固体の圧電性
圧電現象 電圧 ひずみ (応力) 伸び 縮み ひずみ 電圧が発生 圧電効果 圧電逆効果
圧電現象の考え方(1) 教科書のように、陽イオンと陰イオンがずれている場合を考える。 表し方 + - 電荷に偏りがある 両側に電極をつける 縦方向に 急激に縮ませる 誘電体内の正電荷は下に、負電荷は上に移動する
圧電現象の考え方(2) 自発分極が小さくなる 僅かな間隙で、スパークする 正電荷は下に、負電荷は上に移動する - - - - - - - - - - - 誘電体中の分極が小さくなるので、電極中の電化は変わる(電荷が余る) + + + + + 赤で示した+と-は逃げて行こうとする + + + + + + 僅かな間隙で、スパークする
強誘電体 誘電体は圧電体→焦電体→強誘電体に細分される 製造フロー 数kV/mm 原料 混合 温度:130℃ 仮焼 シリコンオイル中 粉砕 成形 焼成 温度:80℃ 印加しながら温度を下げて定温保持 分極処理 エージング
圧電現象 電圧 ひずみ (応力) ひずみ 電圧が発生 圧電効果 逆圧電効果
内部の電荷が偏っているため、外部の電解もに偏りが生じる 圧電現象の考え方 圧電材料は、陽イオンと陰イオンがずれ、分極している 表し方 + - - + - - - - - - - - - - - - - - - - - - + + + + + + + + + + + + + + + + + + 内部の電荷が偏っているため、外部の電解もに偏りが生じる 両側に電極をつけて 縦方向に急激に縮ませると 誘電体内の正電荷は下に、負電荷は上に移動する
圧電現象の考え方(続き) 自発分極が弱くなる(極端な場合にはなくなる!) 正電荷は下に、負電荷は上に移動する 僅かな間隙で、スパークする - - - - - - 僅かな間隙で、スパークする - - - - - 誘電体中の分極が弱くなるので、外部の電荷は動かざるを得ない + + + + + 赤で示した+と-は逃げて行こうとする + + + + + +
圧電振動子 電極 ~ (裏面全体が電極) 電極 (裏面も同様) 電気→ひずみ→電気 ~ 振動板(ステンレスや黄銅)
圧電体セラミックス 電気エネルギーと機械エネルギーの変換現象 圧電効果:ひずみを加えると電圧が発生する 応用製品は数知れず! 圧電現象とは? 電気エネルギーと機械エネルギーの変換現象 圧電効果と逆圧電効果 圧電効果:ひずみを加えると電圧が発生する 逆圧電効果:電圧を加えるとひずみが発生する 圧電性が発現する物質は、対称中心がない結晶
圧電性には分極が必須 分極方向を揃える 分極処理(処理方法:加温して電圧印加) “一方向に分極したセラミックス”の完成 (BaTiO3を例として考える) キュリー点以下で正方晶、以上で立方晶 (次頁を参照) 室温では正方晶 正方晶には方向性がある(c軸) 結晶子(結晶粒)の分極方向はバラバラ 全体としては分極していない! 分極方向を揃える 分極処理(処理方法:加温して電圧印加) “一方向に分極したセラミックス”の完成
チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT) PbZr1-XTiXO3系 BaTiO3系よりも優れた特性 Zr/Ti=53/47(最も一般的な組成) 相境界の組成付近 第3成分として複合ペロブスカイト化合物が加えられる 例えば、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3(PMN) PZT系材料の問題点はPbOを使用していること 無鉛の圧電材料が模索されている (Bi1/2Na1/2)TiO3、(K1/2Na1/2)NbO3など
複合ペロブスカイト酸化物 組成式:(A1, A2・・・)(B1, B2・・・)O3 nA=ΣxAinAi、nB=ΣxBinBi rA=ΣrAixAi、 rB=ΣrBixBi nA + nB = 6 許容因子:t = (0.9≺t≺1.1) 例えば、イオンAiの原子価:nAi、モル分率:xAiとすると さらに、イオンAiのイオン半径:rAiとすると rA + rO (rB + rO) 2 √
複合ペロブスカイト酸化物用第3成分 A1+ :Li, Na, K, Ag A3+ :Bi, La, Ce, Nd B1+ :Li, Cu B2+ :Mg, Ni, Zn, Mn, Co, Sn, Fe, Cd, Cu B3+ :Mn, Sb, Al, Yb, In, Fe, Co, Sc, Y, Sn B5+ :Nb, Sb, Ta, Bi B6+ :Te, W, Re
圧電材料に関する問題 問題1 立方晶チタン酸バリウムにおいて、3種類のイオン半径の間に成り立つ関係を求めなさい。 問題1 立方晶チタン酸バリウムにおいて、3種類のイオン半径の間に成り立つ関係を求めなさい。 問題2 PbZr0.53Ti0.47O3の物質の分子量を求めなさい。ただし、質量数はPb:207, Ti:48, Zr:92, O:16とする。 問題3 ペロブスカイト構造の酸化物におけるBサイトの元素がZnとNbである場合の組成式を示しなさい。ただし、AサイトはPbである。 問題4 PbMg1/3Nb2/3O3におけるBイオンの理論的半径を求めなさい。