販売事業者等に起因する LPG事故の防止 関東液化石油ガス協議会 保安委員会 保安委員会の○○と申します。 LPG事故の防止 保安委員会の○○と申します。 ただ今より「販売事業者等に起因するLPG事故の防止」について お話いたします。 関東液化石油ガス協議会 保安委員会
+②調整器の期限管理調査+③「閉栓カバー」の取付推進=平成24年実施事項 業務用施設実態調査総括表(2011年12月末現在) 日本液化石油ガス協議会 協議会名 ①業務用施設数(対象外除く) 全ユーザーからの割合 ①/全ユーザー 内CO換気センサ設置(CO警報器含む) CO換気センサ設置割合 ②/① ③法定周知以外の周知実績 法定周知以外の周知割合 ③/① 提出率 日本液化石油ガス協議会 42,450戸 5.10% 26,035戸 61.33% 37,697戸 88.80% 100% 東北液化石油ガス保安協議会 2,005戸 ― 2,022戸 3.042戸 23% 関東液化石油ガス協議会 16,382戸 1.37% 6,073戸 37.07% 8.677戸 52.97% 80.70% 中部液化石油ガス保安協議会 10,221戸 16.89% 7,614戸 74.49% 7,683戸 75.17% 63.64% 近畿液化ガス保安協議会 6,213戸 2.24% 4,443戸 71.51% 4,800戸 77.26% 中国液化石油ガス保安連絡協議会 4,154戸 2.32% 2,236戸 53.83% 2,694戸 64.85% 九州液化石油ガス保安連絡協議会 16,408戸 2.58% 14,185戸 86.45% 16,339戸 99.58% 総合計 95,828戸 60,586戸 77,890戸 平 均 15,971戸 5.08% 10,098戸 64.11% 12,982戸 76.44% 90.72% まず本論に入る前に、昨年の12月に行った業務用施設の実態調査の結果をお知らせします。 これは、昨年の七協議会の保安技術委員会で取り決めて実施しました。 七協議会というのはここにあります全国の協議会で、年に一度連絡会、年に二度の保安技術委員会を開催しています。 本年は10月11日に行なわれ、前回の実態調査の継続(再度実施)と②調整器の期限管理調査と③閉栓カバーの取付推進が決まりました。 業務用施設と調整器の調査につきましては、12月末現在の報告していただく予定ですので、その際はご協力よろしくお願いします。 +②調整器の期限管理調査+③「閉栓カバー」の取付推進=平成24年実施事項
高止まりが続くLPガス事故件数 消費者に 起因する事故 販売事業者等に起因する事故 その他の事故 原因者で分けると大きく3つに分かれる 消費者に 起因する事故 販売事業者等に起因する事故 その他の事故 他工事業者、メーカー 自然災害、その他、不明 残念なことに、LPガスの事故は高止まりを続けていますが、全ての事故は原因者(誰のせい)別に見ますと、大きく3つに分けることができます。 まずは販売事業者等に起因する事故です。これは私達、販売事業者や保安機関、配送事業者に原因があって発生する事故です。 続いては消費者に起因する事故です。これは最近特に増加しており、事故の形態もさまざまです。 そして3つめは、その他の事故であり、他工事業者、メーカー、自然災害などが原因者になります。 事故件数を減らすには、これらのどれか、あるいは全てに対して対策を講じなければなりません。 そこで前年は消費者に起因する事故を取り上げ、「閉栓カバーの取り付け推進」などを提案いたしました。 そして今回は、私達「販売事業者等」に起因する事故の防止対策についてお話しさせていただきます。 LPG
平成24年度液化石油ガス販売事業者等保安対策指針 Ⅰ.保安対策指針の考え方 1.自主保安活動の推進 液石法は、液化石油ガス販売事業者及び保安 機関に対して、一般消費者等の保安を確保する ために種々の義務を課しており、液化石油ガス の保安行政はこれらの保安規制を中心として 行われている。 事前規制→事後規制・・・自主保安活動の推進 毎年経済産業省より示される保安対策指針ですが、この冒頭には行政の基本的な考え方が述べられています。 平成24年度の指針では、「液石法は、液化石油ガス販売事者及び保安機関に対して、一般消費者等の保安を確保するために種々の義務を課しており、液化石油ガスの保安行政はこれらの保安規制を中心として行われている。」と書かれており、 液石法第一条の目的に沿って、あくまでも、私達販売事業者及び保安機関に対する保安規制を中心に、行われるものであり、今からお話しする「販売事業者に起因する事故の防止」はその第一の対象となるものです。 液石法第一条(目的) この法律は、一般消費者等に対する液化石油ガスの販売、液化石油ガス器具等の 製造及び販売等を規制することにより、液化石油ガスによる災害を防止するととも に液化石油ガスの取引を適正にし、もって公共の福祉を増進することを目的とする。
