「生ゴミからプラスチックの生産」 ‐都市の肝臓‐ 響灘エコタウン 実証試験施設内部

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静岡市企業局下水道部 下水道料金と事業経営 下水道事業=公営企業 下水道料金 受益者負担金 < 税金 下水道処理施設や管渠 の建設に莫大な費用が かかる 下水道処理施設の建設、管渠の建設.
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5.資源の循環.
資源→製品→ゴミ→どうする? 年 組 氏名 原油の精製
業務用消滅型生ゴミ処理装置        のご紹介 専務取締役  岩城 和男.
廃 棄 自然界の食物連鎖 都市の食物連鎖 化石資源 第1次消費者(草食動物) 第2次消費者(小型肉食動物) 第3次消費者(大型肉食動物)
エネルギー変換技術の評価例:発電技術 立場 (ステークホルダー) 評価項目 評価細目 利用(適用)技術 放射性廃棄物処分費用?
パームバイオマス再資源化技術開発の新展開 -アジアを視野に入れて-
超臨界二酸化炭素を用いて作製した水素同位体交換反応用の 白金担持撥水性触媒
高度生物処理システム(BBS) 環境改善と省エネルギー効果 ~バイオの力で地球を守る~ 環境事業部 大成企業株式会社
北海道情報大学 情報メディア学部 情報メディア学科 新井山ゼミ 瀬戸 裕
持続可能な社会を実現するための地域及び企業の環境活動
産地パワーアップ事業の取組事例 (北海道)
将来の太陽電池の廃棄量の 予測と処理について
山梨CO2削減循環プロジェクト 下水汚泥からバイオガス抽出 燃料電池へ水素供給 (天然由来でカーボンフリー) 山梨新産業育成への道
これまでの議論・府域の状況を踏まえた考え方の整理
山口大学大学院理工学研究科 物質工学系学域精密化学分野 山本豪紀
どちらが環境にやさしいですか? レジ袋とマイバッグの場合.
化学的侵食 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
大成企業株式会社 環境事業部 新活性汚泥技術研究会会員 〒 東京都府中市八幡町2-7-2
アミノ酸発酵における糖(原料)製造プロセスの設計検証
身近なドリンクでできる燃料電池搭載型模型自動車教材の開発およびそれを利用した実践
活性化エネルギー.
バイオマス E0202477 村田万寿男.
ごみ問題 ~対策~.
環境表面科学講義 最終回 村松淳司.
建設と環境 建築 ビル・住宅 建設 ハードな分野 土木 道路・橋梁・ダム トンネル・堤防 ソフトな分野 交通計画・都市計画
固体電解コンデンサの耐電圧と漏れ電流 -アノード酸化皮膜の表面欠陥とカソード材料の接触界面-
講義の目的 講義の方法 講義予定 「生物リサイクル工学特論」について 2015年4月9日 大学院生命体工学研究科 生体機能専攻 白井義人
1.ごみの処理 2.上下水道の整備とし尿の処理
化学的侵食 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
エコ実践 日本一を目指して 連携 推進体制 (町民)エコなライフスタイルへ (企業)エコな企業活動 (行政)エコの仕組みの整備、活動の支援
「生ゴミからプラスチックの生産」 ‐都市の肝臓‐ 響灘エコタウン 実証試験施設内部
廃プラスチックとは ケミカルリサイクル サーマルリサイクル マテリアルリサイクル マテリアルリサイクルのメリット
本時の目標 ○ 主な材料の特徴をまとめよう ○ 材料と環境とのかかわりを知り、材 料の使い方についてまとめよう
自然・環境ブック 新潟県 廃棄物の適正処理 <内容> ・家庭から出てくるごみの処理について 3ページ
2007年7月 株式会社 ケー・イー・エム.
佐賀市バイオマス産業都市構想 事業化プロジェクト 議題3 追加資料 ① 清掃工場二酸化炭素分離回収事業 ② 木質バイオマス利活用事業
新潟大学工学部化学システム工学科 教授 金 熙濬
バイオマスプラスチックカップのワンウェイユース
持続可能社会実現にむけた現実的なシナリオ
エイブリーらの実験 オズワルド・エイブリー(米:1877 – 1955).
プラズモン共鳴を用いたC-dot-Ag ナノ粒子-シリカコンポジット 薄膜蛍光増強
化学的侵食 コンクリート工学研究室 岩城一郎.
○○○○○○○○○○○○○○○○○○ の要素技術開発
× 農業 都市の緑化 生物界の共生 (生物は単独では生きられない) 都市の共生 (ヒトはひとりでは生きていけない) 捕食関係 寄生関係
汚 泥 減 量 装 置 BIPITTA SYSTEMのご説明 Presentation 株式会社エコ・クリエイティブ・ジャパン
大成企業株式会社 環境事業部 新活性汚泥技術研究会会員 〒 東京都府中市八幡町2-7-2
○○○○○○○○○○○○○○○○○○ の要素技術開発
  ○○○部長     殿 平成   年   月   日 リサイクルトナー購入について ●●部●●課 ●● ●●
講義の目的 講義の方法 講義予定 「生物リサイクル工学特論」について 2015年4月9日 大学院生命体工学研究科 生体機能専攻 白井義人
環境・エネルギー工学 アウトライン 序 章 環境・エネルギー問題と工学の役割 第1章 バイオ技術を使った環境技術
新聞発表 2003年4月16日 大和田・鈴木・菅原・山中.
循環型社会構築に向けた バイオマス利用 産業技術総合研究所 バイオマス研究センター 坂西欣也.
資源→製品→ゴミ→どうする? 年 組 氏名 原油の精製
事業目的・概要等 イメージ 脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業 背景・目的 期待される効果 事業スキーム 事業概要
省CO2かつ低環境負荷なバイオマス利活用モデルを確立し、低炭素社会と循環型社会の同時達成に貢献
シュウ酸による焼却残渣中のカルシウムの再生
廃PVC中有害金属の 最適な処理方法の評価
講義の目的 講義の方法 講義予定 「生物リサイクル工学特論」について 2019年4月19日 大学院生命体工学研究科 生体機能専攻 白井義人
講義の目的 講義の方法 講義予定 「生物リサイクル工学特論」について 2019年4月19日 大学院生命体工学研究科 生体機能専攻 白井義人
サハリン開発と天然ガス 新聞発表 5月14日 上野 雅史 坂中 遼平 松崎 翔太朗 河原塚 裕美 .
テーマ 名古屋市の家庭から出るゴミの処理方法を考えよう
一般廃棄物の現状と問題点 班名 メンバー 9班棚橋AA C08042 伴野 祐大 C08044 藤原 成吾 C08045 松井 拓也.
リサイクル工学特論 ~imai/recycle/recycle.html
3班 メンバー C09003 大村 優人 C09007 海藤 豊 C09013 清水 麻衣 C09015 杉本 英治
講義の目的 講義の方法 講義予定 「生物リサイクル工学特論」について 2019年4月19日 大学院生命体工学研究科 生体機能専攻 白井義人
人口過密な大都市でいかに合理的に水を循環させるか?
○○○株式会社 1.企業概要 当社は、優れた機械加工技術及びエンジニアリング技術、発酵技術を核技術として、△△から排出される汚染物質○○○を短時間に無害化処理し、残渣も堆肥として利用することができる装置を開発、製造している。また、コンサルティング、設計、設置、維持までトータルで行っている。 日本国内では大規模工業団地で導入されているほか、○○国、○○国などに輸出して、現地の環境問題に対して貢献している。
GC/MSによるノニルフェノキシ酢酸類の分析
沿道植物中のEROD活性による 大気汚染のバイオモニタリング ー研究の概略ー.
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「生ゴミからプラスチックの生産」 ‐都市の肝臓‐ 響灘エコタウン 実証試験施設内部 文部科学省「生活者ニーズ対応研究」生ゴミ生分解性プラスチック化仮設実証試験施設

