感染症・がんの治療薬 抗菌薬1
抗菌薬の分類
抗菌薬の分類 化学構造に基づく分類 作用点に基づく分類 β-ラクタム ペプチドグリカン合成阻害薬 ペナム タンパク質合成阻害薬 セフェム β-ラクタム ペナム セフェム カルバペネム アミノグリコシド テトラサイクリン マクロライド キノロン グリコペプチド サルファ薬 作用点に基づく分類 ペプチドグリカン合成阻害薬 タンパク質合成阻害薬 DNAジャイレース阻害薬 抗結核薬 ハンセン病治療薬
β-ラクタム系抗菌薬 (カルバペナム) オキサペナム ペナム (オキサペネム) ペネム カルバペネム (カルバセフェム) オキサセフェム
キノロン系抗菌薬 キノロン キノロンカルボン酸 フルオロキノロン (ニューキノロン) ピリドンカルボン酸 ~キサシン
アミノグリコシド系抗菌薬 アミノサイクリトール アミノ糖 アミノ糖 中性糖 アミノサイクリトール アミノ糖 カナマイシン ストレプトマイシン
テトラサイクリン系抗菌薬 クロルテトラサイクリン オキシテトラサイクリン ナフタセン(テトラセン)骨格 ~サイクリン
マクロライド系抗菌薬 エリスロマイシン ジョサマイシン 大環状ラクトン(14員環,16員環)+糖
グリコペプチド系抗菌薬 バンコマイシン
サルファ薬 p-アミノ安息香酸 スルファミン ジヒドロ葉酸 チミジル酸合成系 → DNA
化学療法薬の効果測定法
抗菌薬の効果測定法 希釈法 化学療法薬の培地による希釈系列を作成し,試験菌が増殖できなくなる 最小濃度(最小阻止濃度:MIC)を求める。 化学療法薬の培地による希釈系列を作成し,試験菌が増殖できなくなる 最小濃度(最小阻止濃度:MIC)を求める。 寒天(平板)希釈法・・・MIC測定法の標準 寒天培地(通常Mueller-Hinton培地)による希釈系列 液体希釈法・・・省力化,自動化を目的とした簡便法 液体培地による希釈系列(96穴プレート) 最小殺菌濃度(MBC)を求めることができる MIC測定後の培養液 → 薬剤無添加培地・・・菌が増殖しない最小濃度
寒天平板希釈法 100 50 25 12.5 6.25 3.12 µg/mL 1.56 0.78 0.39 0.20 0.10 0.05 µg/mL 菌A 菌B 菌A・・・MIC 6.25 µg/mL 菌B・・・MIC 0.78 µg/mL
抗菌薬の効果測定法 拡散法 寒天平板培地中に一定濃度の抗菌薬を一点から拡散させ, 阻止円の大きさにより薬剤の力価を測定する 寒天平板培地中に一定濃度の抗菌薬を一点から拡散させ, 阻止円の大きさにより薬剤の力価を測定する 円筒平板法(カップ法) 平板上に置いた円筒内に薬剤溶液を一定量注入する 穿孔平板法 平板を小円形にくり抜き,その中に薬剤溶液を一定量注入する ディスク法 パルプディスクに一定量の薬剤溶液を染みこませ,平板上に置く ディスク 阻止円 菌の増殖 d = alogP + b d:阻止円の直径 P:薬剤の力価
化学療法薬の効果判定 抗菌薬の効果判定 MIC値低 → 感受性 MIC値高 → 抵抗性(非感受性) 感受性菌多 → 抗菌スペクトル広 感受性菌多 → 抗菌スペクトル広 感受性菌少 → 抗菌スペクトル狭 抗菌薬以外の化学療法薬 IC50 がん細胞の増殖を50%に低下させる薬剤濃度 EC50 ウイルスの力価を50%に低下させる薬剤濃度
βーラクタム系抗菌薬
抗菌薬の国内市場(2013年) 一般名 グループ 売上(億円) レボフロキサシン キノロン 335 クラリスロマイシン マクロライド 265 一般名 グループ 売上(億円) レボフロキサシン キノロン 335 クラリスロマイシン マクロライド 265 タゾバクタム・ピペラシリン β-ラクタマーゼ阻害薬+ペニシリン 255 セフカペン ピボキシル セフェム 160 セフジトレン ピボキシル セフェム 155 ガレノキサシン キノロン 115 アジスロマイシン マクロライド 110 リネゾリド その他 105 メロペネム カルバペネム 100 スルバクタム・アンピシリン β-ラクタマーゼ阻害薬+ペニシリン 100
