本日の研修の流れ 1 講義・演習 情報モラル教育の必要性 2 講義・演習 情報モラル指導の3W1H

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福岡県教育センター調査研究 情報モラル指導力向上研修プログラム 情報モラル指導研修 (理論編)

本日の研修の流れ 1 講義・演習 情報モラル教育の必要性 2 講義・演習 情報モラル指導の3W1H 1 講義・演習    情報モラル教育の必要性 2 講義・演習    情報モラル指導の3W1H 理論研修では、情報モラル教育の必要性と、授業における情報モラル指導の2点にしぼりまして、途中演習をはさみながら あっという間の60分間にできるように進めてまいりたいと思います。 具体的な 流れとしましては、まず最初に約5分間のビデオ教材を見ていただきます。 このビデオを、情報モラル指導について考えていただく中心素材として、ここに含まれている課題性、授業で活用することを想定した 指導内容、指導教科等、指導方法の概略を 皆様方に考えていただきながら、情報モラル教育の必要性や、授業での情報モラル指導のイメージをもってもらうことが 目標です。

1 情報モラル教育の必要性

(自校のネット利用等のアンケート結果をグラフで表示する) 児童生徒のインターネット利用状況から 「現在の子ども達のインターネットの利用状況はどうなっているでしょうか?」 ※本年度自校で実施した、児童生徒のネット利用実態調査の結果から、実態を示すと共に、今後ネット利用が増加していくことが予想されることを述べます。 ※利用している児童生徒の中には、ネット上で悪口を書いたり、無断で写真を載せたりするなどのいたずらをした経験のある子どももいることを述べ、ネット利用の増加につれて、人間関係トラブルがネット上に移行する可能性が懸念されることを述べます。 (自校のネット利用等のアンケート結果をグラフで表示する)

学校裏サイト 【概要】 ○子どもたちが作る簡易サイト ○同じ学校の卒業生と在校生、クラス仲間などの意見交換の場 現在、問題になっている、ネット上のトラブルの一例をご紹介します。 「『学校裏サイト』についてご存じですか?」 「サイトというのでホームページをイメージする方が多いと思いますが、いわゆる「学校裏サイト」のほとんどが、掲示板システムになっています。」 「多くは、同窓生同士や、現役の生徒と卒業生との交流、部活のメンバーでの情報交換など、健全な目的で活用されており、本来は「裏」サイトという雰囲気ではありませんが、使い方を誤ると・・・次のようなことに発展してしまいます。」

学校裏サイトの闇 文部科学省 有害情報意識啓発DVD「ちょっと待って、ケータイ」より では、まずみなさんに、「学校裏サイトの闇」というビデオを見ていただきます。 後ほど、お手元の演習シートに取り上げられています、3つの大事な場面につきまして、自分が一番問題だと思う場面を選び、その理由を書いていただきます。 そのことを考えながら見ていただきたいと思います。 ※「学校裏サイトの闇」の文字をクリックすると、文科省「ちょっと待って、ケータイ」視聴用 エル・ネット特別ページに接続しますので、回線速度を選んで「学校裏サイトの闇」の開始位置にスクロールして再生します。(再生するには、インターネットの接続できる環境が必要です) ※DVD本体がある場合は、DVDをそのまま再生してもよいです。(パソコンでの再生、DVDプレーヤーでテレビなどで再生など、学校の環境に合わせて選択してください、)

