Nt+1/Nt = rt = exp[Rm(1 - Nt /K)]    (1.6) =λexp(-cNt) (1.6a) c = Rm/K, Rm =lnλ.

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Nt+1/Nt = rt = exp[Rm(1 - Nt /K)]    (1.6) =λexp(-cNt) (1.6a) c = Rm/K, Rm =lnλ

kiを第i番目の競争者が加わることによって生じるr0の減少率とすると,ri=rok1k2・・・ki。  ロジスチック式では,ある個体の周りの面積sにいる競争者がi匹いたときの増殖率はri=r0kiである。 kiを第i番目の競争者が加わることによって生じるr0の減少率とすると,ri=rok1k2・・・ki。 1)1 > ki-1 > ki > 0 の場合  これは,競争者が増えるにしたがって競争が激しくなることを示す。 2)0 < ki-1 < ki < 1 の場合  これは,競争者が増えるにしたがって競争が緩和することを示す。 1)と2)の効果を組み込む一つの方法は,1.6a(ただしλ=r0,Nt = xt)でxtをxta(aは正の定数)で置き換えることである. a > 1のときは1)の場合を表わし,a < 1の場合は2)の場合を表わす。    ( ln r0 ≡ Rm )

増殖曲線(再生産曲線,reproduction curve) N-N増殖曲線 ある世代の密度と次世代の密度との関係を表わしたもの (同世代内のある発育段階とそのあとのある発育段階の関係を表わしたものを競争曲線と呼ぶ)。 R-N増殖曲線 密度と増殖率の関係を表わした曲線

N-N増殖曲線(再生産曲線,reproduction curve) コンテスト型(勝ち残り型) スクランブル型(共倒れ型)

R-N増殖曲線 Rt = Xt+1/Xt Xt

(Maynard Smith & Slatkin, 1973) 今まで述べた式では,コンテスト型の増殖曲線を描くことが出来ない   rt = r0 /(1 + cxta) (1.16)       (Maynard Smith & Slatkin, 1973)   rt = r0 /(1 + cxt)a (1.17)        (Hassell, 1975)

競争者の増加に伴う競争の激しさの増加率は減少する 競争者の増加に伴い競争の激しさが加速度的に増える

rt = r0 /(1 + cxt)a (1.17)を利用  昆虫個体群

rt = r0 /(1 + cxta) (1.16)を利用 昆虫個体群

平衡密度一定 (昆虫個体群の場合 餌量で決まる) 個体群の維持population persistence   1.密度依存要因による個体群の維持 制御regulation 平衡密度一定 (昆虫個体群の場合 餌量で決まる)

平衡密度一定 平衡密度変化 (トレンド) 平衡密度変化(トレンド)の制御とトレンドに対する個体群のの制御(動的平衡)   平衡密度変化(トレンド)の制御とトレンドに対する個体群のの制御(動的平衡) 制御regulation 平衡密度一定 制御 平衡密度変化 (トレンド) (昆虫個体群の場合餌量で決まる)

密度依存性による変動要因の分類 密度依存要因 密度逆依存要因 密度独立要因

X 将来、今いるパッチ、生息地が維持される保証がなければ、密度の高い低いに拘わらず移動分散する必要がある。 危険の分散 (spreading the risk) X 将来、今いるパッチ、生息地が維持される保証がなければ、密度の高い低いに拘わらず移動分散する必要がある。

危険の分散 オレンジあたりの密度変化 カブリダニの移動分散をワセリンを使って制限する。  ハダニは,糸を吐きそれをパラシュート代わりにオレンジ間を移動。この分散を助けるため棒を立てる。 カブリダニ ハダニ

密度依存要因と危険の分散の相対的重要性は、 種によって、時には同種内の個体群の間でも異なっていると考えられる。

生命表を基に個体群変動の機構を解明することを生命表分析と言う。 III.個体群変動の解析(Analysis of Population Fluctuations) 生命表分析 Life table analysis 生命表を基に個体群変動の機構を解明することを生命表分析と言う。 特に,相関と回帰分析を使った,変動を起こしている要因の解明と個体群制御要因の解明を,変動主要因分析(key factor analysis)と言う。