抗生物質 微生物によって生産され,微生物に対して,その発育や増殖を阻止し,あるいは死滅させる作用のある化学物質(狭義) 微生物によって生産され,微生物あるいはがん細胞に対して,その発育や増殖を阻止し,あるいは死滅させる作用のある化学物質(広義)
ペニシリンの発見 Alexander Fleming (1881-1955) ペニシリン(1928) アオカビPenicillium nonatumが生産する 抗ブドウ球菌(Staphylococci)物質 ペニシリン(1928) 化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes) 肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae) 抗菌作用,毒性なし 低生産性のため単離できなかった
ペニシリンの再発見 Howard Flory (1898-1968) & Ernst Chain (1906-1979) ペニシリン研究再開(1938) ペニシリンの臨床試験(1941) ペニシリンGの構造決定(1945) a b βーラクタム ペニシリンG(ベンジルペニシリン) グラム陽性菌,グラム陰性球菌,スピロヘータに有効 経口吸収性は悪い ペニシリナーゼにより分解される
ペニシリン系抗菌薬の開発 ベンジルペニシリン 注射薬(カリウム塩) ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae),腸球菌属, 淋菌(Neisseria gonorrhoeae),髄膜炎菌(Neisseria meningitidis), ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae),炭疽菌(Bacillus anthracis), 放線菌,破傷風菌(Clostridium tetani),ガス壊疽菌群, 回帰熱ボレリア(Borrelia recurrentis),ワイル病レプトスピラ(Leptospira icterohemorrhagiae), 鼠咬症スピリルム(Spirillum minus),梅毒トレポネーマ (Treponema pallidum) 経口薬(ベンザチン塩) レンサ球菌属,肺炎球菌,梅毒トレポネーマ
ペニシリン耐性菌の出現 ペニシリナーゼ (βーラクタマーゼ) ロンドンの病院内で分離されたペニシリン耐性ブドウ球菌 1946年 15% 1946年 15% 1947年 40% 1948年 60%
ペニシリンの改良 ベンジルペニシリンの特性 グラム陽性菌,グラム陰性球菌に有効 → グラム陰性桿菌に無効 酸性で不安定 → 経口投与では無効 グラム陽性菌,グラム陰性球菌に有効 → グラム陰性桿菌に無効 酸性で不安定 → 経口投与では無効 ペニシリナーゼによる分解 ペニシリンアシラーゼ ベンジルペニシリン 6-アミノペニシラン酸 (6-APA)
半合成ペニシリン 化学反応 or 酵素 ペニシリナーゼ 抵抗性 6-APA メチシリン
ペニシリナーゼ耐性ペニシリン クロキサシリン ペニシリナーゼ阻害活性を有する 経口で吸収される アンピシリンとの合剤で用いられる 抗菌スペクトルはベンジルペニシリンと同じ ペニシリナーゼに対して安定 ペニシリナーゼ阻害活性を有する 経口で吸収される アンピシリンとの合剤で用いられる
広域ペニシリン ・ベンジルペニシリンと比較してグラム陰性桿菌へスペクトル拡大 ・経口で吸収される ・ペニシリナーゼ感受性 アンピシリン ・経口で吸収される ・ペニシリナーゼ感受性 アンピシリン アモキシシリン 経口薬,注射薬 内服時の吸収やや悪い 経口薬 抗菌力同等 内服時の血中濃度高 ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌, 腸球菌属,淋菌,髄膜炎菌,炭疽菌,放線菌, 大腸菌(Escherichia coli),Proteus mirabilis, インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae), 赤痢菌(Shigella spp.),梅毒トレポネーマ ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌, 腸球菌属,淋菌,大腸菌,Proteus mirabilis,インフルエンザ菌,Helicobacter pylori, 梅毒トレポネーマ