学校裏サイトの闇 あらすじ 主人公がクラスメイトに対する悪口を掲示板に書き込んだことがきっかけとなって、クラスメイトへの誹謗中傷が広がる 学校裏サイトの闇 あらすじ 主人公がクラスメイトに対する悪口を掲示板に書き込んだことがきっかけとなって、クラスメイトへの誹謗中傷が広がる クラスメイトの偽プロフが発信されたことから誹謗中傷がエスカレートして学校に来れなくなる。サイトは削除され書き込んだ者が特定される。 1 あらすじ確認 ★主人公が、ふとしたはずみで、よく思っていないクラスメイトの悪口を、掲示板に書き込みます。 ★このことがきっかけとなってクラスメイトへの誹謗中傷が次々に書き込まれます。 ★書かれたクラスメイトはこのことにショックを受けます。主人公の母親が裏サイトのことを尋ねます。主人公は、そんなことしてないと言い張りますが、なんとなく心の中にわだかまりを持ち始めます。 ★やがて クラスメイトの偽プロフが公開されてしまいます。 ★このことが、サイトへの誹謗中傷の書き込みをエスカレートさせ、炎上してしまいます。 ★とうとうクラスメイトは学校に来れなくなってしまいます。 ★とうとうサイトは削除されます。偽プロフを作った生徒がだれなのかが判明するとともに、誹謗中傷を書き込んだ生徒が判明するのも時間の問題であることを、友人から知らされて 主人公が気づくところで終わります。

演習1 大事な場面について考えてみましょう ①クラスメートの誹謗を書き込む ③書き込んだ者を特定できることをはじめて知った 演習1 大事な場面について考えてみましょう ①クラスメートの誹謗を書き込む ②偽プロフが発信される ③書き込んだ者を特定できることをはじめて知った このビデオ教材は、小学校高学年以上での活用が想定されているものです。 今から、もし あなたがこのビデオを使って授業するとしたら? という観点で演習を行います。 まず、演習1です。 このビデオ教材には、考えるべき問題がいろいろ含まれていますが、 お手元の演習シートのとおり、私の方で、ごらんの3つの場面をピックアップしてみました。 ①は・・・・②は・・・・③は・・・・・です。 では、お手元の演習シートで、自分が一番大事だと考える場面に○をつけるとともに、選んだ理由を記入していただきたいと思います。お願いします。(3分間程度) その後、各自が○を付けた場面を挙手で確認して、各場面ごとに一人ずつ理由を述べてもらったあと、以下の説明を行います。 ①クラスメイトの誹謗を書き込む ※インターネットの掲示板への安易な誹謗の書き込みは、すぐに広がってしまうため、周りや誹謗された者への影響が大変大きいこと。誹謗された相手が傷つき、不登校や自殺に追い込んでしまうこともあること。刑法230条の名誉毀損に該当する、立派な犯罪であること。 (自分の発信する情報に責任をもつ) ②偽(にせ)プロフが発信される 本人の許可なく、写真や虚偽の内容を掲載した偽プロフを勝手に公開することにより、個人を特定できる写真などの個人情報がネット上に広がり、トラブルや事件に巻き込まれてしまう危険性があること。 刑法230条の名誉毀損の該当犯罪となること。 (ネットワークを安全に利用する) ③書き込んだ者を特定できることを知らなかったこと インターネットの世界に匿名はないということ。 ネット上で事件性の高い書き込みなどがなされたときは、被害者からの相談を受けて、警察がプロバイダに書き込みログの公開を求めることで、書き込んだ人物を特定することができる。 心ない書き込みから犯罪者となり、法によって裁かれることもある。

情報社会で子どもたちにつけるべき力 相手のことを考え、自分の発信 する情報に責任をもつ心 ネットワークを安全に利用して 自他を守る知恵 ①クラスメートの誹謗を書き込む 相手のことを考え、自分の発信 する情報に責任をもつ心 ③書き込んだ者を特定できることを知らなかったこと ②偽プロフが発信される ネットワークを安全に利用して 自他を守る知恵 この事例から、子どもにつけるべき情報モラルをあてはめてみると、 ①の場面からは、★「相手のことを考え、自分の発信する情報に責任をもつ心」、 ②と③からは、★「ネットワークを安全に利用して自他を守る知恵」が必要になることがわかります。

