バナー型学習支援システムの 開発と学習行動の調査

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バナー型学習支援システムの 開発と学習行動の調査 社会情報システム学講座 4年 0312002014 井本 玲雄

研究成果 学習行動を誘発させるバナーの設計・開発 システムの形成的評価・仮運用 学習行動が誘発されたかを運用を行い評価した バナーを学習支援システムしての利用を提案 バナー型学習支援システムの設計・開発 システムの形成的評価・仮運用 ユーザビリティの観点で問題あり → 改善 仮運用の結果 → 学習行動の誘発を確認 学習行動が誘発されたかを運用を行い評価した サイト閲覧者中の学習行動誘発率 10.5% 長期にわたる学習行動の誘発は確認できず 2006/2/17 卒業研究成果発表会

動機 学習行動 学習行動を長期にわたり起こし続けることは、 などが、なければ困難である 高い学習意欲 絶対に達成しなければならない状況下 外的要因から学習行動を起こせないかと考えました。 そこで、誘引するメディアであるインターネットにおけるバナー広告に着目しました。 テレビを見る? ネットサーフィンする? 誘発 誘引 学習行動 なんらかの行動 車のエンジンをかける? 2006/2/17 卒業研究成果発表会

バナー インターネットのホームページに張られている帯状の広告。クリックすることで広告主のホームページへリンクしより詳しい情報を得ることができる。            goo辞書より バナーに期待される効果 インプレッション効果 バナーを見せることで商品名などを覚えてもらう レスポンス効果 広告主が誘導したいサイトやページを訪問させる この効果を利用し、 学習行動を誘発させられない かと、考え本研究を行った。 2006/2/17 卒業研究成果発表会

システム構造図 2006/2/17 卒業研究成果発表会

開発環境 開発言語 データベース サーバー構築ソフトウェア ブラウザ PHP 4.3.8 Flash Action Script JavaScript データベース PostgreSQL 8.0 サーバー構築ソフトウェア Apache 1.3.29 ブラウザ InternetExplore 6.0 2006/2/17 卒業研究成果発表会

システムのデモ それでは、システムをお見せします バナー部 管理部 2006/2/17 卒業研究成果発表会

形成的評価 学習者編 評価目的 評価方法 被験者 開発したシステムが運用に耐えられるシステムかどうか、また操作性について評価する 形成的評価 学習者編 評価目的 開発したシステムが運用に耐えられるシステムかどうか、また操作性について評価する 評価方法 操作手順書に従い、本システムを利用 作業の観察 アンケート インタビュー 被験者 研究室学生 2名 はじめに、2つの形成的評価をおこなったことを説明する。 形成的評価は、「バナー部での学習」をメインに評価する学習者編と 「本システムの主な機能であるMYバナー作成機能」についておこないました。 作業手順書内容 ・バナーから管理サイトへ ・新規ユーザ登録 ・バナーに出題する問題の設定 ・バナーで学習を行う ・管理サイトで学習履歴を閲覧する 2006/2/17 卒業研究成果発表会

形成的評価 学習者編 結果 バナー部での操作では問題なし 管理部での操作で手間取りがあった 改善 進捗バーの位置を変更(中央→上部) 形成的評価 学習者編 結果 バナー部での操作では問題なし 改善 進捗バーの位置を変更(中央→上部) フォントをできるだけ大きくした 管理部での操作で手間取りがあった 言葉のニュアンスを変更 リンクにマウスがのると説明表示 改善後、本運用に耐えうると判断し評価を終了した 2006/2/17 卒業研究成果発表会

形成的評価 MYバナー作成者編 評価目的 評価方法 被験者 開発したシステムが運用に耐えられるシステムかどうか操作性や有用性を評価する 操作手順書に従い、本システムを利用 作業の観察 アンケート インタビュー 被験者 研究室学生 2名 作業手順書内容 ・新しい問題集の作成 ・問題集の一括作成 ・広告・背景の設定 ・はじめに表示する問題 ・問題を編集する 2006/2/17 卒業研究成果発表会