重点事故防止対策3項目 業務用施設等におけるCO中毒事故の防止 一般消費者等に起因する事故の防止 LPガス販売事業者等に起因する事故の防止 (平成24年度液化石油ガス販売事業者等保安対策指針) 業務用施設等におけるCO中毒事故の防止 一般消費者等に起因する事故の防止 LPガス販売事業者等に起因する事故の防止 それでは平成24年度の保安対策指針の内容ですが、これは皆さんもご存じのように22ページもあり、非常に多くの分析や対策が盛り込まれています。 その中で要請4項目(法令遵守の徹底、組織内のリスク管理の徹底、事故防止対策、自然災害対策)のひとつの事故防止対策として、重点事故防止対策三項目が挙げられています。 それは、業務用施設等におけるCO中毒事故の防止、一般消費者等に起因する事故の防止、LPガス販売事業者等に起因する事故の防止で、これは昨年と同じ内容です。
LPガス販売事業者等に起因する事故の防止対策 (平成24年度液化石油ガス販売事業者等保安対策指針) ①供給管・配管の事故防止対策 ②機器の事故防止対策 ③バルク供給に係る事故防止対策 そして「LPガス販売事業者等に起因する事故の防止対策」としては、①供給管・配管の事故防止対策、②機器の事故防止対策、③バルク供給に係る事故防止対策の3つの対策が挙げられています。 それでは、まず事故件数の推移から見てみます。
LPガス一般消費者事故件数推移(平成13年~23年) これは平成13年から平成23年までの事故件数の推移です。 平成17年までは100件前後で推移していたものが、平成18年(この年は雪害が多数発生)から200件を超えて倍増し、昨年度は225件と高止まりが続いています。 また今年についても、225件を上回るペースで事故が発生しております。
業者不適切に起因する事故件数推移(平成13年~23年) 業者不適切は⇒販売店等の不適切な処理と設備工事業者、充てん事業者を合計 平均51.5件 平均24.4件 この中で、業者不適切に起因する事故件数の推移を表したのがこのグラフです。 この場合の「業者」とは販売事業者等と設備工事業者、充てん事業者を合計したものです。 平成13年から平成17年の平均が24.4件であったのに、平成18年から平成23年までの平均では51.5件と倍増してしまいました。 では、業者不適切をさらに分類するとこうなります。
業者不適切に起因する事故の内訳 (平成13年~23年) ここで販売事業者等とは、販売事業者、保安機関、配送事業者をいいます。 業者不適切に起因する事故の内訳 (平成13年~23年) ここで販売事業者等とは、販売事業者、保安機関、配送事業者をいいます。 設備工事業者に起因するものは6件、7件となっている年度はありますが、多くを占めるのは「販売事業者等」に起因する事故、つまり私達自身に原因がある事故であることがわかります。 昨年は販売事業者等に起因する事故が40件、設備工事業者に起因する事故が2件、充てん事業者に起因する事故はゼロ件でした。 つまり、販売事業者等に起因する事故を削減することが重要です。
1、腐食等の劣化 2、容器交換時等のミス 3、工事ミス 販売事業者等に起因する事故の大きな要因 それでは、販売事業者等に起因する事故の要因を見てみますと、大きく3つに分類することができます。 第1は腐食等の劣化によるもの、第2は容器交換時のミスによるもの、第3は工事ミスによるものです。
販売事業者等に起因する事故の内訳 65 62 40 38 33 28 20 件 そしてこれは販売事業者等に起因する事故の内訳の推移です。 その他を除くと、腐食等劣化によるもの、工事ミスによるもの、容器交換時のミスによるものの3つがあり、昨年は腐食等劣化によるものが19件、工事ミスによるものが10件、容器交換時ミスによるものが11件でした。 それではこの3つに対して対応策を考えてみました。。