心 知恵 情報モラル指導力 情報化に伴う新たな問題 したがって、ビデオの事例のような、社会の情報化に伴って出てくる 新しい課題に向かい合う中で、 ★よりよい人間関係をつくる「心を育てること」、そして、★より正しい判断ができる 「知恵を身に付けること」が 情報モラル教育の目的です。 情報モラル教育はすべての教育活動の中で 実践することが求められていることから、★教員には、情報モラルを指導する力が求められます。

情報モラル指導に自信がありますか? 約( )%の教員が指導に自信がないと回答 (%) n= (  )月に皆さんにご協力いただきました、情報モラル指導力実態調査の結果では、約(  )%の先生方が、情報モラル指導に対して「あまり自信がない」、または「自信がない」と回答されています。 したがって、情報社会を生き抜く子どもたちを育てるために、学校においては、いかに教員の情報モラルの指導力を向上させるかが一つの課題であるといえます。                                  (%) n= 約(  )%の教員が指導に自信がないと回答

2 情報モラル指導の3W1H 情報モラルの指導力向上のためには、まず情報モラル指導の3W1Hを知ることからです。

情報モラル指導の3W1Hとは? Why なぜ指導する? How どのように指導する? When いつ指導する? Where どんな教科等で指導する? What 何を指導する? Who だれが指導する? 情報モラルの指導力向上のためには、まず情報モラル指導の3W1Hを知ることからです。 5W1Hというのはご存じだと思いますが、「Why なぜ情報モラル指導するのか?」についてはすでに認識が広がっていることと、「When いつ指導するのか?」については、「Where どんな教科等で指導するのか?」で決まってきますので、 ここでは、情報モラル指導の3W1Hとして、「Who だれが?」「What 何を?(指導内容)」「Where どこで?(指導場面)」「How どのように?(指導方法)」教えるのかということにポイントをおいて話を進めます。

(Who) だれが情報モラル指導をするのか? すべての児童生徒 年間指導計画の作成と実施 指導 すべての教員 まず、「Who だれが情報モラル指導をするのか?」についてです。 情報モラル教育は、情報社会やネットワークの特性を理解することを土台として、子どもたちに的確な判断力を身に付けさせることが求められています。 そのため、学校全体で計画的に取組む必要があります。 つまり、学校差や学年差、学級差なく、★すべての教員がすべての児童生徒に情報モラルを指導することが大切です。 これが、対処療法的な指導のみでなく、すべての児童生徒に 情報モラルを身に付ける大切さを理解させることにつながります。

心を磨く 知恵を磨く 相手を思いやり、自分の行動に責任をもつモラルの側面 ネットワークから身を守り安全に利用するための情報安全教育の側面 (What) 何を教えるのか?ー指導内容 心を磨く 知恵を磨く 相手を思いやり、自分の行動に責任をもつモラルの側面 次に「(What) 何を教えるのか?」です。 冒頭でも触れましたとおり、情報モラル教育の内容は、大きく2つに分けられます。 一つは、★「相手を思いやり、自分の行動に責任をもつモラルの側面」である、「心を磨く」領域 もう一つは、★「ネットワークから身を守り安全に利用するための情報安全教育の側面」である、「知恵を磨く」領域です。 ネットワークから身を守り安全に利用するための情報安全教育の側面

文部科学省「情報モデルカリキュラム」で示されている指導領域 心を磨く 情報社会の倫理 法の理解と遵守 公共的なネットワーク社会の構築 知恵を磨く 安全への知恵 情報 セキュリティ お手元に配布しております 文部科学省「情報モラル指導モデルカリキュラム」では、 情報モラルの指導内容を「情報社会の倫理」「法の理解と遵守」「安全への知恵」「情報セキュリティ」「公共的なネットワーク社会の構築」の5つに分類し、発達段階に応じた 具体的な指導目標と内容が示されています。 ★「情報社会の倫理」と「法の理解と遵守」は、「心を磨く領域に」、 ★「安全への知恵」と「情報セキュリティ」は、「知恵を磨く領域」に位置づけることができます。 これら4つを育成することを前提として、 ★「公共的なネットワーク社会の構築」へ積極的に参画する態度を育成し、健全な情報社会を実現することを目指しています。