都市ゴミ組成と資源化

都市ゴミ処理における生ゴミの問題点 生ゴミは栄養豊富で安全な資源! 1.都市ゴミの30~40%が生ゴミ 2.生ゴミの80%が水分         → 取り扱いが難しい  3.腐敗しやすく臭う         → 週に2回の収集が必要 4.都市での需要と価格(ただ~30円/kg)   では飼肥料への資源化は困難 しかし 生ゴミは栄養豊富で安全な資源!

生ゴミの糖化 肥料 100 kg 生ゴミ 50 kg 300 g 水 生ゴミの糖化 150 kg 50 kg 残渣 固液分離 糖化液 肥料へ 100 kg 生ゴミ 50 kg 300 g 水 グルコアミラーゼ 生ゴミの糖化 肥料 150 kg 50 kg 残渣 固液分離 糖化液 100 kg

100 kg ポリ乳酸 5 kg 72Mcal/5=14.4Mcal/kgPL 生ゴミ糖化液からポリ乳酸の生産フロー図 生ゴミ糖化液 乳酸発酵 15 Mcal 5 kg 残渣 固液分離 水 65 kg (飼料添加物) 95 kg 濃縮 アンモニア 19 Mcal 30 kg 3 kg 残渣 エステル化 (リン資源) ゴミ焼却 排熱 10 Mcal 蒸留 ブタノ-ル 8 Mcal 8 kg 90% 乳酸 加水分解 10 Mcal ラクチド 重合 ポリ乳酸 5 kg 10 Mcal 72Mcal/5=14.4Mcal/kgPL

女子大学食 ホテル コンビ二 レストラン 九工大学食(1) 九工大学食(2) 乳酸生産量 [g]     1kgの生ゴミからの乳酸の生産量   

2001年北九州博覧祭会場の生ゴミから つくられたポリ乳酸ペレット

コスト

食品ゴミ量

乳酸発酵残渣の肥料効果 物質収支へ

バイオマス資源化構想 バイオマスの問題点 ポリ乳酸の 大量生産 バイオマス ものつくり ◎広く、薄く 集中、大規模 バイオマス       ものつくり ◎広く、薄く       集中、大規模 低品質で高価     高品質で廉価 製品 バイオマス資源化構想 生ゴミ  糖液と肥料はローカルに 大規模ポリ乳酸工場へ 海上輸送 ポリ乳酸の 大量生産