広域ペニシリン(第3群) バカンピシリン アンピシリンのプロドラッグ アンピシリンより経口吸収がよい
広域ペニシリン(第3群) アスポキシシリン ピブメシリナム 注射薬 メシリナムのプロドラッグ(経口薬) グラム陽性菌に対する抗菌力やや弱い グラム陽性菌に無効 グラム陰性桿菌に対する抗菌力強い 肺炎桿菌,Citrobacter,Enterobacterに有効 注射薬 グラム陽性菌に対する抗菌力やや弱い グラム陰性桿菌に対する抗菌力やや強い Bacteroidesに有効
広域ペニシリン ピペラシリン 注射薬 緑膿菌に有効 抗菌力はアンピシリンより弱い ペニシリナーゼにやや安定 ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属, 大腸菌,Citrobacter,肺炎桿菌,Enterobacter, Serratia, Proteus,Morganella morganii,Providencia, インフルエンザ菌,緑膿菌,Bacteroides,Prevotella
ペプチドグリカントランスペプチダーゼ ペニシリン結合タンパク質(PBPs) b-ラクタム
Acremonium chrysogenum セフェム系抗菌薬 セファロスポリンC Acremonium chrysogenum ベンジルペニシリンより低毒性 ペニシリナーゼ抵抗性 ベンジルペニシリン ペニシリナーゼ抵抗性 グラム陽性菌 グラム陰性菌 経口薬 セファレキシン
(カルバペナム) オキサペナム ペナム (オキサペネム) ペネム カルバペネム (カルバセフェム) オキサセフェム セフェム (オキサセファム) (セファム) (カルバセファム)
セフェム系抗菌薬 ベンジルペニシリン セファレキシン 化学反応 or 酵素 セファロスポリンC 7-アミノセファロスポラン酸 (7-ACA) 3 3 ベンジルペニシリン セファレキシン Penicillium chrysogenum 化学反応 or 酵素 7 3 セファロスポリンC 7-アミノセファロスポラン酸 (7-ACA) Acremonium chrysogenum
第1世代セフェム(注射薬) 広域ペニシリンとの比較 ペニシリナーゼ産生ブドウ球菌,大腸菌,肺炎桿菌 ↑ ペニシリナーゼ産生ブドウ球菌,大腸菌,肺炎桿菌 ↑ 肺炎球菌,化膿レンサ球菌,腸球菌,インフルエンザ菌 ↓ ペニシリナーゼに抵抗性,セファロスポリナーゼに感受性 セファロチン セファゾリン ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌, 大腸菌,肺炎桿菌, Proteus mirabilis, Providencia
第1世代セフェム(経口薬) セファクロル セフロキサジン 広域ペニシリンとの比較 ペニシリナーゼ産生ブドウ球菌,大腸菌,肺炎桿菌 ↑ ペニシリナーゼ産生ブドウ球菌,大腸菌,肺炎桿菌 ↑ 肺炎球菌,化膿レンサ球菌,淋菌,インフルエンザ菌 ↓ 腸球菌 ↓↓ ペニシリナーゼに抵抗性,セファロスポリナーゼに感受性
第2世代セフェム(注射薬) セフォチアム 第1世代セフェムとの比較・・・グラム陰性桿菌に対するスペクトル拡大 ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌, 大腸菌,Citrobacter,Klebsiella,Enterobacter,Proteus, Morganella morganii,Providencia rettgeri,インフルエンザ菌
第2世代セフェム(経口薬) セフロキシム アキセチル セフォチアム ヘキセチル 第1世代セフェムとの比較・・・グラム陰性桿菌に対するスペクトル拡大
第1世代セフェム セファロチン 第2世代セフェム セフロキシム セフォチアム 第3世代セフェム セフォタキシム セファロスポリナーゼ 抵抗性強化 セフォチアム 阻害活性強化 外膜透過性改善 第3世代セフェム セフォタキシム