販売事業者等に起因する事故の防止 1、腐食等の劣化による事故の防止 平成23年の腐食場所の内訳 腐食場所 事故件数 配管(埋設分及び立上がり部) 6 配管(湯や水がかかる露出部) 2 調整器 3 ガス栓(末端ヒューズ、中間ガス栓) 高圧ホース 1 金属フレキ(給湯器) 容器(50kg) 外付け遮断機 排気筒 フレキシブルメタル(バルク貯槽) 合計 19 まずは、腐食等の劣化による事故についてです。 昨年度の販売事業者等に起因する事故の内、腐食等劣化による事故の発生した場所を分類してみました。 すると、一番多いのが配管で8件(うち埋設部及び立ち上がり部が6件)発生しており、つぎに調整器の腐食等劣化が3件、ガス栓が2件、あとはそれぞれ1件ずつで、高圧ホース、金属フレキ、容器、、外付け遮断機、排気筒、フレキシブルメタルあります。
1、腐食等の劣化による事故の防止 配管腐食(埋設配管) 年月日 2011年5月15日 発生場所 東京都府中市 被害状況 漏えい 原因者 販売事業者 事故の原因 埋設供給管の腐食 事故概要 共同住宅において、付近住人よりガス臭がするとの通報を受け販売事業者が出動し気密試験を行ったところ、埋設供給管からのガス漏えいを確認した。原因は埋設供給管(白管)の腐食によりガスが漏えいしたと判断した。 なお、直近の容器交換時のマイコンメータ確認では異常はなく、前回供給設備点検の埋設管の腐食測定では抵抗値が76.71Ω(10Ω以下で腐食の恐れ)で腐食の恐れなしと判断。 また、付近住民は一週間程前からガス臭を感じていたとのことであった。(都は、白管埋設部は腐食測定を過信せず、露出あるいは高耐久性の材質に改善するように指示した。 まずは埋設配管の腐食による事故例です。 発生年月日:2011年5月15日 発生場所 :東京都府中市 被害状況 :漏えい 事故の原因:埋設供給管の腐食 概要は、共同住宅において、付近住人よりガス臭がするとの通報を受け販売事業者が出動し気密試験を行ったところ、埋設供給管からのガス漏えいを確認した。原因は埋設供給管(白管)の腐食によりガスが漏えいしたと判断した。 なお、直近の容器交換時のマイコンメータ確認では異常はなく、前回供給設備点検の埋設管の腐食測定では抵抗値が76.71Ω(10Ω以下で腐食の恐れ)で腐食の恐れなしと判断。 また、付近住民は一週間程前からガス臭を感じていたとのことであった。(都は、白管埋設部は腐食測定を過信せず、露出あるいは高耐久性の材質に改善するように指示した。 白管が腐食したことによる事故例ですが、前回の供給設備点検では、埋設管の腐食測定を行い、抵抗値が腐食の虞がないと出ていたことに対して東京都は、白管が埋設されている」設備については、埋設管腐食測定を過信せず、露出あるいは高耐久性の材質の管に改善を進めるように指示しました。 腐食測定器はもちろん有用ですが、あたりの状況や計測方法によっては、正確な結果がでない可能性もあり、注意が必要です。 腐食例
1、腐食等の劣化による事故の防止 配管(埋設配管等) 漏洩検知装置による管理 埋設管腐食測定器による腐食管理 埋設管防護器具 通電用ケーブル(赤) 通電棒 (金属棒) 絶縁継手 ※電気的絶縁継手があ る場合、電気的継手の 下の配管の金属部分に 接続 漏洩検知装置 正常時 警告表示微小漏えい 基準電極用 ケーブル(青) 流量検知式切替型 漏えい検知装置 液晶の例 B LPガス管用ケーブル(黒) 基準電極 (飽和硫酸銅) B表示 赤ランプ 点灯 GL LEDの例 赤ランプ点灯 埋設管防護器具 圧力式微小漏えい警告 S型・SB型メータ BR 埋設管標識シート 埋設位置表示ピン 埋設管位置表示杭 B・R表示 流量式微小漏えい警告 B 埋設管位置の表示例 B表示 赤ランプ点灯 埋設管の腐食等による事故のハード面の対策としては、埋設管腐食測定器による腐食管理や、漏洩検知装置による管理、あとはPE管等や露出配管への改善などがあります。 また、露出した配管の腐食による事故は2件起きています。1件は隣接した流し台の水等によるレンジ接続配管の腐食による漏えい爆発事故、もう1件は湯がかかる位置に白管を設置したため、末端ガス栓との接続部が腐食して事故がおきたもので、定期点検・調査で見逃したものと思われます。 標識シート 表示ピン 表示杭 流量検知式圧力型 漏えい検知装置 PE立上り管 PE立上り管 漏えい検知部 EFソケット ロケーティングワイヤ PEエルボ 漏えい監視部 ガス未使用時6.0Kpa以上に 圧力が上昇している ガス未使用時6.0Kpaまで 圧力が上昇しない PE(ポリエチレン)管配管例 25
