中性脂肪(トリグリセライド、トリアシルグリセロール) O H2C O C C C C C C C C カプリル酸(中鎖脂肪酸) O H C O C C C C C C C C C C C C C C C C パルミチン酸 O H2C O C C C C C C C C C C C C C C C C C C リノール酸
インスリン トリアシルグリセロール 腸管 リンパ管内中正脂肪(カイロミクロン) 血中中性脂肪(カイロミクロン、VLDL) LPL 促進 1)低脂肪食 2)脂肪代替品 3)脂肪の消化吸収阻害剤 (黒烏龍茶@サントリー) トリアシルグリセロール 腸管 リンパ管内中正脂肪(カイロミクロン) 血中中性脂肪(カイロミクロン、VLDL) LPL 4)脂肪蓄積を防ぐ (低インスリンダイエット) 促進 脂肪酸 インスリン 5)脂肪を燃やして体脂肪蓄積を防ぐ (エコナ@花王、リセッタ@日清オイリオ) UCP アシルCoA ß 酸化 体熱産生 (寒冷誘発性熱産生) (食事誘発性熱産生) 抑制 6)体脂肪の燃焼を促す (運動、薬) 中性脂肪(体脂肪)
中性脂肪を構成する脂肪酸 固形 飽和脂肪酸ーーーー動物性(バター、ラード、肉の脂) モノ不飽和脂肪酸ーーー 高度不飽和脂肪酸ーーー植物、魚(オリーブ油、魚油) 液状 必須脂肪酸:リノール酸、aリノレン酸、アラキドン酸 抗動脈硬化作用:ドコサヘキサエン酸(DHA) ーーー抗酸化ビタミンの摂取も必要 脂肪(9kcal /g )の摂取は総エネルギー摂取の20ー25% 飽和/1価不飽和/ 1価不飽和=1:1.5 : 1 肉/植物/ 魚=4:5 : 1
O HO C C C C C C C C C C C C C C C C C C HO C O トランス脂肪酸(狂った油) シス型(オレイン酸) 水素添加で不飽和脂肪酸を飽和脂肪酸にして硬化させるとともに酸化安定性を高める。用途:マーガリン、ショートニング等 飽和脂肪酸にとともにトランス型脂肪酸も生成される HO C O トランス型(エライジン酸) LDLコレステロールを増大させ、冠動脈疾患のリスク要因とされている。米マクドナルドは心臓疾患の原因になると指摘された「トランス脂肪酸」を減らすため、調理油を2003年2月までに新しいタイプに替える(2002年) 。米ケンタッキー・フライド・チキンは「トランス脂肪酸」を含む調理油の使用を、2007年4月末でやめると発表した(2006年10月)。
特定保健用食品(平成3年9月1日からスタート) 日ごろの食生活にかんたんに取り入れることができ、健康に役立つように工夫された食品で、その効果が科学的に証明され、「保健の用途・効果」を具体的に表示することを厚生労働省から許可された食品。 1. おなかの調子を整える食品 2. コレステロールが高めの方の食品 3. コレステロールが高めの方、おなかの調子を整える食品 4. 血圧が高めの方の食品 5. ミネラルの吸収を助ける食品 6. ミネラルの吸収を助け、おなかの調子を整える食品 7. 骨の健康が気になる方の食品 8. 虫歯の原因になりにくい食品 9. 歯を丈夫で健康にする食品 10. 血糖値が気になり始めた方の食品 11. 食後の血中中性脂肪値が上昇しにくく、体に脂肪がつきにくい食品エコナ クッキングオイル、ヘルシーリセッタ 12. 食後の血中中性脂肪値が上昇しにくく、体に脂肪がつきにくい また、コレステロールや中性脂肪が気になる方の食品エコナ ヘルシー&ヘルシークッキングオイル 13. 食後の血清中性脂肪値が上昇しにくい食品 平成17年度のトクホ市場規模 6299億円 コレステロ−ル関連 228億円(前年度比 100.7%増) 血圧関連 147億円(前年度比 67.7%増) 中性脂肪・体脂肪関連 881億円(前年度比 38.6%増) 歯関連 961億円(前年度比 19.4%増) 骨・ミネラル関連 143億円(前年度比 19.3%増) 整腸関連 3705億円(前年度比 2.1%増)・・・乳酸菌、食物繊維、オリゴ糖、 血糖関連 232億円(前年度比 16.0%減) 日本健康・栄養食品協会調べ
血中中性脂肪(カイロミクロン、VLDL) 1)低脂肪食 2)脂肪代替品 3)脂肪の消化吸収阻害剤 トリアシルグリセロール 腸管 リンパ管内中正脂肪(カイロミクロン) 血中中性脂肪(カイロミクロン、VLDL) LPL 4)脂肪蓄積を防ぐ (低インスリンダイエット) 脂肪酸 5)脂肪を燃やして体脂肪蓄積を防ぐ UCP アシルCoA ß 酸化 体熱産生 (寒冷誘発性熱産生) (食事誘発性熱産生) 6)体脂肪の燃焼を促す (運動、薬) 中性脂肪(体脂肪)
長鎖脂肪酸(LCT)の消化吸収と代謝 LCT 舌リパーゼ 胃リパーゼ 膵リパーゼ 組織 細胞 血管 リンパ管 胃 肝臓 門脈 腸管壁 腸管 トリアシルグリセロール再合成 胆汁酸ミセル
中鎖脂肪酸(MCT)の消化吸収と代謝 組織 細胞 舌リパーゼ 血管 胃 肝臓 胃リパーゼ b酸化 MCT 門脈 腸管壁 腸管 膵リパーゼ