生命表

Winter moth ナミスジフユナミシャク

Winter moth ナミスジフユナミシャク

生命表

変動主要因分析 Key factor analysis a.対数変換及び密度と変化率の平均値と分散の算出

密度撹乱要因 密度安定要因 変化率

b.変動主要因の検出 Varley-Gradwell法 K= -R ki = -ri

Podoler-Rogers法 rx R

回帰分析による密度依存性の検出: 普通の回帰分析では密度依存性がないのに密度依存性が検出されることがある。

μγをいれて計算してbcの範囲が負であればそれぞれの水準で有意。 Kuno(1991)の方法 b,通常の計算法から得る回帰係数 n,データー数 5%水準: μγ = 1.960 1%水準: μγ = 2.576 μγをいれて計算してbcの範囲が負であればそれぞれの水準で有意。

Bulmerの第1検定法 B = V / U を計算。 97 98 99 2000 01 02 03 X97 X98 X99 X00 X01 B < Bα(B0.05 = 0.25 + (n - 2)0.0366; B0.01= 0.25 + (n - 2)0.0248;B0.001 = 0.25 + (n - 2)0.0170)のとき,危険率αで密度依存性があると言える。

生命表分析を行なう上での注意点 ・年に2世代以上を経過する昆虫では,Rとして1年間の総変化率を用いるべきである。 ・草食昆虫の場合,変動要因のほとんどが,1m2当たりの密度といった絶対密度に反応するのでなく,植物当たりの密度に反応することが多い。そこで,植物当たりの密度の変化を変動主要因分析することのほうが,変動機構をより理解できることがある。このとき,植物側の変化を独立した変動要因として扱い,そのr値を log(xi/Pi) - log(xi/Pi-1)(Pi, 世代iの植物量)とすれば,植物の変化が及ぼす影響を評価出来る(Yamada 1996)。

Xi+1 xi Insect Xi+2 Pi+1 Plant Pi+2 Pi

植物量の年次変化が変動主要因となることがある。 昆虫/植物の変動は昆虫だけの変動をみるより,密度依存性が検出されやすい。 昆虫/植物の変動は,昆虫だけの変動より,過剰密度依存が起こり,連続振動,カオスになることが多い。

生命表分析を行なう上での注意点(続き) ・通常は,Rに密度依存性が発見された場合,第1変動主要因に密度依存性が発見されるが,密度依存性の様式によっては,第1変動主要因に密度依存性が見られず,第2以下の変動主要因に密度依存性が見られる場合が理論的に考えられる(Royama 1996)。 これが起こるのは,RoyamaではRとxの関係を非線形モデルで表しているからである。すでに示したように,Rとxの関係は線形(直線関係)ではなく,非線形と考えられる。密度依存に対する貢献度を評価する新しい解析法の誕生が待たれる。少なくとも,R―N増殖曲線の形状を調べることが重要である。

ヒトリガTyria jacobaeae

ヤコブボロギクSenecio jacobaea

絶対密度 ヒトリガの R-N増殖曲線 植物あたりの 相対密度 密度は振動が続くことが予測される

ヤマトアザミテントウ(コブオオニジュウヤホシテントウ)Epilachna niponica

産卵の抑制 ー> 植物の回復待ち、新鮮な餌植物を求めての分散、第2回目の越冬

成虫密度が多いと、次年度の成虫密度を過度に減らす 絶対密度 ヤマトアザミテントウ のRーN曲線 越冬成虫 成虫と幼虫の間に餌をめぐる競争 成虫密度が多いと、次年度の成虫密度を過度に減らす 絶対密度 植物あたりの 相対密度 *洪水

シジュウカラ                                                     

変動主要因 越冬期の死亡:ヒナが巣立ってから,翌年の繁殖期迄の変動 =冬期までの死亡 + 冬期から翌春の繁殖開始までの死亡 他の要因  一腹卵数  孵化率  ひなの死亡 冬期から翌春の 繁殖開始までの死亡

縄張り(territory): 取り除く 3日後

縄張り(territory):1個体あるいは複数個体によって独占的に使用される空間。通常,異種個体あるいは同種の他個体に対して防御行動をとる。 縄張りのメリット: 1)資源の独占使用。 2)間おき効果による病気,捕食の軽減。 3)縄張り内の熟知による捕食からの逃避。 4)個体群の安定。 4)は結果として起こるのであって,このために縄張り制が進化したのではないと考えられている。 よく似た用語に,行動圏(home range)があるが,他個体を排除しない点で,縄張りと異なる。

被食者の増加 ↓ 捕食者にとっての餌の増加 捕食者の増加 捕食圧の増加 被食者の減少 捕食者の減少

植物(潅木若芽)の質悪化 カンジキウサギ ライチョウ ヤマネコ