教科「情報」とはどんな授業か 情報科教育法 2回目 2004/4/23 太田 剛.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
専門教科「情報」(2) 6/1/07. 各科目(続き) 課題研究 課題研究(1) 目標 情報に関する課題を設定し,その課題の解決 を図る学習を通して,専門的な知識と技術の 深化,総合化を図るとともに,問題解決の能 力や自発的,創造的な学習態度を育てる.
Advertisements

個人情報を守る学習指導 柏市立土南部小学校 教諭 西田 光昭
情報社会の影の部分の実態と求められる情報教育 ~情報社会の波に押し流されない児童・生徒を育成するために ~ 平成 17 年度修士論文 北海道教育大学函館校大学院学校教育専修4953 佐々木 朗.
1 課題の洗い出し. 2 1.本日の日程 ①開会の挨拶 日程説明 ( 5 分) ②自己点検 ( 10分) ③情報モラル指導の必要性(プレゼン) (20分 ) ④課題の洗い出し ( 10分) ⑤全体計画についての協議Ⅰ (15 分) ⑥全体計画についての協議Ⅱ (20 分) ⑦全体計画についての協議Ⅲ.
情報科指導法Ⅰ 第 15 回 模擬授業と総括. 自由利用マーク 文化庁 2003 年~ プライバシーマーク.
1.情報教育について 2 情報教育. 情報教育とは 児童生徒が自ら考え、 主体的に判断・表現・行動 児童生徒は主体的に学ぶ 「情報活用能力」を育成する教育.
身の回りの IT 情報科教育法 後期 10 回 2004/12/18 太田 剛. 目次 1. 最終提出の確認 2. ルータの説明 ( 先週の続き ) 3. 身の回りの IT 1/8 の授業は情報科教員の試験対策です。
1 数学科教育法Ⅰ数学科教育法Ⅰ数学科教育法Ⅰ数学科教育法Ⅰ 平成16年10月20日(水) 3班 情報工学科 牧野 寛之 情報工学科 牧野 寛之 情報工学科 吉田 美 幸 情報工学科 吉田 美 幸 情報工学科 山本 和 樹 情報工学科 山本 和 樹 建築学科 吉田 絢 子 建築学科 吉田 絢 子 ★
学習指導での ICT 活用 柏市立中原小学校 西田 光昭 教育の情報化に関する手引き【概要】
情報モラルと著作権 道徳・特別活動・総合的な学習の時間. 目次  情報モラル 情報モラル  著作権 著作権  関連する Web ページの紹介 関連する Web ページの紹介.
情報社会に参画する態度(2) 情報科教育法 11 回目 2005/6/25 太田 剛.
情報科教育法 第4章 「総合的な学習」 との協調
ケータイ・ネット安全教室 被害者・加害者にならないために
平成21年度小学校外国語活動中核教員研修 小学校外国語活動基本理念 ~新学習指導要領等について~
教育の情報化に関する手引のポイント 平成21年6月 平成21年度情報教育担当者研修
『教育の情報化に関する手引き』 目玉はここだ
5 情報モラル教育 4.道徳や各教科等における  情報モラル.
日本の英語教育 c 奥田波奈.
 テーマ別解説 中学校における 情報モラル指導の実際 千葉県八千代市立八千代中学校 校長 坂本 仁.
総合的な学習の時間     はじめるにあたって….
総 合 的 な 学 習 の 時 間 ふるさと教育が生きる時間に! 本校の特色ある活動 子供たちが楽し 「チャレンジ・タイム」
情報モラル.
大分県教育庁佐伯教育事務所 学校改革担当指導主事 有田千香
富山大学教育学部 附属教育実践総合センター 助教授 小川 亮
オンエンテーション・教科「情報」の概要 情報科教育法 1回目 2004/4/17 太田 剛.
総合学科における全員履修科目としての「情報」の取り組み -教科情報必修化にさきがけて-
情報科教育法後期第6回 授業を設計する(2) 情報B
教職院 ナッキョン 奈良市高畑町 得意: 授業での「つかみ」