原因は期限切れの調整器の一次側ダイヤフラムビート部のゴムの弾性が経年劣化により失われ、一次側通気口から漏えいしたもの。 1、腐食等の劣化による事故の防止 調整器経年劣化 年月日 2011年2月4日 発生場所 北海道札幌市 被害状況 漏えい 原因者 販売事業者 事故の原因 調整器の経年劣化 事故概要 共同住宅において、通行人よりガス臭がするとの通報を受け、消防、保安センターが出動し、調整器からのガス漏れを確認したため、販売事業者に連絡し、出動した販売事業者は調整器の交換を行なった。 原因は期限切れの調整器の一次側ダイヤフラムビート部のゴムの弾性が経年劣化により失われ、一次側通気口から漏えいしたもの。 なお、販売事業者は期限管理を行っていたものの、コンピューター入力時に西暦と和暦の取り違えたため、期限超過に気付かなかった。 (調整器RF10:1994年7月製造) 腐食例 ダイヤフラム 続いては調整器の経年劣化による事故例です。 発生年月日:2011年2月4日 発生場所 :北海道札幌市 被害状況 :漏えい 事故の原因:調整器の経年劣化 概要は、共同住宅において、通行人よりガス臭がするとの通報を受け、消防、保安センターが出動し、調整器からのガス漏れを確認したため、販売事業者に連絡し、出動した販売事業者は調整器の交換を行なった。 原因は期限切れの調整器の一次側ダイヤフラムビート部のゴムの弾性が経年劣化により失われ、一次側通気口から漏えいしたもの。 なお、販売事業者は期限管理を行っていたものの、コンピューター入力時に西暦と和暦の取り違えたため、期限超過に気付かなかった。 (調整器RF10:1994年7月製造) 調整器の腐食に関しては、前年の研修会でもとりあげました。 期限切れ調整器例
調整器の期限管理について 機器別の事故発生件数(H18~22年) 調整器の事故のうち、経年劣化が16%を占める。 (平成23年度の研修会) 調整器の期限管理について 機器別の事故発生件数(H18~22年) 原因別事故件数 (調整器) 供給・消費設備事故件数 (燃焼機器は除く) 341件 140件 これは前年の説明で使ったグラフですが、調整器の事故のうち、経年劣化が16%を占めており、経済産業省は経年劣化による事故を販売事業者責任に分類しているとお伝えしました。 調整器の事故のうち、経年劣化が16%を占める。 経産省は経年劣化事故を販売事業者責任に分類。
(平成24年度液化石油ガス販売事業者等保安対策指針) 3.事故防止対策 (3)LPガス販売事業者等に起因する事故の防止対策 ②機器の事故防止対策 調整器、マイコンメータ、高圧ホース、警報器等は設置環境や使用状況により 電池寿命や機器の劣化の進行が異なるものの、長期使用に係る漏えい事故が 発生している。高圧ガス保安協会による調整器の事故の分析結果によれば、平成14年から平成23年に発生した186件のうち、雪害等の自然現象や接続作業時のミスなど使用年数に起因しないものを除くと43件であり、これらの直接の原因は腐食及び劣化によるものである。このうち88%に相当する38件がメーカー の交換推奨期限以内である7年及び10年を超えてから発生しており、これらは交換推奨期限以内に交換されていれば事故の発生を未然に防げたものである。 また、宮崎県で発生したメーカーの交換推奨期限を超えて使用された調整器に起因する事故をきっかけとして、保安院本院及び産業保安監督部で実施した調整器の期限管理の実態調査の結果、ほとんどのLPガス販売事業者がメーカーの交換推奨期限を超えたものについても計画的に交換していくとの方向をしめしているところである。 こうしたことを踏まえ、LPガス販売事業者等は、調整器、マイコンメーター、高圧ホース、警報器等の期限管理を確実に行うことが必要である。 平成24年度の保安対策指針にも調整器の期限管理についてはこう書かれています。 3.事故防止対策 (3)LPガス販売事業者等に起因する事故の防止対策 ②機器の事故防止対策 調整器、マイコンメータ、高圧ホース、警報器等は設置環境や使用状況により電池寿命や機器の劣化の進行が異なるものの、長期使用に係る漏えい事故が発生している。高圧ガス保安協会による調整器の事故の分析結果によれば、平成14年から平成23年に発生した186件のうち、雪害等の自然現象や接続作業時のミスなど使用年数に起因しないものを除くと43件であり、これらの直接の原因は腐食及び劣化によるものである。このうち88%に相当する38件がメーカーの交換推奨期限以内である7年及び10年を超えてから発生しており、これらは交換推奨期限以内に交換されていれば事故の発生を未然に防げたものである。 また、宮崎県で発生したメーカーの交換推奨期限を超えて使用された調整器に起因する事故をきっかけとして、保安院本院及び産業保安監督部で実施した調整器の期限管理の実態調査の結果、ほとんどのLPガス販売事業者がメーカーの交換推奨期限を超えたものについても計画的に交換していくとの方向をしめしているところである。 こうしたことを踏まえ、LPガス販売事業者等は、調整器、マイコンメーター、高圧ホース、警報器等の期限管理を確実に行うことが必要である。