第3世代セフェム(注射薬) セフォタキシム セフメノキシム セフォジジム 第2世代セフェムとの比較・・・グラム陰性桿菌への効果拡大 大腸菌,肺炎桿菌,Proteus,Citrobacter,Enterobacter,インフルエンザ菌 ↑ Serratia,Bacteroides ↑↑ ブドウ球菌 ↓ ・・・ブドウ球菌に適応なし ペニシリナーゼ,セファロスポリナーゼに抵抗性
第3世代セフェム(注射薬) セフトリアキソン 血中持続性が改善(1 g静注時の血中半減期7.5 h) ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,淋菌,大腸菌, Citrobacter,Klebsiella,Enterobacter,Serratia,Proteus,Morganella morganii,Providencia,インフルエンザ菌,Peptostreptococcus,Bacteroides,Prevotella
第3世代セフェム(注射薬) セフォペラゾン 緑膿菌に有効 ブドウ球菌への適応なし セファロスポリナーゼにやや不安定 レンサ球菌属,肺炎球菌,大腸菌,Citrobacter,Enterobacter, Klebsiella,Serratia, Proteus,Morganella morganii,Providencia rettgeri, インフルエンザ菌,緑膿菌,Bacteroides,Prevotella
第3世代セフェム(経口薬) 第1世代セフェムとの比較・・・グラム陰性桿菌に対する効果拡大 ブドウ球菌に適応なし セフィキシム ブドウ球菌に適応なし セフィキシム セフテラム ピボキシル セフチブテン グラム陽性菌に適応なし
第3世代セフェム(経口薬) 第1世代セフェム → グラム陰性桿菌に対する効果拡大 セフポドキシム プロキセチル ブドウ球菌に適応あり
第3世代セフェム(経口薬) 旧第3世代セフェム → ブドウ球菌に対する抗菌力改善 セフジニル セフカペン ピボキシル
第3世代セフェム(経口薬) セフジトレン ピボキシル ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,淋菌, 大腸菌,Citrobacter,Klebsiella,Enterobacter,Serratia,Proteus, Morganella morganii,Providencia,インフルエンザ菌,百日咳菌, Peptostreptococcus,Bacteroides,Prevotella,アクネ菌
(第4世代)セフェム(注射薬) 第3世代セフェムとの比較・・・緑膿菌に適応拡大 ベタイン構造を有する セフタジジム セフェピム セフピロム
(第4世代)セフェム(注射薬) 第3世代セフェムとの比較・・・緑膿菌,腸球菌に適応拡大 セフォゾプラン ベタイン構造を有する チアゾール → チアジアゾール セフォゾプラン ブドウ球菌,レンサ球菌,肺炎球菌,腸球菌,Moraxella catarrhalis,大腸菌,Citrobacter,Klebsiella,Enterobacter,Serratia,Proteus,Morganella morganii,Providencia,インフルエンザ菌,Pseudomonas,緑膿菌,Burkholderia cepacia,Stenotrophomonas maltophilia,Acinetobacter,Peptostreptococcus,Bacteroides,Prevotella
セファマイシン系抗菌薬 セファマイシンC (1971) Streptomyces clavuligerus β-ラクタマーゼに極めて安定
セファマイシン系抗菌薬(注射薬) セフメタゾール セフミノクス 第1世代セフェムとの比較 グラム陰性桿菌に対する抗菌スペクトル拡大 グラム陰性桿菌に対する抗菌スペクトル拡大 グラム陰性桿菌に対する抗菌力改善 グラム陽性菌に対する抗菌力低下
