復期リハビリテーションの成績報告 脳卒中の病型・部位別に
臨床検査のための代替キャリブレーション:ノルトリプチリン治療薬モニタリングへの応用
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 後記研修医 三上翔平
装具完成までの期間の検討 葛西循環器脳神経外科病院 リハビリテーション室1) 同脳神経外科2) 早川義肢製作所3)
顔の湿疹様病変 を  治すに あたって 鳴海クリニック院長 鳴 海 淳 郎.
Journal Club 「蘇生後におけるミオクローヌス」
糖尿病 診断・治療の流れ 診断と治療の流れ 問診・身体診察 検査 診断 治療
Intensive Care Med (2014) 40:320–331
Hironori Kitaoka.
脳死について  最近よく取り上げられるニュースのひとつである脳死について考えて行こうと思う。  舘野 友裕.
Journal Club 2013/11/19 聖マリアンナ医科大学 救急医学 吉田英樹
Outcomes Among Patients Discharged From Busy Intensive Care Units
介護予防サービス・支援計画表 記入のポイント.
関西リハビリ病院におけるCI療法 方法 治療期間 訓練内容 非麻痺側上肢をミトンで固定 麻痺側上肢のみで集中的な運動を実施
チュートリアルシリーズ 検索事例編② 静脈血栓塞栓症(VTE) 予防 ガイドラインの参照について
聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院 救命    古澤 彩美.
2007年10月14日 精神腫瘍学都道府県指導者研修会 家族ケア・遺族ケア 埼玉医科大学国際医療センター 精神腫瘍科 大西秀樹.
裏面に新たな認定基準の一覧を掲載していますので、ご参照ください。
裏面に新たな認定基準の一覧を掲載していますので、ご参照ください。
裏面に新たな認定基準の一覧を掲載していますので、ご参照ください。
一般財団法人 仁風会 嵯峨野病院 在宅事業部長 川添チエミ
脳死は人の死? 志津川教室 高1 M.M 志津川教室、高校1年生、M.Mです。 これから脳死について調べたことの発表を始めます。
疫学概論 ROC曲線 Lesson 19. 評価の指標 §B. ROC曲線 S.Harano, MD,PhD,MPH.
一般住民と比較した米国透析患者の標準化自殺率比(SIR) 表.一般住民と透析患者の年齢階級別死亡者数
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 3年目 桝田 志保
東京ベイ浦安市川医療センター 菅原 誠太郎.
新規経口抗凝固薬の検査室による 評価:凝固検査間の適合性や変動 性の方法
Interventions to Improve the Physical Function of ICU Survivors            (CHEST 2013;144(5): ) 聖マリアンナ医科大学 救急医学 田北 無門.
偶発性低体温患者(非心停止)の復温法 復温法 軽中等度低体温 ≧30℃ 高度低体温 <30℃ ○ PCPS 能動的体外復温法
疫学概論 疾病の自然史と予後の測定 Lesson 6. 疾病の自然史と 予後の測定 S.Harano,MD,PhD,MPH.
予後因子(入院時年齢・FIM・発症後日数)の階層化による回復期リハの成果測定法の提唱
St. Marianna University, School of Medicine Department of Urology 薄場 渉
疫学概論 バイアス Lesson 17. バイアスと交絡 §A. バイアス S.Harano, MD,PhD,MPH.
緊急輸血・大量輸血 山形大学輸血部 田嶋克史.
UFT服薬に関しての注意事項 ☆ 患者さんには「UFT服用のてびき」をお渡し下さい。.
Journal Club 2013/11/19 聖マリアンナ医科大学 救急医学
内科ないか? 〜精神科コンサルト前に〜 沖縄県立中部病院ER 岡正二郎.
4.「血液透析看護共通転院サマリーVer.2」
患者さんへの説明補助イラスト -脳せきずい液中のオステオポンチン に関する疾患比較研究- 版
高齢慢性血液透析患者の 主観的幸福感について
肺の構造. 肺の構造 肺の間質とは? IPF(特発性肺線維症)とは? IPF患者さんの肺の画像(胸部X線)
院内の回復期リハ病棟間の成果比較  -予後因子(入院時年齢・FIM・発症後日数)の階層化による測定法を用いて-
裏面に新たな認定基準の一覧を掲載していますので、ご参照ください。
図1 産卵率の推移(10月群) 日 齢 ヘンディ産卵率 10月群 26年5月群 成績指標 10月群の産卵率の推移です。
間欠型一酸化炭素中毒に対する高気圧酸素治療の限界
1. ご高齢の糖尿病患者さんと 若い人との違いはなに? 2. ご高齢の糖尿病患者さんの 治療上の注意点 3. ご高齢の糖尿病患者さんの
南魚沼市民病院 リハビリテーション科 大西康史
疫学概論 §C. スクリーニングのバイアスと 要件
臨床検査結果のハーモナイゼーションに対して、国際コンソーシアム(ICHCLR)が作 製した技術手順のツールボックスを用いて検討した、アルコール症バイオ マーカーである糖鎖欠損トランスフェリン測定のハーモナイゼーションに ついて C. Weykamp, J. Wielders, A. Helander,
誰も言わなかったが、実は誰もが知っている
Presentation transcript:

Journal club 聖マリアンナ医科大学 西部病院 3年目 遠藤 拓

Prognostication of neurologic outcome in cardiac arrest patients after mild therapeutic hypothermia : a meta-analysis of the current literature Intensive Care Med (2013) 39:1671–1682 DOI 10.1007/s00134-013-3004-y

背景introduction/目的aim CPA蘇生後の神経学的予後評価として、以下の4つの 指標が信頼性があるとAAN(American academy of neurology)が提言  ①clinical neurological examination   (including corneal reflexes, pupillary reflexes and     motor response)  ②myoclonic status epilepticus  ③somatosensory evoked potential (SSEP)  ④ neuron-specific enolase (NSE) serum levels

前述の因子うち、以下の2項目の特異度と偽陽性率を評価   ①clinical neurological examination (including      corneal reflexes, pupillary reflexes and motor     response)   ③somatosensory evoked potential (SSEP) これらの評価項目は、低体温療法を施行しないCPA蘇生後 患者の予後不良因子としては有用とされているが、 低体温 療法を施行した患者に対して有用か否かを評価した研究は 未だに存在しない 本研究の目的は、これらの指標がCPA蘇生後患者の低体温 療法後の神経学的予後不良の因子となるのかという、メタ解 析の研究報告である これらの評価項目は、低体温療法を施行しないCPA蘇生後患者の予後不良因子として有用とされる項目であるが、 低体温療法を施行した患者に対する予後不良因子を評価した論文はいまだに存在しない。  ↑を入れてください。でないと今回の研究の脈絡がありません。

方法:study selection 対象(下記患者群を含む研究を選出) 18歳以上の成人 心肺停止からの自己心拍再開後、昏睡状態 心肺停止後(原因は無関係)12~24時間以内に低 体温療法が施行された患者

方法:outcome measures 結果は退院時もしくはそれ以降に決定 結果はfavourableかunfavourableかで判断 GOS 1~3 4~5 mRS 5~6 0~3 CPC scale 3~5 1~2 GOS、mRS、CPC scaleについて必ず突っ込まれます。 これが、oucome設定の肝のため、ネットで調べておいてください。 GOS:Glasgow outcome scale mRS:modified Rankin scale CPC scale: cerebral performance category scale

補足 Glasgow Outcome Scale:GOS 意味 1:dead 死亡 2:vegetative state 植物状態 3:severely disabled 身体的・精神的障害のため, 日常生活に介助を要する. 4:moderately disabled ある程度の神経学的・知的障害があるが,日常生活は自立出来る. 5:good recovery 後遺症がないかわずかに障害を残すが元の生活に戻れている. Unfavour Favour

modified Rankin scale:mRS 値 Rankin Scale 参考にすべき点 まったく症候がない 自覚症状および他覚徴候がともにない状態である 1 症候はあっても明らかな障害はない 日常の勤めや活動は行える 自覚症状および他覚徴候はあるが、発症以前から行っていた仕事や活動に制限はない状態である 2 軽度の障害 発症以前の活動がすべて行えるわけではないが、自分の身の回りのことは介助なしで行える  発症以前から行っていた仕事や活動に制限はあるが、日常生活は自立している状態である 3 中等度の障害 歩行や身体的要求には介助が必要である 通常歩行、食事、身だしなみの維持、トイレなどには介助を必要とするが、持続的な介護は必要としない状態である 4 中等度から重度の障害 寝たきり、失禁状態、常に介護と見守りを必要とする 5 重度の障害 常に誰かの介助を必要とする状態である 6 死亡 Favour Unfavour