他者への影響を考え、人権、知的財産権など自他の権利を尊重し情報社会での行動に責任をもつこと 学習指導要領解説総則編との対応 情報社会の倫理 法の理解と遵守 他者への影響を考え、人権、知的財産権など自他の権利を尊重し情報社会での行動に責任をもつこと では、ここからの説明は、配付しております「文部科学省情報モラルモデルカリキュラム」もごらんになりながらお聞きください。 「情報社会の倫理」と「法の理解と遵守」は、日常生活におけるモラル指導の延長線上にあり、 新学習指導要領総則で示されています、 ★「他者への影響を考え、人権、知的財産権など自他の権利を尊重し情報社会での行動に責任をもつこと」に対応しています。 小学校及び中学校の学習指導要領解説総則編

情報社会の倫理 他者への影響を考えた情報発信 ×クラスメートの誹謗を書き込む 「情報社会の倫理」とは、たとえばネット上で情報を発信するということは、あっという間に全世界に発信されるということ、一度出した情報の回収は困難であることなどがわかった上で、「読み手のことを考えて丁寧な言葉づかいで書く」、「悪口や相手が傷つくような言葉を使わない」といった、他者への影響を考えた、責任ある行動ができるようにすることです。 ビデオの事例を振り返ってみると、主人公が行った、クラスメイトの誹謗を軽い気持ちで書き込むような行為は、間接的であるにもかかわらず、誹謗された相手が傷つき、不登校や自殺に追い込んでしまう影響力の大きさを認識することです。 ×クラスメートの誹謗を書き込む

法の理解と遵守 違法行為(誹謗中傷等)などを行わない ×クラスメートの誹謗を書き込む 「法の理解と遵守」とは、例えば電子メールや掲示板を使うときにルールやマナーを身に付けることや、詐欺、誹謗中傷などが違法行為であることを理解した上で、そのようなことを絶対に行わない態度を育てることです。 ビデオの事例を振り返ってみると、クラスメイトの誹謗の書きこみは、法的観点からみると、刑法230条の名誉毀損にも該当する、立派な犯罪となるようなことがわかることです。 ×クラスメートの誹謗を書き込む

小学校及び中学校の学習指導要領解説総則編 学習指導要領解説総則編との対応 安全への知恵 情報セキュリティ ・危険回避など情報を正しく安全に利用できること ・コンピュータなどの情報機器の使用による健康とのかかわりを理解すること 次に、安全教育に関わる「安全への知恵」と「情報セキュリティ」は、 ★主に「ネット上の危険回避など、情報を正しく安全に利用できること」 「コンピュータなどの情報機器の使用による健康とのかかわりを理解すること」(小学校及び中学校の学習指導要領解説総則編)に対応しています。 小学校及び中学校の学習指導要領解説総則編

×偽プロフでクラスメイトの顔写真等を掲載 安全への知恵 個人情報を第三者に漏らさない  安全への知恵とは、たとえば知らない人に自分や他人の個人情報を教えないことや、掲示板の書き込みなどの情報を鵜呑みにしないこと、知らない相手にメールや自分の写真などを送らないこと、ネットを利用する時間や場所を決めて健康に気を付けることなどです。 ビデオを振り返ると、クラスメイトの顔写真や氏名等の個人情報、さらに誤った情報などを掲載した偽プロフを勝手に公開する行為は、個人情報を第三者に漏らすことになります。このように、例えば他者の身に危険がふりかかる可能性のある行為を行わないことです ×偽プロフでクラスメイトの顔写真等を掲載

