Presenter: Yannis Panayotopoulos Seismological evidence of an active footwall shortcut thrust in the Northern Itoigawa-Shizuoka Tectonic Line Yannis Panayotopoulos, Naoshi Hirata, Takaya Iwasaki, Shin'ichi Sakai, Hiroshi Sato (ERI, Univ. Tokyo) Presenter: Yannis Panayotopoulos
Mjma 6.7、 2014年11月22日 22:08:17 (UTC+9) 深さ 4.59 km. 1. はじめ:2014年長野県北部地震 Mjma 6.7、 2014年11月22日 22:08:17 (UTC+9) 深さ 4.59 km. 震源断層は糸魚川静岡構造線の神城断層(ISTL) (気象庁, 2014). Strike: 100 Dip: 600 Rake: 590 (気象庁, 2014)
どのような断層? 東傾斜低角逆断層(~20o). 西傾斜逆断層(30o~40o). 2. 糸魚川静岡構造線 (ISTL) 北部ISTL: (例: Sato et al., 2004) どのような断層? 糸魚川・静岡構造線(糸静線)って何? East dipping 糸静線は本州を北東と南西部分に分ける内陸断層帯である East dipping or high angle? 南部ISTL: 西傾斜逆断層(30o~40o). (例: Panayotopoulos et al., 2010) West dipping
Paleozoic-Mesozoic rocks (Inner Zone) 3. 糸静線付近の広域的な地質構造 N.F.M Miocene rocks 北部 : 北部フォッサマグナと内帯(古生代日本列島の付加体)の境界(例:Sato et al. 2004) 中部 : 松本盆地と中央隆起帯の境界(例: Ikeda et al 2004) 南部 : 南部糸静線:伊豆小笠原弧で形成された地殻と本州弧の外帯の境界(例:Kano 2002) (Positive Bouguer anomaly) Central Uplift Zone I.S.T.L Paleozoic-Mesozoic rocks (Inner Zone) Mesozoic – Cenozoic rocks (Outer zone) Mt. Fuji Izu-Bonin 4 4
6年合計 308点 4. 過去の観測データ(糸静重点及びパイロット) 平成20年度 平成18年度 平成19年度 平成17年度 平成15年度 4. 過去の観測データ(糸静重点及びパイロット) 平成20年度 糸魚川-静岡構造線断層帯パイロット的な重点的調査観測 2003年8月04~2003年11月21日 66点 糸魚川-静岡構造線断層帯における重点的な調査観測 2005年9月16日~2005年12月22日 60点 2006年9月13日~2006年12月12日 60点 2007年8月20日~2007年11月23日 33点 2008年8月25日~2008年11月30日 44点 2009年6月01日~2009年10月01日 45点 平成18年度 平成19年度 6年合計 308点 平成17年度 平成15年度 平成21度
5. 北部糸静のトモグラフィ解析 合計 275 観測点 臨時観測点 2006: 60 観測点 2007: 33 観測点 5. 北部糸静のトモグラフィ解析 合計 275 観測点 臨時観測点 2006: 60 観測点 2007: 33 観測点 2008: 44 観測点 138 定常点 ●地震データ: 2006年9月13日~2006年12月12日 463個 2007年8月20日~2007年11月23日 379個 2008年8月25日~2008年11月30日 351個 ★同時期に行われた5の発破 手動読み取り値数: P 波: 51048 S 波: 60620
鮮新世インバージョンによるおよそ23km短縮 ISTLは盆地の西縁になる Inner Zone Rocks 中央隆起帯: 6. P波速度構造と地質 NFM ISTL 北部フォッサマグナ: 中新世のリフト盆地 最大深度6km 鮮新世インバージョンによるおよそ23km短縮 ISTLは盆地の西縁になる Inner Zone Rocks NFM 中央隆起帯: 正のBouguer異常帯 中新世インバーインテクトニクスによって隆起 CUZ CUZ MAT 松本盆地: 浅い第四紀盆地 ISTLは盆地の東縁になる 内帯: 古生代日本列島の付加体 MAT 7