情報教育の推進について 神奈川県立川崎北高等学校.
 テーマ別解説 情報モラルの5つの領域 岐阜聖徳学園大学 教育学部 准教授 石原 一彦.
      特別支援学校 高等部学習指導要領 聴覚障害教育について.
東京経営短期大学 経営総合学科 准教授 玉田 和恵
ICT活用指導力向上研修会 ~児童生徒の情報活用能力を高める指導方法~
平成21年度 特別支援学校新教育課程中央説明会 (病弱教育部会).
保健学習の進め方・指導案の書き方 さいたま市立三橋小学校   豊島  登.
大分県立宇佐支援学校 グランドデザイン (平成28年度版)
小・中学校における 「情報モラル」学習指導資料集 説明会
どこで、何を使って?(準備物と場の設定)
薩摩川内市小中一貫教育特区 (連携型) 平成18年4月~平成20年3月
高等学校 情報A (1)情報を活用するための工夫と情報機器 イ 情報伝達の工夫 いろいろな情報伝達の方法
ネットワークコミュニケーション (教科書88ページ).
情報教育の位置づけ 目標 年度の重点 情報化社会の創造に進んで参画できる主体的な子供の育成
平成19年度10年経験者研修 「教科指導等研修(Ⅱ)」
新学習指導要領の手引 技術・家庭科(技術分野)
情報科教育法第3回 普通教科「情報」の構成 理学部数学科 清 水 克 彦.
テストと評価をどう改善したらよいか 2005年7月25日 兵庫教育大学 成田 滋.
情報科教育法 課題4 「情報科学習指導案」 2003/07/09 千葉佑介 野田誠遼平井亮自
新学習指導要領説明会 技術・家庭(技術分野) 内容の数が2から4へ  ・改善の基本方針  ・内容の解説  ・指導計画の作成.
情報モラル学習(教職員) これだけは知っておいてほしい情報モラル.
ICT活用指導力チェックシート(小学校版)
地域・社会貢献をするために人として必要な資質
東京経営短期大学 経営総合学科 准教授 玉田 和恵
東京経営短期大学 経営総合学科 准教授 玉田 和恵
情報の収集と共有 第3章 3節  ネットワーク社会のルールとマナー 2 情報の安全性確保 p68~p71.
小・中学校における 「情報モラル」学習指導資料集 説明会
小中連携を進めるために! 外国語教育における 三つのステップと大切にしたいこと 岐阜県教育委員会 学校支援課
ICT活用指導力向上のための ICT教育研修と校内研修
平成19年度地域教育フォーラムin京都   第5分科会 「学力向上アクションプラン」     ~洛西方式Ⅱ~  京都市立洛西中学校 2007,7,31.
思考力・判断力・表現力等の育成に向けて 平成20年12月26日 徳島県立総合教育センター.
情報科の評価 情報科教育法 後期5回 2004/11/05 太田 剛.
中学校保健体育科 1 改訂の趣旨及び要点 新学習指導要領の趣旨を踏まえた授業づくり 改訂の基本的な考え方 目標の構成の改善 内容の構成の改善
平成15・16・17年度 田辺市教育委員会指定研究校 『情報化社会を生きる児童の育成』
デジタルアーカイブ専攻 コア・カリキュラム構成の設定と学習内容・行動目標 デジタル・アーキビスト の養成 育成する人物像 入学前課題
IT活用のメリットと活用例 校内研修提示資料.
健康教育導入について 宮崎県薬剤師会 健康教育推進委員会  鈴木 啓子.
現在対応 将来展望 変動的 操作スキル プログラミング 情報モラル 探究スキル 普遍的 図13−1 情報活用能力の構成要素 (p.176)
千葉県柏市立土南部小学校 西田 光昭 学校における情報モラル指導の実際 千葉県柏市立土南部小学校 西田 光昭
学校における教育の情報化の推進と校内研修の企画運営
平成20・21年度 国立教育政策研究所・教育課程研究センター指定
学習指導要領の改訂 全国連合小学校長会 会長 大橋 明.
Presentation transcript:

教科「情報」とはどんな授業か 情報科教育法 2回目 2004/4/23 太田 剛

目次 1.学習指導要領の改訂と教科「情報」 2.情報社会の光と影 インターネット事件簿

1.学習指導要領の改訂と教科「情報」

改訂のポイント 平成10年7月の教育課程審議会答申を受けて,完全学校週5日制の下で,「ゆとり」の中で「特色ある教育」を展開し,幼児児童生徒に自ら学び自ら考える[生きる力]を育成。

改訂のポイント(その1) (1) 豊かな人間性や社会性,国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること。 ・ 幼稚園や小学校低学年では,基本的な生活習慣や善悪の判断などの指導を徹底。また,ボランティア活動の重視。 ・ 小学校では人物・文化遺産中心の歴史学習の徹底,中学校では歴史の大きな流れをつかむことを重視する歴史学習に改善。我が国の国土や歴史に対する理解と愛情,国際協調の精神など国際社会に主体的に生きる日本人としての資質の育成を重視。 ・ 中学校及び高等学校外国語科の必修化と聞く話す教育の重視など。

改訂のポイント(その2) (2) 自ら学び,自ら考える力を育成すること。 ・ 各教科及び「総合的な学習の時間」で体験的な学習,問題解決的な学習の充実。 ・ 各教科等で知的好奇心や探究心,論理的な思考力や表現力の育成を重視。 ・ コンピュータ等の情報手段の活用を一層推進。中学校技術・家庭科で情報に関する内容を必修化,高等学校で教科「情報」を必修化など。

改訂のポイント(その3) (3) ゆとりのある教育活動を展開する中で,基礎・基本の確実な定着を図り,個性を生かす教育を充実すること。 ・ 年間授業時数は,現行より週当たり2単位時間削減。 ・ 教育内容を授業時数の縮減以上に厳選し,ゆとりの中で基礎的・基本的な内容を繰り返し学習し,その確実な定着を図る。 ・ 中・高等学校における選択学習の幅を一層拡大。 ・ 高等学校では,卒業に必要な修得総単位数を80単位から74単位に縮減,必修教科・科目の最低合計単位数を38単位(普通科)から31単位に縮減など。

改訂のポイント(その4) (4) 各学校が創意工夫を生かし特色ある教育,特色ある学校づくりを進めること。 ・ 「総合的な学習の時間」を創設し,各学校が創意工夫を生かした教育活動を展開。 ・ 各学校が創意工夫を生かした時間割編成ができるよう,授業の1単位時間や授業時数の運用の弾力化。 ・ 教科の特質に応じ目標や内容を複数学年まとめるなど基準の大綱化。 ・ 高等学校における学校設定教科・科目の導入など。

“情報科”の面白さ (1) 変わりゆく社会の中での生き方の考え方を教える。  ・どうやって勉強すればいいか調べる方法  ・どうやって生活していけばいいか調べる、考える方法。 (2) 地域、社会、世界と係わりをもっていきていく方法を教える。  ・どうやって人とつきあうか、コミュニケーションするか。  ・社会情勢、世界情勢、歴史をどのように理解・判断するか。 (3) IT社会の活用や面白さを伝える。  ・IT社会のしくみの理解と活用。  ・IT社会を構築する力の育成。

教科の概要とその意義、目的 (1) 普通教科「情報」 意義: すべての生徒に対し、情報社会に主体的に対応するために社会人として必要な能力と態度をそだてなければならない。 目標: 情報および情報技術を活用するための知識と技能の修得を通して情報に関する科学的な見方や考え方を養うとともに、社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ、情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる。

普通教科「情報A,B,C」の考え方 理科 情報 情報A 情報B 情報C 物理 情報活用の実戦力 生物 情報の科学的な理解 化学 情報社会に参画する態度 地学

情報A,B,Cの目標の関係  情報活用の 実践力 情報社会に参画する態度 情報の科学的な理解 情報A

情報A,B,Cの目標の関係  情報活用の 実践力 情報社会に参画する態度 情報の科学的な理解 情報B

情報A,B,Cの目標の関係  情報活用の 実践力 情報社会に参画する態度 情報の科学的な理解 情報C

情報活用の実戦力 情報の収集と判断・処理 情報の利用と問題解決 情報の伝達・交流 情報の発信・創造

情報の科学的な理解 コンピュータや情報機器の仕組みと働き 問題のモデル化とコンピュータを活用した解決 ・問題解決とコンピュータの活用 問題のモデル化とコンピュータを活用した解決 ・問題解決とコンピュータの活用 情報の蓄積・管理とデータベース活用 情報通信ネットワークとコミュニケーション 情報通信と計測・制御の技術

情報社会に参画する態度 情報化・情報技術の進展が社会・生活に及ぼす影響 情報の収集・発信における問題点 情報倫理・情報安全教育 情報社会に積極的に参画する姿勢

情報社会やコミュニケーションに関心を持つ生徒 ◎社会で使用されている情報システムの観点から 情報ABCの特徴  対象生徒 情報活用の実戦力 情報の科学的な理解 情報社会に参画する態度 A 活用経験の浅い生徒 ◎(実習1/2) △仕組みを情報機器の発達の歴史の中で ○身の回りから社会へ B コンピュータに興味・関心を持つ生徒 ○(実習1/3) ◎コンピュータのしくみ △情報技術の観点から C 情報社会やコミュニケーションに関心を持つ生徒 ○ネットワークのしくみ ◎社会で使用されている情報システムの観点から

授業の内容を想像しよう。 情報活用の実戦力 情報の科学的な理解 情報社会に参画する態度 の各分類について説明したが、それぞれどのような授業があるか考えてみよう。 各4+5+4で13個の授業のパターン。13行です。 学習指導要領やWebページから探す。 締め切り 5/2 件名 理科大課題0423: 氏名 学籍番号 同一件名で 理由有りパス又は遅延も受付ます。

