平成26・27年度 立川市教育委員会研究協力校 研究主題 「自他を尊重する人権感覚を育む教育活動」 ~自尊感情や自己肯定感、思いやりの心を 育てるための教育活動の工夫~ 立川第六中学校では、平成26.27年度 立川市教育委員会研究協力校として、研究主題「自他を尊重する人権感覚を育む教育活動」~自尊感情や自己肯定感、思いやりの心を育てるための教育活動の工夫~として、この1年間取り組んできました。

Slides:



Advertisements
Similar presentations
平成 24 年度 キャリア教育に関する研究事業 中間発 表会 中芸高等学校教育フォーラム 「授業改善をはじめとする中芸高校の取り組みについ て」 「発達障害をはじめとする支援を必要と する 生徒に 対する支援の在り方の実践的研究」 平成 24 年 11 月 30 日(金) 高知県立中芸高等学校昼間部.
Advertisements

平成 15 年度エネルギー教育調査普及事業 研究活動報告 名古屋工業大学エネルギー教育研究会 高校生のエネルギー・環境についての 意識に関するアンケート調査 高校生のエネルギー・環境についての意識に関するアンケート調査.
研修のめあて 授業記録、授業評価等に役立てるためのICT活用について理解し、ディジタルカメラ又はビデオカメラのデータ整理の方法について研修します。 福岡県教育センター 教員のICT授業活用力向上研修システム.
平成19年度 「長崎県国語力向上プラン」 地区別研修会
学力向上の課題と今後の具体的な取組 【 今後の具体的な取組 】 学力調査 【 課 題 】 ①授業での理解力の向上 ②家庭学習への意欲化
平成23年度 新通小学校 学校説明会 今年度 ここに力を入れていきます.
いじめ防止全体指導計画 【対応1】 未然防止・早期発見 【対応2】 緊急対応・早期対応 いじめ発生 基本姿勢 雲仙市立千々石第一小学校
当校の現状と課題及び 解決の方向性について
子どもが主役となる明るく元気な学級づくり
三重県立杉の子特別支援学校石薬師分校いじめ防止基本方針
大分県教育庁佐伯教育事務所 学校改革担当指導主事 有田千香
ホームプロジェクトと 学校家庭クラブ活動 について
「道徳の時間」の進め方について 球磨教育事務所  .
平成27年度   道徳の授業力向上研修会 1.
学校家庭クラブ活動と ホームプロジェクト.
      特別支援学校 高等部学習指導要領 聴覚障害教育について.
平和の鐘(かね・おと)を鳴らそう! わたしの平和宣言 2.「どんな暴力も許しません」 3.「思いやりの心を持ち、助け合います」
勝馬小の    一輪車の         歴史 5年生.
平成26年度 鶴ヶ島市立新町小学校グランドデザイン めざす学校像 一人ひとりが輝き、確かな学力が獲得できる学校
さかえ小卒業までに、子どもたちに、身につけさせたいこと
総合学科における インターンシップの取り組み
プレゼン資料(進行者用・研修者用) 校内研修会 学級の人間関係づくり② ~ SSTとアサーショントレーニング ~
保健学習の進め方・指導案の書き方 さいたま市立三橋小学校   豊島  登.
子どもたちが発達段階に応じて獲得することが望ましい事柄
大分県立宇佐支援学校 グランドデザイン (平成28年度版)
第24回東北地区小学校特別活動研究協議会 秋田大会
絆を深め、さわやかな笑顔が、 いつもあふれる学校 学校教育目標 平成28年度 加須市立騎西小学校グランドデザイン 明るく すばやく
裏面のFAX送付状で、7月31日(木)までにお申し込みください。
<研修資料>研修後の具体的な取組の事例紹介 <クラスの実態に合わせて個々の学級担任が取り組んだ例>
どこで、何を使って?(準備物と場の設定)
 H21年度 研究概要 本校の研究について発表します。本校は、全国学力・学習状況調査等を活用した学校改善の推進に係る実践研究の協力校として文部科学省から本年度指定を受けました。19年度の結果をふまえて、昨年度の11月から「自ら学ぶ意欲」を育てる教育への転換を図る方向で授業や評価の改善の研究を進めてまいりましたが、本年度は「話合い活動」に着目して研究課題を設定しました。
