2班 小熊崇泰 熊坂愛理 河野雅之 小島啓司 斉藤彰 吉川博之

Slides:



Advertisements
Similar presentations
ステレオ画像を用いた距離測定 小山高専 坪田 真延. Ⅰ. 概要  平行にずらした 2 つのステレオ画像を用いて 対象(人)物までの距離認識を行う。 図 1.1. 左から見た対象 ( 人 ) 物図 1.2. 右から見た対象 ( 人 ) 物.
Advertisements

34-2 今 日 の ポ イ ン ト今 日 の ポ イ ン ト 現代社会とストレスと糖尿 病 1.1. ストレスによる 血糖コントロールへの影響 2.2. QOL障害によるストレ ス 3.3. 糖尿病とうつ 4.4. ひとことアドバイス 5.5.
「方法」に関する注意 1) 実際におこなった内容(「事実」)を記載する
電子透かしにおける マスキング効果の主観評価
心理検査の持ち帰り実施が 結果に及ぼす影響について
特別養護老人ホームさくら園 副施設長 金谷 龍太郎
Fibro Scan502による肝線維化の評価 杉岡陽介 鈴木淳史 戸塚実 東京大学医学部附属病院検査部.
緑内障と診断されたら 是非やっておきたい 3つのこと
子ども達への科学実験教室の運営方法論 -環境NGO「サイエンスEネット」の活動事例をとおして- 川村 康文
※自分のストレングスと事業所のストレングスをそれぞれ枠の中に書いてください。
和歌山大学 新入生意識調査.
経管栄養の技術      及び関連するケア.
PF-ARフロントエンド部における冷却水流量計に関する評価
      特別支援学校 高等部学習指導要領 聴覚障害教育について.
Electromyographic activity from human laryngeal ,   pharyngeal , and submental muscles during swallowing ヒトの嚥下中における喉頭、咽頭、オトガイ下筋群のEMG活動 A班      担当ライター 人見 先生.
農作業における作業強度の計測・解析 に関する基礎研究 - 作業強度と重心動揺について -
レッツ倶楽部 京都山科 美容器具・健康器具紹介
平成21年度 特別支援学校新教育課程中央説明会 (病弱教育部会).
上坂吉則 尾関和彦 文一総合出版 宮崎大輔2003年6月28日(土)
集中治療室入室経験者の その後の生活・人生について
A班 ランダム選択に一言加えたら・・・ 成田幸弘 橋本剛 嶌村都.
脳性まひをもつ 子どもの発達 肢体不自由児の動作改善を目指して 障害児病理・保健学演習 プレゼンテーション資料 2000年2月24日
本邦における「障害」の射程と 身体障害者手帳をめぐる問題
学習目標 関節リウマチ患者,脊髄損傷患者について 1.姿勢保持訓練について説明できる. 2.移動訓練について説明できる. 3.作業療法について説明できる. 4.看護において,どのような社会資源を活用できるかを理解している. 5.看護において,どのような心理的援助が必要か理解している. 6.それぞれの家族へ,どのような介護指導をすべきか述べることができる.
健康寿命について H27.1健康づくり課作成 ○健康寿命とは… 一般に、ある健康状態で生活することが期待される平均期間またはその指標の総称
卒業論文 最終発表 WWW情報検索 ナビゲーションシステムの設計と実装
看護技術各論Ⅱ Positioning 体位変換.
高齢化社会と補聴器 東北大学 医工学研究科 / 医学系研究科 川瀬哲明.
第4章 子供はものごとを どう理解するか?.
プログラミング入門第4回 ~レゴロボットのプログラミング3~
インスリンの使い方 インターンレクチャー.
口唇・舌感覚異常プロトコール記載要項 誘発感覚 自発感覚
介護予防サービス・支援計画表 記入のポイント.
水の官能試験による おいしさの相関について
VAP(人工呼吸器関連肺炎) の予防 JSEPTIC_Nursing.
関西リハビリ病院におけるCI療法 方法 治療期間 訓練内容 非麻痺側上肢をミトンで固定 麻痺側上肢のみで集中的な運動を実施
こける(転倒) よろめく (バランス能力の低下) 入れ歯の問題 噛む力が落ちる 食いしばれない 歯がぐらぐらする 入れ歯を使用しない
学習目標 1.急性期の意識障害患者の生命危機を回避するための看護がわかる. 2.慢性期の意識障害患者の回復に向けた看護がわかる. 3.片麻痺患者のADL獲得に向けた看護がわかる. 4.失行・失認の患者が生活に適応するための看護がわかる. 5.失語症の患者のコミュニケーション方法の確立に向けた看護がわかる.
SAMPLE 1.人間の活動・運動の意義が理解できる. 2.随意運動の成り立ちが理解できる. 3.同一体位による身体への影響が理解できる.
シミュレーション論 Ⅱ 第15回 まとめ.
第3回 患者・利用者との対話.
認知症老人の介護   家族に対するケア 上野公園病院 高 田 靖 子.
第2日目第4時限の学習目標 平均値の差の検定について学ぶ。 (1)平均値の差の検定の具体例を知る。
血液透析患者の足病変がQOLに与える影響の調査 ~SF-36v2を使用して~
米山研究室紹介 -システム制御工学研究室-
東京医科歯科大学 歯科器材・薬品開発センター シンポジウム
住宅用調理レンジを対象とした 排気フードの廃気捕集率に関する研究
咀嚼・嚥下 お食事のポイント.
末期がん 【症例2】 ・口腔衛生不足 ・歯科疾患(う蝕・歯周病) ・口腔乾燥、口内炎、出血、 味覚異常など ・摂食嚥下機能低下
21.心肺蘇生法 みなさんはもう受講しましたか? 普通救命講習修了証.
3DSセラピー + すずかけの木新聞 7月号 口腔内除菌療法 保健指導 当院では
高齢慢性血液透析患者の 主観的幸福感について
フレイルとは すずかけの木通信H30.3月号 お口の健康の維持は 全身の健康に影響します。 健康な状態と日常生活で
肺の構造. 肺の構造 肺の間質とは? IPF(特発性肺線維症)とは? IPF患者さんの肺の画像(胸部X線)
AIは人間にとって 良いか悪いか 反対:2班の主張.
第4章 統計的検定 (その2) 統計学 2006年度.
カラス撃退装置 ~カラスもたじたじ~ 8班 班長 藤井将之     梅田陽平     大村泰史     藤井秀徳.
口腔保健支援センターの歯科保健指導の業務カタログ
ロボットから人に話しかける 判断モデルの構築
Homogeneous model 相同モデル
メルボルン スウィンバ-ン大学脳科学研究所
看護学生への喫煙教育による認識の変化からみた禁煙支援
自転車の利用促進に着目した研究 名古屋大学  E班 M1  酒井大輔             徐剛           高橋和大 平野泰博    安江勇弥.
南魚沼市民病院 リハビリテーション科 大西康史
在宅医療をご存じですか? 編集:○○○○○ 訪 問 診 療 往 診 在宅医療を利用できる方(例) 在宅医療で受けられる主なサービス
衛生委員会用 がんの健康講話用スライド.
在宅医療をご存じですか? 編集:○○○○○ 訪 問 診 療 往 診 在宅医療を利用できる方(例) 在宅医療で受けられる主なサービス
健康再生療養型リゾート計画.
プログラミング入門 -「計算」に注目して考える-
2010応用行動分析(3) 対人援助の方法としての応用行動分析
Presentation transcript:

2班 小熊崇泰 熊坂愛理 河野雅之 小島啓司 斉藤彰 吉川博之 加齢歯科学テーマ別発表 2班    小熊崇泰      熊坂愛理      河野雅之     小島啓司       斉藤彰       吉川博之

①論文及び研究の概要及び導入 PartⅠ (根本にある目的) 嚥下障害の患者さんに対して有効な治療法の開発 従来・・・ このような患者さんに対する治療は誤嚥を防ぐための強化訓練 食事・姿勢の改善・非経口栄養 etc・・・ 「FES(機能的電気刺激)による、標的となる筋活動の増幅」 を利用した補助器具の開発はできないだろうか・・? 目標

①論文及び研究の概要及び導入 PartⅡ (標的となる筋) 顎舌骨筋(MH)・甲状舌骨筋(TH) (原理) 活動が不可欠 これらの筋の活動をFESによって嚥下中に増幅させることが できれば、舌骨・喉頭の働きが不十分な嚥下障害者の気道の 保護に非常に有効である(喉頭挙上の潜在的な増幅) つまり・・・

①論文及び研究の概要及び導入 PartⅢ 自動に、適切なタイミングでFESを与え、MH及びTHの活動を 増幅させることができれば最高だが、それは今のところ困難 超重要 マニュアルで、適切なタイミングでFESと嚥下運動を協調させ、 筋活動(MH、TH)を増幅させることができるかどうかが焦点 人間は咽頭部の刺激を感じ、「そろそろ飲み込むかな」と随意的 に感じることもできる。これを利用すれば「適切なタイミング」を 獲得することができるのではないだろうか?