防止策 ①埋設配管の管理の徹底(台帳整備と検査と改善) *白管等埋設管の年1回以上の漏えい試験とPE等への取替促進 1、腐食等の劣化による事故の防止 防止策 ①埋設配管の管理の徹底(台帳整備と検査と改善) *白管等埋設管の年1回以上の漏えい試験とPE等への取替促進 ②供給機器の期限管理の徹底(調整器、高圧ホース等) *マネージメントの承認のもと計画的に実施する ③定期点検・調査の確実な実施(腐食箇所の発見と改善) *年数だけでなく、配管及び機器の現状を把握する ④消費者との日頃のコミュニケーション(早急な連絡) *配送事業者とも良好な関係を築いておく 以上2つの腐食に関係する事故事例をみてきましたが、腐食等の劣化による事故防止には4つの対策が必要であると考えます。 ①埋設配管の管理の徹底(台帳整備と検査と改善) *白管等埋設管の年1回以上の漏えい試験とPE等への取替促進 正しく管理するためには、正しいデータがなければ管理できません。そのためにも、正確な埋設管管理台帳が必要であり、それがあって初めて、埋設白管等の腐食測定や漏えい試験が実施できます。 加えて検査で問題がなくても、埋設白管等はいつかは腐食する可能性があります。たとえ今日は腐食がなくても明日には腐食漏えいが起こるかもしれません。 そのためにも、露出配管にするかPE管などに取り換えることをより進めます。 ②供給機器の期限管理の徹底(調整器、高圧ホース等) *マネージメントの承認のもと計画的に実施する 法律では直接は定められていなくとも、自主保安の推進として、積極的に期限内交換を進めることが求められています。 ③定期点検・調査の確実な実施(腐食箇所の発見と改善) *年数だけでなく、配管及び機器の現状を把握する 定期期点検・調査の時に、配管、調整器、ホース、ガス栓を確実に目視点検をし、腐食のおきている場所はもとより、腐食が起こりそうな箇所まで改善することが大切です。 ④消費者との日頃のコミュニケーション(早急な連絡) *配送事業者とも良好な関係を築いておく 販売事業者は、事故の予兆や事故が起きた場合に消費者からすぐ連絡をもらうためにも、日頃からのコミュニケーションが重要です。また、配送事業者とも良好な関係が求められます。 改善や期限管理をするためにはまずデータの把握が必要ですし、また配管や供給機器の交換には費用がかかりますので、マネージメントの理解と、積極的な後押しが重要です。 *改善及び交換機器を管理するためのデータの把握が必要 *費用がかかる為、マネージメントの理解と積極的な後押しが重要
2、容器交換時等のミスによる事故の防止 平成23年の容器交換時ミスの内訳 容器交換時ミスの内容 件数 接続不十分 7 接続忘れ 2 締め付け過ぎ 1 その他 合計 11 続いては容器交換時のミスによる事故の防止についてです。 平成23年では11件の事故が発生し、そのミスの内容は、ホース等の接続が不十分だったものが7件、接続を忘れてしまったものが2件、逆に締め付けすぎが1件、その他が1件でした。 また、容器交換時等のミスによる事故は、この三年間で増加しており、注意する必要があります。
道は技術上の基準により、的確な容器交換作業及び点検を実施するように指導した。 2、容器交換時等のミスによる事故の防止 接続不十分 年月日 2011年6月6日 発生場所 北海道札幌市 被害状況 漏えい 原因者 販売事業者 事故の原因 容器と高圧ホース接続部の緩み 事故概要 地下に店舗が入った共同住宅において、近隣よりガス臭いとの通報を受け、消防、配送センター及び販売事業者が出動したところ、容器と高圧ホースの接続部から漏えいしていることを確認した。原因は容器と高圧ホースの接続部が何らかの要因で緩んでいたことによる。 道は技術上の基準により、的確な容器交換作業及び点検を実施するように指導した。 販売事業者は、配送員の社内教育の徹底を行うこととした。 それでは容器交換時のミスによる事故事例です。 発生年月日:2011年6月6日 発生場所 :北海道札幌市 被害状況 :漏えい 事故の原因:容器と高圧ホース接続部の緩み 地下に店舗が入った共同住宅において、近隣よりガス臭いとの通報を受け、消防、配送センター及び販売事業者が出動したところ、容器と高圧ホースの接続部から漏えいしていることを確認した。原因は容器と高圧ホースの接続部が何らかの要因で緩んでいたことによる。 道は技術上の基準により、的確な容器交換作業及び点検を実施するように指導した。 販売事業者は、配送員の社内教育の徹底を行うこととした。