×偽ブログでクラスメイトの顔写真等を掲載 情報セキュリティ 個人情報がどう悪用されるかを知る 情報セキュリティは、たとえばIDやパスワードは大切に管理すること、他人のIDやパスワードを勝手に利用しないこと、コンピュータの安全性を高めるためにセキュリティソフトを使うことなどです。 ビデオを振り返ってみると、先ほどと関連しますが、クラスメイトの個人情報を発信すると、その内容がコピーされて他のサイトなどに転載、悪用されるということも考えられるという危険性を知ることなどです。 個人情報の保護は、情報セキュリティの基礎知識ともいうべきものです。 ×偽ブログでクラスメイトの顔写真等を掲載

公共的なネットワーク社会の構築へ積極的に参画する態度の育成 学習指導要領解説総則編との対応 情報社会の倫理 法の理解と遵守 公共的なネットワーク社会の構築へ積極的に参画する態度の育成 他者への影響を考え、人権、知的財産権など自他の権利を尊重し情報社会での行動に責任をもつこと 小学校及び中学校の学習指導要領解説総則編 安全への知恵 情報セキュリティ ・危険回避など情報を正しく安全に利用できること ・コンピュータなどの情報機器の使用による健康とのかかわりを理解すること これまで説明しました、4つの内容を育成することは、★最終的に「公共的なネットワーク社会の構築」へ積極的に参画する態度を育成することにつながっていきます。 これらの内容を身に付けさせるためには、児童生徒の実態、つまり発達段階や知識の習得、理解の度合いに応じた適切な指導が大切となります。 小学校及び中学校の学習指導要領解説総則編

「何を?」指導するか、考えてみましょう!  演習2        冒頭のビデオを授業で活用するとしたら、  「何を?」指導するか、考えてみましょう! 何を? 指導内容 どこで? 活用する教科等 どのように 教材をどのように授業の中で活用するか? a3-1 他人や社会への影響を考えて行動する では、ここで演習です。 今から、お手元の演習2の表を、段階的に完成させていきます。 まず、表の一番上段の「何を」の部分からです。 もし、あなたが、冒頭のビデオを授業で活用するとしたら、 さきほどの4つの内容(情報社会の倫理・法の理解と遵守・安全への知恵・情報セキュリティ)のうち、どれを取り上げますか? モデルカリキュラムを見て、表の中の「何を?」の部分を書いてみましょう。 書き方は、たとえば この教材は、モデルカリキュラム2ページの、aの「情報社会の倫理」の指導に関するものであり、さらに小目標の 「a3-1 他人や社会への影響を考えて行動する」を指導すべきだと考えた場合は、その中の具体的な例との対応も考えながら、ごらんのように記入します。 では、どうぞ  ※3分間ほど時間をとる。

学習指導要領で例示されている教科等と指導内容との位置づけ (Where) どこで教えるのか? 学習指導要領で例示されている教科等と指導内容との位置づけ 心を磨く 道徳の時間 知恵を磨く 国語 (小中) 社会 (小中) 総合 (小中) 特活(小中) 次に、「どこで教えるか?」についてです。 つまり、モデルカリキュラムに示されている指導内容を、どの教科等で教えるか?ということです。 このことについて、冒頭に説明しました 「心を磨くこと」と「知恵を磨くこと」に分けて、対応する教科等を考えてみましょう。 ★「心を磨く領域」としては、やはり道徳の時間があげられます。 「他者への思いやりの気持ちをもつこと」や「ルールを守ることの大切さ」といった、道徳的な価値は、情報モラルを扱うときでも変わりません。 情報モラル指導は、道徳の時間で扱う心の問題以外にも、著作権・情報セキュリティなど、多くの要素を含んでいます。 これにつきましては、「知恵を磨く領域」として、各教科等の中で、教科等の目標との 関連を踏まえながら指導していくことになります。 学習指導要領で示されている教科をあげてみますと、 著作権尊重、保護を扱う★国語科、 調べ学習等においてICTを活用する部分での情報モラルの配慮が求められている★社会科、 調べる活動や発表する活動で メディアの特性を理解することの配慮が求められている★「総合的な学習の時間」、 生活上の安全を指導する一環として ネットにおける安全を取り扱う★学級活動が 小中学校で共通しています。 また、中学校では、知的財産権について触れる★「音楽科」★「美術科」、 メディアの特性、情報セキュリティ、著作権など幅広い分野を取り扱う★「技術科」などです。 これら、教科と学級活動で指導できるのが 「知恵を磨く」分野となります。 したがって、どの教科等で指導するのか?については、情報モラルの内容の広がりと、指導要領で例示されている教科等を踏まえて、「心」と「知恵」をバランスよく磨いていく必要があります。 そのためには、学校の指導計画に情報モラル指導の視点を入れて、幅広い教科等で計画的に取り組むことが大切になります。 音楽 (中) 美術 (中) 技術 (中)

