LCCが変える日本の航空市場 0976522c 大下 華 LCC 0976522c 大下 華
LCCって? LCC(low cost carrier ) =格安航空会社 規制緩和により新規参入が進んだ =格安航空会社 規制緩和により新規参入が進んだ 創意工夫によりコストを下げ、世界で航空運賃の価格破壊を続けている 大手の航空会社が提供する格安航空券とは別に、初めから格安、割安に設定された航空券を提供する航空会社です。国を代表するナショナルフラッグキャリアなどの大手航空会社とは異なり、各国の国内線として運営することが多いですが、最近では国際線も就航させる格安航空会社もあります。海外の格安航空会社は経営状況も良好で、大手航空会社の買収をにらむ動きもでるほど、力をつけてきています。格安航空会社のビジネスモデルが脚光を浴びています。
LCCと既存大手航空会社との比較 安定運行 高級感 格安での移動手軽さ 安心感 LCC 既存大手航空会社 既存大手航空会社の3〜7割程度の運賃で提供 運賃 最近では様々な割引運賃を設定するキャリアが多いが、全体としてはLCCより割高 ノンフリルサービス サービス フルサービス エコノミーのみのモノクラスが主流 座席幅は大手に比べ2割程度狭い 座席 フアースト・ビジネス・エコノミーの3クラスが主流 インターネット、電話で直接予約 予約方法 旅行代理店・航空会社・インターネット、電話 短・中距離のみ(ポイント・トウ・ポイント) 運行距離 短・中・長距離全てを運行(ハブ・アンド・スポーク) 航空連合に原則非加盟 アライアンス 航空連合に加盟 安定運行 高級感 安心感 格安での移動手軽さ
LCC―格安の秘密 ①狭いシートピッチ ②サービスの有料化 ③高回転高稼働 ④柔軟な価格設定 ⑤航空機種を統一 ⑥社員のマルチタスク化
LCCの歴史① 1970年代アメリカで始まった国内航空規制緩和政策 それまで航空行政を指揮監督してきた米国運輸省の航空局が廃止される 新規参入の自由、便数の規制撤廃、運賃の自由化が認められる 米国国内市場に多数の格安の新規航空会社が参入
LCCの歴史② オープンスカイ協定 国際航空の規制緩和と自由化を目指した協定。 政府間交渉における認可なしに、航空会社が 独自に相手国の空港と交渉し、発着枠、航空 路線、便数などを決めることができる。
LCCの供給シエア (%) 出所:航空経営研究所
ユニットコスト:1座席を1㎞運ぶ費用
なぜ今、LCCなのか? 首都圏空港の発着枠引き上げ オープンスカイ協定による規制撤廃 LCC参入余地が生まれる これまで羽田空港と成田空港は発着枠がタイトで国内外のエアラインは枠を獲得するため長い列を成して待っている状態。これが去年から2014年にかけて、羽田・成田共に発着枠が引き上げられることになった。また規制を撤廃するオープンスカイ政策が進められていて、日本は現在11カ国・地域と協定を結んでいる。これまで参入余地がなかった日本の空にLCCの入る環境が整ってきたといえる。 日本は現在、韓国、香港、マカオ、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポール、スリランカ、アメリカ、カナダ、ブルネイ、台湾などとオープンスカイ協定を結んでいる。
現在日本に就航している外資系LCC ジェットスター航空(オーストラリア) ジェットスター・アジア航空(オーストラリア) セブ・パシフィック航空(フィリピン) エアアジアX(マレーシア) 春秋航空(中国) チェジュ航空(韓国) エアプサン(韓国) ジンエアー(韓国) イースター航空(韓国)
ピーチ・アビエーション 事業主体:ANA 拠点:関西国際空港 当初就航予定路線:福岡、新千歳、ソウル 4~5年後予定機材数:16~20機 想定利用人口:400〜600万人 目標ユニットコスト:6円 ピーチは一機を大手の1.5倍稼働させる予定で、そうすると10機から創出される利用人口は年間400万人に上る。現在関空の年間利用者は1400万人なので、ピーチが関空を拠点にすることで3割もの利用者増加が認める。(空港での折り返し時間を短くし、航空機を高稼働させて売上高の最大化を図る) ピーチが関空を拠点にしたのは、アジア市場の取り組みを目的にしていることと、関空は元々LCCの誘致に積極的で、ピーチ専用のターミナルまで計画しているから。
国内LCC 会社名 ピーチ・アビエーション エアアジア・ジャパン ジェットスター・ジャパン 事業主体 ANA ANA/エアアジア ジェットスター/JAL 運航開始時期 2012年3月 2012年8月 2012年中 拠点 関西国際 成田 成田/関西国際 当初就航 予定路線 国内:福岡、新千歳 海外:韓国(ソウル) 国内:福岡、新千歳、那覇 海外:韓国(ソウル、プサン) 未発表 資本金 150億円 50億円 120億円 4~5年後 予定機材数 16~20機 37機 24機 想定利用人口 600万人 1000万人
LCCをめぐる様々な意見① 支持派 反対派 ・元々利用しないサービスが運賃に入らないのがよい ・サービスを最大限カットし、運賃の低減に努めているのがいい ・近距離であればサービスは最小限でも問題ない ・割り切って利用すればいい ・手荷物の追加料金が高額な場合があるので事前チェックが必須 ・遅延時に特別な対応がないのが不便 ・仕事では極力使いたくない
LCCをめぐる様々な意見② 既存航空会社とLCCとのカニバリゼーション (共食い) →既存航空会社の既存顧客がLCCに流れ てしまうのではないか? 既存航空会社が既存の発想から抜け出せ ず低コストに徹しきれないのではないか?
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論点 LCCは航空業界にどのような影響をもたらすだろうか? LCCが既存航空会社と上手く共存するためには? 日本においてLCC事業は成功するのか? LCCは新幹線や高速道路に対抗できるのか?
参考資料・URL 世界の格安航空会社 完全ガイド(最終閲覧11/20) http://lowcost-airline.info/ 成長するLCC市場とANAの戦略(最終閲覧11/20) http://www.ana.co.jp/ir/kabu_info/ana_vision/pdf/61sq/06.pdf 週刊ダイヤモンド エアライン&エアポート 発行所 株式会社ダイヤモンド社 H23.11.19発行 PEN plus エアライン最新案内 発行所 株式会社阪急コミュニケーションズ