目次 概要   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 概要(続き)  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
検索エンジンが 日本にないのはなぜか  なんで検索エンジン? 2006 年 10 月 9 日、「 Google 」が「 YouTube 」を買収した。 16 億 5 千万ドル相当の株式交換で買収、という形になって いる。  そもそもなんでそんな疑問が? 政府の知的財産戦略本部は 2008 年 6.
Advertisements

資本市場論 (9) 債券投資分析 - 金利の期間構造 - 三隅隆司 1. 短期金利と長期金利の関係 1990 年 12 月 1994 年 6 月 1992 年 4 月 1993 年 2 月 1996 年 6 月 1999 年 1 月 1994 年 1 月 日本銀行 HP のデータより作成 2 はじめに.
ビジネスプランセミナー 第 5 回 事業計画書の作成 時 山 山
2004/11/18hiroyuki moriya1 早稲田大学教育学部社会科学専修 現代社会研究4 ( マネー) 伝統的資産運用とオルタナティブ投 資 森谷博之 住商キャピタルマネジメント チーフストラテジスト オックスフォードファイナンシャルエデュケーション.
企業 契約 金融構造 chapter. 3 原泰史. Contents 非人的資産の役割と権限の特性 従業員のインセンティブ 権限移譲およびその他の中間的所有権形 態 残余コントロール権と残余所得 評判の効果 物的資本への投資 資産の形成 統合・情報の伝達・協力.
資産運用の考え方 08bc172k 村杉な つみ. ポートフォリオのリスクと管 理 ポートフォリオ:個人や企業が保有する トータル の資産。中身は株式、 債券 投資信託、外貨金、 外国株式 など様々なもので 組み立てられている。 分散投資によって.
QE 出口戦略 利上げ先行型. 前提 主張 1 超過準備対策として利上げは有効である 主張 主張 1 超過準備対策として利上げは有効である 主張 2 保有資産の売却は経済に悪影響を与える 主張 3 利上げは経済の安定に寄与する 以上三点により、 QE 出口戦略利上げ先行 型を主張します.
株式投資とは 2013 年 6 月 27 日 そうへい. 目次  株式とは  投資方法  株式投資の良いところ  投資方法  注意点  考察  参考文献.
金融経済論(小川英治) 1 貨幣の機能と貨幣需要. 金融経済論(小川英治) 2 貨幣の機能 計算単位(価値尺度) 交換される商品の価値をある貨幣の数量で 一元的に表示する機能 交換手段 貨幣がすべての商品と交換され、すべての 商品の交換の媒介となる機能 価値貯蔵手段 貨幣が一定の価値を少なくとも一時的に蓄.
第 6 章 金融政策と金融規制・ 金融監視政策の関係 07 BA 035 W 板津昌宏. 多くの中央銀行の金融政策の目的は 中央銀行はどの様な金融政策を行うべきか? 物価の安定を通じた経済の安定物価と雇用の安定 資産価格の安定を目的に掲げる国はな い.
金融経済論(小川英治) 1 企業の金融活動. 金融経済論(小川英治) 2 企業の意思決定 企業は、第一段階で投資額を決定する。 第二段階で、企業は、どのように資金 を調達するか、資金調達を決定する。
経営の科学 第 6 回 社会工学域 竹原 浩太. 今後の予定 10/22 企業金融とは何か(今回) 10/29 企業の資金調達の多様化 11/5 企業の最適資本構成 11/12 信用リスク 11/19 期末試験.
第5章 活性化する国際分散投資 と 日本経済の影響. ネットとグロスの違い 資本移動の場合 日本 外国 100 億円 50 億円 ネットの資本移動 100-50=50億 円の黒字 グロスの資本移動 100+50= 150 億 円.
第4章:資産価格とそのバブル P.115~137 08bc134k 畑 優花.
第1章 金融の基本的要素 Q.4~Q /5/6 棚倉 彩香.
不動産証券化とまちづくり 中前太佑.
経営の科学 第6回 社会工学域 竹原 浩太.
目次 概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2~5 株式投資に対する価値観の転換・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6.
企業評価と株式投資 西村ゼミナール 松井規操子.
ひでき 平成17年4月12日 「日本教」モデルを ネットワーク分析する ひでき 平成17年4月12日.