H28学校経営ビジョン めざす教師像 安全・安心な環境づくり・学校づくり 地域 家庭 めざす学校像 授業づくりチーム 生活づくりチーム
知・徳・体・地域連携 伏見中学校 教育目標 心豊かに共に生きよう 生き生きした生徒が集う学校 特に今年度取り組んだ点は 知の部分
「学びへの挑戦!楽しく分かりやすい授業への改善と工夫」
教育とは 未来に向けて方向を示し 挑戦する勇気を育み、 めげそうになった心を励まし 支えていくこと
『総合的な学習』の時間 基礎講座6  発表のしかた kusunoki.
茨城県つくば市立茎崎第一小学校 校長 大塚 隆幸
<校訓> つよく・あかるく・たくましく 【目指す宇佐支援学校の児童生徒像】
自ら課題をもち、意欲的に学ぶ生徒を求めて
アスッペンくん 奈良市立飛鳥中学校.
「心のエネルギー」とは? A 不登校の理解ガイドAー3 宮城県総合教育センター 【研修ワークシートは初めに配布してください。】
地域・社会貢献をするために人として必要な資質
栃中教研生徒指導・教育相談部会 研究発表会
杉戸町立高野台小学校 児童数 287名 学級数12(普通11.特殊1) 教職員数 19名 平成19年10月27日(土)
Ⅰ特別支援教育・学級の理解 ⑤「本校の特別支援教育」 資料:PTA総会
平成19年度地域教育フォーラムin京都   第5分科会 「学力向上アクションプラン」     ~洛西方式Ⅱ~  京都市立洛西中学校 2007,7,31.
公益社団法人 日本青年会議所 道徳教育推進委員会 おや どう 今日からやれる親道.
第60回 北海道小学校長会教育研究 宗谷・稚内大会
茨城県つくば市立茎崎第一小学校 校長 大塚 隆幸
(School― Wide Positive Behavior Support)
平成15・16・17年度 田辺市教育委員会指定研究校 『情報化社会を生きる児童の育成』
●●先生 ●●先生●●先生 本日は、ありがとうございます。 下記の表のご自分のお名前が書かれた グループ名のテーブルにお座りください。
福岡県教育センター ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 研修担当の先生へ ※ ※ ※ ※ ※ ※
教室案内 春日部市立武里中学校 <学校までの経路> <入級までの流れ> 春 日 部 市 発達障害・情緒障害 通級指導教室 (武里学級)
資料「裁判例に見る体罰」を引用した 体罰事故防止研修 埼玉県教育委員会
平成30年度グランドデザイン 学校の教育目標 生きる力 佐伯市立宇目緑豊小学校 ふるさとを愛し、 豊かな心と自ら学ぶ意欲をもち、
第2回 校内研修会 (ESD学習会・検討会) 大牟田市立白光中学校 H
平成29年度 名古屋市立日比野中学校グランドデザイン
4人班を作りましょう! 4人班を作りましょう。.
たくさんのことを学んだよ! 2年生職場体験学習 平成17年9月27~29日.
教育目標 重点目標 取組の柱 学習意欲・学力向上 人間関係作り 体づくり 特色ある取組の充実と発展 チーム安塚
生きる力を育む国語教育 説明的文章の読解を通して 鹿沼市立南摩中学校                 坂井清貴.
宇佐支援学校 学校評価実施計画 改善 教職員自己評価 自分らしく 生活する 子ども 保護者・ 地域から 愛される 学校 のびのびと 過ごせる
CDP企画 ES攻略!!内定を獲る自己分析(2日目)
学校の教育活動を通じて 家庭で共に 保幼小中との連携 地域で育てる 忍耐力 意欲 やり抜く 自制心 社会性 協調性
自分の思いや考えをもち、 進んで取り組む子
福岡県教育センター ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 研修担当の先生へ ※ ※ ※ ※ ※ ※
いじめは決して許されるものではありません。 ネットいじめにあった場合は大人に相談しましょう。
映像を用いた 「からだ気づき」実習教材の開発
平成20・21年度 国立教育政策研究所・教育課程研究センター指定
Presentation transcript:

平成26・27年度 立川市教育委員会研究協力校 研究主題 「自他を尊重する人権感覚を育む教育活動」 ~自尊感情や自己肯定感、思いやりの心を 育てるための教育活動の工夫~ 立川第六中学校では、平成26.27年度 立川市教育委員会研究協力校として、研究主題「自他を尊重する人権感覚を育む教育活動」~自尊感情や自己肯定感、思いやりの心を育てるための教育活動の工夫~として、この1年間取り組んできました。

研究主題設定の理由 【平成24・25年度の研究】 「基礎的・基本的な学力の定着と学習意欲の向上」~わかる喜び・できる自信を育む授業の創造」 【課題】 コミュニケーション力の向上 互いの存在を認め合える人権感覚の向上 自尊心、自己肯定感を伸ばす 本校の課題は、人との関わり方が苦手な生徒が多く見られ、トラブルになることや集団が苦手、悪口やからかい、自分を素直に出せないなど、自尊感情や自己肯定感が十分ではないように見受けられ、意欲を育む学習集団になりきれていない現状が見られました。

研究の構想図 人権感覚 自己肯定感・自尊感情 KJQマトリックス 人権感覚を高める Q-U 工夫・手立て アンケート 〈目指す生徒像〉 自他の大切さを認め合い、人権を尊重する生徒 自己の存在価値を認識し、自分の持てる能力を最大限発揮しようと努め、自己実現できる生徒 人権感覚 自己肯定感・自尊感情 研究を進めるにあたり、本校の生徒の実態を把握するために、KJQマトリックスとQ-Uを実施いたしました。 また、人権感覚を高める取り組み後には生徒よりアンケートを行い、その成果を確認し、次の取り組みへ向けての工夫や改善に役立てました。 KJQマトリックス Q-U アンケート 人権感覚を高める 工夫・手立て 各教科 道徳 特別活動 総合的な学習の時間

KJQマトリックス ・57の質問項目 ・一覧表、生徒用シート ・生徒用ワークブックの活用 KJQマトリックスでは、生徒の「心の土台」を「こころのエネルギー」と「社会生活の技術」という2つの次元で捉え、生徒一人一人の心の状態を把握でき、同時にそのクラスがどのような心の生徒からなる集団であるかを把握することができるアンケートです。 ・57の質問項目 ・一覧表、生徒用シート ・生徒用ワークブックの活用

項目別 こころのエネルギー 安心感 認められる 体験 楽しい体験 KJQマトリックスの結果から、本校の特徴が見いだされました。 「こころのエネルギー」の観点では、「認められる体験」が少ないこと、「安心感」が不足していることが判明しました。 認められる 体験 楽しい体験

自分をコントロール する技術 人とうまく やっていく技術 状況を正しく 判断する技術 社会生活の技術 自分の気持ちを伝える技術 自分をコントロール する技術 人を思いやる技術 「社会生活の技術」の観点では、「自分をコントロールする技術」、「人とうまくやっていく技術」が課題であることが判明しました。 人とうまく やっていく技術 状況を正しく 判断する技術 問題を解決 する技術

自尊感情・自己肯定感を高める活動 行事における一人一言 人権標語の作成 生徒会の取組 その他 その結果、本校では、自尊感情・自己肯定感を高めるために、肯定的な働きかけを仲間に対して行う活動場面を設定し、今年度は特別活動を中心とした取組を行ってきました。 その代表的な活動は、行事における一人一言、人権標語作成、生徒会の取組です。 その取組について紹介します。