オキサセフェム系抗菌薬(注射薬) ラタモキセフ フロモキセフ グラム陰性桿菌(緑膿菌を除く)に有効 グラム陽性菌,グラム陰性菌に広く有効 大腸菌,Citrobacter,Enterobacter,Klebsiella,Serratia,Proteus,Morganella morganii,Providencia, インフルエンザ菌,Bacteroides,Prevotella グラム陽性菌,グラム陰性菌に広く有効 ブドウ球菌属(軽度耐性MRSAを含む), レンサ球菌属,肺炎球菌,淋菌,Moraxella catarrhalis ,大腸菌,Klebsiella,Proteus,Providencia,Morganella morganii, インフルエンザ菌,Peptostreptococcus,Bacteroides,Prevotella
モノバクタム系抗菌薬 スルファゼシン (1981) SQ26823 (1981) アズトレオナム(注射薬) Pseudomonas acidphila Agrobacterium radiobacter アズトレオナム(注射薬) 好気性グラム陰性菌に対して選択的に優れた抗菌作用を示す
カルバペネム系抗菌薬 チエナマイシン (1976) 1 : 1 イミペネム・シラスタチン(注射) Streptomyces cattleya 強力な抗菌活性 広い抗菌スペクトル 腎デヒドロペプチダーゼ I → 分解物の腎毒性 1 : 1 デヒドロペプチダーゼ I阻害薬 イミペネム・シラスタチン(注射) グラム陽性菌全般(含腸球菌),グラム陰性菌全般(含緑膿菌,Bacteroides) 副作用:痙攣,意識障害などの中枢神経系障害と腎機能障害 併用禁忌:バルプロ酸ナトリウム(抗てんかん薬)・・・血中濃度低下
カルバペネム系抗菌薬 有機イオン輸送抑制薬 パニペネム 1 : 1 ベタミプロン 腎デヒドロペプチダーゼ Iに対する安定性の強化 注射薬
カルバペネム系抗菌薬 メロペネム(注射) ビアペネム(注射) ドリペネム(注射) 4-メチル基の導入により,デヒドロペプチダーゼⅠに対する安定性獲得 メロペネム(注射) ビアペネム(注射) ドリペネム(注射) 副作用:腎障害,中枢神経障害 併用禁忌:バルプロ酸ナトリウム
セフェム(セフォゾプラン) vs カルバペネム(メロペネム) ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属,Moraxella catarrhalis, 大腸菌,Citrobacter,Klebsiella,Enterobacter,Serratia,Proteus,Morganella morganii,Providencia,インフルエンザ菌,Pseudomonas, 緑膿菌,Burkholderia cepacia,Stenotrophomonas maltophilia,Acinetobacter,Peptostreptococcus,Bacteroides,Prevotella ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属,髄膜炎菌, Moraxella catarrhalis,大腸菌,Citrobacter,Klebsiella,Enterobacter, Serratia,Proteus,Providencia,インフルエンザ菌,Pseudomonas, 緑膿菌,Burkholderia cepacia,Bacteroides,Prevotella
カルバペネム系抗菌薬(経口) テビペネム ピボキシル 黄色ブドウ球菌,レンサ球菌属,肺炎球菌,Moraxella catarrhalis,インフルエンザ菌 小児用細粒10%・・・肺炎,中耳炎,副鼻腔炎 併用禁忌:バルプロ酸ナトリウム
ペネム系抗菌薬 ファロペネム(経口) ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属,Moraxella catarrhalis,大腸菌,Citrobacter,Klebsiella,Enterobacter,Proteus mirabilis, インフルエンザ菌,Peptostreptococcus,Bacteroides,Prevotella,アクネ菌 Serratiaに対する抗菌力は弱く,緑膿菌には無効 β-ラクタマーゼに対して安定