7. P波速度構造と地質と発震機構解 中部糸静線: 主に斜め横ずれ 北部糸静線: 徐々に逆断層に移り変わる 北部 ISTL 中部 ISTL 中部糸静線: 主に斜め横ずれ 北部糸静線: 徐々に逆断層に移り変わる 北部 ISTL 中部 ISTL 発震機構解(Imanishi et al.,2010)
8. 北部糸・静線の断層形状 (Panayotopoulos et al., 2014) (Sato et al., 2004) (Kondo et al.,2008) 神城断層、松本盆地東縁断層(北部) 15o~30o低角逆断層 (Sato et al., 2004; Panayotopoulos et al., 20014) 松本盆地東縁断層(南部)牛伏寺断層~700斜め横ずれ(Kondo et al., 2008; Panayotopoulos et al., 2014)
9. 長野県北部地震余震活動の震源決定について 9. 長野県北部地震余震活動の震源決定について 解析の流れ: 神城断層周辺の42個の定常点を使用した hypomh4を用いて北部フォッサマグナの中の観測点には堆積層の影響を考慮して低P波速度構造を与えて、それ以外の観測点に関しては平均的なP波速度を与えた JHDと同様な手法で15回反復計算して観測点補正値と初期震源を決定した DD法を用いて最終的な震源位置を求めた DD法の3次元構造とパラメータはPanayotopoulos et al., 2014と同様 (Panayotopoulos et al., 2014)
10. 震源分布 ○:気象庁震源 ●:本研究 (Panayotopoulos et al., 2015; Tectonophysicsに投稿中)
11. 地震活動分布 逆断層型地震は最初の12時間ぐらいに限られる 横ずれ型地震は翌日12:00以降が活発になる 11. 地震活動分布 (Panayotopoulos et al., 2015; Tectonophysicsに投稿中) 逆断層型地震は最初の12時間ぐらいに限られる 横ずれ型地震は翌日12:00以降が活発になる
12. 断層モデル 地質 国土地理院のInSARの解析: セグメントIIIの中で地表の最大変位は神城断層の東側で1m隆起、西側で20cm沈降 12. 断層モデル 地質 国土地理院のInSARの解析: セグメントIIIの中で地表の最大変位は神城断層の東側で1m隆起、西側で20cm沈降 余震活動: セグメントI,II,IIIの中では少ない。セグメントIV,V の中で活発。震源はセグメントIIIとIVの境界以外、深さ2km以上では発生しない 先行研究: 地震時の滑りが大きい場所には余震が少ない。 地震時の滑りの小さい場所に余震が集中する。(例:Beroza & Zoback, 1993; Hirata et. al., 1996; Woessner et.al., 2006; Kato et al., 2010) 本研究提案: セグメントIIIの深部(深さ4km~10km)が地震時滑りが大きい。 セグメントIV,Vの深部に地震時滑りが小さい InSAR 震源分布 (Panayotopoulos et al., 2015; Tectonophysicsに投稿中)
13. 神城断層と小谷中山断層の関係(Footwall Shortcut) 北部糸静線Footwal Shortcut構造提案 South WalesのFootwal Shortcut構造(例:Powell et al., 1989) Carboniferous to Permian Cambrian to Devonian (Panayotopoulos et al., 2015; Tectonophysicsに投稿中)
14. まとめ 2014長野県北部地震の余震活動において震源断層の形状を求めた。震源断層の上部が神城断層の地表トレースと一致して300~450 南東に傾斜する。一方、震源断層下部が小谷-中山断層と一致して 500~650 南東に傾斜する。 神城断層は小谷-中山断層から分岐したFootwall Shortcut逆断層として Pleistocene(更新世)に形成された。 長野県北部地震の震源断層に発生する余震の発震機構解は、逆断層と左横ずれ成分を両方持っていて、現在の応力場と過去の断層形状を反映する。 断層の中心部では、地震時滑りが大きく余震活動が少ない。またInSARによる地表変位が大きい部分と一致する。 断層北部では余震活動が活発で、地表変位が少ないので、地震時滑りが少ないと考えられる。