食中毒とは? 食品や飲料水を介して体内に入った微生物や有害物質によって起こる健康被害(下痢・嘔吐・発熱等急性胃腸炎と急性神経症状)

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食中毒とは? 食品や飲料水を介して体内に入った微生物や有害物質によって起こる健康被害(下痢・嘔吐・発熱等急性胃腸炎と急性神経症状) リベルテ診療所  食中毒とは? 食品や飲料水を介して体内に入った微生物や有害物質によって起こる健康被害(下痢・嘔吐・発熱等急性胃腸炎と急性神経症状) ①細菌性食中毒(毒素型食中毒、感染型食中毒、中間型食中毒) ②ウイルス性食中毒(ノロウィルス、ロタウィルス、A型肝炎ウィルスなど) ③化学性食中毒(アレルギー性食中毒、砒素、PCBなど) ④自然毒食中毒(毒キノコやフグのテトロドトキシンなど) ⑤その他(寄生虫アニサキスなど) 食品衛生法施行規則の一部改正 注)H15年;小型球形ウィル     スはノロウィルスに。  食中毒病因物質の分類 平成11年12月28日  食中毒(しょくちゅうどく)とは、有害・有毒な微生物や化学物質等毒素を含む飲食物、水を人が口から摂取した結果として起こる下痢や嘔吐や発熱などの疾病(中毒)の総称である。食中毒は、その原因になった因子・物質によって、①細菌性食中毒、②ウイルス性食中毒、③化学性食中毒、④自然毒食中毒、⑤その他に大別される。平成11年「食品衛生法施行規則の一部改正」が行われ、(1)コレラ菌、赤痢菌、チフス菌及びパラチフスA菌の4菌種を追加する。(2)「サルモネラ菌属」は「サルモネラ属菌」とする。(3)メタノールを削除することとし、また、「その他の化学物質」を「化学物質」とするとなった。(1)は伝染病に分類されていたが、新感染症法を契機に食中毒として取り扱うことになった。食品を介して感染する病気は、原則として食中毒となった。食中毒原因菌に指定されているのは十六種類です。梅雨など高温多湿となる夏期に、最も食中毒の発生件数が多い。このほとんどは細菌性食中毒である。しかしこれ以外の季節であっても、冬期にもカキ (貝)が原因とみられるノロウイルスが原因の食中毒が多く発生する。また、キノコやフグなどによる自然毒食中毒は、それぞれその食材の旬にあたる秋から冬にかけて多く発生する。かつては、人から人へ感染が及ばないものとされていたが、O157 などの腸管出血性大腸菌やノロウイルスは患者から患者へ感染するため、近年、国際的には食感染症として伝染病とあわせ対策をなされている。

リベルテ診療所  食中毒の分類 ○感染型;細菌に汚染された食品を口にすることで、生きた菌自らが食中毒を引き起こ     すもの。腸管にたどり着いた菌が腸管内でさらに増殖し、腸管組織に侵入し     て組織を壊し、炎症を起こします。腹痛や下痢、 ひどくなると血便。 ①    感染型;サルモネラ、カンピロバクター等。細菌に汚染された食品を口にすることで、生きた菌自らが食中毒を引き起こすもの。腸管にたどり着いた菌が腸管内でさらに増殖し、腸管組織に侵入して組織を壊し、炎症を起こします。この結果、腹痛や下痢などの症状が現れ、 ひどくなると血便が出ることもあります。 ②    生体内毒素型;腸炎ビブリオ、病原性大腸菌等。菌が腸管内で作り出した毒素により発症します。菌によって作り出す毒素が異なり、症状も様々ですが、主に腹痛、下痢、発熱などが見られます。   毒素型;ボツリヌス菌、黄色ブドウ球菌等。食品内であらかじめ細菌が増殖し、産生した毒素を経口摂取することで発症する中毒であり、感染ではありません。中には神経毒作用を持つ毒素を作り出すものもあります。( 感染型食中毒とは;食品中で増殖した食中毒菌を食品とともに摂取し,菌が腸管内粘膜を冒すことで下痢,腹痛,発熱などの急性胃腸炎症状を呈するものです。菌が腸管に到達し,さらに増殖して症状を出すため,多くの場合8~24時間程度の潜伏期間を要します。毒素型食中毒とは、食品中で菌が増殖する際に作られる毒素を食品とともに摂取し,腸管で吸収されることで嘔吐などの症状を呈するものです。毒素の吸収により症状が出るため,発熱はほとんどみられず,一般的に感染型食中毒よりも潜伏期間が短く,30分~8時間(通常3時間程度)です。また,感染型食中毒と異なり,生きた細菌の有無は食中毒に関係せず,作られた毒素が問題となります。したがって,2000年に発生したY加工乳による事件では,殺菌により菌は死滅していましたが,毒素が残っていた(黄色ブドウ球菌の毒素は加熱に強い)ため大規模な食中毒事件が発生しました。 ○生体内毒素型;菌が腸管内で作り出した毒素により発症します。菌によって作り出す毒     素が異なり、症状も様々ですが、主に腹痛、下痢、発熱など。 ○毒素型;食品内であらかじめ細菌が増殖し、産生した毒素を経口摂取することで発症    する中毒であり、感染ではありません。中には神経毒作用を持つ毒素を作る。

大規模な食中毒1 ○ 森永砒素ミルク中毒事件(1955年) ○ 雪印八雲工場脱脂粉乳食中毒事件(1955年) リベルテ診療所  ○ 森永砒素ミルク中毒事件(1955年) 添加物・第二燐酸ソーダ中に不純物としてヒ素が含まれており、これを飲んだ1万数千名もの乳児がヒ素中毒になり、被害者の数は、12,344人で、うち死亡者130名。 ヒ素の摂取による中毒症状(神経障害、臓器障害など)が出た。患者は、現在も脳性麻痺、知的発達障害、てんかん、脳波異常、精神疾患等の重複障害に苦しむ。  ①徳島工場が製造した缶入り粉ミルク(代用乳)「森永ドライミルク」の添加物・第二燐酸ソーダ中に不純物としてヒ素が含まれており、これを飲んだ1万数千名もの乳児がヒ素中毒になり、死亡者も出た。ヒ素の摂取による中毒症状(神経障害、臓器障害など)が出た被害者の数は、12,344人で、うち死亡者130名と言われている。患者は、現在も脳性麻痺、知的発達障害、てんかん、脳波異常、精神疾患等の重複障害に苦しむ。森永側が原因をミルク中のヒ素化合物と認めたのは、発生から15年経過した1970年の裁判中のことである。  ②3月1日 学校給食に供された国産脱脂粉乳により、東京都の小学生1,936人が、相次いで食中毒の症状を呈した。3月3日 東京都が脱脂粉乳から溶血性ブドウ球菌を検出。前年、北海道八雲町の工場内で、たまたま停電と機械故障が重なる日があった。この際、原料乳の管理が徹底されず、長時間にわたり原料乳が加温状態にさらされたことから、溶血性ブドウ球菌が大量に増殖したと考えられている。 ○ 雪印八雲工場脱脂粉乳食中毒事件(1955年) 3月1日 学校給食に供された国産脱脂粉乳により、東京都の小学生1,936人が、相次いで食中毒の症状を呈した。 3月3日 東京都が脱脂粉乳から溶血性ブドウ球菌を検出。 北海道八雲町の工場内で、たまたま停電と機械故障が重なる日があった。この際、原料乳の管理が徹底されず、長時間にわたり原料乳が加温状態にさらされたことから、溶血性ブドウ球菌が大量に増殖したと考えられている。

