06-01-2 3 中世法⑵ 中世の三法圏 ① 公家法と本所法 2016年 前期 日本法制史講義 中世法 2 06-01-2 3 中世法⑵ 中世の三法圏 ① 公家法と本所法
1 三法圏の鼎立(ていりつ) ① 公家法 ② 本所法 ③ 武家法 3 中世法1-2 中世の三法圏 ① 公家法と本所法 3 中世法1-2 中世の三法圏 ① 公家法と本所法 1 三法圏の鼎立(ていりつ) ① 公家法 ② 本所法 ③ 武家法 信貴山縁起絵巻(山崎長者 飛倉巻)
2 公家法 ① 延喜式 ① 延喜式 927 完成→ 967施行 →『新訂増補国史大系』 位置づけ 格式法 ⇦ 律令法 2 公家法 ① 延喜式 ① 延喜式 927 完成→ 967施行 →『新訂増補国史大系』 位置づけ 格式法 ⇦ 律令法 内容 有効な法律条文?<エンサイクロペディア? 宮城栄昌『延喜式の研究』論述篇・史料篇(各Ⅰ・Ⅱ) 虎尾俊哉『延喜式』 雑式 凡神社四至之内 不得伐樹木及埋蔵死人
式内 真墨田神社→ 神名帳 ☜ 国府宮裸祭
公家法 ② 新 制 ② 新 制(制符 太政官符) 身分禁令 (服飾・乗物) などを主眼 統治法として の性格は弱い 公家法 ② 新 制 平治物語絵巻 ② 新 制(制符 太政官符) 身分禁令 (服飾・乗物) などを主眼 統治法として の性格は弱い 庄園整理令に特色 esp延久元年記録庄園券契所 保元元年宣旨 九州之地者一人之有也、王命之外、何施私威、而如聞、近年或語取国判、或称伝公験、不経官奏、恣立庄園、論之朝章、理不可然 平戸記 徳政之最要也、所詮其至要、可在任官加爵諸訴已上三ヶ条事也 水戸部正男『公家新制の研究』 谷口 昭「公家新制に関する覚書─法権と政権の立場から」 (『名城法学』43-1.2平成5年)
公家法 ③ 宣旨 ④ 慣習法 ③ 宣 旨 蔵人伝宣・官宣旨 院宣(院庁下文) ④ 慣習法 早川庄八『宣旨試論』(岩波書店) 公家法 ③ 宣旨 ④ 慣習法 ③ 宣 旨 蔵人伝宣・官宣旨 院宣(院庁下文) ④ 慣習法 早川庄八『宣旨試論』(岩波書店) 1) 例 官内執務の先例 eg 外記庁例・検非違使庁例 ←官私文書の文例集 eg 『朝野群載』・諸家の日記(盛行) 2) 明法勘文 eg 『法曹類林』 3) 法 書 eg 『法曹至要抄』(坂上明兼) 4) その他 官職・装束・調度・儀式・ 年中行事に関する有職故実書 5) 続文つぎふみ eg 諸国申請雑事 平安遺文 後鳥羽天皇宣旨 以仁王の令旨
3 本所法 ① 家務法 ② 庄園法 本所 領家・領主の公法的呼称 不輸権 →不入権 ⇨ 行政(=経営)・裁判・立法の権力主体 ① 家務法 3 本所法 ① 家務法 ② 庄園法 本所 領家・領主の公法的呼称 不輸権 →不入権 ⇨ 行政(=経営)・裁判・立法の権力主体 ① 家務法 公卿(別当・令・案主・知家事と家司) 政所下文 (私文書) cf 武家 鎌倉幕府 政所 寺院(別当・三綱組織)&寺院集会(所司・各衆・満寺etc) これら 本所は 個別の裁判権 を行使した ただし 本所間訴訟 の裁定機能は 公家政権 (=治天の君という中世の王権) (←公家新制 諸訴・雑訴の興行)
本所法 ② 庄園 (在地の)法 ②庄園法 庄園において自然に発達した慣習法 五畿七道之習 諸国之習 諸国庄園之習 ←不入権に由来 本所法 ② 庄園 (在地の)法 人々(庶民・農民)の法 ②庄園法 庄園において自然に発達した慣習法 ←不入権に由来 それらは次のように表現された 五畿七道之習 諸国之習 諸国庄園之習 諸国之大法 当国之習 当国平均之例 当庄之例
本日のミニレポ: 中世の三法圏 (法圏の分裂) 本日のミニレポ: 中世の三法圏 (法圏の分裂) このような法の世界から見ると ←天皇の法(律令法)は全国一律であった 法圏が分裂した(しかし相互に関連する) 状態を国家の形として何といえばよいか つまり分裂か複合か、それとも・・・・?
三法圏が鼎立した状況を説明し そのような国家を何と表現できるか