①論文及び研究の概要及び導入 PartⅣ (問題点) 確かに、筋肉内に電極を置くなりすれば個々の筋は特有の活 動を行うことができるが・・・ 順応とは・・・ 発火の大きさ、持続時間の低下 ・FESを繰り返し与えることで、中枢で順応が起こってしまうのでは? ・FESが、MHとTHの活動の適切なタイミングに影響するのでは? これらの問題点をクリアし、「喉頭挙上を助ける筋活動の増幅」を 実現できるのかを確かめるために実験を行った!!!

②実験の方法(Experimental Procedures) (実験の基本的な概要) ・9人の健康な成人が被験者(F1人 M8人)  で9回行った ・平均年齢は43y ・MH、THは両側性の筋である 簡単な模式図 下顎骨 顎舌骨筋 舌骨 甲状舌骨筋 片側は刺激用の電極を*左図  片側はEMG計測用の電極*左図    は甲状軟骨の動きを察知するパッチを皮膚上に貼付 ・2相性刺激(200μS、0,5~6,0mA 30Hzの頻度) 甲状軟骨

②実験の方法(Experimental Procedures) (1)被験者の口腔内に2mlの水をシリンジで与えた。 (2)嚥下開始に合わせてFES発生のボタンを押して    もらった。 (3)その時の顎舌骨筋と甲状舌骨筋の筋電図を   計測した。 (4)また被験者が刺激を予想してFESのボタンを   押すが、実験者がその刺激を故意に出ない ようにした。(Foil実験)

Figure 1 甲状舌骨筋 顎舌骨筋 FES

FESの開始時間から顎舌骨筋の活動までの時間 ⅰ :平均値 被験者別の実験データ :実測値 FESの開始時間から顎舌骨筋の活動までの時間 ⅰ FESの開始時間から甲状舌骨筋の活動までの時間 ⅱ

FESの開始時間から顎舌骨筋の活動までの時間 ⅰ :平均値 各試行別の実験データ :実測値 FESの開始時間から顎舌骨筋の活動までの時間 ⅰ FESの開始時間から甲状舌骨筋の活動 までの時間 ⅱ

甲状舌骨筋の活動開始とFES に同時性を持たせる方法 Predict control 被験者自身は甲状舌骨筋の活動と喉頭の挙上 のタイミングが同じことがわかっている。              ↓ つまり、口腔内に食塊がある時、嚥下の咽頭期 における喉頭の挙上の開始時間を予測すること ができる。 喉頭の挙上を予想したときFESのボタンを押すこと。

甲状舌骨筋の活動開始とFES に同時性を持たせる方法 Reactive control ・ボタンを押そうと思ってから実際にボタンを 押すまでの時間→200~300ms ・食塊が喉頭蓋谷にある時から甲状舌骨筋の 活動開始までの時間→平均250ms 食塊が咽頭へ入る感覚でボタンを押すと手動 の反応時間の遅延を利用して甲状舌骨筋の 活動開始とFESのタイミングを合わせられる。

FESを作動させた嚥下を繰り返しても顎舌骨筋と 甲状舌骨筋の活動の大きさに変化は見られない

同様に持続時間においても変化は見られなかった。 甲状舌骨筋 顎舌骨筋 同様に持続時間においても変化は見られなかった。

顎舌骨筋と甲状舌骨筋の活動開始時間の差    →ベースラインとFoil嚥下で比較 これらの間には有意な差は見られなかった

・健康な被験者は、口腔感覚や手の動作の認識機能が十分あるので、下の咽頭期と手動のFES発生のボタンを合わせることができる。 まとめ ・健康な被験者は、口腔感覚や手の動作の認識機能が十分あるので、下の咽頭期と手動のFES発生のボタンを合わせることができる。 ・筋活動のパターンは筋刺激増幅の影響によって順応しない。          ↓   慢性的嚥下障害患者にFESを長期間使用できる。 嚥下障害患者でも口腔感覚や手の動作の認識機能が十分あれば