大規模な食中毒2 ○ カネミ油症事件(1968年) ○ 熊本県のボツリヌス菌集団食中毒(1984年) リベルテ診療所  大規模な食中毒2 ○ カネミ油症事件(1968年) カネミ倉庫で作られた食用油(こめ油)に熱媒体として使用されていたPCB(ポリ塩化ビフェニル)が混入し、それを摂取した人々に、肌の異常、頭痛、肝機能障害などを引き起こした。妊娠中に油を摂取した患者からは、皮膚に色素が沈着した状態の赤ちゃんが生まれた。母乳を通じて皮膚が黒くなったケースもある。この「黒い赤ちゃん」は全国に衝撃を与え、事件の象徴となった。全国でおよそ1万4000人が被害を訴えたが、認定患者数は2006年末現在で1906人と少ない。 ○ 熊本県のボツリヌス菌集団食中毒(1984年) 熊本県で製造された真空パックの辛子蓮根を食べた36人がボツリヌス菌に感染し、内11名が死亡した。原料のレンコンを加工する際に滅菌処理を怠り、なおかつ真空パックし常温で保管流通させたために、土の中に繁殖する嫌気性のボツリヌス菌がパック内で繁殖したことが判明した。   ①カネミ倉庫で作られた食用油(こめ油)に熱媒体として使用されていたPCB(ポリ塩化ビフェニル)が混入し、それを摂取した人々に、肌の異常、頭痛、肝機能障害などを引き起こした。また、妊娠中に油を摂取した患者からは、皮膚に色素が沈着した状態の赤ちゃんが生まれた。母乳を通じて皮膚が黒くなったケースもある。この「黒い赤ちゃん」は全国に衝撃を与え、事件の象徴となった。全国でおよそ1万4000人が被害を訴えたが、認定患者数は2006年末現在で1906人と少ない。  ②1984年、熊本県で製造された真空パックの辛子蓮根を食べた36人(1都12県)がボツリヌス菌(A形)に感染し、内11名が死亡した。原料のレンコンを加工する際に滅菌処理を怠り、なおかつ真空パックし常温で保管流通させたために、土の中に繁殖する嫌気性のボツリヌス菌がパック内で繁殖したことが判明した。ボツリヌス毒素1gの殺傷力は約100万人とも言われ、自然界に存在する毒素としては最強。 ボツリヌス毒素1gの殺傷力は約100万人とも言われ、自然界に存在する毒素としては最強。

大規模な食中毒3 ○ 大阪府堺市のO157集団食中毒(1996年) ○ 雪印集団食中毒事件(2000年) リベルテ診療所  大規模な食中毒3 ○ 大阪府堺市のO157集団食中毒(1996年) O157は、O抗原が157番の大腸菌である。ただし一般には、腸管出血性大腸菌O157:H7のことである。 この菌はベロ毒素を作り出す。感染して2~3日後に血便と激しい腹痛(出血性大腸炎)を引き起こす。また、血液中にもベロ毒素が取り込まれるため、血球や腎臓の尿細管細胞を破壊し、溶血性尿毒症症候群(急性腎不全・溶血性貧血)急性脳症なども起こることがある。急性脳症は死因となることがある。 1996年7月13日 - 大阪府堺市で学校給食による学童の集団感染。患者数7,996名、死者3名 ○ 雪印集団食中毒事件(2000年) 2000年6月から7月にかけて、近畿地方を中心に発生した、雪印乳業(当時)の乳製品(主に低脂肪乳)による食中毒事件。本事件は、認定者数13,420名の、過去最大の食中毒といわれている。  ①O157は、O抗原が157番の大腸菌である。ただし一般には、腸管出血性大腸菌O157:H7のことである。この菌はベロ毒素を作り出す。感染して2~3日後に血便と激しい腹痛(出血性大腸炎)を引き起こす。また、血液中にもベロ毒素が取り込まれるため、血球や腎臓の尿細管細胞を破壊し、溶血性尿毒症症候群(急性腎不全・溶血性貧血)急性脳症なども起こることがある。急性脳症は死因となることがある。1996年7月13日 - 大阪府堺市で学校給食による学童の集団感染。患者数7,996名、死者3名。疫学調査により原因食材としてカイワレ大根が疑われると当時の厚生省(現厚生労働省)が発表したことは、大きな風評被害をもたらした。  ②本事件が起こった原因は、大阪工場(大阪市都島区、事件後閉鎖)で生産された低脂肪乳だったが、その原料となる脱脂粉乳を生産していた北海道の大樹工場(北海道広尾郡大樹町)の生産設備で停電が発生し、病原性黄色ブドウ球菌が増殖して毒素が発生したことも原因と推定された。2000年6月から7月にかけて、近畿地方を中心に発生した、雪印乳業(当時)の乳製品(主に低脂肪乳)による食中毒事件。本事件は、認定者数13,420名の、過去最大の食中毒といわれている。 大阪工場で生産された低脂肪乳だったが、その原料となる脱脂粉乳を生産していた北海道の大樹工場の生産設備で停電が発生し、病原性黄色ブドウ球菌が増殖して毒素が発生したことも原因と推定された。

