脂質異常症における 食事療法の基本 管理栄養士 森 律子
第1段階 総摂取エネルギー、栄養配分 およびコレステロール摂取量の 適正化 第1段階 総摂取エネルギー、栄養配分 およびコレステロール摂取量の 適正化 1)総摂取エネルギーの適正化 適正エネルギー摂取量 =標準体重*×25~30(kcal) *標準体重=[身長(m)] ×22 2 動脈硬化性疾患予防ガイドライン〈2007年版〉
2)栄養素配分の適正化 炭水化物:60% このうちの80~90%は 主食の米やでんぷん質で摂取すべきだが最近は 砂糖や清涼飲料、果糖 2)栄養素配分の適正化 炭水化物:60% このうちの80~90%は 主食の米やでんぷん質で摂取すべきだが最近は 砂糖や清涼飲料、果糖 などでの摂取が増えて いる。
タンパク:15~20% (獣鳥肉より魚肉、 大豆タンパクを多くする) タンパク:15~20% (獣鳥肉より魚肉、 大豆タンパクを多くする) 魚油には血清脂質値の改善に加え、 血圧の低下や抗凝固作用などもあり、 大豆タンパクはLDL-C値低下、HDL- C値上昇作用がある。
脂 肪:20~25% (獣鳥性脂肪を少なくし、 植物性・魚肉性脂肪を多くする) ・肉の脂身、牛乳、バターなどは 総コレステロール、LDL-コレステロールを上げます。 ・オリーブ油は総コレステロール、LDL-コレステ ロールをともに下げます。 ・コーン油、ごま油などはHDL-コレステ ロールも下げてしまいます。
調理法: 肉の脂は落とす しゃぶしゃぶ、網焼き、蒸すなど (牛ロース薄切りで約20%カット) 魚の脂は逃さない 刺身、ホイル焼き、ムニエルなど
コレステロール:1日300mg以下 卵やレバーには多く含まれる。 特に卵は菓子類、食品のつなぎ、 マヨネーズなどにも含まれるため 卵料理以外での摂取が意外に多い。
食物繊維:25g以上 アルコール:25g以下 その他:ビタミン(C、E、B6、B12、 葉酸など)やポリフェノールの 含量が多い野菜、果物などの 食品を多く摂る(ただし、 果物は単糖類の含量も多いので 摂取量は1日80~100kcal 以内が 望ましい)
第1段階で血清脂質が目標値と ならない場合は第2段階へ進む 第2段階では高LDL-C血症、 高TG血症などの脂質異常症の 病型に配慮した食事療法となる まずは3ヶ月基本をやってみましょう
ところで、 心臓病や肥満の原因となる 「トランス脂肪酸」って 聞いたことありますか? 悪玉油と 言われて いるそうです ところで、 心臓病や肥満の原因となる 「トランス脂肪酸」って 聞いたことありますか? 植物油などの液状油に水素を反応させて マーガリンやショートニング、クリーム などを作る過程で一部生成されます 過剰摂取 肝臓での脂質代謝を乱して LDL-C↑、HDL-C↓ = 動脈硬化の原因
日本人は大丈夫といわれていましたが、 同じ食品群でも製品によって含有量に 大きな差があることがわかってきました。 日本人は大丈夫といわれていましたが、 同じ食品群でも製品によって含有量に 大きな差があることがわかってきました。 しかし・・・ 残念ながら日本では表示義務がないので 危険な製品の判別が難しいそうです。 そこで すでに、ニューヨークのマックではフライドポテトのトランス脂肪酸量を「0」にしたとされる 同じ食品でも色々な メーカーのものを使用して みましょう。