マネーサプライを増やせ! 岩田・伊藤・浜田・若田部・勝間

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終章 結論~迷走する経済学~ E班 堀口・石川・細野・武井・赤見・伊藤 デフレの原因はマネーサプライでもない!人工減少でもな い!ではデフレの正体は何か … この章ではその正体を含め、歴史的に見る経済低滞とデフレ の関係性、デフレの害悪、そして現在の経学の現状について も論じていく。 1.
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2004/11/18hiroyuki moriya1 早稲田大学教育学部社会科学専修 現代社会研究4 ( マネー) 伝統的資産運用とオルタナティブ投 資 森谷博之 住商キャピタルマネジメント チーフストラテジスト オックスフォードファイナンシャルエデュケーション.
1 (第 14 週) 第5章 間接金融の仕組 み § 1 銀行の金融仲介機能 ( p.91 ~ 98 ) ① 仲介機能 ② 情報生産機能 ③ 資産転換(変換)機能 ④ 銀行貸付けにおける担保の役割 § 2 貸付債権の証券化とサブプライム問題 ( p.99 ~ 104 ) § 3 銀行以外の金融仲介機関.
マクロ経済学初級I タイプIIクラス 白井義昌
金利、金融政策及び資金循環 金利の概念 金利体系 日本銀行の政策手段 資金循環. 金利の概念 金利とは:資金の貸借取引における資 金の価格である。 金利の機能:資金の配分や景気の調整。
1 IV 長期における貨幣と価格. 第11章 貨幣システム 物々交換 欲望の二重の一致 1.貨幣の意味 貨幣の機能 – 交換手段 – 計算単位 – 価値貯蔵手段 富 流動性 貨幣の種類 – 商品貨幣 金本位制 – 不換紙幣.
金融経済論(小川英治) 1 貨幣供給. 金融経済論(小川英治) 2 ハイパワードマネーとマネー サプライ ハイパワードマネー or マネタリーベース or ベースマ ネー =中央銀行が供給する現金通貨。 ハイパワードマネー( H )は、公衆保有の現金通貨 ( C )と銀行保有の支払準備( R )から構成される。
短期均衡 (2) IS-LM モデル 財市場 IS 曲線 – 財市場の均衡 – 政府支出の増加,減税 貨幣市場 LM 曲線 – 貨幣需要,貨幣市場の均衡 – マネーサプライの増加 IS-LM モデル – 財政政策の効果,金融政策の効果 – 流動性の罠 – 実質利子率と名目利子率の区別 貨幣供給.
QE 出口戦略 利上げ先行型. 前提 主張 1 超過準備対策として利上げは有効である 主張 主張 1 超過準備対策として利上げは有効である 主張 2 保有資産の売却は経済に悪影響を与える 主張 3 利上げは経済の安定に寄与する 以上三点により、 QE 出口戦略利上げ先行 型を主張します.
第 6 章 金融政策と金融規制・ 金融監視政策の関係 07 BA 035 W 板津昌宏. 多くの中央銀行の金融政策の目的は 中央銀行はどの様な金融政策を行うべきか? 物価の安定を通じた経済の安定物価と雇用の安定 資産価格の安定を目的に掲げる国はな い.
1 経済学(第 9 週) 第 3 章 貨幣と金融取引 [1-2] 前回のキーワード: ◆ 資金過不足の発生 ◆ 資金と資産 ◆ 貨幣とは何か ・ 価値基準財(ニュメレール) ・ 決済手段,一般受領性 ・ 流動性と収益性 ・ 通貨の区分( M 1
第1章 金融の基本的要素 Q.4~Q /5/6 棚倉 彩香.
世界ソブリンバブル衝撃のシナリオ 第8章国債バブル崩壊のシナリオ
Ooshiro・Sanada・Nishimura・ Miyamoto・Wakabayashi
貨幣の需要 取引需要L1:日常の取引に必要とされる貨幣の需要である。 資産需要L2:資産保有手段としての貨幣需要である。
第4章 貨幣数量説は正しいか リカードからクルーグマンまで
労働市場マクロ班.
1. Departamento de Consultoria e Assessoria
(第7週)第2章(3) 前回のおさらいとキーワード: ■ システミック・リスク ■ セーフティー・ネット ・ 競争制限的規制
貨幣の役割と貨幣市場 経済学B 第11回 畑農鋭矢.
第16章 総需要に対する 金融・財政政策の影響 1.総需要曲線は三つの理由によって右下がりである 資産効果 利子率効果 為替相場効果
藤女子大学人間生活学部 内田博 現代資本主義分析
マネーサプライを増やせ! 岩田・伊藤・浜田・若田部・勝間
第3章 実態経済に大きな影響を及ぼす金融面の動向
グローバル・インバランスと世界金融危機の中の国際通貨問題
通貨統合 第5回 国際金融論.
金融市場ミクロ班.
量的質的金融緩和は 日本にとってプラスか? 否定派.
第2章 バブル崩壊後における経済の長期停滞の原因をどうみるか
戦時中の高度成長期 高度成長期にはいくつかの制度がある。 一つ目は金融機関の専門化戦中に金融機 関が均質化したのとは著しくことなり、 高度成長期の金融制度は各金融機関ごと の分業主義に沿って組織化された。
『手に取るように金融がわかる本』 p.202~p.223 part1~5
日本のバブルと米国の サブプライムバブルとの比較
世界金融危機と国際通貨体制 一橋大学商学部 小川英治 マクロ金融論2016.
日本における ベイルイン導入の是非 〜否定派〜
第2章 銀行による貨幣の供給 前章の確認: ● マネーストックの区分 ● クレジットカードや電子マネーは貨幣か ● 日銀当座預金とはなにか
貯蓄税導入の是非 ~否定派~ 松村・田邉・川村・藤山.
第8回講義 文、法 経済学 白井義昌.
マクロ経済学 II 第9章 久松佳彰.
America Policy アメリカ経済の「今」とは (将軍) 米谷小春 (総督) 庄子祐衣 (キャプテン) 櫻庭利騎
第7章 どのように為替レートを 安定化させるのか
金 融 統 計 金融市場の基本概念 金融統計の体系 マネーサプライ統計 金利統計 資金循環分析 証券投資分析.
世界景気動向に注目 ~金融危機から世界同時不況へ~ 班員 新井 翔平 石川 雅祥 江淵 達郎 岡 雄介 南里 留実.
EU統一金融監督機関設立の是非 肯定派 神野 光祐 工藤 祐之介 長谷川 雄紀 山下 真弘.
(景気が良くなり)ハンバーガーの需要が拡大すると
経済学(第10週) 第3章 貨幣と金融取引[2-1] 前回の確認とキーワード ■ 貨幣需要と債券需要 ・ 証券の利益を構成する2つの要素
短期均衡モデル(3) AD-ASモデル ケインジアン・モデルにおける物価水準の決定 AD曲線 AS曲線 AD-ASモデル
金融の基本Q&A50 Q41~Q43 11ba113x 藤山 遥香.
金融の基本Q&A -Q21~Q24-  小瀬村愛子.
手に取るように金融がわかる本 PART6 6-11 09bd139N 小川雄大.
VARモデルによる分析 高橋青天ゼミ 製作者 福原 充 増田 佑太郎 鈴木 茜
マクロ経済学 II 第5章 久松佳彰.
『マクロ金融特論』 (3) 一橋大学大学院商学研究科 小川英治 マクロ金融特論2016.
硬直価格マネタリー・アプローチ MBA国際金融2016.
為替介入 MBA国際金融2016.
第4章 貨幣数量説は正しいか リカードからクルーグマンまで
最近の中国と通貨に関する動向 08ba231c 松江沙織.
デフレ・スパイラル 2009年以降の事例から 長谷川 正
V. 開放経済のマクロ経済学.
VI 短期の経済変動.
V. 開放経済のマクロ経済学.
金融政策と貸出金利 講義⑮ 目次 設備投資の変化要因 「市場金利」って何?!?! 借入金利とリスクプレミアム 市場金利と短期金利
日本の経常収支黒字  → 外国に失業輸出? 高齢化の進展 → 日本の国内貯蓄超過の減少         → 日本の経常収支黒字は減少へ.
貨幣供給・需要 専修大学 経済の世界 作間 逸雄.
元高の原因を追求    九州産業大学 金崎ゼミ 張 雷 徐 雲飛 .
第5章 貨幣と金融市場.
財務サイクルと情報フロー                田宮治雄.
岩本 康志 2013年5月25日 日本金融学会 中央銀行パネル
第4章 貨幣数量説は正しいか リカードからクルーグマンまで
2009年7月 為替相場講演会資料 株式会社三菱東京UFJ銀行/東アジア金融市場部
IV 長期における貨幣と価格.
Presentation transcript:

マネーサプライを増やせ! 岩田・伊藤・浜田・若田部・勝間 日本以外の先進国では、テーラー・ルールに基づく金融政策によって  物価の安定と順調な経済成長(1990-2000) 日本では、バブル崩壊後 経済が低迷(唯一例外) ⇒1999年2月、コールレートがゼロの「ゼロ金利」 景気が過熱すれば、金利を上げる 不況の時には金利を下げる ゼロ金利が奪う ゼロ金利の下での金融を「緩和」 =マネーサプライを増やす=量的緩和 デフレを止める・・・マネーサプライを増やす テーラー・ルールのように金利を下げる 名目金利はゼロ以下に下がらない

マネーは効かない 日銀が直接的に関与=ハイパワード・マネー (民間銀行の預金準備) 小宮 先行き資金需要の増大が予想される際 小宮 先行き資金需要の増大が予想される際 ⇒超過準備を持つのは 合理的 ※短期金利がプラス&変動が大きい ゼロ金利下では、短期債権の流動資産を日銀当座預金に換えられる ⇒「資本損失」「売却損」は考えなくてよい ⇒超過準備は基本的に必要ない ・・・資産運用対象なし コストもゼロ MB供給変化なし

マネーサプライを増やせば、デフレが止まるという考え ⇒データによる裏付けを欠いている 2008年9月5日 リーマン・ブラザーズが破綻 ⇒先進各国の中央銀行は「非伝統的な政策」を行う バランスシート拡大 金融機関に超過準備を大量供給する「金融緩和」 金融市場の機能・安定性維持を目的とし、 リスク資産を購入する「信用緩和」 の組み合わせ ⇒中央銀行のバランスシートの動向は、「金融緩和」と直結しない マネーの対GDP比は、欧米よりもはるかに高い ゼロ金利での下での金融政策運営の難しさ、広がっている 量的緩和の限界への認識、広がっている QE3=「金融緩和」と「信用緩和」の合わせ技 ⇒量的緩和の限界を示すもの