磁気トルカ較正試験結果 宇宙機ダイナミクス研究室 D2 宮田 喜久子
目的 小型人工衛星QSAT搭載用の磁気トルカにおける印加電圧と発生磁気モーメントの関係を求める. 可能な限り多くのデータを収得し,最終的にはそのデータを制御則に組み込む QSAT用磁気トルカ3軸×2セット(予備含) についての測定を行う.
諸元 姿勢制御ユニット諸元 磁気トルカ諸元 直径 10.4[mm] コア素材 パーマロイPB コア直径 10[mm] 長さ 145[mm] 導線素材 銅 φ0.2[mm] 巻き数 950(2階層) 印加電流範囲 ±0.200[A] 磁気モーメント(設計値) ±1.3[Am2] 管理基板 北斗電子製QTEXモデル ローカル基板 設計 若槻さん 製作 (株)テクノサポート九州 筺体 標準タイプ 現行印加電圧範囲 -1.2~1.0[V] 最小電圧刻み幅 0.001221[V] Vout=Vref((2Nb/4096)-1) Vref=2.5[V] 注)現行プログラムでは0.01[V]刻みで出力
実験設備 磁気シールドチェンバー(内径の直径約5m) フラックスゲート磁力計テラテクニカ製RFG-3F (3軸、精度 0.1nT程度) @宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部 磁気シールドチェンバー(内径の直径約5m) フラックスゲート磁力計テラテクニカ製RFG-3F (3軸、精度 0.1nT程度) 測定系のバックグラウンド+磁力計込みの相対精度は 0.5nT 程度
実験方法 磁気トルカと磁気センサを一直線上に配置して印加電圧に対応した磁気センサの出力を読み取り,その値から発生磁気モーメントを計算する.
測定モード 1.大まかな傾向の測定 測定電圧: 0V, +1V,-1V,+0.5V,-0.5V 0,90,180,270,360[deg]の5つの角度+前後に2回の背景測定 計測データ=真値+磁力計の電気的オフセット +磁力計センサオフセット+シールドルームのバックグラウンド ノーマルの値=+B+Boff +リバースの値=-B+Boff 2Boff 前後のBの計測の平均値 (back1+back2)/2 …真値のない値
測定モード 2.Scanモードでの計測を行う(0.1V刻みでの計測) 3.磁気トルカを立てた状態での測定 -1.0~1.0Vまで0.1V刻みで徐々に電圧を上げていきながら測定. 測定時間は各々20sec 1.0Vまで到達したら-0.1Vずつ変化させ,-1.0Vまで測定する. このモードでは簡易的にしかデータをとらない. 計測の前と後で印加電圧なしの状態を測定し,そのデータの平均値(バックグラウンド)のみを補正したデータで解析する. 3.磁気トルカを立てた状態での測定 0V,0.01Vの2つの電圧
磁気センサ値と磁気モーメント M ダイポールモーメントと仮定した場合の磁気モーメント値 [M] B 磁気センサが計測した磁束密度 [nT] L トルカコア長さ 145[mm] / d トルカ直径 10.4[mm] R 磁気センサとトルカコアの中心の間の距離1.2 [m] l=R/L 真空の比透磁率m0=4p×10-7 [N/A2]