演習3 冒頭のビデオを授業で活用するとしたら、 何を? 「どこで?(教科等)」指導するか、考えてみましょう! どこで? どのように 指導内容  演習3       冒頭のビデオを授業で活用するとしたら、  「どこで?(教科等)」指導するか、考えてみましょう! 何を? 指導内容 どこで? 活用する教科等 どのように 教材をどのように授業の中で活用するか? a3-1 他人や社会への影響を考えて行動する では、ここで演習3です。 もし、あなたが、冒頭のビデオを教材として授業で活用するとしたら、どのような教科等で行いますか? 私の場合は、さきほど  表の真ん中に教科等名を書き込んでみましょう。

文部科学省「情報モデルカリキュラム」で示されている指導領域 心を磨く 情報社会の倫理 法の理解と遵守 公共的なネットワーク社会の構築 知恵を磨く 安全への知恵 情報 セキュリティ 私の場合は、さきほど「情報社会の倫理」にあたります指導内容を選択しましたので・・・・心を磨く  

演習3 冒頭のビデオを授業で活用するとしたら、 何を? 「どこで?(教科等)」指導するか、考えてみましょう! どこで? どのように  演習3       冒頭のビデオを授業で活用するとしたら、  「どこで?(教科等)」指導するか、考えてみましょう! 何を? 指導内容 どこで? 活用する教科等 どのように 教材をどのように授業の中で活用するか? a3-1 他人や社会への影響を考えて行動する 小学校第6学年  道徳の時間 道徳の時間で、6年生において 指導することを考え、ごらんのように記入することにします。

集団や社会 情報社会におけるルールやマナー 道徳の時間と情報モラル 他の人 相手を思いやるコミュニケーション   集団や社会 情報社会におけるルールやマナー ネットワーク ネットワークの特性を踏まえること (即時かつ広範なコミュニケーションとその危険性) 私が 道徳の時間を選びましたので、ついでに 道徳の時間と情報モラルについて 少しふれておきます。 道徳の時間における指導の内容には、ご存じのとおり ・主として自分自身に関すること ・主として他の人とのかかわりに関すること ・主として集団や社会とのかかわりに関すること などがありますが、情報モラルでは、ネットワークを介して この「他の人」や「集団や社会」とかかわることになります。 (1) の「主として自分自身に関すること」に対して、情報モラルでは「責任ある情報発信・個人情報の保護」といったテーマと結びつきます。 (2)の「主として他の人とのかかわりに関すること」は「相手を思いやるコミュニケーション」に、 (4) の「主として集団や社会とのかかわりに関すること」は「情報社会におけるルールやマナー」に結びつけることが可能です。 モデルカリキュラムをご覧になってもわかりますとおり、情報モラルの指導内容は、道徳における、自分との関わり、他者との関わり、集団や社会との関わりを意識したものになっています。 したがって、道徳の時間における指導に当たっては、活用する資料の内容に応じて、携帯電話やパソコンなどを通じてインターネットを利用することにより、知らない人や社会とのつながりが簡単にできることや、顔を見なくてもあるいは名前を知られなくてもコミュニケーションができるといった、ネットワークの特性と、それに伴う危険などにも触れながら考えさせていく ことになります。 自 分 責任ある情報発信・個人情報保護 