今後の展開 -北九州エコタウン事業-     食品ゴミの生分解性プラスチック化実証工場の建設について(平成13年12月17日北九州市プレスリリース資料から)   若松区響灘地区で展開しているエコタウン事業の一環として、食品系廃棄物を原料に乳酸を取り出し、生分解性プラスチックを製造する実証工場が農林水産省の補助を受けて建設されることが決定した。なお、生ゴミから生分解性プラスチックを取り出す技術については、実証研究エリアにおいて、九州工業大学を中心とする研究グループが 開発に成功したものである。今回の事業は、その技術を採用・改良 し、より大規模事業化に向けた取り組みを実現するものである。 事業主体      ・(財)北九州市産業学術推進機構 事業実施体制      上記財団を事業主体とし、以下の大学、民間企業が共同で      事業に参画      ・㈱荏原製作所   ・㈱武蔵野化学研究所       ・環境テクノス㈱   ・オルガノ㈱      ・電源開発㈱      ・九州工業大学(大学院生命体工学研究科 白井義人教授)      ・帝人㈱

生ゴミを資源にする方法の提案 生ゴミを運びやすく、使いやすく、資源に! 生ゴミを地域で糖液と肥料に 下水で運ばれた生ゴミはメタンに! 大規模に ポリ乳酸を 製造します 下水で運ばれた生ゴミはメタンに! メタン発酵汚泥は液体燃料に! 生ゴミを 含む下水 糖・栄養液 メタン発酵汚泥 下水処理場での メタン発酵 鉄触媒反応器 生ゴミをディスポーザ で流します.下水管 は資源の通路 肥料 ゴミ焼却・生ゴミ 糖化施設 分別収集 (乾燥)生ゴミ 液体燃料 下水へ ポリ乳酸製品は地域 で化学リサイクル プラスチックの新品   生ゴミは自然  エネルギーなどで 乾燥→臭わず、腐らず、  運びやすく ポリ乳酸は大規模につくるのが有利! しかし、生ゴミは全国から集められません. そこで、地域ごとに糖・栄養液を抽出、ゴミ焼却場の熱で濃縮、減量し、タンカーで大規模 ポリ乳酸工場に! 残った残渣や汚泥は肥料、 メタン、液体燃料に! 町のリサイクル工場 ポリ乳酸製品の廃棄物   (含添加物OK) ポリ乳酸のマルチ ングシートは土 にかえる! マルチング フィルム ポリ乳酸製品 大規模 ポリ乳酸工場 糖・栄養液タンカー

これまでの成果 新都市環境システム 今後30年の導入シナリオ(3班) 肥料へ 講義メモへ 生ゴミからポリ乳酸と肥料をつくる ポリ乳酸の         ポリ乳酸の             化学リサイクル(1班) これまでの成果 新都市環境システム      今後30年の導入シナリオ(3班) ホテル  生ゴミ デンプン分解 酵素の添加 6時間でご飯や麺類の デンプンが糖に分解、 野菜・肉スープに 分解しなかった野菜や 肉は網で簡単に分離 糖・栄養液 圧  搾 生ゴミ中の8~ 9割の油・塩分 が含まれます 響灘生ゴミ プラスチック工場 糖・栄養液をポリ乳酸へ ここまで 減量 肥料へ 減塩・減油の 肥料材料 北九州博覧祭2001 の生ゴミからつくった ポリ乳酸 汎用プラスチック 回収樹脂 ポリ乳酸以外の プラスチック ポリ乳酸の 化学リサイクル LLラクチド 不純物 本年度不 純物がでな い方法を世 界で初め て開発 汚泥はまず メタン発酵 汚泥から水素や液体燃料           活性炭をつくる(2班) 汚泥 メタン P, Ca H C H O H 可溶化 (亜臨界) O メタン 発酵汚泥 ケトン化 (水熱条件) Fe触媒 BTX化 (Si-Al触媒) H O H H O C C C C H H 消化槽 H N C C C H H H H C H ケトン メタン 発酵汚泥 乳酸発酵残渣 ダイオキシンが スッポリ入る 孔があいて います ダイオキシン除去用活性炭製造 できた活性炭の孔の大きさ BTX C1-C6 水素が高い 割合でできて います 水熱ガス化 (Ni触媒) 0 20 40 60   80 100 2 生成物収率 [mol%] 1.6 ダイオキシン除去 に効果的 細孔容積分布 [cm3/g] 1.2 乳酸発酵残渣 液体燃料(BTX: ベンゼン、トルエン キシレン)が高い 割合でできて います 0.8 残渣 メタン 水素 0.4 市販活性炭 コーヒー抽出残渣 50 100 150 200 2 4 6 8 10 12 細孔半径: Rp [nm] 炭素を基準とした収率 [ mol% ] 講義メモへ