販売現場から見た 中国自動車市場の現状と今後 住友商事株式会社 簔口 健 第6回アジア中古車流通研究会(京都大学) 2013年7月27日
自己紹介 ‐ 簔口 健 1984年3月 一橋大学経済学部卒業 1984年4月 住友商事入社、自動車第一部配属 1984年3月 一橋大学経済学部卒業 1984年4月 住友商事入社、自動車第一部配属 1989年~1994年 住友商事北京事務所勤務 1994年~2000年 住友商事本社勤務 2000年~2005年 Summit Auto南アフリカ勤務 2005年~2007年 住友商事本社勤務 2007年~2011年 上海宝鋼住商汽車貿易有限公司勤務 2011年~現在 住友商事本社勤務
商社自動車部隊のビジネスモデルの変遷 1980年代まで 自動車メーカーの先兵としての海外市場開拓と日本からの完成車輸出 1990年代 川上(貿易)から川中(代理店)、川下(小売)へのドメイン拡大 2000年代 販売流通ドメインから周辺事業へのドメイン拡大 2010年代 B2Bへの回帰と顧客基盤をベースとした事業発展
住友商事自動車部隊の中国での事業の歴史 1990年代半ばまで: マツダ、UDの日本からの輸出 1990年代半ば~: Fordディーラー設立、マツダ代理店・サービス拠点設立 1990年代後半~: 商用車製造事業への参画 2000年代~: ディーラー事業への再参入 自動車素形材部品製造事業への参画
上海宝鋼住商汽車貿易有限公司概要 住商グループ 宝鋼グループ 51% 上海宝鋼住商汽車貿易有限公司 49%
上海宝鋼住商汽車貿易有限公司概要
中国でのディーラー経営の実態 ‐ 新車販売 儲からない メーカー間での熾烈なシェア競争 実需から乖離した生産計画 ディーラー乱立&過剰流通在庫 ディーラー間での競争激化 新車採算の悪化 周辺商品の未成熟 固定費の上昇 儲からない
中国でのディーラー経営の実態 ‐ サービス テリトリーの不在 低い工賃 早い買換えタイミング 熟練工の不足 固定費の上昇 低い固定費カバー率
中国でのディーラー経営の実態 ‐ 中古車 現在は収益貢献低 低いディーラーでの下取率 相場情報の不足 ブローカーとの競合 中古車プロの不足 固定費の上昇 現在は収益貢献低
中国でのディーラー経営の実態 ‐ その他 経営難易度高 ディーラー経営者の不足 複雑な土地使用権 メーカーとディーラーの力関係 コンプライアンス 経営難易度高
中国でのディーラー経営の実態 ‐ 数字 某日系ブランド店のP/Lの変化 2008年 2012年 販売台数 1,541台 1,321台 売上高 253百万元 224百万元 新車部門 382万元 ▲433万元 サービス部門 548万元 437万元 販管費 320万元 256万元 財務費用 70万元 199万元 税前利益 542万元 ▲450万元
予想される近未来 経営環境の健全化 市場の伸びの鈍化 需給のバランス Player数の減少、プロの増加 メーカーとの力関係の変化 消費者の成熟 インフラの整備 経営環境の健全化
現場からの提言 既参入者は健全な未来を信じて臥薪嘗胆。 新規参入は市場が成熟してからでも遅くない。
ご静聴ありがとうございました。 takeshi.minoguchi@sumitomocorp.co.jp