接続不十分 接続時の 目視点検での見落とし 接続忘れ 作業ミス 二重のミス 配送員の注意不足 単純作業の繰り返しの慣れによるミス 2、容器交換時等のミスによる事故の防止 接続不十分 接続忘れ 接続時の 作業ミス 目視点検での見落とし 二重のミス このような基本的なミスは毎月のように発生している。 その原因は? 配送員の注意不足 単純作業の繰り返しの慣れによるミス 社内教育の不足 作業環境(多すぎる配送件数等:平均5分程度) その他 このような接続不十分や接続は忘れは、接続作業時のミスに加えて、容器交換時点検のチェックミスも犯しており、二重のミスがあったことになります。 実際にはこのようなミスは表に出なかったものを含めると毎月何件かは起きているものと思われます。 その原因は、いろいろ考えられます。 配送員の注意不足(ヒューマンエラー) 単純作業の繰り返しの慣れによるミス 社内教育の不足 作業環境(多すぎる配送件数等:平均5分程度) 管理者は事故が起きた場合には、その原因を追究しなければなりませんが、表面的な個人にだけに留まることなく、その奥にあるであろう大本の原因を発見することが重要です。これにはトライポッドなどの手法を用いると効果的です。
防止策 ①容器交換マニュアルの制定と順守 (*具体的な内容になっているか) ②社内教育の徹底(確実な作業と目視点検) 2、容器交換時等のミスによる事故の防止 防止策 ①容器交換マニュアルの制定と順守 (*具体的な内容になっているか) ②社内教育の徹底(確実な作業と目視点検) (*事故事例と漏えい事故の重大性を周知) ③指差呼称の励行(重要な作業の再確認) (*ホース接続確認、バルブ開放確認等) ④作業環境のチェック (*配送の受け持ち件数、休養状況) これらに対しての防止策は4つあります。 ①容器交換マニュアルの制定と順守 (*具体的な内容になっているか) マニュアルはあっても、単に形式だけのものや、年数がたって陳腐化したものでは意味がありません。今の作業に沿った、実務的なマニュアルが必要です。 ②社内教育の徹底(確実な作業と目視点検) (*事故事例と漏えい事故の重大性を周知) そのマニュアルを使っての社内教育を行います。その時に実際に容器交換時ミスで起きた事故事例を紹介することで、事故の重要性を再度認識してもらうようにします。 ③指差呼称の励行(重要な作業の再確認) (*ホース接続確認、バルブ開放確認等) 容器交換作業には多くのチェックポイントがありますが、ウッカリミスを防ぐには、ホース接続やバルブ開など特に重要な作業には必ず指差呼称を実行するようにすることが必要です。慣れてくるとなかなか呼称はもとより指差もしなくなってしまいがちです。その結果、考え事をした時などは確実にホースの接続を確認しないことがあります。新人であろうとベテランであろうと必ず行うようにしてください。 ④作業環境のチェック (*配送の受け持ち件数、休養状況) 作業環境のチェックは管理者が行います。受け持ち件数が多すぎないか、適切に休養はとっているか常に注意しておくことが必要です。 容器交換マニュアル
基礎的知識の不足 経験不足 初歩的なミスが多い 3、工事ミスによる事故の防止 平成23年の工事ミスの内訳 工事ミスの内容 件数 点火ミス 5 締め付け不足 3 バルク安全弁交換作業ミス 1 漏えい試験なし 合計 10 点火ミス ①ガス漏えい後の点火ミス ②風呂釜点火不良調査時の点火ミス ③中華レンジ清掃後の点火ミス ④コンロ修理後の点火ミス ⑤メータ復帰後の点火ミス 締め付け不足 ①システムコンロ接地時のフレキホース の締め付け不足 ②風呂釜交換時の低圧ホースと末端 ガス栓の締め付け不足 ③ガスメータユニオンの締め付け不足 *ビルトインコンロの部品交換後の漏え い試験なし *バルク安全弁交換作業ミス 初歩的なミスが多い 消費者と同じレベル? そして第3が工事ミスによる事故の防止についてです。 平成23年の工事ミスの内訳は、点火ミスが5件、締め付け不足が3件、バルク安全弁交換作業ミス1件、漏えい試験忘れ1件となっています。 点火ミスは①ガス漏えい後の点火ミス②風呂釜点火不良調査時の点火ミス③中華レンジ清掃後の点火ミス④コンロ修理後の点火ミス⑤メータ復帰後の点火ミスであり、一般消費者のミスと同じレベルです。 このように工事ミスに関しては初歩的なミスが多く、基礎的な知識の不足や、経験不足があると思われます。 基礎的知識の不足 経験不足