M.E.ポーターの競争戦略論 M.E.ポーターの競争戦略論は、「競争優位」に関する理論的フレームワークを提示した基本的理論である。SCPパラダイムという考えをもとに持続的な競争優位を確立するための戦略である。 SCPとは、市場構造(structure)、企業行動(conduct)、業績(performance)の略語であり、市場構造と企業行動が業績を決めるという考えである。
© Yukiko Abe 2014 All rights reserved
第16章 総需要に対する 金融・財政政策の影響 1.総需要曲線は三つの理由によって右下がりである 資産効果 利子率効果 為替相場効果
第9章 ファイナンスの基本的な分析手法 ファイナンスの分析手法は、人々が金融市場に参加する際の意思決定に役立つ 扱うトピックは
第3章 実態経済に大きな影響を及ぼす金融面の動向
国民経済計算 System of National Accounts
現代の金融入門   -第1章 金融取引- 08BA210Y  一二三 春菜.
多々納 裕一 京都大学防災研究所社会システム研究分野
現代の金融入門 第5章 3節 企業統治の変質と再生
量的質的金融緩和は 日本にとってプラスか? 否定派.
証券取引所の再編方法のあり方について 立教大学北原ゼミナール 新井・村杉・工藤・野村.
現代の経済学B 伊東光晴「ケインズ」第3回 一般理論の骨組み(ii) 現代資本主義とケインズ経済学 京大 経済学研究科 依田高典.
これだけでわかる日本の金融(6章9~16節) 08ba036z 入江 洋志.
グループ研究1班 第一章 経営戦略とは何か 雨森 彩 大嶋 健夫 小沢 博之.
08ba036z  入江 洋志 現代の金融入門 第五章 1~2節.
第2回 均衡の安定性.
監査とは テキスト第8章 田宮治雄.
概要 本源的収益 資産を所有することには、本源的収益が付随しています。そもそも、債券・貸付金・預金等の金利、株式の配当、不動産の賃料などのように、利息配当金収入の期待値を内包しないようなものは、投資対象という意味での資産ではあり得ません。 本源的価値 資産の本源的価値とは、その資産が内包する本源的収益が将来に亘って実現していくと仮定したときに、将来期待収益を適正な金利で現在価値に割り引いたものの総計です。以下、端的に価値といえば、原則として、本源的価値を指します。
開発金融論 第3章 銀行型システムか市場型システムか
株式と投資信託の双方の特性を兼ね備えた商品
マクロ経済学初級I 第2回 市場取引 需要と供給.
第4章 投資関数.
新ゲーム理論 第Ⅰ部 非協力ゲームの理論 第1章 非協力ゲームの戦略形
前期ゼミまとめ スラックス経済.
第3章 株価はどう動くか 山澤成康.
経済学とは 経済学は、経済活動を研究対象とする学問。 経済活動とは? 生産・取引・消費 等 なぜ、経済活動を行うのか?
第1部 第1篇 第1章 第3節 価値形態または交換価値(A2b)
元高の原因を追求    九州産業大学 金崎ゼミ 張 雷 徐 雲飛 .
言語XBRLで記述された 財務諸表の分析支援ツールの試作
世界の会計基準とは テキスト第5章 田宮治雄.
第2章 『法人企業統計』の説明を書く.
[ Pitch Book ] FINANCIAL COMPARISON
今回のお題 -ニトリホールディングスと良品計画で財務比率として何が異なるのか。そこから何が読み取れるか。
[ Pitch Book ] FINANCIAL COMPARISON
J-REITの見方を理解しよう 株式会社東京証券取引所 上場推進部.
会計学概論 講義の概要 田宮治雄.
東京海上ホールディングス ケーススタディー(Cグループ)
~求められる新しい経営観~ 経済学部 渡辺史門
エコアクション21で企業価値を高めることができます
資料10-1 エコアクション21  事業概要.
2. 株式交換と株式移転 両方の会社が法人格を保持したまま合併と同様の経済効果を生じる取引 →
We are ‘One PPG’(私たちは「一つのPPG」です)
財務管理 2010年1月13日 業績評価と経営者報酬 名古屋市立大学 佐々木 隆文.
2009年7月 為替相場講演会資料 株式会社三菱東京UFJ銀行/東アジア金融市場部
2009年10月7日 企業ファイナンス(2) 株式と債券の評価 佐々木 隆文.
「投資」の新たな展開 -株式会社以外に…-
企業ファイナンス 2009年10月28日 資本コスト 名古屋市立大学 佐々木 隆文.
企業ファイナンス 2009年9月30日 ガイダンス: 企業ファイナンスとは? 名古屋市立大学 佐々木 隆文.
事例Ⅳ 企業価値計算 企業価値の評価方法 分類 概要 方法 詳細 インカム アプローチ
初心者向けの株の解説 自身の運用体験のWebサイト制作
Presentation transcript:

「バリュー(割安)」運用の真の意味 - 本源的価値、割安状況、割安状況解消の道筋(カタリスト) - HCアセットマネジメント月例セミナ 2011年第2回 「バリュー(割安)」運用の真の意味 - 本源的価値、割安状況、割安状況解消の道筋(カタリスト) -  HCアセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者  関東財務局長 (金商)第430号 加入協会        (社)日本証券投資顧問業協会 http://www.fromhc.com 2011.02.09

目次 概要   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 概要(続き)  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 概要(続き)  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 投資手法についての基本的な考え方  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 「バリュー」に基づくアクティブ運用を考える際の基本的論点  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 「バリュー」と「カタリスト」の例  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 カタリストの前提となる経営への信頼と信頼が裏切られたときの出口  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 いわゆる「バリュー」と「グロース」  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 「売り」から入る  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 絶対評価基準  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

概要 本源的収益 資産を所有することに必然的に付随してくる金融収益です。そもそも、債券・貸付金・預金等の金利、株式の配当、不動産の賃料などのように、利息配当金収入の期待値を内包しないようなものは、資産ではあり得ません。 本源的価値 本源的収益を前提にして資産の価格形成が行われている状態というのは、様々な資産が適正価格、即ち、価値そのもので、取引されている状態です。このときに、各資産の価値(本源的価値、あるいは適正価格)は、本源的収益の期待値の現在価値ということになります。 価値と価格 価値(本源的価値)と価格(市場時価)は一致しない場合が多いのです。理論は、価格の変化は、価値(市場参加者の評価の集積という意味での価値)の変化の反映であることを仮定していますが、現実は、市場の需給により勝手に価格変動することのほうが多いのです。 バリュー(value価値を下回る価格) 投資の世界では、バリューは価値そのものではなくて、価格と価値の差(価格を上回る価値の部分)のことです。そのような特別な意味をこめて、敢えて片仮名でバリューと呼ばれます。 バリュー投資 仮に適正価格(価値をそのまま体現した価格、いいかえれば、バリューがない価格)で資産を取得しても、投資収益はあります。それが本源的収益です。バリュー投資とは、適正価格を下回るところで投資をして、本源的収益を上回る追加的収益を挙げようとする試みです。 保守的運用としてのバリュー投資 バリュー投資は、本来は、価格が価値に対して割高になることまでを、想定するものではないのです。割安なとき、即ち、バリューのあるときにのみ投資し、バリューが解消してしまえば、配分をなくすか、本来の基本配分へ戻す、というのが基本です。 マージン・オブ・セイフティ(margin of safety 安全性の厚み) 価格が価値を下回る部分、即ち、バリュー部分が、価格の下落に対するクッションの役割を演じるという意味でも、バリュー投資は、保守的な投資といえます。

