「ﾊﾞﾗﾝｽ・ｽｺｱｶｰﾄﾞ」 経営革新への取り組みが、優良企業への道を拓く！ ＴＫＣ経営革新セミナー２００４ 　　－SWOT分析を受けて行うﾊﾞﾗﾝｽ・スコアカードとは？－ 所長　税理士　岩﨑　美顯 主催：岩﨑会計事務所／株式会社岩﨑財計事務所 平成１６年１１月２６日（金） 於：新宿ﾏｲﾝｽﾞﾀﾜｰ20階　積水ﾊｳｽ㈱会議室

吉川武男：ﾊﾞﾗﾝｽ・スコアカード構築 生産性出版￥1785 　３．今なぜ、バランス・スコアカードか？ 　（1）バランススコアカードのメリット 今や将来が必ずしも過去の延長線上にない時代 　将来を予測することが難しい時代 ■ バランス・スコアカードのメリット 　１：　人の心を奮い立たせ、ビジョンを効果的に実現する戦略を立案する 　２：　企業レベルの戦略目標と各組織レベルの目標を整合させる 　３：　戦略の優先度を企業のステークホルダー（利害関係者）に明確に 　　　伝達する 　４：　経営資源（人・物・金）を戦略の優先度に応じて配分する 　５：　戦略の実行を迅速かつ効果的に実現するために、実行結果を 　　　測定評価する 吉川武男：ﾊﾞﾗﾝｽ・スコアカード構築　生産性出版￥1785

吉川武男：ﾊﾞﾗﾝｽ・スコアカード構築 生産性出版￥1785 　 ３．今なぜ、バランス・スコアカードか？ 　　（2）バランススコアカードの意義 今や「勘と度胸」や「がんばろう」では、不測の未来は切り拓けない ■ 企業経営や行政におけるナビゲーターの役割を果たし、ビジョンと戦略をアクションに落とし込み、総力戦で成長力と競争力を付け未来を切り拓く、戦略志向のナビゲーション経営システムである。 　機能１：　ﾊﾞﾗﾝｽｽｺｱｶｰﾄﾞは、PDCA（ﾌﾟﾗﾝ･ﾄﾞｩ･ﾁｪｯｸ･ｱｸｼｮﾝのｻｲｸﾙ）　　　　　　　　を確実にする。 　機能２：　ﾊﾞﾗﾝｽｽｺｱｶｰﾄﾞは、4つの視点で企業経営や行政の成果と　　　　　　　　　ﾌﾟﾛｾｽをﾓﾆﾀｰする、ﾅﾋﾞｹﾞｰﾀｰの役割を果たす。 　機能３：　ﾊﾞﾗﾝｽｽｺｱｶｰﾄﾞは、ﾋﾞｼﾞｮﾝと戦略を各種の経営管理ﾌﾟﾛｼﾞｪｸﾄと従　　　　　業員の日々の業務に落とし込む、ｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝ機能を持っている。 　機能４：　ﾊﾞﾗﾝｽｽｺｱｶｰﾄﾞは、企業経営や行政を戦略思考のﾏﾈｼﾞﾒﾝﾄない　　　　　しﾅﾋﾞｹﾞｰｼｮﾝ経営にする。 吉川武男：ﾊﾞﾗﾝｽ・スコアカード構築　生産性出版￥1785

その実現のためのｱｸｼｮﾝ･ﾌﾟﾗﾝを作成する 　 ３．今なぜ、バランス・スコアカードか？ 　 （3）バランス・スコアカードの構築 バランス・スコアカードは、PDCAを確実にする！ ビジョンと戦略 ﾀｰｹﾞｯﾄ(数値目標) ｱｸｼｮﾝ･ﾌﾟﾗﾝ 第2四半期 ﾀｰｹﾞｯﾄ(数値目標) ｱｸｼｮﾝ･ﾌﾟﾗﾝ 第ⅰ四半期 経営計画・ 年度予算・ 各種管理ﾌﾟﾛｼﾞｪｸﾄ 重要成功要因(CSF) 業績評価指標(KPI) ﾀｰｹﾞｯﾄ(数値目標) ｱｸｼｮﾝ･ﾌﾟﾗﾝ 戦略マップ 戦略目標 経営のビジョンと戦略を策定し、 その実現のための４つの視点を洗い出し、 戦略マップを作成し、 視点ごとの戦略目標を設定し、 目標に対する重要成功要因を洗い出し、 業績評価指標を設定し、 ﾀｰｹﾞｯﾄ（数値目標）を設定し、 その実現のためのｱｸｼｮﾝ･ﾌﾟﾗﾝを作成する 財務の視点 顧客の視点 結果の分析と報告 業務プロセスの視点 人材と変革の視点 ﾊﾞﾗﾝｽ･ｽｺｱｶｰﾄﾞの実行

例えば、「戦略目標」として新商品の販売により付加価値を 高めていくには、以下の3点がポイントになります。 　 ３．今なぜ、バランス・スコアカードか？ 　　（4）バランス・スコアカードの構築例1 例えば、「戦略目標」として新商品の販売により付加価値を 高めていくには、以下の3点がポイントになります。 ①新商品をどうやって売るのか 　　　販売ルートをどうすべきか。追加の営業マンの採用が必要か。広告はどうすべきかを検討しなければなりません。 ②商品は自社で製造するのか、外部委託するのか 　　　販売する商品の材料の調達ルートを検討しなければなりません。自社で製造する場合には新規の設備投資が必要になる場合もあるでしょう。 ③製品の品質管理をどうするか 　　　製品の品質を高めるための検討も加えなければなりません。 　　これらは因果律で関係付けられるものです。たとえば、「品質の良い製品であれば売れて付加価値がアップする」とすれば、そのためには、「品質管理」を行うことが絶対的要件です。 　　　これをﾊﾞﾗﾝｽ･ｽｺｱｶｰﾄﾞでは重要成功要因（CSF：クリティカル･サクセス･ファクター）と呼んでいます。そして、「機械等を導入したり、社員の教育を実施したりすれば品質が良くなる」と仮定されれば、それら(機械の導入や社員教育)も付加価値アップの要件になるのです。そして、これらを先行指標である「現場データ」で追っていけば、目標達成に近づくことができるのです。 出典： 経営革新支援法承認支援実践マニュアル　TKC全国会