飲食店において、販売事業者が中華レンジを掃除し、燃焼確認のため点火作業を行ったところ炎が上がり2名が軽い火傷を負った。 3、工事ミスによる事故の防止 点火ミス 年月日 2011年11月10日 発生場所 兵庫県姫路市 被害状況 漏えい爆発軽症2名 原因者 販売事業者 事故の原因 販売事業者の作業ミス 事故概要 飲食店において、販売事業者が中華レンジを掃除し、燃焼確認のため点火作業を行ったところ炎が上がり2名が軽い火傷を負った。 原因は点火棒による点火前に中華レンジのガス栓を開け、点火に手間取ったため、滞留していたガスに点火棒の火が引火し燃え上がったもの。 県は類似事故発生防止のため、全事業所社員の保安教育を早急に実施し報告するよう指示した。 それでまず点火ミスによる事故事例です。 発生年月日:2011年11月10日 発生場所 :兵庫県姫路市 被害状況 :漏えい爆発軽傷2名 事故の原因:販売事業者の作業ミス 飲食店において、販売事業者が中華レンジを掃除し、燃焼確認のため点火作業を行ったところ炎が上がり2名が軽い火傷を負った。 原因は点火棒による点火前に中華レンジのガス栓を開け、点火に手間取ったため、滞留していたガスに点火棒の火が引火し燃え上がったもの。 県は類似事故発生防止のため、全事業所社員の保安教育を早急に実施し報告するよう指示した。 このように点火に手間取った場合にはどのような危険性があるか、LPGのプロである販売事業者等は当然気付かなくてはなりません。
共同住宅において、バルク貯槽安全弁の交換作業中に何らかの原因で漏えいしたガスに引火し、爆発・火災により、1名が重傷、3名が軽傷を負った。 3、工事ミスによる事故の防止 バルク貯槽安全弁交換作業ミス 年月日 2011年6月15日 発生場所 埼玉県川口市 被害状況 漏えい爆発・火災 重症1名、軽傷3名 原因者 販売事業者(不明調査中) 事故の原因 販売事業者の作業ミス(不明調査中) 事故概要 共同住宅において、バルク貯槽安全弁の交換作業中に何らかの原因で漏えいしたガスに引火し、爆発・火災により、1名が重傷、3名が軽傷を負った。 原因は安全弁の根元から漏えいしたガスに何らかの火が引火したものと推定されるが、詳細は現在調査中 平成24年度保安対策指針の中では、 当該事故は、安全弁の交換作業の基本的な手順によらずに作業を行ったために事故にいたったものであり、基本的な作業手順の遵守・徹底が重要であることを改めて示すものである。 続いてはバルク貯槽での事故事例です。 発生年月日:2011年6月15日 発生場所 :埼玉県川口市 被害状況 :漏えい爆発・火災 重症1名、軽傷3名 事故の原因:販売事業者の作業ミス 共同住宅において、バルク貯槽安全弁の交換作業中に何らかの原因で漏えいしたガスに引火し、爆発・火災により、1名が重傷、3名が軽傷を負った。 原因は安全弁の根元から漏えいしたガスに何らかの火が引火したものと推定されるが、詳細は現在調査中 平成24年度保安対策指針の中では、 (当該事故は、安全弁の交換作業の基本的な手順によらずに作業を行ったために事故にいたったものであり、基本的な作業手順の遵守・徹底が重要であることを改めて示すものである。)とあります。 同じような事故は以前にも発生していますが、その教訓が十分に生かされていなことになります。バルク貯槽に関しては、安全弁や液面計の交換で事故が発生しますが、非常に大きな事故に繋がる可能性がありますので、一層の注意が必要です。
防止策 ①社内教育の徹底(LPG基礎知識の再教育) *点火時の危険性等「安全作業マニュアル」の作成 ②技術及び知識の継承(ベテランから新人) 3、工事ミスによる事故の防止 防止策 ①社内教育の徹底(LPG基礎知識の再教育) *点火時の危険性等「安全作業マニュアル」の作成 ②技術及び知識の継承(ベテランから新人) *同行によるOJT等 ③漏えい検査の確実な実施(漏えいを見落とさない) *検査のダブルチェックも 工事ミスによる事故の防止対策は3つ挙げられます。 ①社内教育の徹底(基礎的知識の再教育) *点火時の危険性等「安全作業マニュアル」の作成 LPGの基礎知識や点火時など、基本的な教育をおこなうことが必要です。 ②技術及び知識の継承(ベテランから新人) *同行によるOJT(オンザジョブトレーニング)等 一人で作業する前に、ベテランと同行して、安全作業の基本を習得するようにします。 ③漏えい検査の確実な実施(漏えいを見落とさない) *検査のダブルチェックも 一つ一つの作業後には必ずチェックすることは重要ですが、最後の砦となる漏えい検査は確実に行うようにします。