形成的評価 MYバナー作成者編 結果 「戻る」ボタンがほしいという記述あり →戻るボタンの設置 「広告・背景の設定」で、操作説明を文章で記述していたのが、理解できなかったようで操作に手間取っていた。(アンケートにも同様の記述) →操作手順を箇条書きにすることで対応 改善後、本運用に耐えうると判断し評価を終了した 2006/2/17 卒業研究成果発表会

仮運用 学習行動の調査 評価目的 開発したシステムが運用に耐えられるか、また正常にログが取得できるか評価 評価方法 仮運用 学習行動の調査 評価目的 開発したシステムが運用に耐えられるか、また正常にログが取得できるか評価 評価方法 1週間本システムのバナー部をブラウザのホームに設定してもらい利用ログデータの取得・評価 被験者 研究室学生 2名 評価期間  1月19日~26日 利用ログ内容 ・サイトアクセス ・IPアドレス ・バナー部へのマウス接触(2秒間) ・バナー利用(正答・誤答・解説) ・アクセス日時 2006/2/17 卒業研究成果発表会

仮運用 結果 被験者A:トラブルで正常なログ取得できず 被験者B:期間中の、サイト閲覧数 7回 学習行動 3回 学習行動毎の問題回答数 仮運用 結果 被験者A:トラブルで正常なログ取得できず 被験者B:期間中の、サイト閲覧数 7回  学習行動 3回 学習行動毎の問題回答数 日付 回答数 1月19日 20 1月21日 10 1月26日 8 計 38 平均値 12.7 学習行動が誘発されていることを確認 2006/2/17 卒業研究成果発表会

本運用 評価目的 サイトにバナー部を実際に設置し、サイト閲覧者がどのような学習行動をとるかを利用ログをもとに評価する 評価方法 本研究室ホームページにバナー部を設置し、利用ログを取得、ユーザ登録者へのアンケート 評価期間 1ヶ月 現在運用評価中であるため、 1月27日~2月13日のログデータで評価 2006/2/17 卒業研究成果発表会

本運用 評価 (日別利用ログ) バナー部で学習を バナー部に2秒以上 行った人数 マウスが接触 日付 学習行動数 バナー接触数 サイト閲覧数 本運用 評価 (日別利用ログ) バナー部で学習を 行った人数 バナー部に2秒以上 マウスが接触 日付 学習行動数 バナー接触数 サイト閲覧数 学習行動率(%) バナー接触率(%) 1月27日 8 22 27 29.6% 81.5% 1月28日 7 31 45 15.6% 68.9% 1月29日 9 42 54 16.7% 77.8% 1月30日 5 63 102 4.9% 61.8% 1月31日 76 11.8% 59.2% 2月1日 10 72 13.9% 62.5% 2月2日 3 78 3.8% 57.7% 2月5日 2 16 25 8.0% 64.0% 2月6日 4 38 77 5.2% 49.4% 2月7日 47 67 6.0% 70.1% 2月8日 73 12.3% 61.6% 2月9日 37 62 8.1% 59.7% 2月10日 53 13.2% 71.7% 2月11日 19 28 10.7% 67.9% 2月12日 6 21 41 14.6% 51.2% 2月13日 39 71 12.7% 54.9% 計 100 593 951 10.5% 62.4% 2006/2/17 卒業研究成果発表会

本運用 評価 2006/2/17 卒業研究成果発表会

本運用 評価 サイト総閲覧者数 951人 バナー部接触 593人 学習行動 100人 平均学習行動誘引率 10.5% 本運用 評価 サイト総閲覧者数 951人 バナー部接触 593人 学習行動 100人 平均学習行動誘引率 10.5% 一般のバナーのクリック率 1%前後 2006/2/17 卒業研究成果発表会

本運用 評価 (登録者) ユーザ登録者数 12名 最長の学習行動 2名 4日間 二日以上の学習者 3名(上記二名含む) 他は、登録日のみ利用 本運用 評価 (登録者) 最長学習行動利用者のデータ ユーザ登録者数  12名 最長の学習行動  2名 4日間 二日以上の学習者  3名(上記二名含む) 他は、登録日のみ利用 日付 問題回答数 サイト閲覧数 1/27 12 1 1/29 1/30 1/31 2 2/01 15 5 2/05 2/06 2/07 2/09 2/12 2/13 14 3 2006/2/17 卒業研究成果発表会

