支援を必要としている子どもへの 効果的な手だてをさぐる

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支援を必要としている子どもへの 効果的な手だてをさぐる 平成21年度八代市教育研究所「年頭研修会」 資料 支援を必要としている子どもへの                効果的な手だてをさぐる みなさま 新年あけましておめでとうございます。新年早々 発表の機会をいただき ありがとうございます。今年は8月に県の教育研究所 研究発表会でも発表をさせていただく予定になっておりまして 今から非常に身が引き締まる思いがしております。 今日は これまでの取組をご紹介し 今後の取組の方向性あたりを持ち帰ることができたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 特別支援教育研究部会 ばんぺいゆ

1 主題設定の理由 特別支援教育アンケートより (平成17年度実施) 生徒への対応で困ったこと(中学校) 児童への対応で困ったこと(小学校)

研究主題 支援を必要としている子どもへの           効果的な手だてをさぐる

2 研究の仮説 児童生徒の力を伸ばす 効果的な手だて 児童生徒の実態把握 その実態に応じた手だて 校内支援体制の整備 他の機関との連携 2 研究の仮説 仮説1  児童生徒の実態把握 その実態に応じた手だて                       仮説2  校内支援体制の整備 他の機関との連携                       本日は 各学校の取組からいくつかの支援例を紹介します。こういう手立てをしたら うまくいったよという ヒントみたいなものです。 では はじめに 不登校の生徒への支援ということで 三中 藤原が報告します。   児童生徒の力を伸ばす  効果的な手だて

3 研究構想図 支援を必要としている子どもへの効果的な手だてをさぐる 特別支援教育に関する意識調査(アンケート) ①児童生徒の実態把握 3 研究構想図 支援を必要としている子どもへの効果的な手だてをさぐる 仮説1 実践研修 特別支援教育ワークショップの開催 ①児童生徒の実態把握   ②支援の実際             ③校内支援体制 ④関係機関との連携     中学校区ごとの ネットワーク活用 仮説2 特別支援教育に関する意識調査(アンケート)

~通常学級の担任と 特別支援学級担任との協働~ 4 実際の取組  (1)学級集団作りを通して ~通常学級の担任と        特別支援学級担任との協働~ 私は、八代市教育研究所特別支援教育研究部会の高橋と申します。勤務先では、自閉症・情緒障害学級の担任とコーディネーターをつとめています。一昨年、新一年生3名の担当となりましたが、内2名は高機能自閉症の診断を持つお子さんでした。交流学級で生活していると、交流学級にも複数の支援が必要なお子さんがいらっしゃることが分かりました。そこで、通常学級の担任にこちらから提案したりされたりと、相談しながら2年間を過ごしました。そのときの取組についてお話ししたいと思います。

①児童の実態把握 ア 通常学級担任と 特別支援学級担任で実態を把握 ・授業中の行動観察 離席の頻度 課題への集中時間 姿勢の保持の様子 ア 通常学級担任と 特別支援学級担任で実態を把握   ・授業中の行動観察 離席の頻度 課題への集中時間 姿勢の保持の様子 課題へ取り組むまでの表情の変化 こだわりの中身 等 ・授業中以外(休み時間等)の行動観察 何に興味・関心があるか お気に入りの場所はどこか 誰と過ごしているか 気持ちの切り替えはスムーズか 等

*授業中にすぐ相談し、その場その場で 対応の仕方を決める *授業中にすぐ相談し、その場その場で   対応の仕方を決める  (待つ/促す 声を掛ける/計画的に無視する 課題の量を減らす/発展的な課題を付加する) *対応した結果をみて、有効な手だてであったか、他の方法はないか再び話し合う     (授業後 休み時間 放課後)

イ 就学前の情報や保護者との面談を通して特性の理解            ○就学前に相談に行った専門機関からの情報提供書 ○家庭訪問  ○授業参観後懇談  ○来校時 ・保護者と共通理解ができ、特別な手だてが可能になった ・保護者同席で、個別の教育支援計画を作成した ・保護者が理解を深め、専門機関と連携するようになった

*いずれの場合も、二人で同じ話を聞く ようにする *いずれの場合も、二人で同じ話を聞く       ようにする      (一方が対応した時は後日情報を共有する)

②支援の実際 ア 具体的な手だての提案 イ 個人への支援と共に、学級全体への支援 (相手を尊重する気持ちを大事に) ア 具体的な手だての提案 イ 個人への支援と共に、学級全体への支援 ・特別支援学級担任としての専門的立場から    離席の頻度     ・・・課題の内容検討     課題への集中時間 ・・・タイムタイマーの活用     姿勢の保持の様子 ・・・クラス全体の約束事    課題へ取り組むまでの表情の変化・・・                     興味を示す瞬間の声掛け     こだわりの中身等 ・・・ 気持ちの切り換えが可能か *リマインダー、コミック会話、認知行動療法等の活用

視覚的支援で声の大きさに気づく

姿勢の保持  子どもに分かりやすい言葉

掃除の上達 掃いた後は ここへ 掃除も大切な指導場面でした。一般的に1年生は始めから掃除がうまくできるわけではありません。 しかし、その中でも、水道で水遊びに興じたり道具で人にちょっかいを出したりと、特にうまくできない子どもがいました。そんなときこのような支援を行いました。やってみると、何を行えばよいのか理解し、実行して誉められる場面が増えてきました。 掃除の上達 掃いた後は ここへ