演習3 冒頭のビデオを授業で活用するとしたら、 何を? 「どこで?(教科等)」指導するか、考えてみましょう! どこで? どのように  演習3       冒頭のビデオを授業で活用するとしたら、  「どこで?(教科等)」指導するか、考えてみましょう! 何を? 指導内容 どこで? 活用する教科等 どのように 教材をどのように授業の中で活用するか? a3-1 他人や社会への影響を考えて行動する 小学校第6学年  道徳の時間 では、みなさんも記入されてみてください。

(How) どのように教えるのか? 情報モラルの重要性を実感できる授業に ○児童生徒同士の討論 ○擬似的な操作体験 ↓       ○児童生徒同士の討論     ○擬似的な操作体験 ↓ 児童生徒が自ら考える活動の重視 (学習指導要領解説総則編) 最後に、How どのように教えるか?です。 情報モラルの指導は、各教科等において指導するタイミングをうまく設定し、繰り返し指導することが大切です。 そして、児童生徒同士で討論することや、インターネットで実際にあるいは擬似的に操作体験をしたり 調べ学習をする体験を通しながら、「情報モラルの重要性を実感できる授業」を展開する必要があります。 特に、学習指導要領解説総則編においては、情報モラルの指導のための具体的な学習活動について、一方的に知識や対処法を教えるのではなく、児童生徒が自ら考える活動を重視しています。

演習4 冒頭のビデオを授業で活用するとしたら、 何を? 「どのように?」指導するか、考えてみましょう! どこで? どのように 小学校第6学年  演習4       冒頭のビデオを授業で活用するとしたら、  「どのように?」指導するか、考えてみましょう! 何を? 指導内容 どこで? 活用する教科等 どのように どのように授業の中で活用するか? a3-1 他人や社会への影響を考えて行動する 小学校第6学年  道徳の時間 では、ここで最後の演習4です。 もし、あなたが、冒頭のビデオを教材を使って授業するとしたら、どのように教えますか?

演習シートの記入例 a3-1 他人や社会への影響を考えて行 動する (【1-(4)誠実・明朗】) 1 ビデオの視聴  演習シートの記入例      何を? 指導内容 a3-1 他人や社会への影響を考えて行    動する (【1-(4)誠実・明朗】) どこで? 活用する 教科等 小学校第6学年 道徳の時間 どのように 活用方法 1 ビデオの視聴 2 ①サイトに書き込む時の主人公の気    持ち②クラスメイトが不登校になった  時の主人公の気持ち③主人公に対する  各自の考えを出し合う 3 誠実な行動ができた教師の体験談 私が、道徳の時間で活用するとしたら、取り上げる価値項目としましては、「誠実・明朗」にします。 授業展開としては、 ①まずビデオを視聴させてあらすじを確認した後 ②主人公が面白半分にサイトに書き込む時、クラスメイトが学校に来なくなった時の主人公の気持ちを考えさせます。 これにより、自分がしたことの後悔が心の中にどんどん積み重なりながらも、サイトの中の出来事にどうすることもできない主人公のもやもやする気持ちに共感させます。 ③その後、主人公に対する各自の思いを出し合わせる中で、発信した情報の広がりや影響力の大きさ といったネットの特性に触れながら、してしまったことはしてしまったこととして、誠実に生きるためにできることはなかったのか?という視点で価値に迫ります。 ④展開後段では、自分の過ちを正直に打ち明けて気持ちがすっきりした教師の経験を語るとともに、同じような経験が自分にもないか、子どもたちに振り返らせながら誠実に行動しようとする気持ちを高めます。 このようなネット上の事象についての教材を取り扱う場合、電子掲示板などに書いた悪口は、クラス内だけでなく、瞬時にたくさんの人の目にふれてしまう影響力の大きさも、特性の一つとして、おさえておくようにします。 では、みなさんも箇条書きで結構ですから、ご記入願います。