食中毒の発生状況 環境衛生が著しく改善されても、食中毒の発生は減っていない。この数年は1500件・約3万人。 リベルテ診療所  食中毒の発生状況 環境衛生が著しく改善されても、食中毒の発生は減っていない。この数年は1500件・約3万人。 平成18年・・・総数1491件患者数39062人、死者数6名。 平成17年・・・総数1545件患者数27019人、死者数7名。 O157 雪印  環境衛生が著しく改善されても、食中毒の発生は減っていない。原因判明の90%以上が、細菌やウィルスを原因とするものである。  厚生省(現・厚生労働省)の統計によると、毎年2~3万人は患者が発生し、一向に減少する様子がない。2008年度は食中毒件数は1491件と減少したものの、患者数は39062人と増えた。ノロウィルス中毒が499件(33.5%)27616人(70.8%)と突出した。細菌による中毒は774件(51.9%)9666人(24.8%)であった。細菌・ウィルスを合せると、件数では85.4%、人数では95.6%になる。

原因物質別食中毒発生1 O157 雪印事件 2000年 H9年に新たに食中毒の原因物質に(ノロ) 腸炎ビブリオ カンピロバクタ サルモネラ リベルテ診療所  O157 腸炎ビブリオ 雪印事件 サルモネラ 2000年 カンピロバクター 腸炎ビブリオ カンピロバクタ サルモネラ カンピロバクター サルモネラ ノロウィルス 病原大腸菌 腸炎ビブリオ 腸炎ビブリオ ノロウィルス ノロ 2000年(H12年)を食中毒菌別に見てみると、件数ではサルモネラが1位、次いで腸炎ビブリオ、キャンピロバクターの順になっています。サルモネラ菌による食中毒は加熱不十分な食肉や卵、腸炎ビブリオはさしみ、たたき、すしなど海産魚介類の生食、キャンピロバクターは加熱不十分な鶏肉などが原因となります。したがって,鶏肉、豚肉、牛肉などの食肉や卵は十分に加熱する、さしみなど生ものは短時間であっても必ず冷蔵庫に保存するなど心掛けて下さい。特に、7月から10月にかけては食中毒が多発する季節ですから注意が必要です。 また、患者数ではサルモネラ、腸炎ビブリオについで小型球形ウイルスがあがっています。小型球形ウイルスによる食中毒は、生がきやホタテのさしみなどが原因となって起りますが、人から人への二次感染も起りますので注意が必要です。また発生時期が11月~3月という点が特徴です。  2008年の特徴はノロウィルスによる中毒が多発した事です。食中毒件数は1491件と減少したものの、患者数は39062人と増えた。ノロウィルス中毒が499件(33.5%)27616人(70.8%)と突出した。細菌による中毒は774件(51.9%)9666人(24.8%)であった。細菌・ウィルスを合せると、件数では85.4%、人数では95.6%になる。 H9年に新たに食中毒の原因物質に(ノロ)

原因物質別食中毒発生2 食中毒の変化は食習慣の変化 ;近年の食生活の欧米化で魚離れが進み、乳・ 肉・卵類を食材とする料理や洋菓子へ変化。 リベルテ診療所  原因物質別食中毒発生2 H17年 H15年食中毒発生状況では、ノロウィルス食中毒は、総事件数1585件中278件(17.5%)、総患者数29355名中10603名(36.1%)。件数ではカンピロバクター491件(31%)、サルモネラ属菌350件(22.1%)に次いで第3位。患者数では第1位。食中毒の変化は食習慣の変化。厚生省(現・厚生労働省)の統計によると、毎年2~3万人は患者が発生し、一向に減少する様子がない食中毒。しかし、その中身は時代とともに変化しています。例えば、原因菌の種類を見てみますと、かつては腸炎ビブリオ、ブドウ球菌、サルモネラ属菌が三大食中毒として挙げられていましたが、十年ほど前から、その割合は変わってきています。というのも、かつて日本人はたんぱく源の多くを魚介類に求めていたため、上記三大食中毒の中でも、魚介類と密接に関わる腸炎ビブリオによる食中毒が圧倒的でした。しかし、近年の食生活の欧米化で、若者を中心に魚離れが進み、乳・肉・卵類を食材とする料理や洋菓子が好まれるようになっています。それにともない、食中毒の原因菌の中でも、サルモネラ属菌やウェルシュ菌、カンピロバクター菌等、牛、豚、鶏など、家畜・家禽類の腸管に由来する菌が増加しており、食中毒の原因菌と食生活との間に密接な関係があることを示しています。食中毒とは食習慣を映す鏡とも言えるのです。 食中毒の変化は食習慣の変化 ;近年の食生活の欧米化で魚離れが進み、乳・        肉・卵類を食材とする料理や洋菓子へ変化。 ○腸炎ビブリオ、ブドウ球菌、サルモネラ属菌が三大食中毒。 ○サルモネラ属菌やウェルシュ菌、カンピロバクター菌等、牛、 豚、鶏など、家畜・家禽類の腸管に由来する菌が増加。

原因物質別食中毒発生3 ○ 2005年;総事件数1545件、患者数27019人。 ○ 2006年;総事件数1491件、患者数39026人。 リベルテ診療所  原因物質別食中毒発生3 2005年;総事件数1545件、患者数27019人。事件別順位は、①カンピロバクター645件(42%)②ノロウィルス274件(18%)③サルモネラ144件(9%)④腸炎ビブリオ113件(7%)。患者数の順位は、①ノロウィルス8727人(32%)②サルモネラ3700人(14%)③カンピロバクター3439人(13%)④ウェルシュ2643人(10%)⑤腸炎ビブリオ2301人(9%)。2006年;総事件数1491件、患者数39026人。事件別順位は、①ノロウィルス499件(33.5%)②カンピロバクター416件(29.3%)③サルモネラ124件(8.3%)。患者数の順位は、①ノロウィルス27616人(70.8%)②カンピロバクター2297人(5.9%)③サルモネラ2053人(5.3%)。 ○ 2005年;総事件数1545件、患者数27019人。 ○ 2006年;総事件数1491件、患者数39026人。

月別食中毒発生状況 ○件数,患者数ともに6月~10月にかけて食中毒が多発。 ○最近では冬期の食中毒発生が目立ってきています。 リベルテ診療所  月別食中毒発生状況 月別の食中毒発生状況を見てみますと,件数,患者数ともに6月~10月にかけて食中毒が多発しています。また,最近では冬期の食中毒発生が目立ってきています。月別の食中毒発生状況を見てみると、件数・患者数ともに6月~10月にかけて食中毒が多発しています。また、最近では冬期の食中毒発生が目立ってきています(カキ、ふぐなど)。2006年はノロウィルスの食中毒が多発し、事件数で33.5%を、患者数で70.8%を占めた。 ○件数,患者数ともに6月~10月にかけて食中毒が多発。 ○最近では冬期の食中毒発生が目立ってきています。 ○ノロウィルスの発生時期は11月から3月である。