概要(続き) バリューの解消 バリューは自律的に解消する、と仮定するのが市場原理です。しかし、しかし、投資の収益率にとって決定的な要素は、時間です。時間を縮める働きをするのがカタリストです。投資家は、自律的なバリュー解消を待つよりも、積極的にカタリストの到来を要求する、あるいは要求すべきだと考えられてきたようです。 カタリスト(catalyst 触媒) カタリストは、化学でいう触媒です。価格が価値に向かって動いていく、その価格の相対的上昇を化学反応に喩えた上で、その反応速度に影響する働きをするもの、を意味しています。 「万年割安」とバリュートラップ(value trap バリューの「罠」) 「万年割安」ということがあり得るのです。バリューがあるには違いないが、そのバリューが実現するまでの時間が読めない、つまり、カタリストが働かない状況があり得ます。このように、バリューのままで放置されることを、バリュートラップ(value trap バリューの「罠」)といいます。解消しないバリューは、見かけのバリューに過ぎないという意味で、まさに、罠であるわけです。 バリュー解消の道筋とカタリスト バリューが生まれる原因を徹底的に考えることから、バリュー解消の道筋が見えてきます。要は、バリューになった原因を逆転させれば、バリューは解消するであろうと考えるのが、一番素直だからです。バリューになった原因を逆転させるきっかけがカタリストです。 グロースについて 価値自体の上昇をグロース(growth 成長)といいます。グロースを追求する株式運用は、バリュー運用と対を成すものです。しかし、バリューもグロースも、運用者の評価する価値が価格よりも高いことを前提とした運用であることは、同じです。違いは、価値評価におけるバリューの保守主義と、グロースの積極主義の差だけです。

概要(続き) 日本の株式市場のバリュー 日本の株式市場には、バリューは、たくさんあるのでしょう。しかも、そのバリューが解消に向かう道筋についても、概ね、議論が尽きているのだと思っています。なのに、カタリストがない。カタリストがないのです。ここに、深刻な問題があります。 配当重視の投資戦略 一方で、バリューのままで何がいけないのか。これは、一考に値する問題です。バリューなものは配当利回りが高い場合が多いでしょう。高利回りを安定的に享受できるなら、それで十分なのではないか。バリューの解消、即ち価格の上昇は、あくまでも結果的に発生することが期待されるものであって、そのことが目的ではないのではないか。 いくらなんでも、確実に変革は進行する カタリストを待ち望まない戦略は、結果として、カタリストを呼び込むのではないのか。そもそも、安定配当を継続できる会社は、良い会社です。良い会社は、適切な時期に適切な経営革新を行うはずなのではないか。企業の変革を促すような強い主張をもった投資、社会変革の視点に立脚した投資は、そのような自己変革に対して、建設的な助言として機能する、まさに変革の触媒(カタリスト)として機能するのではないか。

投資手法についての基本的な考え方 「良い」ものも「悪い」ものも 「常に適正な価格(=価値)」で 「良い」ものは 取引される 「安く」ならない 「市場の効率性」=投資理論の基礎概念 価値は適正価値に反映される 「市場は正しい」⇒「パッシブ(インデクス)運用」への傾き ただし、極めて重要な問題は「常に」の妥当性 「良い」ものへ 「安い価格」で 投資すること 「良さ」への傾斜=「成長(グロース)」的 「安さ」への傾斜=「割安(バリュー)」的 「安さ」の定義=「適正価値」を下回ること 「良い」ものが 「一時的に安くなる状況」 は存在し得る バリュー(Value) 価値を下回る価格 「一時的に安くなった良いもの」=「バリュー」もしくは「割安なもの」 逆に「一時的に高くなった悪いもの」=「割高なもの」 市場理論の「常に」の定義に時間幅をもうければ、「一時的に」は、価格は適正価値よりも低くなり得る

「バリュー」に基づくアクティブ運用を考える際の基本的論点 適正価値(=価格)をどのように算定するか 適正価値(Fair Value)、 本源的価値(Intrinsic Value)などと呼ばれるもの 市場価格に替わる客観的な適正価値は存在し得ない以上、運用者の主観判断 ただし、多くの場合、基本算定モデルは、将来のネット事業キャッシュフローの現在価値 3つの アクティブ判断 一時的に安くなる状況をどのように認識するか 一定期間後に、市場価格が適正価値へさや寄せされてくるはずだという信念 将来のネット事業キャッシュフローが生まれる仕組み自体は毀損していないという判断 一時的に安くなる状況を作り出す原因の明確な見極め 一時的に安くなる状況の解消のシナリオをどのように認識するか バリューを作り出した原因の対応するバリュー解消への道筋(触媒=Catalyst)の明確な見極め 厳格な「売り規律」(Sell Discipline)=バリュー解消時には必ず売ること 厳格な「売り規律」(Sell Discipline)=バリュー判断の誤りを認めたときも必ず売ること