３．今なぜ、バランス・スコアカードか？ （4）バランス・スコアカードの構築例2 　 ３．今なぜ、バランス・スコアカードか？ 　（4）バランス・スコアカードの構築例2 ①新商品をどうやって売るのか。ここでは、別ルートたとえば、インターネット販売とチラシによる場合 Ａ　インターネットの場合「サイトのビュー件数」と「サイトからの受注件数」を確認しておく 　　　ことが必要でしょう。このように、重要成功要因（CSF：クリティカル･サクセス･ファクター）を満たすために必要な数値目標のことを業績評価指標（ＫＰＩ：キー・パフォーマンス・インディケーター） といいます。ＫＰＩの設定によって、一つの仮定にすぎない戦略の実行度合いが定量的な数字として管理・把握できるようになるわけです。 次に以上の結果、具体的な何らかのアクション(サイトの更新など)がビュー件数の変化に及ぼす影響などもウォッチしておくべきです。そのアクションが受注件数の増加に因果関係があることがわかれば、定期的なサイトの更新や魅力あるサイトづくりが課題となります。 Ｂ　また、チラシの場合は、地域ごとチラシごとに反応率を測定し、キャッチコピーなどの変更 　　が反応率にどのように関係するかを計っておくことが必要です。このための「業績評価指標」は「ビュー件数」や「反応率」になります。 ここまできたら、ＣＳＦごとにＫＰＩを設けて具体的な数値目標をﾀｰｹﾞｯﾄとして設定し、ｱｸｼｮﾝﾌﾟﾗﾝを作ります。

以上のことを次の４つの視点からつめていくのがポイントです。 　 ３．今なぜ、バランス・スコアカードか？ 　　（4）バランス・スコアカードの構築例3 以上のことを次の４つの視点からつめていくのがポイントです。 ①財務の視点 　　　株主満足度だけでなく、従業員満足度を高めることも重要です。したがって、利益に代表される財務的成果をあげることは企業にとっては最高位の目標となります。 ②顧客の視点 　　　顧客満足なくして利益をあげることはできません。顧客が何を望んでいるかを正しく把握することが重要です。顧客満足度を高めるため、どう行動し、どこまで応えるかを検討します。潜在顧客層も範疇に含めます。 ③業務ﾌﾟﾛｾｽの視点 　　　業務ﾌﾟﾛｾｽを日常的な意味でなく、戦略実現のためにどのように改善すれば、株主･顧客満足度を向上させることができるか、大胆な発想が求められます。 　　　業務ﾌﾟﾛｾｽ全体の改変・新製品・商品開発体制・リアルタイム業績管理・・・ ④人材と変革の視点 　　　業務ﾌﾟﾛｾｽ改善の原動力となる成長能力を確保するためには、企業風土を改善し、どこに学習の焦点を当てるかが重要です。 　　　人材育成・人材採用・OJT・・・ 出典： 社長の仕事　TKC出版

３．今なぜ、バランス・スコアカードか？ （5）バランススコアカードの原則 ■ 成功する「バランス・スコアカード経営」の５原則 　 ３．今なぜ、バランス・スコアカードか？ 　　（5）バランススコアカードの原則 ■ 成功する「バランス・スコアカード経営」の５原則 　原則１：　戦略を、現場で実行可能な言葉に翻訳する。 　Principle 1: Translate the Strategy to Operational Terms　　　　　　 　原則２：　戦略に向かって、組織全体を方向づける。 Principle 2: Align the Organization to the Strategy 　原則３：　戦略を、すべての社員の日常業務に落とし込む。 Principle 3: Make Strategy Everyone’s Everyday Job 　原則４：　戦略を、継続的な業績管理プロセスの中に組み込む。 Principle 4: Make Strategy a Continual Process 　原則５：　経営トップのリーダシップにより、変革を促す。 Principle 5: Mobilize Change through Executive Leadership

（図中の矢印は「因果関係」を示します。） 　 ３．今なぜ、バランス・スコアカードか？ 　（6）バランス・スコアカードの「戦略マップ」の事例（Ａ社：水産加工業） ご参考 財務の視点　　　顧客の視点　　 貸倒の防止 生産性の向上 食の楽しさを 感じていただく 安全性への 信頼確保 自己資本の増強 在庫の適正化 衛生知識の徹底 挨拶・清掃の徹底 製品知識の習得 原材料への こだわり 不良品の排除 品質管理の 徹底 製品のスクラップ アンドビルド 原材料の 安定確保 クレームへの 迅速な対応 魅力ある食品 （ヒット商品） 顧客のスクラップ 　　　業務プロセス　　人材と変革 　　　　　　　の視点　　　　　の視点 ビジョン：食を通じて社会に貢献　　　戦略：魅力ある商品の開発　　　　期間： H15. 7. 1～ H16. 6.30　　　　　 （図中の矢印は「因果関係」を示します。）

当事務所は、 「社長の仕事」をご支援します。 制作：株式会社岩﨑財計事務所／ＴＫＣ全国会創業・経営革新支援委員会