ノロウィルス食中毒 小型球形ウィルス ノロウィルス 2006年度 499件(33.5%)27616人(70.8%) ○中心部まで充分に リベルテ診療所  ノロウィルス食中毒 小型球形ウィルス H9年 ノロウィルス 平成14年 2006年度  499件(33.5%)27616人(70.8%) 11月から3月にかけて多く発生する食中毒。H9年に新たに食中毒の原因物質に加えられた電顕像から小型球形ウィルス(SRSV)と呼ばれたが、平成14年国際ウィルス学会で正式にノロウィルスと命名され、H15年食品衛生法施行規則の改正で改められた。ヒトの腸内で増殖し、排出され、水を汚染し、食品(二枚貝特にカキ)を汚染し再びヒトに入る。ヒトからヒトへの感染もある。潜伏期は24-48時間。嘔吐・下痢・腹痛・発熱。2-3日で治癒。食品の中心温度85度以上で1分間以上の加熱で感染性はなくなる。手洗いを十分に行う。エタノールや逆性石鹸は効果が無い。次亜塩素酸Naで失活する。1週間から1ヶ月ウィルスの排泄がある。食べてから症状が出るまでに、通常1~2日かかります。主な症状は、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱(38℃以下)などです。一般的には比較的症状は軽く1~2日で治りますが、まれに1日20回程度の激しい下痢をすることがありますので、油断は禁物です。患者のおむつ交換等を行う場合、ふん便等に直接触れないように使い捨て手袋を使用しますが、作業が終わり手袋をはずした後も、同様に十分に手洗いします。 ノロウイルスの失活化には、エタノールや逆性石鹸はあまり効果がありません。ノロウイルスを完全に失活化する方法には、次亜塩素酸ナトリウム、加熱があります。  調理器具等は洗剤などを使用し十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くことでウイルスを失活化できます。  また、まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱が有効です。 ○中心部まで充分に 加熱(85℃、1分以上) ○消毒;高濃度の次  亜塩素酸ナトリウム

ノロウィルス食中毒(続) 注)たった1人 ○ジュネスの例では1-2週間で 30人という凄まじい感染力を 示した H18年 499件 リベルテ診療所  H18年 499件 27616人 注)たった1人 ジュネス3F・4Fでのノロウィルス感染症の経験。平成16年3月16日から4月4日まで、59人が嘔吐・下痢・発熱。危害要因はなんでしょうか?オムツ換え後の手洗い不足?平成15年の食中毒発生状況によると、ノロウイルスによる食中毒は、事件数では、総事件数1,585件のうち278件(17.5%)、患者数では総患者数29,355名のうち10,603名(36.1%)となっています。病因物質別にみると、カンピロバクター・ジェジュニ/コリ(491件)、サルモネラ属菌(350件)に次いで発生件数が多く、患者数では第1位となっています。感染症法では、疾患の感染力や重症度に基づき感染症を5段階に分類し、対応することとしています。このノロウイルス感染症は、5類感染症に位置づけられた「感染性胃腸炎」の一部として、全国の定点(約3,000カ所の小児科の病院または診療所)から報告が求められており、その発生の状況について情報提供がされています。ここでは、感染症発生動向調査に基づき調査が実施されている『ノロウイルスが原因の一つである「感染性胃腸炎」』の過去5年間の定点からの報告数等についてご説明します。原因となる病原体のうち、ウイルスは、ロタウイルス、腸管アデノウイルス、そしてノロウイルスがあるため、ノロウイルスの感染者は、「感染性胃腸炎」の一部として報告されています。ふん便には通常大量のウイルスが排泄されるので、比較的容易にウイルスを検出することができます。カキ以外にもウチムラサキ貝(大アサリ)、シジミ、ハマグリ等の二枚貝が食中毒の原因食品となっています。食品の中心温度85℃以上で1分間以上の加熱を行えば、感染性はなくなるとされています。 ○ジュネスの例では1-2週間で 30人という凄まじい感染力を 示した

カンピロバクター食中毒 ①鶏肉の生;鶏さし ②加熱が不十分 ③生の鶏肉から他の 食品に付着(二次汚染) リベルテ診療所  2005年第1位;645件、3439人(第3位) 2006年;416件、     2297人 ①鶏肉の生;鶏さし ②加熱が不十分 ③生の鶏肉から他の  食品に付着(二次汚染) カンピロバクター(ジェジュニ/コリ)は1970年前後に発見され、1982年からは厚生省の食中毒統計に記載されるようになった。酸素が少しある環境を好み(微好気性)、酸素が十分にある通常の大気や、逆に酸素が全くない環境では増殖できません。また、発育(増殖)できる温度域は、31℃から46℃です。主な生息場所はウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、イヌ、ネコ、ハトなどの動物の消化管内です。食中毒の原因菌として非常に多く、年間報告される事件数が5、6百件、患者が2、3千人。食中毒としては軽症だけど、食中毒の後に起こってくるギラン・バレー症候群や、リウマチ様症状など、この菌に伴う神経症状は非常に重要な病気です。主な症状は、下痢、腹痛及び発熱で、比較的予後は良好です。潜伏期間が、1日から7日(平均2日から3日)と他の食中毒菌に比較して長いのが特徴です。この菌は、鶏が持っている。従って、鶏肉にはかなりの汚染があって、学校給食とかで大食中毒事件もかなりあるが、家庭でかかる食中毒としては一番多い。鶏肉を生食したり、十分に加熱せずに食べたこと、または鶏肉を取り扱った手指や調理で使われた器具を介して他の食品にカンピロバクターが付着してしまい、その菌を摂取したことなどが食中毒の発生につながっていると考えられています。数百個程度の菌数で発症した例があります。牛レバーの汚染が問題になったこともあります。食中毒菌の多くが、10万から100万個の菌を摂取しないと発症しないと言われていることと比較すると、これはかなり少ない菌量です。流通している鶏肉の4割から6割にカンピロバクターが付着していました。冷凍しても完全に死ぬことはないといえます。焼き鳥、肉団子、鶏の唐揚げなど、焼く、煮る、揚げるなどの調理をする場合には、肉の中心部の色が白く変わるまで加熱すれば、カンピロバクターはほぼ死滅する。 発症まで長い(平均2・3日;昨日・今日思い当たらない 数週後、ギラン・バレー症候群 熱に弱い;十分な加熱調理で防ぐ;60℃、1分程度 注;鶏肉の4割から6割にカンピロバクターが付着