「バリュー」と「カタリスト」の例 バリュー カタリスト 成功を疑問視される買収(多角化) (本業とのシナジ効果、規模の経済の有無など) 買収(多角化)の案件の解消 統合効果を成功に導いた経営手腕 景気循環性の強い産業における「底」 (素材、資本財、金融など) 景気サイクルの好転 (好転を捕らえる先行指標が問題) 同業他社の事故 (薬害など) 特定企業固有の問題であることの周知 (時間の経過とともに広がる正確な情報) 認知度の低いもの (新しいもの、エキゾチックなものなど) 認知度の高まり (時間の経過) 本来の優れた収益性を損なう効率性の低さ (資産・資本の利用効率の低さなど) 資産・資本のリストラクチャリング (不用なものの圧縮と利用度を高める事業創造)

カタリストの前提となる経営への信頼と信頼が裏切られたときの出口 バリュー カタリスト 成功を疑問視される買収(多角化) (本業とのシナジ効果、規模の経済の有無など) 買収(多角化)の案件の解消 統合効果を成功に導いた経営手腕 本来の優れた収益性を損なう効率性の低さ (資産・資本の利用効率の低さなど) 資産・資本のリストラクチャリング (不用なものの圧縮と利用度を高める事業創造) 経営者は、適切なタイミングで適切な判断・行動をするはずだという経営への信頼に立脚した投資判断 1.端的に投資をやめる(売る)のみ 2.株主として積極的に行動する⇒アクティビズム 3.他社もしくはファンド等による買収 経営者が、適切なタイミングで適切な判断をしなかったら?

(万年割安 バリュートラップ value trap) いわゆる「バリュー」と「グロース」 価値(同時に価格)が上昇していく状態 (=成長 グロース growth) 価値と価格の一致 (合理的な期待収益率 の基本線) 価格が価値に向かって動いていく状態 価格が価値よりも 低い状態 (=割安 バリュー value) 割安のままに留まる状態 (万年割安 バリュートラップ value trap)

「売り」から入る 自分の売り基準 他人の買い基準 市場価格の上昇 市場価格の上昇 自分の買い基準 他人の売り基準 買えるものを探す ⇒ 売れるかどうかのリスク 安いがゆえに買う ⇒ バリューの罠のリスク 市場価格の誤りをとる ⇒ 誤りの是正=全体市場均衡の正しさ 市場に対峙する外部の運用者 売れるものを探す ⇒ 着実な売却益の積み上げ 売れるがゆえに安い ⇒ 確度の高いバリュー 市場価格の正しさをとる ⇒ 正しさは動く=全体市場均衡の誤り 市場の中の一要素としての運用者

絶対評価基準 相対評価基準 絶対評価基準 「常に、半分は、相対的に安い」 「割安に買えるものが少なくなる」 割高 割高 割高 割高 割安 市場価格の上昇 市場価格の上昇

注意事項 本セミナーは、バリュー運用について解説・検討を行うものでございます。本セミナーを通じたご理解を今後の資産運用を取り巻く諸課題へのご対応にお役立て下さい。 なお、本セミナーはバリュー運用について解説・検討を行うものであり、当社が行う投資運用業 投資助言・代理業の内容に関する情報提供を行うものではありません。また、本セミナーのテーマに関連する特定の金融商品等の勧誘を行うものではありません。 本資料中のいかなる内容も将来の投資成果及び将来の市況環境の変動等を保証するものではありません。 本資料の著作権その他知的財産権は当社に帰属し、当社の事前の許可なく、本資料を第三者に交付することや記載された内容を転用することは固く禁じます。