他の情報科関係の教職科目について 情報科の教科の中での位置づけを意識してください。 情報と職業 情報社会及び情報倫理 教育方法・技術 コンピュータ ネットワーク プログラミング システム

情報科で絶対に教えなければいけないこと。 インターネットの世界だけではない。 犯罪の手口は日々進化している。 2.情報社会の光と影 インターネット事件簿 情報科で絶対に教えなければいけないこと。 インターネットの世界だけではない。 犯罪の手口は日々進化している。

情報社会の光と影 被害者になるとこともあるが、加害者になることもある。 法律を犯している場合は、学生でもいつ訴えられたり、損害請求をされてもおかしくない。 ○ 情報倫理 ○ 情報安全教育 ○ 情報モラル ○ 消費者教育 ○ ネチケット

インターネット事件簿を読んでみよう。 インターネット事件簿 事例集 2005年度版を読んで、 インターネット事件簿 事例集 2005年度版を読んで、 配布資料の各項目で注意することや対策をまとめてみよう。

これだけは注意しよう。 1. 人をみたら泥棒と思えぐらいの心構え。 2. ID,パスワード、暗証番号の扱いは慎重に。 3. 個人情報はめったに書かない。 4. 契約書はよく読もう。 5. 困ったことがあったら公的機関にすぐ相談しよう。 6. おかしい情報は無視しよう。(裁判所からの通知は除く) 7. 物品の購入は慎重に。 8. パソコンには必ずワクチンソフトとウィルスのデータベースの更新する。 情報モラル研修教材2005http://sweb.nctd.go.jp/2005/index.htm 資料集 http://sweb.nctd.go.jp/2005/siryo/index.htm

ID・パスワード 他人に教える。 私ではない。盗まれる パスワードの盗むプログラム どうして知っているの パスワードの扱い  紙に書かない、わかりにくいもの  絶対他人に教えてない、定期的な更新 ・ 銀行のカードなども同じ

メール CC, BCC チェーンメイン 電子メール利用上の注意 最低限のルール 件名、名前、文字コード 大きなファイルの添付 スパムメールへの対応 フリーメールの利用

悪徳商法・インターネット販売 ネズミ講 悪徳商法 クレジットカードの不正使用 入力間違いは個人の責任 キャッチセールス 海外への不正接続 わかりにくい契約文書 不正請求

個人情報 大量の広告メール ストーカー 個人情報を書かない メール、Web上での情報の公開 他人の肖像権-学校等

著作権 ライセンス情報の公開 Webでのタレントなどの写真 ファイル交換ソフト 著作権

ウィルス 作成情報もダメ ポートスキャン・進入 ウィルス対策ソフト

不正アクセス・不正情報 家に入っても犯罪 猥褻情報 セキュリティ なりすまし、踏み台

他人との交流 いやがらせ、誹謗中傷 言い争い

理科大のルール 商業行為の禁止 公序良俗に反する情報はのせない

参考資料 情報A,B,Cの違いについて詳しく知りたい人は下記のページを参照 http://www.ceres.dti.ne.jp/~gohome/rikadai/Top0103.html

教科「情報」の学習目標 ◎ ○ 情報活用の 実戦力 情報の科学的 な理解 情報社会に 参画する態度 情報および情報技術を活用するための知識と技能の修得を通して ◎ 情報に関する科学的な見方や考え方を養うとともに、 社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ、 情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる。 ○

情報Aの学習目標 情報活用の実戦力 情報の科学的な理解 情報社会に参画する態度 情報Aの学習目標  情報活用の実戦力 情報の科学的な理解 情報社会に参画する態度 コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用を通して,情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識と技能を習得させるとともに,情報を主体的に活用しようとする態度を育てる。 ◎ 帰納的 体験的

情報Bの学習目標 情報活用の実戦力 情報の科学的な理解 情報社会に参画する態度 コンピュータにおける情報の表し方や処理の仕組み, ◎ 情報社会を支える情報技術の役割や影響を理解させ, ○ 問題解決においてコンピュータを効果的に活用するための科学的な考え方や方法を習得させる

情報Cの学習目標 情報活用の実戦力 情報の科学的な理解 情報社会に参画する態度 情報のディジタル化や情報通信ネットワークの特性を理解させ, ◎ ○ 表現やコミュニケーションにおいてコンピュータなどを効果的に活用する能力を養うとともに, 情報化の進展が社会に及ぼす影響を理解させ,情報社会に参加する上での望ましい態度を育てる。