サルモネラ食中毒 ○汚染された鶏卵による 食中毒が増加 ○通常の加熱で死滅 ○生の鶏卵、加熱不十分な食肉、生レバー リベルテ診療所  サルモネラ食中毒 2005年;件数144(第3位)3700人(第2位) 2006年;124件、     2053人 ○汚染された鶏卵による 食中毒が増加 サルモネラというのは菌の属の名前ですが、その中に大きく食中毒を起こす菌と、チフス症(腸チフスとパラチフス)を起こす菌があります。現在、約2,200種が知られている。サルモネラ・エンテリティディス(和名:腸炎菌)は、食中毒を起こすサルモネラの中でも病原性が強く、近年では汚染された鶏卵による食中毒が増加しています。原因食品は、生卵、オムレツ、卵焼き、自家製マヨネーズ、親子丼など鶏卵を原料とした十分な加熱工程のない食品や食肉加工品、生肉、生レバーなどがあります。わが国におけるサルモネラの食中毒事例は2000年までは、腸炎ビブリオと一、ニを争う代表的食中毒原因菌であった。1980 年後半からS .Enteritidis が鶏卵関連食品が原因で急増してきた。サルモネラはグラム陰性の通性嫌気性桿菌で腸内細菌科に属し、周毛によって運動する。家畜(ブタ、ニワトリ、ウシ)の腸管内では、常在菌として保菌していることが知られている。通常8~48 時間の潜伏期を経て発病するが、最近のEnteritidis 感染では3 ~4 日後の発病も珍しくない。症状はまず悪心および嘔吐で始まり、数時間後に腹痛および下痢を起こす。下痢は1 日数回から十数回で、3~4 日持続するが、1 週間以上に及ぶこともある。小児では意識障害、痙攣および菌血症、高齢者では急性脱水症および菌血症を起こすなど重症化しやすく、回復も遅れる傾向がある。38 ℃以上の発熱、1 日10 回以上の水様性下痢、血便、腹痛などを呈する重症例では、まず本症が疑われることが多い。臨床的に有効性が認められているものは、アンピシリン(ABPC )、ホスホマイシン(FOM )、およびニューキノロン薬に限られる。ニューキノロン薬の7 日間投与は腸内細菌叢に対する影響もなく、除菌率も高いという成績に基づき、使用されている。9月、10月が要注意です。家庭で卵を食べる場合は、賞味期限をしっかり守って、割った後はすぐに調理し、すぐに食べる。また十分加熱するということが必要です。 10万~100万個以上の細菌 ○通常の加熱で死滅 (75度1分以上) ○生の鶏卵、加熱不十分な食肉、生レバー

腸炎ビブリオ食中毒 ○海水の塩分約3% でよく増殖 ○魚介類を汚染、さし み・すしなど ○通常加熱で死滅 ○真水で洗い4℃以下 で保存 リベルテ診療所  腸炎ビブリオ食中毒 839件(第1位)12318人 2005年;件数113件(第4位)2301人(第5位) 2006年;71件、     1236人 ○海水の塩分約3% でよく増殖 ○魚介類を汚染、さし  み・すしなど 腸炎ビブリオ食中毒は、腸炎ビブリオという名前の小さな菌がたくさん付着した食品を食べることにより下痢、腹痛、発熱などを起こす病気です。腸炎ビブリオは海水程度の食塩を含む環境を好み、海産魚介類、沿岸部の海水や海泥中などに広く分布しています。このことから、さし身やお寿司などをよく食べるわが国では腸炎ビブリオ食中毒が毎年発生しています。近年、腸炎ビブリオ食中毒の発生件数は、1998年頃をピークとして減少しましたが、細菌性食中毒のなかではカンピロバクター、サルモネラについで多く発生しているので注意が必要です。腸炎ビブリオは日本で発見された細菌です。戦後の社会の混乱もほぼ落ちついてきた1950年(昭和25年)に、大阪市で「シラス食中毒事件」が発生しました。行商で売られたシラス干しが原因で、患者272名、死亡者20名にのぼる大事件が発生しました。この菌は塩分を好み、発育に必要な栄養分のほかに、海水とよく似た3%前後の食塩が存在する環境で、温度がヒトの体温に近い37℃前後の時に最もよく増殖します。腸炎ビブリオにとって最適な条件が揃うと、10分で2倍に増え、1個の菌がわずか3~4時間の間に何と!1000万個くらいに増えてしまいます。(1個の大腸菌は4時間でも4,000個程に増えるだけです。)腸炎ビブリオの症状は、数回から10回程度の下痢、腹痛、はき気、おう吐、発熱(40℃以下)などの一般的な腸炎症状を示しますが、お腹の上部あたりが激しく痛み、粘血便や頭痛が現われたりする特徴があります。腹痛は、発病後5~6時間で軽快し、下痢も2~3日で回復することが多いとされています。耐熱性溶血毒TDH(100℃、10分間の加熱をしても壊れない耐熱性の毒素)、耐熱性溶血毒類似毒TRH。その発生時期は7月から9月の夏場に集中します。 10万~100万個以上の細菌 耐熱性溶血毒(TDH)、耐熱性溶血毒類似毒(TRH) ○通常加熱で死滅 ○真水で洗い4℃以下  で保存 4℃以下で保存すればほとんど増えません。

腸管出血性大腸菌O157:H7 ○1996年堺市学童集団下痢 症の概要 ○溶血性尿毒症症候群(H US) ;8-12日目、5歳以下 リベルテ診療所  腸管出血性大腸菌O157:H7 2005年;O157;件数24件105人 2006年;24件、      179人 ○1996年堺市学童集団下痢  症の概要 ・感染者総数16111人 大腸菌は健康な人や牛などの動物の腸管の中に常に存在している細菌で、いわゆる常在菌と言われている通常では無害な菌の一種である。しかし近年、下痢、腹痛といった腸炎症状をおこす特殊な大腸菌が見いだされるようになった。そのような大腸菌を病原性大腸菌と呼んでいるが、これらはさらに菌の性質や、起こる症状から5種類のものに分けられている。O157はこの中の腸管出血性大腸菌に分類されている大腸菌である。1982年アメリカのオレゴン州とミシガン州で、ハンバーガーを食べて食中毒が起こった。この時の患者の症状が、それまでになく血便を見ることが多く、しかもほとんど血液ばかりといった血便であったので、これまでと菌の性質が異なるのではないかと疑われた。細菌学的な検査の結果、この菌は、やはりO157:H7という今まで知られていなかった大腸菌であった。大腸菌は菌の菌体成分の免疫血清学的な反応により分類されるO型と、鞭毛成分の反応から分類するH型があり、その組み合わせで正確な分類が行われているが、その命名による名前がO157:H7ということになる。この菌は、このように新種であったが、その上にベロ毒素という赤痢菌が持つ毒素と似た2種の毒素を産生することも分かった。そのためベロ毒素産生性大腸菌とも呼ばれている。この毒素を産生する性質は重大な意味を持つもので、出血性腸炎という症状のみならず、腸炎症状のおさまった約1週間後に、溶血性尿毒症症候群(HUS)という重篤な病気を起こすことがあるということが分かってきた。ベロ毒素が腸管から体内に入り、血液を通じて腎臓や脳など体の随所の組織へ運ばれて、そこで毒素の作用が現れた結果、腎不全や中枢神経症状など致命的な病状を起こすのである。今のところ、この病状を有効におさえる治療法が見つかっていないことも問題を大きくしている。通常の食中毒と比べ、O157は少数の菌で経口感染することが知られている。 4-8日と長い ・O157;9492人 ・入院791人、HUS121人、死亡3人 ○溶血性尿毒症症候群(H  US) ;8-12日目、5歳以下 ベロ毒素産生 ○加熱75℃で1分間以上 ○手洗い等二次感染防止