b-ラクタマーゼ阻害薬 b-ラクタマーゼ 不可逆的阻害 アモキシシリン クラブラン酸 Streptomyces clavuligerus
b-ラクタマーゼ阻害薬配合b-ラクタム アモキシシリン・クラブラン酸(経口) 配合錠(2:1) ドライシロップ(14:1) ペニシリナーゼ産生ブドウ球菌,Klebsiella,Proteus vulgaris,Bacteroidesに適応拡大 レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属,Helicobacter pylori,梅毒トレポネーマは適応外
b-ラクタマーゼ阻害薬配合b-ラクタム 2 : 1 アンピシリン・スルバクタム(注射) スルタミシリン(経口) 2 : 1 アンピシリン・スルバクタム(注射) ブドウ球菌属,大腸菌,Proteus,インフルエンザ菌 スルタミシリン(経口) 生体内エステラーゼによりアンピシリンとスルバクタムに解離 アンピシリンの経口吸収性改善
b-ラクタマーゼ阻害薬配合b-ラクタム ペニシリナーゼ耐性ペニシリン 1 : 1 アンピシリン・クロキサシリン(経口)
b-ラクタマーゼ阻害薬配合b-ラクタム 1 : 1 セフォペラゾン・スルバクタム(注射) 1 : 1 セフォペラゾン・スルバクタム(注射) ブドウ球菌属,大腸菌,Citrobacter,Klebsiella,Enterobacter,Serratia, Proteus,Providencia rettgeri,Morganella morganii,インフルエンザ菌,緑膿菌,Acinetobacter,Bacteroides,Prevotella
b-ラクタマーゼ阻害薬配合b-ラクタム 4 : 1 ピペラシリン・タゾバクタム(注射) ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属, 4 : 1 ピペラシリン・タゾバクタム(注射) ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属, Moraxella catarrhalis,大腸菌,Citrobacter,Klebsiella,Enterobacter, Serratia, Proteus,Providencia, インフルエンザ菌,緑膿菌,Acinetobacter
β-ラクタムの構造活性相関 β-ラクタマーゼに対する安定性の増強 グラム陰性菌に対する抗菌力の増強 セフメタゾール フロモキセフ セフロキシム セフォタキシム セフチブテン セフカペン クロキサシリン グラム陰性菌に対する抗菌力の増強 セフォチアム セフォタキシム セフォゾプラン
抗緑膿菌活性 グラム陰性菌に対する抗菌力の増強 血清タンパク結合率の低下 生体内で代謝され 一部不活性化 生体内で代謝されにくく安定 セファロチン セフォタキシム ラタモキセフ フロモキセフ 生体内で代謝されにくく安定 嫌アルコール作用 (アンタブース反応) セフォペラゾン ピペラシリン 経口吸収率の改善 殺菌力の増強 セフェピム セフォゾプラン アモキシシリン セフォペラゾン セフメノキシム
βーラクタムの副作用 ・基本的に副作用は弱く,発現頻度も低い ・過敏症反応(特にペニシリン系) 即時型・・・アナフィラキシー症状 即時型・・・アナフィラキシー症状 遅延型・・・発熱,発疹等のアレルギー症状 ・消化器障害 食欲不振,胃部不快感,悪心・嘔吐 まれに偽膜性大腸炎 ・まれに肝障害・・・一過性 ・電解質異常(大量投与時) 低カリウム血症,肺水腫,心不全様症状 ・中枢神経症状(カルバペネム系) 痙攣,呼吸停止,意識障害,呼吸抑制等 ・アンタブース反応(セフォペラゾン,ラタモキセフ,セフメタゾール等) アルコール摂取時の顔面紅潮,眩暈,嘔吐,頻脈 ・まれにビタミンK欠乏症
