衝撃波によって星形成が誘発される場合に 原始星の進化が受ける影響

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衝撃波によって星形成が誘発される場合に 原始星の進化が受ける影響 茨城大学理工学研究科  本山 一隆

abstract main conclusions 降着率の最大値は衝撃波によってコアに与えられた運動量によって決まる 衝撃波により星の形成が引き起こされた場合に、原始星の進化が受ける影響を調べた。 特にclass 0 天体の高い降着率との関連に着目。 降着率の最大値は衝撃波によってコアに与えられた運動量によって決まる 衝撃波による星形成を考えるとclass 0 天体の高い降着率 ( ~10-4 M yr-1)を説明できる main conclusions

high accretion rate during class 0 ρOphのclass 0はaccretion rateが高い outflowとaccretionは比例 evolution evolution class I class 0 class I class 0 class 0 class I Ophiuchus Taurus 12CO(2-1) outflowのmomentum flux (Bontemps et al. 1996)

high accretion rate during class 0 非対称なline profileからInfall motionが示唆されている  NGC133 IRAS 4A (Perseus) 1.1×10-4 M yr-1 Shu解 using the IRAM Plateau de Bure interferometer (Di Francesco et al. 2001) H2CO 321-211

triggerとの関連 Perseus, ρ Oph(cluster)の特徴 Taurusに比べて大きな乱流 class 0のaccretion rateが大きい Taurusに比べて大きな乱流  ρ Ophでは近傍にOB associationが存在 (Sco OB2 association ) 衝撃波による星形成を考えることで高い降着率を説明できないか?

numerical model コアの外側数mesh(質量M)に中心向きの速度 v を 与えることにより衝撃波による収縮を起こす 球対称を仮定 等温を仮定 (cs=215 ms-1) coreのmass 3M accretion rateは半径300AUで測った V

evolutions of density profile triggered log r (AU) log ρ (g / cm3) no triggered log r (AU) log ρ (g / cm3) 密度が高くコンパクト M=1.8×10-2 M v=20 km s-1 Rflat=3400AU ρflat= 10-18 g cm-3 in outer region steep edge

density structures Perseusのclass 0は密度が高く steep edge Taurus Perseus column density (cm-2) prestellar core ρ∝r -2 ρ∝r -2 Ward-Thomson et al. (1999) Motte & Andre (2001) (1.3 mm continuum) Perseusのclass 0は密度が高く steep edge

time evolution of accretion rate class 0 phaseで高い降着率 (~10-4 M yr-1) class 0 class I 50% M=1.8×10-2 M v=20 km s-1

accretion rateの運動量依存性 momentum – 降着率の最大値 コアに与えられた運動量(MV)が 結果の良い指標 MV>0.3 M kms-1 Mmax∝MV for Macc > 10-4 M yr-1, MV > 0.1 M kms-1 ts<tnt (ts<tnt) ts : 衝撃波が中心へ達するまでの時間 tnt: トリガー無しで収縮するときの    タイムスケール

accretion rate (no trigger) B C D ρflat (g cm-3) 10-18 10-16 Rflat (AU) 3400 4300 8000 1720 evolution class I class 0 D α=11 C flat regionにおける重力エネルギーと熱エネルギーの比に依存 α=2.3 B accretion rate (M yr -1) α=0.67 A α=0.42 降着率>10-4 M yr-1となるのは      α>2のとき  envelope mass (M )

accretion rate (no trigger) シミュレーションによる結果 Macc > 10-4 M yr-1となる条件, α>2 観測されているpre-stellar cores L1689B (Andre et al. 1996)     α~0.67 (Rflat~4000 AU, Mflat~0.33M ) Ward-Thompson et al. (1996) は8個の pre-stellar coresを観測     α~1.3 (Rflat~4000 AU, Mflat~0.7M ) (at r < Rflat) in no triggered case Macc < 10-4 M yr-1 (because α<2)

summary トリガーが無い場合 Macc > 10-4 M yr-1 となるためには α>2でなければならない         α>2でなければならない   しかし pre-stellar cores の観測では  α<2 トリガーがある場合 密度が高く外側にsteep なedgeを持った密度分布 降着率の最大値はコアに与えたmomentumによって決まる Macc > 10-4 M yr-1 となるためには 0.1 M km s-1以上の momentumが必要    衝撃波による星形成を考えることでclass 0の高い降着率 ( ~10-4 M yr-1)を説明できる