W3Cご紹介 Osamu Nakamura July 8, 2014
目次 W3Cとは W3Cチームについて W3Cドメイン Advisory Board (AB)および Technical Architecture Group (TAG) グループ議長
W3Cとは Webの長期的な発展のために必要な,オープンな標準の策定 原則: 協力,原則に忠実,協調による発言力増大,ロイヤリティ・フリー,任意による採用 共同作業: ホスト,チーム,会員,および一般非会員
W3Cプロセス コンセンサス・ベースで標準化推進 公正な標準化,標準化への責任,および標準化の進捗を促進 W3Cの議論グループに関する,一般的な方針を定義: 参加方法,問題提起,要求提示,標準策定等 W3C Advisory Boad (AB): W3Cプロセス自体の改善について議論
コンセンサス・ベース W3Cプロセスに基づく議長の責任: 各グループでの標準化議論にあたって グループ内で交わされる適正な意見および反対意見について その発言者が積極的な参加者であるかどうかによらず 全てを考慮した上で問題解決にあたる
コンセンサス形成 グループ内で本質的な数の参加者が提案を支持しており,かつ誰も「正式な反対」を唱えていない場合 「正式な反対」があった場合,議長は,そのことを記録した上で先へ進むことができる 「正式な反対」があった場合,W3Cディレクター (Tim-Berners Lee) に報告され,ディレクターは,グループに対して再考を促すことが可能
議論グループへの参加者 各議論グループは以下から構成される: 会員企業の代表 Invited Experts (招聘専門家) チームの代表
会員企業の代表 各会員企業のW3C担当窓口(AC Rep.)により参加登録 基本的に各会員企業の被雇用者 (コンサルタント契約等,例外あり) W3C利益競合方針・ロイヤリティフリー特許方針に同意の必要あり
Invited Experts (招聘専門家) 仕様書策定に必要な専門技術に応じて,議長が招聘 議長およびチーム・コンタクト(グループ担当チーム・スタッフ)の同意が必要 特定の団体を代表することも可能 (例えば,標準化団体同士のリエゾン関係) W3C利益相反方針・ロイヤリティフリー特許方針に同意の必要あり その他 手続上必要な情報 の提供
チームの代表 W3C雇用スタッフ,実習生,およびW3Cフェロー(会員企業からの出向) W3Cチーム向け利益相反方針に同意
W3Cチーム
W3Cディレクター (Tim-Berners Lee) アーキテクチャの採用方針 W3C仕様の公開 新グループの設立 等 議長の任命 各WGにおける決議に関する問題解決
W3C CEO W3Cの標準化活動を推進: 広く一般に対するスポークスマン W3C会員との関係における指導者的役割 他の標準化団体,政府,その他との交渉における代表 COO (Ralph Swick)がCEO (Jeff Jaffe) を補助
ヘッドライト(次世代Web技術提案)の優先付 W3Cマネジメント (W3M) W3Cディレクターになり代わって: 新グループ設立・延長の承認 グループ議長の任命 ヘッドライト(次世代Web技術提案)の優先付
ドメイン・リーダー W3Cグループからなる技術ドメインの活動を推進 各グループに参加する「チーム・コンタクト」を管理 W3Cディレクターをサポート: コンセンサス形成 議長任命 問題解決 等
チーム・コンタクト 各議論グループの活動に参加 議長,その他グループ参加者,他のグループ等と,W3Cチームとの橋渡し 議長の業務をサポート グループ内において,W3Cチーム側の代表
マーケティングと広報 (MarComm) チーム マーケティングと広報を担当: 会員企業とのやり取り ソーシャルメディアを含む各種広報活動 W3Cホームページのデザインおよび内容作成 ビジネス・デベロップメントと協調してマーケティング・プログラム設定 各種メディアやアナリストとのやり取り 仕様公開ルール
W3Cドメイン Webに関する多種多様な技術ドメイン: Information and Knowledge Interaction Tecnology and Society Ubiquitous Web Web Accessibility Initiative
Information and Knowledge
Information and Knowledge 情報の構造化/出版と配布 Data LDP (Linked Data Platform): RESTfulアプリとLinked Dataの融合 Best Practice,CSV on the Web Digital Publishing (電子出版) XML: フォーマット,Query,XSLT変換 さらに: Geospatial,Annotation等
Interaction
Interaction WebのUser Interface: 言語とフォーマット: HTML, CSS, SVG 等 API定義: WebSocket, WebWorkers, File, Notification, Timing, DOM, Streams, Storage, XHR (XMLHttpRequest; いわゆるAjax), Pointer Lock, Web Driver 等 国際化対応: W3C仕様書の水平的レビュー, ITS (国際化タグ拡張),エンコーディング ビデオ&オーディオ グラフィックス 等
Technology and Society
Technology and Society Web技術と一般社会ルールとの摺り合わせ: プライバシー: DoNotTrack, 水平的レビュー セキュリティ: XML Security, Crypto API 等 特許方針 その他: 大規模モニタリング,アイデンティティ,ソーシャル
Ubiquitous Web
