『子どもたちが被害者にも加害者にもならないために』 教員研修用資料 『子どもたちが被害者にも加害者にもならないために』 無料通信アプリ(LINE等の利用)に伴うトラブル事例について ①無料通信アプリの特徴(LINE等) ②無料通信アプリでのはずしの問題(LINEはずし) ③コミュニティサイト利用の危険 ④度の過ぎた悪ふざけ画像の投稿(いわゆる「バカッター」問題) ⑤長時間利用 この資料は、児童生徒の無料通信アプリ(LINE等)利用に伴う典型的なトラブル事例等について、理解を深めるための教員研修用資料です。 兵庫県教育委員会 教育企画課
特徴-1 ①無料通信アプリの特徴(LINE等) メールは時間がかかるが、LINEはチャットなので手軽で早い。 アプリは無料でダウンロード。パケット定額なら利用も無料。 仲の良い友達とずっと連絡が取り合えるし、お金もかからないから最高。 二人だけの秘密の話もできるし、 スタンプも使えてとっても楽しい。
グループチャット機能があり、大人数で利用できる。 特徴-2 グループチャット機能があり、大人数で利用できる。 数学の宿題難しくてわからないよ。 明日休み時間に見せてよ(・Д・) 明日休み時間に見せてよ(・Д・) 俺も全然わかんないし(゜▽゜) みんなも困ってるんだ。 よかった。 んヾ(〃゚ω゚)ノ んヾ(〃゚ω゚)ノ んヾ(〃゚ω゚)ノ んヾ(〃゚ω゚)ノ
特徴-3 写真や動画もアップできる。 スマホで撮った写真をそのまま、すぐにLINEにアップ。とっても便利。 写真だけじゃないよ。 最近、動画もできるようになったんだよ。 写真だけじゃないよ。 最近、動画もできるようになったんだよ。
事例-1 ②無料通信アプリでの外しの問題『LINEはずし』 事例 (中学2年 女子) LINEのやりとりの中での些細なことから、グループ内の1名の女子(被害生徒)が「LINEはずし」をされ、それ以外の生徒が、女子生徒の悪口を言い合っていた。 はずされた女子生徒は、誰が、なぜ自分がはずされたかもわからなかった。 LINE上での関係は、学校生活にもそのまま影響し、仲間からはずされるようになった。 女子生徒は、それが原因で学校を休みがちとなった。 ※LINEではずしたい人だけをグループに残して、残り全員が退会し、新たなグループをつくることで仲間はずれをつくる事象が起こっている。 ※『LINE』でのグループの会話は、子どもだけの世界になっています。⇒生徒が相談できる環境が大切です。
相手が自分のメッセージを確認すると「既読」が表示される 『既読』表示の問題 コラム 相手が自分のメッセージを確認すると「既読」が表示される ともだち 『既読』なのにすぐに返信がこないと「無視されている」「私のことを嫌っている」となってしまい、トラブルに発展する。 メッセージを読んですぐに返信しないと「既読無視」といわれ、仲間はずれにされることがあり、子どもたちは途中でやめられなくなる。 災害時の安否確認に役立つ機能ともいわれている。 やめられなく なるのよね・・・
事例-2 ③『コミュニティサイト利用の危険』 事例 (高校3年 女子) 女子生徒は、インターネットの出会い系サイトや「コミュニティサイト」で知り合った男性と、メールをきっかけとして悩みの相談などに乗ってもらった後に、直接相手と会っている。 女子生徒は殺害され、人目につかないやぶの中に遺体が放置されていた。 ※「コミュニティサイト」は無料のものが多く、生徒はダウンロードして簡単に利用できる。単なるメール上でのやりとりだけでは、相手がどのような人なのかわからないことや、 実際に会うということは、犯罪に巻き込まれたり被害に遭うなど大変危険であり、命に関わる事案である。
知らない人に『絶対』にあわない! 事例-2 見知らぬ人との出会いがトラブルに発展 どんな人かな? 優しそうだし、一度会ってみようかな コミュニティサイトは無料でダウンロードできます。 サイト内で簡単なチャットもでき、会話ができます。 LINEのIDを教えあい個別に会話もできます。 どんな人かな? 優しそうだし、一度会ってみようかな 知らない人に『絶対』にあわない!
知らない人に『絶対』に返信しない! 変な内容の相手はブロックしよう 知らない人と『絶対』にあわない! 知らない人に『絶対』にあわない! 【生徒用】 知らない人に『絶対』に返信しない! 変な内容の相手はブロックしよう 知らない人と『絶対』にあわない! 知らない人に『絶対』にあわない! 困ったらすぐに相談してね!