②業務用厨房等の事故防止対策として、燃焼器具の適切な操作方法に重点をおいた周知の徹底 平成24年度高圧ガス保安活動促進週間 重点目標 (液石法関係) ①一般消費者等に対して、液化石油ガス販売事業者等が行っている保安業務の内容、消費機器の維持管理方法、一酸化炭素中毒事故防止対策及びガスが万が一漏出した場合の適切な対処方法の周知 ②業務用厨房等の事故防止対策として、燃焼器具の適切な操作方法に重点をおいた周知の徹底 ③高齢者及び一人暮らしの消費者に対して、LPガス設備を安全・安心に使用するための保安啓発の実施 ④液化石油ガス販売事業者等に対して、法令遵守、事故防止対策等の再周知の徹底 今年の高圧ガス保安活動促進週間は終了しましたが、液石法関係の充てん目標は、 ①一般消費者等に対して、液化石油ガス販売事業者等が行っている保安業務の内容、消費機器の維持管理方法、一酸化炭素中毒事故防止対策及びガスが万が一漏出した場合の適切な対処方法の周知 ②業務用厨房等の事故防止対策として、燃焼器具の適切な操作方法に重点をおいた周知の徹底 ③高齢者及び一人暮らしの消費者に対して、LPガス設備を安全・安心に使用するための保安啓発の実施 4つめが販売事業者等に対してですが、④液化石油ガス販売事業者等に対して、法令遵守、事故防止対策等の再周知の徹底となっており、基本的な事項を再度確実に習得するように求めています。 ということは、法令遵守や事故防止対策が理解されていないと思われていることの表れ」ではないでしょうか。
販売事業者等に起因する事故の防止 1、腐食等の劣化 2、容器交換時等のミス 3、工事ミス 原因 腐食等劣化 容器交換時等のミス 工事ミス 1、腐食等の劣化 2、容器交換時等のミス 3、工事ミス 原因 ①埋設配管の管理の徹底(台帳整備と検査と改善) *白管等埋設管の年1回以上の漏えい試験とPE等への取替促進 ②供給機器の期限管理の徹底(調整器、高圧ホース等) *マネージメントの承認のもと計画的に実施する ③定期点検・調査の確実な実施(腐食箇所の発見と改善) *年数だけでなく、配管及び機器の現状を把握する ④消費者との日頃のコミュニケーション(早急な連絡) *配送事業者とも良好な関係を築いておく 腐食等劣化 ①容器交換マニュアルの制定と順守 (*具体的な内容になっているか) ②社内教育の徹底(確実な作業と目視点検) (*事故事例と漏えい事故の重大性を周知) ③指差呼称の励行(重要な作業の再確認) (*ホース接続確認、バルブ開放確認等) ④作業環境のチェック (*配送の受け持ち件数、休養状況) 容器交換時等のミス まとめてみますと、販売事業者等に起因する事故は大きく分けて3つ、1、腐食等の劣化、2、容器交換時等のミス、3、工事ミスがありそれぞれの対策はこうなります。 そしてこれをさらに重要性の観点から絞ってみるとこの6つになります。 ①社内教育の徹底(基礎的知識の再教育) *点火時の危険性等「安全作業マニュアル」の作成 ②技術及び知識の継承(ベテランから新人) *同行によるOJT等 ③漏えい検査の確実な実施(漏えいを見落とさない) *検査のダブルチェックも 工事ミス
埋設白管等のPE等への取替促進 供給機器の期限管理の徹底 指差呼称の徹底 作業環境のチェック 安全基礎知識の再教育 確実な漏えい検査 販売事業者等に起因する事故防止の重要ポイント 1.腐食等劣化 埋設白管等のPE等への取替促進 供給機器の期限管理の徹底 指差呼称の徹底 作業環境のチェック 安全基礎知識の再教育 確実な漏えい検査 2.容器交換時のミス 3.工事ミス 1.腐食等劣化 埋設白管等のPE等への取替促進 供給機器の期限管理の徹底 2.容器交換時のミス 指差呼称の徹底 作業環境のチェック 3.工事ミス 安全基礎知識の再教育 確実な漏えい検査
先ず隗より始めよ 先ずは販売事業等に起因する 事故の削減を! ご清聴ありがとうございました LPG LPガス事故は多くの原因によって起こります。販売事業者等によるもの、消費者によるもの、他工事業者等によるもの、自然現象によるもの、その他不明なものなどがあります。 全てを無くさなければ事故はなくなりません。しかし、「先ず隗より始めよ」です。先ずは私達に起因する事故が減少することを願いましてお話しを終了いたします。 ご清聴ありがとうございました。 LPG LPG ご清聴ありがとうございました