ミトコンドリアでの脂肪酸の酸化と酸化的リン酸化 H+ H+ I III Q IV C 呼吸鎖 ATP合成酵素 脱共役蛋白( UCP) NADH + H+ 1/2 O2 + H2O ADP + Pi ATP H+ アシルCoA アシルCoA クエン酸回路 ß 酸化 脂肪酸
ß-酸化 ATP+CoA 長鎖FFA AMP+PPi アシルCoA 中鎖FFA カルニチンパルミトイル転移酵素 I アシルCoA合成酵素 + カルニチン アシルカルニチン + CoA カルニチンパルミトイル転移酵素 II カルニチンアシルカルニチン転位酵素 中鎖FFA + CoA カルニチン アシルカルニチン + CoA カルニチン + アシルCoA アシルCoA ß-酸化
胆汁(海面活性剤)が無くても加水分解、吸収される。 長鎖脂肪酸よりも早く吸収される。 脂肪酸として吸収される(長鎖脂肪酸の4倍)。 主に肝門脈系に吸収される(肝臓で直ぐに代謝される)。 ミトコンドリア内への輸送にカルニチンを必要としない。 長鎖脂肪酸の10倍速く酸化され、蓄積脂肪になりにくい。
(CH3)3N+-CH2-CH-CH2-C-O- OH O カルニチン (CH3)3N+-CH2-CH-CH2-C-O- OH O 肝臓と腎臓でリジンとメチオニンから合成される。 肉などに多く含まれ、サプリメントとしても多量に販売されている。 広く組織に分布しているが、心筋や骨格筋中(赤筋>白筋)の濃度が高い。 カルニチン濃度を上昇させることで脂肪酸酸化能が高まることが想定されて、サプリメントとしても販売されているが、必ずしも持久的運動能の改善が認められるわけではない(European J.Appl.Physiol. 73: 434-439, 1996)。一方、カルニチン欠乏症の患者にカルニチンを投与すると運動能が増大したとの報告がある(Am. J. Kidney Diseases : 41 (Supplement 5) S4-S12, 2003)。
中鎖脂肪酸は炭素数が8〜10個の飽和脂肪酸。母乳、牛乳、乳製品の脂肪ぶんには3 〜 5%、ヤシ油、パーム油などには5 〜 10%程度の中鎖脂肪酸が含まれている。以前から病者用食品や未熟児の栄養補給など医療用途としても長年使い続けられてきた。
中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)の適用疾患 脂質消化不全(リパーゼ分低下、胆汁酸分泌低下) 膵炎、膵切除、胆道閉鎖症 脂質吸収不全(小腸吸収面積の減少、腸管粘膜の病変) 小腸大量切除、腸炎 脂質転送不全(カイロミクロンが形成できない、リンパ管の狭窄や閉塞) 先天性βリポタンパク質欠乏症 エネルギー補給として 消化管手術後、重症感染症、未熟児、慢性腎不全や透析患者の食事療法 MCTのみを脂肪エネルギー源とすると、必須脂肪酸欠乏となる。一度に多量に摂取すると下痢などの腹部症状を訴えることがある。また、糖尿病で高ケトン体血症を起こしやすい。
BMIが23以上の男女健常人78名が中鎖脂肪酸油あるいは大豆油の何れかを10g含む食事(2,200kcal、脂肪60gを含む)を摂取した時の体重、体脂肪、ウエストの変化。J.Nutrition 131:2853-2859, 2001
中長鎖脂肪酸(MLCT) C18 C8-10 C8-10 LCT MLCT MCT エステル交換
72% 6% P04 アシルCoA 22% モノアシルグリセロール経路 リンパ管 血液 ホスフアチジン酸経路 肝門脈 膵リパーゼ 膵リパーゼ イソメラーゼ 6% P04 血液 膵リパーゼ アシルCoA ホスフアチジン酸経路 肝門脈 22%
■ 主成分ジアシルグリセロールの原料は大豆や菜種。 これらの栄養特性をしっかりと持っています。 ■ 大切な栄養成分も、一般の油と同じです。 一般の食用油と同じです。植物を原料とする食用油には、ビタミンEがたっぷり含まれているうえに、ビタミンA、D、Eなどの脂溶性ビタミンの吸収率を高めてくれる効果もあります。 ■ カロリーは、1gあたり約9kcalで、一般の食用油と変わりません。 主成分ジアシルグリセロールは再合成されにくく、食後の血中中性脂肪が上昇しにくい特性があります。また、トリアシルグリセロールに比べて脂肪を燃やしやすくする特性があることもわかってきました。この繰り返しにより、体に脂肪がつきにくい特長がでてくるのです。 レポート課題:「脂肪を燃やしやすくする特性」について説得力のある証拠(あるいはその反証)を探す。 ■ 植物性ステロールは、主成分ジアシルグリセロールに溶け込んで効果を発揮! 植物性ステロールは、主成分ジアシルグリセロールとの相性がよいため、ジアシルグリセロールにたくさん溶け込みます(4%配合、大豆油の約10倍) ■ 長期間の持続摂取でも安全性が確認されました。
参考図書 蒲原聖可 肥満とダイエットの遺伝学 朝日選書1999 蒲原聖可 ダイエットを医学する 中公親書2001 E.P.シェル 太りゆく人類:肥満遺伝子と過食社会 早川書房 2002/2003 E.シュローサー フアーストフードが世界を食いつくす 2001 草思社