時間の概念も、分かりにくいものです。仮に時計を読むことができたとしても、生活の中で時間を管理し、行動を合わせていく技術は徐々に身につくものです。 これは担任が百均ショップで買い求め、図工や着替えなど、一定の時間内に行動を収束出来るよう、黒板に表示したものです。 時間の管理 教室内の時計と比べながら

研究授業 自習の時    分かりやすい進め方の提示

コースの選択

学習進度のモニター    名前の磁石を動かす

授業の予告  今日の音楽でどんなことをするか

移動前に予告今日の式で何が行われるか

特性に合わ せて     役割は先生の助手

対応の工夫 いつまでに 何を どのくらい この状態で終わり 終わったら 何をする 目に見えるように示す そこで、このような様子を示すお子さんに対して、専門的な立場から対応の仕方のノウハウを提案していきました。 具体的には、スライドに示した方法で毎日、毎時間を組み立てる ということです。 終わったら 何をする

③校内の支援体制 校内委員会での情報交換や特別支援教育支援員の 活用 ○各学年毎に、学年コーディネーターを配置 校内委員会での情報交換や特別支援教育支援員の 活用 ○各学年毎に、学年コーディネーターを配置 ○優先順位を検討し、特別支援教育支援員2名を活用  ・個別に対応が可能になった(集中できる別室で) ・同じ教室内で個別に課題を進めた ・保護者が理解を深め、専門機関と連携するようになった

ある子どもに支援していることが 他の子どもの支援にもなっている 通常学級の担任の気づき

(2)不登校児童への支援を通して ~八代市立八竜小学校の実践~

①児童の実態把握 ア 専門機関での検査結果を通して本人の特性を理解する  ア 専門機関での検査結果を通して本人の特性を理解する  イ 本人の好きなことや得意なことを聞いたり、難しいと感じていることを聞いたりする オカヤドカリ

②支援の実際   ア 本人の特性に合わ     せた居場所つくりを     する   イ 本人の実態に応じ     たスモールステップ     づくりをする    

③校内での支援体制 ア 役割分担とチームでの支援 ○校長・・・児童への支援、保護者相談、 他機関への連絡・調整  ア 役割分担とチームでの支援   ○校長・・・児童への支援、保護者相談、          他機関への連絡・調整     ○担任・・・保護者連絡、児童との関わり          学級児童への対応   ○養護教諭・・・児童への関わり   ○特別支援教育コーディネーター・・・    児童への支援、保護者対応、専門機関との連携                               など

④他機関との連携  ア スクールカウンセラー              等を活用して、本人や    保護者の相談会をする  イ 中学校と連携した移行         支援を行う  

(3)アンケートの実施 ○平成17年度のアンケートを受けて本研究主題を設定したので、その検証として、   平成21年1月に八代市の小中特別支援学校の職員を対象に再度アンケートを実施した。 ○3年間の意識変化が比較できるように質問項 目をほぼ同じ内容にした。

アンケートの質問項目 ○配慮の必要な児童生徒がいますか? ○児童生徒の対応で困ったことは何ですか? ○どのように対応しましたか? ○今後、校内でどのような対応を望みますか? ○特別支援教育に関する研修はどのような内容を望みますか? ○どのような対応の研修を望みますか?

5 結果と考察 (1)【仮説1】について ○スモールステップの目標を設定し、成果を実感しながら実践することができた 5 結果と考察 (1)【仮説1】について ○スモールステップの目標を設定し、成果を実感しながら実践することができた ○実態把握を十分したことで、児童理解が深まり、手だてがより効果的になった (日)

(2)【仮説2】について ○ケース会議等を行い、支援の成果や課題を確認し合ったことで職員の意識が高まった  本年度は学年の特別支援教育コーディネーターとして、学年全体へ昨年度の取組を広げている      ○保護者を交えて情報を共有したことで、中学校への移行がスムーズにできた

(3)アンケートの結果より どのように対応しましたか? 人  小学校 中学校

児童生徒に対応するなかで困ったことは ありませんか?(複数回答可) 児童生徒に対応するなかで困ったことは        ありませんか?(複数回答可)

支援上、教師が困ったこと 人 人 小学校 中学校 42

6 今後の方向性 ・特別支援教育ワークショップの輪を広げる ・中学校区単位のネットワークを生かした取組 の推進 2,4,6月開催 6 今後の方向性 ・特別支援教育ワークショップの輪を広げる 2,4,6月開催 実践報告、教育課程の編成、通常学級における取組 ・中学校区単位のネットワークを生かした取組 の推進 特別支援教育の進捗状況において学校間の差をなくす取組

特別支援教育総合推進事業に伴う拠点校制度の導入 日奈久中・二見中 学校区 ブロック毎にコーディネーター会議 泉中、東陽中学校区   四中・七中 三中・六中 一中学校区 五中・坂本中 二中・八中 幼稚園・保育園 小学校 鏡中・千丁中 拠点校のリーダーコーディネーター 巡回相談員

平成21年度 特別支援教育研究部会 指導委員 重本 公茂(八代養護) 部 員 高橋 佳奈子(松高小) 嶋田 聖子(植柳小) 平成21年度 特別支援教育研究部会 指導委員  重本 公茂(八代養護)    部   員  高橋 佳奈子(松高小) 嶋田 聖子(植柳小)       村山 紀美子(鏡  小)  桑原 俊夫(二見小)         藤原  棋聖(第三中)   荒木 博幸(二見中)