本運用 まとめ 運用の結果、バナーに問題を出題することで、通常のバナーよりも高い誘引率を得ることができ学習行動の誘発を確認した。 本運用 まとめ 運用の結果、バナーに問題を出題することで、通常のバナーよりも高い誘引率を得ることができ学習行動の誘発を確認した。 この結果からは、長期にわたる学習行動の継続が、バナーによって誘発されるかどうかは読み取ることはできなかった。 2006/2/17 卒業研究成果発表会

本運用 まとめ 運用後アンケートより(ユーザ登録者7名に実施) 目に付くので、思わず勉強してしまう 本運用 まとめ 運用後アンケートより(ユーザ登録者7名に実施) 目に付くので、思わず勉強してしまう 問題の出題方法にバリエーションをもたせるなどの工夫をすれば、もっと続くと思う 進捗バーが伸びることに達成感を感じた など、好意的な意見を得たため、本システムをさらに魅力的なものにすることで、学習行動の継続に寄与するのではないかということが示唆された 2006/2/17 卒業研究成果発表会

おわりに 今後 バナー型学習支援システムの魅力を高める拡張 機能を模索して行きたい もっとも正答率の低い問題をはじめに出題 複数の問題集をバナー部上で切り替え 選択肢の削除間隔を変更できるようにする 2006/2/17 卒業研究成果発表会

参考文献 インターネット広告のひみつ,http://www.netadreportnetadreport.com/22.html,(2005年10月13日閲覧). 停滞?転換?インターネット広告の現状,http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2001/1015/netad.htm,(2005年10月13日閲覧). 水野りか:分散学習用CAIでのマスタリ・フィードバックの効果,日本教育工学雑27(2),135-142,(2003). 水野りか:Low-First分散学習方式の効果のCAIでの実験的検討,日本教育工学雑誌24,111-120,(2000). 佐藤昌一:統合型ドリルシェル「ドリル工房」の開発と評価,岩手県立大学ソフトウェア情報学部卒業論文,(2004). 2006/2/17 卒業研究成果発表会

ご清聴ありがとうございました。 2006/2/17 卒業研究成果発表会

学習回数別 利用者数 学習 回数 総数 学習 回数 総数 平均値 7.44 最大値 34 最小値 1 2006/2/17 卒業研究成果発表会 学習回数別 利用者数 学習 回数 総数 1 回 15 人 2 回 4 人 3 回 5 人 4 回 11 人 5 回 10 人 6 回 7 回 8 回 6 人 9 回 10 回 学習 回数 総数 11 回 2 人 15 回 1 人 18 回 20 回 21 回 24 回 25 回 26 回 28 回 29 回 34 回 平均値 7.44 最大値 34 最小値 1 2006/2/17 卒業研究成果発表会

出題アルゴリズム選定表 × ○ 1 2 4 3 5 単語長型アルゴリズム ランダム出題型アルゴリズム 二重構造のドリルアルゴリズム 連続学 習効果を 防止する 機能 再出題 までに すべての 問題を やる必要 がない もの 人間の 作業容 量(7 ±2)を 考慮し ているか 間違えた 問題が 数問後に 再出題さ れる 再出題ま で日数を 置く機能 再活性 化説を 利用 紛らわ しい問題 をとって くる機能 問題ごと に出題数 の設定を 行える機能 得 点 単語長型アルゴリズム × ランダム出題型アルゴリズム ○ 1 二重構造のドリルアルゴリズム 2 正答消去型アルゴリズム 4 項目間隔変動型アルゴリズム 3 三重構造のドリルアルゴリズム 拡張された三重構造ドリルアルゴリズム 状態前進型アルゴリズム Low-First方式 改良Low-First方式 5 2006/2/17 卒業研究成果発表会

その他資料 ユーザ登録者別のログ No.4 総ログ DBリンク 2006/2/17 卒業研究成果発表会

その他 ログ総レコード 6895件 2006/2/17 卒業研究成果発表会