Moraxella catarrhalis Burkholderia cepacia PCG AB PC PIPC CEZ CCL CTM CTX CT RX CFPN -PI CAZ CZ OP FM OX AZT IPM FR PM ブドウ球菌 + レンサ球菌 肺炎球菌 腸球菌 淋菌 髄膜炎菌 大腸菌 Citrobacter 肺炎桿菌 Enterobacter Serratia Proteus mirabilis Proteus vulgaris Morganella morganii Providencia インフルエンザ菌 緑膿菌 Moraxella catarrhalis Burkholderia cepacia Stenotrophomonas maltophilia Acinetobacter Peptostreptococcus Bacteroides
MIC (mg/ml) 試験菌 薬剤 Range 50% 90% Staphylococcus aureus アンピシリン 0.125 - 64 4 32 アモキシシリン・クラブラン酸 0.25 - 4 1 2 セファクロル 2 - 32 8 16 Streptococcus pneumoniae アンピシリン 0.06 - 0.25 0.125 0.125 アモキシシリン・クラブラン酸 0.03 - 0.06 0.03 0.06 セファクロル 1 - 4 1 2 Neisseria gonorrhoeae アンピシリン 0.03 - 1 0.25 1 アモキシシリン・クラブラン酸 0.06 - 1 0.5 1 セファクロル 1 - 64 4 64 Escherichia coli アンピシリン 1 - >64 2 >64 アモキシシリン・クラブラン酸 2 - 32 4 16 セファクロル 1 - 16 4 4 Klebsiella pneumoniae アンピシリン 16 - >64 32 64 アモキシシリン・クラブラン酸 2 - 16 4 4 セファクロル 1 - 16 2 8
ペニシリン(ペナム)系抗菌薬 ベンジルペニシリン メチシリン アンピシリン アモキシシリン アモキシシリン・クラブラン酸 ピペラシリン グラム陽性菌(ブドウ球菌,レンサ球菌,肺炎球菌) グラム陰性球菌(淋菌,髄膜炎菌) ペニシリナーゼ抵抗性 アンピシリン グラム陰性桿菌にスペクトル拡大 (大腸菌,インフルエンザ菌) 経口吸収 アモキシシリン アモキシシリン・クラブラン酸 経口吸収性改善 殺菌性高い β-ラクタマーゼ阻害薬と配合 世界のベストセラー ペニシリナーゼ産生菌に有効 (ブドウ球菌,肺炎桿菌) ピペラシリン グラム陰性桿菌に抗菌スペクトル拡大 (肺炎桿菌,プロテウス,緑膿菌,バクテロイデス) 抗菌力低下
セフェム(セファロスポリン)系抗菌薬 セファレキシン セファクロル セファゾリン セフォチアム セフォチアムヘキセチル セフォタキシム グラム陽性菌(ブドウ球菌,レンサ球菌,肺炎球菌) グラム陰性菌(大腸菌,肺炎桿菌,インフルエンザ菌 ) 経口吸収 抗菌力増強 経口吸収 セファゾリン 抗菌力増強 注射薬 血中濃度持続性改善 セフォチアム セフォチアムヘキセチル 経口吸収 グラム陰性菌に対するスペクトル拡大と抗菌力増強 (プロテウス,シトロバクター,エンテロバクター) セフォタキシム グラム陰性菌に対するスペクトル拡大と抗菌力増強 ブドウ球菌に対する抗菌力低下
セフォタキシム セフトリアキソン セフタジジム セフジニル セフォゾプラン セフカペンピボキシル ブドウ球菌に対する抗菌力改善 血中濃度持続性改善 セフタジジム セフジニル ベタイン構造による抗緑膿菌活性 ブドウ球菌に対する抗菌力改善 ブドウ球菌に対する抗菌力改善 経口吸収 セフォゾプラン セフカペンピボキシル ベタイン構造による抗緑膿菌活性 腸球菌に対する抗菌力改善 グラム陽性菌に対する抗菌力増強 ブドウ球菌に対する抗菌力増強 経口吸収
オキサセフェム系抗菌薬 カルバペネム系抗菌薬 フロモキセフ イミペネム・シラスタチン メロペネム グラム陽性菌(ブドウ球菌,レンサ球菌,肺炎球菌) グラム陰性菌(大腸菌,肺炎桿菌,プロテウス,バクテロイデス ) セファロスポリナーゼ抵抗性 カルバペネム系抗菌薬 イミペネム・シラスタチン グラム陽性菌全般(含腸球菌) グラム陰性菌全般(含緑膿菌,嫌気性菌) 分解酵素デヒドロペプチダーゼⅠの阻害薬と配合 メロペネム 4-メチル基によるデヒドロペプチダーゼⅠに対する抵抗性