教材例「Webサイトの情報を活用しよう」 各教科等における指導事例 教材例「Webサイトの情報を活用しよう」 「ネット社会の歩き方」より 財団法人 コンピュータ教育開発センター では、その他の情報モラル教材を活用した、授業例も紹介しましょう。 まずは、教材をご覧下さい。 ※ 「Webサイトの情報を活用しよう(「ネット社会の歩き方」)」を視聴してもらいます。   スライドのタイトル文字をクリックすると、教材のサイトが開きます。(インターネットに接続できる環境が必要です) この教材を活用できる教科としまして、例えば小学校第4学年社会科単元「わたしたちの住んでいる県」が考えられます。

小学校第4学年 社会科単元 「わたしたちの住んでいる県」 各教科等における指導事例 小学校第4学年 社会科単元 「わたしたちの住んでいる県」  何を?  a2-1情報には誤ったものもあることに気づく(インターネット上には間違った情報や、古い情報があることを理解し、別の資料で確認したり、実際に足を運んで調べたりする大切さを知る。) どこで?  第4学年社会科「わたしたちの住んでいる県」 (県下のいろいろな生産物や特産物について、インターネットを活用して調べる活動の前に。) どのように  「インターネットで調べるときに、気を付けることは何か考えよう。」というめあてを確認した後、教材を視聴させ、ワークシートに各自の考えを書かせる。書かせたことを発表させた後、気を付けることをまとめる。 ごらんのような 指導内容 と 指導方法 で 授業することが可能だと思います。 ※なお、これは小学校における事例ですが、中学校の総合的な学習時間で職場体験などを行う前に、様々な職業のことについてインターネットで調べ学習をする際に、同じような授業を仕組むことが可能だと思います。

情報モラル指導にあたって 教員が知っておくべきその他の知識  情報モラル指導にあたって  教員が知っておくべきその他の知識 インターネット上で起きていること 法令の知識 問題の対処に関する知識 以上、情報モラル指導の3W1Hということで、授業に必要なポイントについて知っていただきましたが、そのほかにも、情報モラル指導にあたって、ごらんのように 教員が知っておくべき、知識があります。 ①インターネットで起きていること まずは自分の学校の児童生徒が携帯電話やパソコンを通じてインターネットをどのように使っているかについても調査することが重要となりますが、 新聞やニュース等から、児童生徒が事件に巻き込まれたり関わったりした事例も把握しておく必要があります。 本日は 学校裏サイトとプロフが出てきましたが、そのほかに出会い系サイト、アダルトサイト等について知る必要があります。 教員がこうしたウェブサイトの危険性を知らなければ、児童生徒を守ることはできないのであり、現状をしっかり把握することが情報モラル指導の第一歩であることを認識することがです。 なお、学校において教員間でそうした情報が十分に共有されることが必要です。 ②法令の知識 刑法、著作権法 個人情報保護法、プロバイダ責任法等 情報モラルに関する法令の基本的な知識です。 ③問題の対処に関する知識 情報モラル教育は、問題発生の予防的な側面を主に担うものですが、教員は、問題が起きた場合の対処についても知っておく必要があります。 具体的には、児童生徒や保護者等からの相談により問題を把握した後、書き込み内容やURLの確認・保存(プリントアウト)、掲示板等の管理者やプロバイダへの削除依頼等を把握しておくとともに、教育委員会と協力して日頃から警察や法務局・地方法局との連携体制を構築しておくことが大切になります。 情報モラルに関する法令や用語につきましては、配付しております資料に代表的なものを掲載していますので、ぜひ、この機会に一通り目を通されますようお願いします。

情報モラル指導研修 (理論編) 福岡県教育センター調査研究 情報モラル指導力向上研修プログラム 福岡県教育センター調査研究 情報モラル指導力向上研修プログラム 情報モラル指導研修 (理論編) 次回は、児童生徒の実態調査の結果の分析をもとに、各学年で、具体的に、どんな内容を、どこで、どのように指導していくのか、具体的な授業づくりを考える研修を行う予定です。 ※アンケートを記入してもらう。