ぶどう球菌食中毒 ○菌は熱に弱い(63℃30分 で死滅)が、毒素は熱に非 常に強い(100℃、60分で 破壊されない。) リベルテ診療所  2005年;63件1948人 2006年;61件、    1220人 ○菌は熱に弱い(63℃30分 で死滅)が、毒素は熱に非  常に強い(100℃、60分で 破壊されない。) ぶどう球菌は自然界に広く分布しており、健康な人の皮膚や口などにもいますが、汚染された食品の中でつくられた毒素によりおこる代表的な毒素型食中毒です。いろいろな食品の中で増殖し、毒素は熱や乾燥にも強いという性質があるので、十分な注意が必要です。食品中で増殖する時に毒素をつくり、この毒素が食中毒の原因となります。菌は熱に弱い(63℃30分で死滅する。)のですが、毒素は熱に非常に強い性質があります(100℃、60分でも破壊されない。)。おにぎり、弁当、卵焼き、あん、洋菓子などの複合調理食品など。急激で激しい腹痛、おう吐、水っぽい下痢。潜伏時間は、1~5時間(平均3時間)ときわめて短い。ほとんどの場合、菌が調理する人の手から食品を汚染します。特に、調理する人の手や指に傷や湿疹があったり、傷口が化膿しているような場合は、危険性が高くなります 。ほとんどが24時間以内に回復しますが、脱水症状になると点滴などが必要になります。調理する前には、十分な手洗いと消毒を行う。まな板、包丁、ふきんなどはよく洗い、熱湯や漂白剤で消毒する。 ○エンテロトキシンという 耐熱性の毒素 ○おにぎり、サンドウィッチ、弁当など

ボツリヌス菌食中毒 ○酸素の無いところで増殖し (土壌など)、熱に強い芽胞 を作る。神経毒ボツリヌス毒 素を作る リベルテ診療所  ボツリヌス菌食中毒 2005年;0件、0人 2006年;1件、1人 ○酸素の無いところで増殖し  (土壌など)、熱に強い芽胞  を作る。神経毒ボツリヌス毒 素を作る ○缶詰、真空パック食 品内で毒素産生 治療法は抗毒素 ボツリヌス食中毒(食餌性ボツリヌス症)は、ボツリヌス菌が食品に付着、増殖して神経毒素を産生し、この神経毒素で汚染された食品を経口摂取することで惹起される毒素型の細菌性食中毒である。ボツリヌス毒素は、現存する毒素の中で最も毒性が高く、細菌性食中毒の中では最も致死率が高かったが、十分な呼吸管理と抗血清により、近年は致死率が低下している。なお、食餌性ボツリヌス症のほかに、乳児ボツリヌス症、創傷性ボツリヌス症、未分類のボツリヌス症が知られている。 日本では1955~1995年に82件の食中毒事例があり、患者数328人、死亡者68人(致死率20.7%)である。ボツリヌス毒素:A、B、C(C1,C2)、D、E、F型があり、ヒトの中毒はA、B、E型によるものが多い。ボツリヌス菌は本来土壌細菌で偏性嫌気性菌で、抵抗性の高い芽胞の状態(増殖はできないけれども、生命は維持している)で世界中の土壌、海、湖など自然界に広く分布している。ボツリヌス毒素のヒトの致死量は0.1~5.0マイクログラム/Kg 。神経筋接合部位のアセチルコリン遊離阻害作用。症状は、最初はおおむね嘔気、嘔吐にはじまり、その後急激に神経麻痺症状(複視、眼瞼下垂、瞳孔散大などの眼の症状、耳鳴り、難聴、仮面上顔貌、などの球麻痺症状、唾液や発汗などの分泌障害、構語困難、嚥下障害、呼吸困難)が発現する。重症例では、呼吸筋、横隔膜麻痺のため呼吸困難におちいり死にいたる。食餌性ボツリヌスでは、抗血清の投与と呼吸管理が主な治療となる。乾燥E型ボツリヌスウマ抗毒素、乾燥ボツリヌスウマ血清(A、B、E、F型)(R)(千葉血清)。乳児はボツリヌス菌の汚染に弱いことが問題なのです。日本でも約5%の蜂蜜がこの菌に汚染しています。芽胞は体内で芽を出し、毒素を分泌し始めます。酸素がある条件の中では芽胞という形態を作ることです。 乳児に蜂蜜を与えてはいけない! ○致死率20%と高い ○ふぐ毒の1万倍、青酸カリ の1千万倍 ○抗血清と呼吸管理