Cerebral Performance Categories Scale :CPC Scale Favour Unfavour

方法:statistical analysis 参照基準はfavourableかunfavourableか 2×2検定で評価 FPR(偽陽性率) =1 – specificity(特異度)で計算 95 % confidence intervals (CI)にて、全ての評価 項 目を算出 論文の異質性 : Higgins I2にて評価

結果 :Result Study characteristic 445の文献から最終的に 10個の文献に絞られた

Total of included patients per study compared to the included patients per test

Summary measures of sensitivity and false positive rate FPRが低く、かつ95%CIの幅も非常に狭い二項目が、指標として有用 (異質性があるのは、GCSだけであったと思います) FPRが低くかつ 95%CIの幅も非常に狭い 上記二項目が 指標として有用であることが示された (異質性があるのは、GCSのみ)

Bilaterally absent SSEP 72hrs 心停止後72hのBilaterally absentの TPR、FPR Sensitivity (95 % CI) 0.50 (0.42–0.57) FPR (95 % CI) 0.007 (0.001–0.047) Higgins I2 0%

GCS motor response 心停止後72hの Gcs motor response 1–2 のTPR とFPR Sensitivity (95 % CI) 0.80 (0.63–0.91) FPR (95 % CI) 0.21 (0.08–0.43) Higgins I2 23%

Bilaterally absent corneal reflexes 心停止後72hのbilaterally absent corneal reflexes のTPR とFPR Sensitivity (95 % CI) 0.32 (0.27–0.39) FPR (95 % CI) 0.02 (0.002–0.13) Higgins I2<1%

Bilaterally absent pupillary reactions 心停止後72hのbilaterally absent pupillary reflexes のTPR とFPR Sensitivity (95 % CI) 0.22 (0.18–0.27) FPR (95 % CI) 0.004 (0.001–0.03) Higgins I2 0% 

Discussion GCS motor scoreと角膜反射は予後指標として有用性 が低いことが明らかになった 対光反射消失とSSPE消失においてはFPRが低く95% CIが狭いことから予後指標として有用性がある 予後判定には高い特異性と狭い信頼区間を備えている 必要がある → ここ日本語訳変です 英語の意味は、この二項目はFPRが低く、さらに95%CIも狭いことから有用である (また、この二項目の妥当性は、低体温療法を施行していない症例と同等であった。 と記載されています。 要は、最初の一文でよいですが。)

Discussion 低体温療法では、鎮静剤や麻酔薬、そしてそれらの代謝物 の排泄が遷延する可能性がある。予後不良因子の評価項 目の信頼性の低下に、少なからず関与した可能性が指摘さ れる 今回のメタ解析において、最近用いられている臨床的指標 は低体温療法後の患者の予後評価の指標に必ずしも適応 出来るわけではない事を示した またこれらの指標の結果解析は、積極的治療からの撤退に 繫がる為、十二分に慎重な解析を行う必要がある  ※今回の研究解析の中でも、SSEPの解析が不十分の   症例の中に、意識が回復した症例を認めた

Limitation 研究ごとの多様性から、予後不良と評価された結果は44〜 79%と ばらつきを認めた 各検査が心停止後の異なる時間ポイントで行なわれた 結果判定が、退院から退院の6か月後までの様々な期間で評 価された 研究病院ではILCORガイドラインによる治療を基本としたが、 鎮静剤、麻酔および筋弛緩剤の使用において異なる点があり、 鎮静剤と鎮痛剤の血清濃度はどの研究においても決定されな かった 積極的治療の撤回の基準は研究間で異なり、多くの研究には 生命維持からの治療撤退に関する厳密なプロトコルがなかっ た これらの違いは、指標の有効性の間のいくつかの異成分において説明出来るかもしれない。

Conclusion 心停止後の低体温療法を施行した場合の初期の予後予測は、 低 体温療法自体および鎮静剤の使用によって影響を受けてしまうため、 評価が困難である GCS motor scoreおよび角膜反射は、低体温療法を施行された場 合の早期予後予測には信頼性が低い 対光反射とSSEPは、低体温療法未施行の研究と比較しても 遜色 なく、信頼性が高い 今後の課題は、心停止後72時間で検査が施行された場合、臨床・ 神経学的指標がどのように改善するか、また予後予測のため検査 を行うのに最適な評価時期を識別することが重要である