合唱コンクールにおける一人一言 合唱コンクールでは全学級で、生徒がクラスの一人一人に頑張っていたことなどをメッセージにして渡す取組を行いました。

95% 76% 67% 93% 89% 合唱コンクール アンケート結果 メッセージをもらって うれしかった 自分のよさがわかった 自分に 合唱コンクール アンケート結果 とても思う 思う あまり思わない 思わない 95% 76% メッセージをもらって うれしかった 自分のよさがわかった 67% 93% 89% 一人一言のアンケート結果では、周りの友達の評価により、自己肯定感の向上につながる取組ができたと思われます。 自分に 自信がついた 仲間のよさを見つける ことができた 自分の気持ちを 伝えることができた

観察対象生徒の感想 KJQの実態から学校生活に意欲を見いだせていない生徒の感想では、このような感想が寄せられ、自己肯定感が上がったことがうかがえます。

人権標語 写真 次に人権標語の作成です。 12月の人権週間にあわせて、各クラスの学級活動で「人権について」学習した後、人権標語の作成に取り組みました。 全員の標語を掲示し、お互いのことを考える場を設けました。 「ありがとう 今日は何回 言えたかな」という作品が選出されました。

90% 87% 90% 85% 人権標語のアンケート結果 自分の気持ちを 標語にして伝える ことができた みんなの人権標語を 見て共感した 標語があった とても思う 思う あまり思わない 思わない 90% 85% この人権標語の取組に対してのアンケート結果では、多くの生徒が相手のことを考えたり、やってみようと思うなどの肯定的な結果が得られました。 相手の立場になって 物事を考える 機会になった 心がけてみよう、 やってみよう と思った

生徒会の取組① 生徒自ら企画する挨拶運動 「もう少し大きな声であいさつをしたい」 「あいさつを返してもらえないこともあり、工夫していきたい」 生徒会の取組では、生徒会自ら企画した挨拶運動があります。 挨拶運動の目的、心がけることを考え、各専門委員会に伝え、実践し、次に工夫することはないかを話し合い、次の挨拶運動に生かしています。

生徒会の取り組み② 赤い羽根募金活動 「自分の殻を破って『お願いします』と言えたことが、たくさんの募金につながった。」 「企画書も手書きから始めて、『絆を深めよう』ということも達成できた。地域の人々のおかげもあってこれだけのお金を集めることができた。」 また生徒会は、「社会に貢献できることはないだろうか」と考え、立川駅で赤い羽募金活動を行いました。 105,302円の募金が集めることができ、生徒会の役員は、達成感や成就感、多くの人の支えや励ましを実感することで、自己肯定感を高めることができました。

その他の取組 意図的な働きかけ いじめ防止教室 道徳授業 その他の取組としては、自尊感情や自己肯定感が低い傾向にある生徒に意図的に働きかけ、KJQの変容を見ていきます。 いじめ防止教室では、湘南DVサポートセンターの瀧田先生をお迎えして、いじめ防止について学習し、道徳では、人権に関するテーマでの授業を展開しています。

ワールドカフェ方式での校内研修会 また校内研究の協議方法では、ワールドカフェ方式を元にした形式で行っています。 これにより、先生たちが自ら積極的に関わることができ、活発な討議が行われ、校内研修が進められています。

成果 KJQから生徒の実態を把握し、指導に生かすことができた。 一人一言のメッセージは、もらった生徒がとても喜んでいた。 人権標語作成では、人権についてよく考えさせることができ、啓発につながった。 生徒会のあいさつ運動、街頭募金は、自主的な取り組みにより、やりがいを感じさせることができた。 これらのことから、 KJQマトリックスの実施により、生徒一人一人の心の状態を把握でき、 取り組みとしては、一人一言のメッセージ、人権標語作成、生徒会の自主的な活動は、一定の成果を上げられました。

課題 生徒同士の関わりを増やす取り組みを工夫していく。 いろいろな角度から自尊感情や自己肯定感を高める活動の工夫をしていく。 生徒アンケートが多くなってしまうことへの配慮が必要である。 課題は、 生徒同士の関わりを増やす取り組みを工夫していくことなど、 があげられます。

ご清聴ありがとうございました 来年度は、各教科における授業の中で、人権感覚を高める活動に取り組んでいくことを目指しています。 ご清聴ありがとうございました。