ウェルシュ菌食中毒 ○嫌気性菌で耐熱性の 芽胞を作る ○給食病 、大規模食中 毒事件 ○給食におけるカレー、 シチュー、スープ、麺つ ゆなど リベルテ診療所  ウェルシュ菌食中毒 2005年;件数27件、患者数2643人(第4位) 2006年;件数35件、患者数1545人(第4位) ○嫌気性菌で耐熱性の   芽胞を作る 加熱=安心は成り立たない ○給食病 、大規模食中 毒事件 「給食病」の異名 人や動物の腸管、土壌、水中など自然界に広く分布し、ボツリヌスと同じ酸素を嫌う嫌気性菌です。健康な人の便からも検出され、家畜(牛、豚、ニワトリ)などの糞便や魚からも本菌は検出される。食品では、特に食肉(牛、豚、鶏肉など)の汚染が高いようです。この細菌は熱に強い芽胞を作るため、高温でも死滅せず、生き残ります。したがって、食品を大釜などで大量に加熱調理すると、他の細菌が死滅してもウェルシュ菌の耐熱性の芽胞は生き残ります。また、食品の中心部は酸素の無い状態になり、嫌気性菌のウェルシュ菌にとって好ましい状態になり、食品の温度が発育に適した温度まで下がると発芽して急速に増殖を始めます。食品の中で大量に増殖したウェルシュ菌が食べ物とともに胃を通過し、小腸内で増殖して、菌が芽胞型に移行する際にエンテロトキシン(毒素)が産生され、その毒素の作用で下痢などの症状が起きます。一度に大量の食事を調理した給食施設などで発生することから“給食病”の異名もあり、患者数の多い大規模食中毒事件を起こす特徴があります。肉類、魚介類、野菜およびこれらを使用した煮物が最も多い。学校などの集団給食施設による事例も比較的多くみられ、給食におけるカレー、シチュー、スープ、麺つゆなどのように、食べる日の前日に大量に加熱調理され、大きな器のまま室温で放冷されていた食品に多い。潜伏時間は約6~18時間で、ほとんどが12時間以内に発症します。腹痛、下痢が主で、特に下腹部がはることが多く、症状としては軽いほうです ○給食におけるカレー、  シチュー、スープ、麺つ ゆなど 腸管内で芽胞になるときに毒素 ○発芽して急速に増殖 芽胞は100℃、1~3時間の加熱に耐える ○小腸内で増殖、エンテ ロトキシン(毒素)産生

「80=20」という法則 ○食中毒事件の80%は、病因物質の20%(4つ)で 発生している。 ○予想される食中毒の要因のトップ4つ リベルテ診療所  「80=20」という法則 ○食中毒事件の80%は、病因物質の20%(4つ)で 発生している。 ○予想される食中毒の要因のトップ4つ 食中毒事件の80%は、病因物質の20%(4つ)で発生している。例、02年の食中毒事件数は1584件です。病因物質は20ありますが、上位4つカンピロバクター、サルモネラ属菌、ノロウイルス、腸炎ビブリオの合計で、1230件発生しています。予想される食中毒の要因のトップ4つは、(1)手洗い不良、(2)古い鶏卵、(3)生食用の鶏肉、(4)カキです。食中毒事件の80%はこれらに原因あり。その4つの食中毒の要因を重点的に対策をとるだけで、食中毒事件の80%を防ぐ事ができます。その4つがしっかりしてなかったら、施設にお金をかけて、清掃等様々な80%の対策を取ってもたった20%しか食中毒は防止出来ないということになります。学校給食、福祉施設、ホテルとそれなりの所で食中毒を起こしているのは、この4つが不十分なためです。昨年12月に発生した食中毒の90%はノロウイルスによるものです。危害要因のトップは手洗い不足と生カキです。老人福祉施設での大きな危害要因としては、おむつ換え後の手洗い不良です 。施設で集中的に起こったサルモネラ・エンティリティデイス食中毒では、危害要因は鶏卵でした。古い鶏卵を施設に入れないという方法で、サルモネラの食中毒は激減しました。食中毒における重要管理項目;○腸炎ビブリオ食中毒;7月―9月いっぱい。魚介類の刺身;さばく時に水でよく洗う。○サルモネラ食中毒;9-10月。卵。新鮮な卵を選ぶこと 。○キャンピロバクター食中毒;5・6月。鶏さし、鶏の生レバー。○ノロウィルス対策;11-3月。生カキ。トイレ後の手洗い。 (1)手洗い不良(2)古い鶏卵(3)生食用の鶏肉(4)カキ ○食中毒事件の80%はこれらに原因あり。重点的に 対策をとるだけで、食中毒事件の80%を防ぐ事  ができます。

インエッグの話 ○卵の中にサルモネラ菌(SE) が入る ○5000個に1個程度の割合で発生 リベルテ診療所  インエッグの話 ○卵の中にサルモネラ菌(SE) が入る ○5000個に1個程度の割合で発生 ○卵を100個まとめて割ると 、確率 は50回に1回です、  SEに当た れば、100人がサルモネラ食中 毒を起こす ○旅館の朝食に出す生卵は1人1 個ですから、食べ る確率は  5000人に1人の割合と なる 鶏は梅雨時から9月までは非常に蒸し暑い時期、人間と同じで鶏が夏バテしてしまい飼料(エサ)を食べる量が減ってしまい水を多く摂取します。そのため濃厚卵白(白身でもプルンとしている部分)の比率が減ってしまい、水様卵白が増えてしまいます。卵白(特に濃厚卵白)は非常に優れた性質を持ち「リゾチーム」という酵素で雑菌を死滅させる能力を持っています。「中身が汚染された卵がある。」とはいえ、この場合もリゾチームという溶菌物質が卵白に含まれていて、菌が増える事はほとんどないんです。 この濃厚卵白が減ってしまいますと鶏卵自体の鮮度(ハウユニット)が急激に落ち雑菌に対する抵抗が減ってしまい、いわゆる食中毒菌の侵入や腐敗に繋がります。鶏卵は鮮度が非常に大事です。卵をたくさん使うところは、まとめてボールに割り込むことが多く、卵を100個まとめて割ると、5000個に1個程度の割合で発生するインエッグ(卵の中にサルモネラ・エンテリティデス(SE)が入る)の卵が混じる確率は50回に1回です。そして発症する菌量に当たれば、100人がサルモネラ食中毒を起こすことになります。一方で、旅館の朝食に出す生卵は1人1個ですから、汚染卵があったとしてそれを食べる確率は5000人に1人の割合となります。同じ大型施設でも、旅館の朝食の場面では、サルモネラ食中毒のリスクは高くないのです。注)卵の偽装表示を見抜くには黄身より白身に注目;「外見では判断できません。卵を割って白身の部分をよく観察して下さい。白身がぷるんと高く盛り上がり、黄身も含めて全体がしっかりしていれば大丈夫。白身が水っぽいものはダメです。 ○鶏卵は鮮度が大事 、白身がぷるんと高く盛り上がる のが良く、白身が水っぽいものはダメ