事例-2 事例 (被害者 中学3年女子 被疑者 29歳男性) 被疑者は、LINE IDを交換する非公式掲示板サイトを介して被害者と知り合い、以降LINEを使用して連絡を取り、被害者に裸の写真を自画撮りさせた上、その画像をメールで送信させた。リベンジポルノの問題につながる可能性も高く、ネット上にあげられた写真等は、全てを削除することは不可能である。 ※警察庁によると、コミュニティサイトに起因する事犯(児童ポルノやみだらな性行為)の被害児童は1,421人(H26、前年比128人増)。 ※18歳未満のID検索禁止措置がとられた 後、ID検索ができなくてもQRコードを貼り付 けることにより連絡ができるようにした掲示 板ができている。
コミュニケーションサイトに書き込む人の目的もいろいろ。悪意を持った人もいるからね。 ID検索機能は「OFF」にしておく コラム インストール直後は「ON」になっている。そのままにしておくと知らない人から連絡がくることがある。 コミュニケーションサイト等を利用する場合には設定を「ON」にして、自分を検索できるようにしている。 ID検索の設定が ここで確認できる 2013年12月12日より、全Android端末に加え、iPhone端末に対しても18歳未満ユーザーの ID 検索機能停止措置を実施。 コミュニケーションサイトに書き込む人の目的もいろいろ。悪意を持った人もいるからね。
必ず「OFF」にしておくことが大切ですね。 知らないと怖い「登録時」の注意 コラム アドレス帳内のLINEユーザが友だちに追加される 自分の電話番号を登録しているLINEユーザの友だちに自分が追加される 現在、携帯電話番号不足で解約した携帯番号を短い周期で新規契約者に割り当てているため、 「オン」にしていると、電話帳自動収集で「友だち」または「知り合いかも」に覚えのない名前のユーザーが表示されたり、相手にもあなたが表示されたりすることがある。 必ず「OFF」にしておくことが大切ですね。
事例-3 ④度の過ぎた悪ふざけ画像の投稿 自分の仲間に「ウケる」ことが最優先で、度の過ぎた悪ふざけをLINE上に公開。また、その周囲には、写真を撮ったり、あおったり、ツイッターなどに投稿したりする者がいる。 「ツイッターに投稿したらいっぱい反応があるぞ。楽しみだ。」 ところが・・・ネット利用者の間でおもしろ半分に画像を手がかりに投稿者を特定。アルバイト先や学校に通報され、退学や解雇に。また、その投稿をもとにばらすぞと脅される事案も発生。ネット上には、経緯とともに実名が残ってしまった。 こんなことになるとは・・・・。
事例-3 事例(中学1年 男子) 中学1年生の男子Aは、LINEの仲間を増やす手段として周囲の友だちがおもしろがりそうな画像を送ることを思いつき、終わりのホームルームで、持ってきていたスマートフォンで教師の様子を撮影。 撮影した画像を自宅で加工してLINEに投稿。 多くの者に見せようと、メールをクラスメートに送りつけた。その中で不審に感じた生徒の報告により発覚。 ※高校生が鉄道の軌道内に入り写真を撮影したり、アルバイト店員が店で販売している食品の上に寝そべった写真をツイッターにアップしたりするなどの事件が多く発生している。
トークをしている人以外に発言を見られることはない。 全世界に向けて発信され、だれでも発言が見れる。 LINEとツイッターの違い コラム トークをしている人以外に発言を見られることはない。 全世界に向けて発信され、だれでも発言が見れる。 LINEのグループ中で起こっていることは、周りからは見えないってことなんだ。 ウケ狙いで変なことしてないといいんだけど。 「ウケ」狙いで、稚拙な悪ふざけ画像の投稿は、周りからはわからないだけでLINEでも行われているかもしれない。 スマホからTwitterを始めた人は、インターフェイスが似ているので「TwitterもLINEも変わらない」と勘違いをしている可能性が高い。
警察が書類送検や逮捕する刑事事件、 「金銭」で責任を負う損害賠償(未成年なら両親が賠償する)という民事事件となる可能性があります。 人生に関わること コラム LINEやツイッターなどのSNSを活用した、度の過ぎた悪ふざけの画像等のアップは、子どもたちのその後の人生に大きく関わり、最悪な事例が多く発生しています。 その顛末は 警察が書類送検や逮捕する刑事事件、 「金銭」で責任を負う損害賠償(未成年なら両親が賠償する)という民事事件となる可能性があります。 子どもたちの将来の夢や希望のある人生が絶たれてしまう可能性もあります。 就職活動では、応募者の過去の行為に関する情報を掌握し、たとえ大学を出ても、成績がよくても関係なく不採用の場合も。 仮に内定してもクレームが入れば、内定が取り消されることもあります。 「ウケ」狙いで、稚拙な悪ふざけ画像の投稿は、周りからはわからないだけでLINEでも行われているかもしれない。 スマホからTwitterを始めた人は、インターフェイスが似ているので「TwitterもLINEも変わらない」と勘違いをしている可能性が高い。 16
⑤長時間利用(暇つぶしで始めたはずが・・・) 事例-4 ⑤長時間利用(暇つぶしで始めたはずが・・・) ネットゲーム、ツイッター、動画共有サイト・・・・・・ LINEの場合は自分の意思だけではやめられない場合も いつも会話に参加していないと不安になってくる。 友達からはずれてしまうのは怖いし。 気がついたら、食事の時もスマホを離せなくなってる。 【こんなことはないですか】 ・スマホを持ったまま寝る ・スマホを持ったまま入浴 ・だれといても常にスマホが気になる ・スマホがないと、強い不安に襲われる
事例-4 事例 (中学3年 男子) 中学3年生のAくんは、LINEでいくつかのグループに属している。スマホの画面にはメッセージが流れっぱなし。ついて行くのに必死。苦痛に思っていても、友だち関係がそこで成立しているので抜けるわけにはいかない。 そして、自分が見ていない間にどんな会話が行われるのかが気になり、布団の中まで持ち込む。ついつい夜中まで。 体調を崩してしまい、熱心に活動していた部活動を休むことも。そのうちに、成績も低迷。 彼にとってLINEのつながりは、そのまま現実での人間関係になっており、仲間はずれになってしまうのでは、という思いが、やめようという意志をかき消してしまっていた。
最後に 〇子どもたちの利用実態をつかめているでしょうか? 〇トラブルを素早くキャッチできているでしょうか? ○家庭への啓発、子どもたちへの指導ができている でしょうか?