てんかん カイエー薬局 グループ発行 健康シリーズ てんかん発作 てんかんとは てんかんの原因は? てんかん発作の種類 発作を繰り返す脳の病気です。この発作により様々な症状が起こります。 てんかんの症状はとても多彩ですが、発作の症状は患者さんごとにほぼ一定で、同じ発作が繰り返し起こることが、てんかんの特徴です。 てんかんは、人口1000人のうち5~10人(0.5~1%)に見られる病気です。発病する年齢は3歳以下が最も多く、成人になると発病者は減っていきます。60歳を超えると、脳血管障害などを原因としたてんかんの発病が増加します。 間代(かんたい)発作…手足をガクガクと一定のリズムで曲げ伸ばしする。いわゆる「けいれん」。 強直(きょうちょく)発作…手足を突っ張り体を硬くする。 欠神(けっしん)発作…非常に短時間の意識消失が起こる。 ミオクロニー発作…全身や手足が一瞬ピクッとする。 複雑部分発作…感覚や感情の変化、特殊な行動などいろいろな症状が現れる。 単純部分発作…運動機能の障害(手足や顔が突っ張る、ねじれるなど)、視覚、聴覚異常が現れる。 てんかんの原因は? てんかん 特発性てんかん …検査をしても異常が見つからず、原因のわからないてんかん 症候性てんかん …脳に何らかの障害が起きたり、脳の一部に傷がついたことで起こるてんかん 例)低酸素、脳炎、髄膜炎、脳出血、脳梗塞、脳外傷、アルツハイマーなど 脳の神経は興奮と抑制がバランスよく働いています。車のアクセルとブレーキのようにバランスを取っています。脳の障害が起こるとそのバランスが取れなくなり発作が起こります。 脳の興奮が過剰になる。 (アクセルが効きすぎる) 脳の抑制が弱くなる。 (ブレーキが効かない) てんかん発作 てんかん発作の種類 部分発作 脳の一部に過剰な興奮が起こることで発生する発作です。意識のはっきりしている単純部分発作と、意識障害を伴う複雑部分発作に分けられます。 てんかん発作 部分発作 全般発作 単純部分発作 複雑部分発作 全般発作 脳の全体で過剰な興奮が起こることで発生する発作です。発作時にはほとんどの患者さんの意識がなくなります。強直発作、間代発作、欠神発作、ミオクロニー発作などが起こりやすいとされています。 てんかん重積状態 発作がある程度の長さ以上続く状態、または短い発作の場合でも繰り返し起こってその間の意識がない状態で、生命に危険が及ぶ可能性があります。
発作が起きたときは… 生活上注意が必要なこと ◎日常生活の注意 てんかんは、 熱性けいれんとも関係 ◎テレビゲームなどにも注意!! てんかん発作が服薬により抑制されている患者さんは、 体育や運動クラブ,プールも参加して問題はありません。 ただし、マリンスポーツや海での水泳は、通常の監視 体制をとることが難しいので、避けて下さい。 てんかん発作が完全に抑制されていない患者さんは、 学校の先生に話をして理解してもらう必要があります。 春の担任交代やクラス替えの時期,運動会や学習発表会, 試験の前後など、緊張や疲れが出る時期には注意が必要 です。発作の頻度が高い時間帯、どのような発作かを 先生に伝えておきましょう。 また、入浴時にも発作が出現することがあるので、一緒に 入浴するか、声をかけて安全を確かめるようにしてください。 発作が抑制されていても、寝不足,過労や薬の飲み忘れがあると再発してしまうことがある ので、きちんとした服薬や規則正しい生活を心がけましょう。 ◎テレビゲームなどにも注意!! てんかん発作は突然起こることも多いですが、特定の状況下で発作が起こりやすくなる こともあります。 テレビゲームやアニメを見ている最中に、けいれんや意識障害を起こしやすい患者さんが います。ほとんどの場合、点滅する光に対して強い過敏性素質(光過敏性)がありますので、 脳波検査でチェックすることが可能です。 てんかんは、 熱性けいれんとも関係 てんかんを含む「けいれん」の 中の代表的なものに、「熱性けい れん」があります。熱を伴うけいれ んのほとんどは熱性けいれんです。 てんかんの中には、「乳児重症ミオ クロニーてんかん」のように、最 初の発作が熱性けいれんから 始まるてんかんもあります。 発作が起きたときは… ☆道路,階段などの危険な場所で倒れた場合、 安全な場所に移動させる ☆横にして、周囲の危険物を除き、けいれんに よって体を打撲しないようにする ☆顔を横に向けて、唾液が喉にたまらないよう にしてあげる ☆呼吸しやすいように服のボタンをはずし、 ベルトを緩める ☆時計があれば発作が起こった時刻を確認し、 てんかんの様子を確認する てんかんは、いきなり倒れる発作などがある場合けがをしないような工夫が必要ですが、発作ばかりに目を奪われない育て方が大切です。てんかん発作に注意しながらも、過保護にはせず、てんかんのない子供と同じように育てていくことが大切です。 出典:てんかんinfo むらき小児科ホームページ 公益社団法人 日本てんかん協会 あおぞら薬局 ふじみ野市大井中央4-14-26 049-237-7220