食中毒予防の3原則+第4の方法 ○食中毒の三原則とは、食中毒の原因菌を「付けない」「増やさない」「殺す」という リベルテ診療所  食中毒予防の3原則+第4の方法 ○食中毒の三原則とは、食中毒の原因菌を「付けない」「増やさない」「殺す」という ○腸炎ビブリオは魚介類の表面や内臓にいて、2次 汚染で起こす。魚をさばくとき水で良く洗い ○第4の方法「食材を選ぶ」;卵の賞味期限表示 10年前はサルモネラ属菌、腸炎ビブリオ、ブドウ球菌が3大食中毒として、食中毒全体の7~8割を占めていました。ところが、今や腸炎ビブリオやブドウ球菌は減り、ノロウイルス(昨年までの呼び方は小型球形ウイルス)、カンピロバクター、ウエルチと新興勢力が増えたせいか、3大食中毒という言い方はしなくなりました。食中毒の三原則とは、食中毒の原因菌を「付けない」「増やさない」「殺す」というもので、長く食品衛生指導の場面では行われてきまた。腸炎ビブリオは魚介類の表面や内臓にいて、2次汚染で起こします。真水に弱いという性質があり、魚をさばくとき水で良く洗い、汚染と対策の理屈が理解されれば、この菌による食中毒は減少します。三大食中毒のサルモネラ属菌は、2次汚染対策を行っているはずなのに、いっこうに減少傾向が見えません。食中毒予防の三原則だけでは限界があることを示しています。対策に「食材を選ぶ」ことを付け加えないと、減らす事ができないのです。卵は魚介類や野菜と違って見た目で鮮度は分かりません。賞味期限表示が頼りです。ノロウイルスの患者数が1万人を超えたのも、今回発表の速報値から読み取れる特徴です。検査方法精度が上がり、ウイルスがよく検出されるようになり、ノロウイルス食中毒と診断されるようになったことが増加の要因です。以前は原因不明として処理されていました。ノロウイルスは、カキの生食の問題がありますが、この食中毒の発生は、調理従事者の手からの汚染が大きな原因です。食中毒予防の基本の「手洗い」ができていなかったことになります。汚染ルートから考えますと、トイレ後の手洗いが最も重要です。 ○ノロウィルスはカキの生食の問題と調理従事者の手から の汚染、トイレ後の手洗いが最も重要 ○カンピロバクターは鶏さし、生レバーの問題がある

家庭でできる食中毒予防の6つのポイント HACCP(危害分析重要管理点) ① ポイント1…食品の購入 ④ ポイント4…調理 リベルテ診療所  家庭でできる食中毒予防の6つのポイント HACCP(危害分析重要管理点) ① ポイント1…食品の購入 ④ ポイント4…調理 新鮮な物を購入(消費期限) 中心部の温度が75℃で1分以上加熱 肉汁や魚などの水分が漏れないようにポリ袋に仕分けする 室温に長く放置しない ② ポイント2…家庭での保管 ⑤ ポイント5…食事 温かく食べる料理は65℃以上、冷やして食べる料理は10℃以下 冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫はマイナス15℃以下 肉や魚などは他の食品に肉汁がつかないように 食事の前には必ず手を洗う  宇宙食から生まれた食品の衛生管理 ;NASA(アメリカ航空宇宙局)が宇宙飛行士のために食品の安全性を確保する方法を考え出しました。これがHACCP(危害分析重要管理点)という方法です。食中毒を徹底的に予防しようとすると、食品は衛生的に作っただけでは十分ではありません。材料の購入や保存など全ての段階で注意を払わなければなりません。これを家庭におけるHACCPに当てはめると以下の6つのポイントになります。家庭でできる食中毒予防の6つのポイント 。①ポイント1…食品の購入;消費期限などを確認し、新鮮な物を購入しましょう。購入した食品は、肉汁や魚などの水分が漏れないようにポリ袋などに分けて包み、肉や持ち帰りましょう。②ポイント2…家庭での保管;冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫はマイナス15℃以下が目安です。肉や魚などはポリ袋などに入れて他の食品に肉汁がつかないようにしましょう。③ポイント3…下準備;生の肉や魚を切った後、包丁やまな板は洗って熱湯をかけてから果物や野菜など生で食べる食品を切るようにしましょう。包丁やまな板は、肉用、魚用、野菜用と使い分けるとさらに安全です。冷凍食品は室温で解凍するのはやめ冷蔵庫の中や電子レンジで行いましょう。生の肉、魚、卵を取り扱った後はすぐ手を洗いましょう。④ポイント4…調理;中心部の温度が75℃で1分以上加熱。料理を途中で止めるときは室温に放置せず、冷蔵庫に入れましょう。⑤ポイント5…食事;食事の前には必ず手を洗いましょう。温かく食べる料理は65℃以上、冷やして食べる料理は10℃以下にしておきましょう。調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置してはいけません。⑥ポイント6…残つた食品;残った食品は、早く冷えるように浅い容器に小分けして保存しましょう。残った味噌汁やスープなどを温めなおす時は沸騰するまで加熱しましょう。ちょっとでも怪しいと思ったら食べずに捨てましょう。 ⑥ ポイント6…残つた食品 ③ ポイント3…下準備 残った食品は、早く冷やす 包丁やまな板は洗って熱湯を 包丁やまな板は、肉用、魚用、野菜用 温めなおす時は沸騰するまで加熱 生の肉、魚、卵を取り扱った後はすぐ手を洗う

最終章;手洗い 手洗いがきちんとできるようになると食中毒の危険性は40%減ります リベルテ診療所 リベルテ診療所  最終章;手洗い 手洗いがきちんとできるようになると食中毒の危険性は40%減ります 菌やウイルスは目に見えませんので、イメージで見せる事にします。「トイレに入ります。大きい方です。終わりました。トイレットペーパーはどちらの手ですか?意識して覚えていてください。お尻を拭きます。トイレットペーパーを通して手のどの部分がお尻に近いですか?そこの部分が一番菌が付いています。手洗いをします。蛇口をひねります。ちょっと待ってください。どちらの手を使いました。トイレットペーパーの方の手は菌が付いていますよ。逆の手で蛇口をひねりましょう。水で洗います。それだけですか。よく落ちていますか? 洗い落とされずに手を広く汚染されたかもしれませんよ。実験しましょう。朱肉とテッシュペーパーを用意します。朱肉に中指と人さし指を付けます。朱肉はお尻で、指先に付いた朱は菌です。目をつぶってふだん通り洗いましょう。テッシュで拭いてください。テッシュに赤く付いていませんか。共通タオルが駄目な事もわかりますね。手に朱が残っていませんか。水だけでは無理でしょう。石けんが必要ですね。今度は朱が落ちるまで洗いましょう。どこをどの程度洗うか覚えておいてくださいね。手洗いがきちんとできるようになると食中毒の危険性は40%減ります。ほんとですか。残念ながら証明はできません。食中毒を起こすとわかりますが、手洗いで防いだという事は証明できないのです。イメージトレーニングで危害を予想し、事前に対策をすることです。