Ubiquitous Web 誰でも,いつでも,どこからでも そしてあらゆるデバイスでWebアクセス: モバイル,TV API定義: DeviceAPI, SystemAPI, Geolocation, Media Capture 等 ネットワーク: WebRTC (Realtime Communication) Multimodal / Voice その他: Automotive, Web of Things, Payments
Web Accessibility Initiative
Web Accessibility Initiative (WAI) 要求仕様定義,仕様書のレビュー,アドバイス W3C勧告,ガイドライン,各種技法,テスト支援 ガイドライン: WCAG (Content), UAAG (User Agent), ATAG (Authoring Tools) WAI-ARIA: Accessible Rich Interactive Applications Indie UI: Input method independence – events, user context
W3Cの活動概念図
仕様書の水平的レビュー アクセシビリティ 国際化対応 プライバシー セキュリティ モバイル API定義 Webアーキテクチャ全般 (Technical Architecture Group; TAG)
標準策定の手続き アイデアからW3C標準へ:
標準化の開始地点 (さまざまな可能性) Member Submission (会員からの提出) Headlights (次世代Web技術提案) Community Group / Business Group 設立 ワークショップ
Member Submission (会員からの提出) W3C会員からの技術提案 “Member Submission” として公開 既存WGの標準化対象との重複はNG
Headlights (次世代Web技術提案) 年に一回,10月に技術トピック提案 W3C会員およびチームが対象 提案内容は公開 翌年1月に,W3Cマネジメントによる優先度付け 同7月頃,W3Cマネジメントによりプロジェクト認定
Community Group (CG) 技術革新を促進 個人レベルでの参加を可能とする 既存WGの標準化対象と重複したテーマも可 簡単かつ迅速に設立可能 非会員も参加可能 WGにおけるW3C標準策定へ入力 ロイヤリティフリー特許方針は,標準仕様案への直接的な貢献に限定 (WGよりもゆるい)
Business Group (BG) Webに関連する,産業界ごとの詳細議論 簡単かつ迅速に設立可能 完全無償なCG異なり,BG費が発生 スタッフのサポートあり ロイヤリティフリー特許方針は,標準仕様案への直接的貢献に限定 (WGよりもゆるい)
ワークショップ W3C主催の公開イベント (参加無料) 特定のテーマについて,広く一般から意見を集約 目的: 新グループ設立の契機 既存グループへの入力等 具体的結論は,ワークショップ議論の内容に依存: テーマ,議論の特性 参加者のW3Cに対する認識度 議論された事例や要求仕様の明確度
近々開催のワークショップ Strengthening the Internet Against Pervasive Monitoring (STRINT) Linking Geospatial Data Web and TV Convergence Web Payments: How do you want to pay? New Horizons for the Multilingual Web その他: http://www.w3.org/2003/08/Workshops/
Working Group (WG) 52グループ 参加者: 一人以上の議長 一人以上のチーム・コンタクト その他参加者 活動計画書 (Charter) 立案 活動方法: メーリス,電話会議,IRC Wiki Webサーバ 等
活動計画書 (Charter) 各WGが立案 W3C会員全体のAC Rep.によるレビュー W3Cディレクターによる承認 記述内容: 標準化対象範囲 策定予定仕様 他グループとの関連性 等 策定対象は追加可能 (その場合は,再度承認が必要)
W3C勧告策定の流れ
W3C特許方針 WGにおけるW3C勧告の策定にあたって摘要: 最終勧告文書の「規範的箇所」を対象として,ロイヤリティフリーで公開 除外申請: 公開草案初版 (First Public Working Draft) 公開から150日 最終草案 (Last Call Working Draft) 公開から60日
W3C特許方針の概念図
Advisory Board (AB) W3C運営上にあたって: W3Cチームにアドバイス 戦略,管理,法律関係,仕様策定手続き,問題解決 W3Cプロセス・ドキュメントの更新議論 現在,プロセス・ドキュメントの更新版提案中
新提案プロセス手続き
Technical Architecture Group (TAG) Webアーキテクチャの技術的課題について議論 Webアーキテクチャの原則に関するコンセンサスの形成と文書化 様々な技術アーキテクチャ開発に関する議論を横断的に取りまとめ 議長: Daniel Appelquist (Telefonica) Peter Linss (HP)
グループ議長 WG内での議論推進にリーダシップ発揮 グループ議論の進捗管理 チーム・コンタクトと共に,活動計画書(Charter)の立案,W3Cディレクターに提案 必要に応じて,他のグループと連携
参考情報 W3C Process Document W3C Patent Policy Overview and Summary of W3C Patent Policy The Art of Consensus Organize a Technical Report Transition Working Groups and Activities W3C Group Status and Participation
ありがとうございました