第3回「槇尾川ダム建設事業」等に関する有識者会議

Slides:



Advertisements
Similar presentations
BCP (事業継続計画) 行政は業務継続計画 議員研修 大規模な災害・事故・システム障害が発生した場合に、 企業や行政組織が基幹事業を継続したり、早期に事業を 再開するために策定する行動計画 事前に業務の優先度を確定し、バックアップシステムの 整備や要員確保などの対応策を立てておくこと.
Advertisements

土木構造物の点検の流れ 平成24年11月28日 大阪府都市整備部 事業管理室 平成24年11月28日(水) 09:30 ~ 第1回南海トラフ巨大地震土木構造物耐震対策検討部 会 資料-3 1.
大阪城 OB P 寝屋川流域 総合治水対策 流域面積 約270k ㎡ 東西約14k m 南北 約19k m 寝屋川流域の特徴 淀川 大和川.
都市域で起こる水害の防止対 策 C07047 村上彰一 C07048 森田紘 矢 C07049 矢口善嵩 C07050 矢田陽 佑 C07051 山河亮太 C07052 山下優 人.
次の紹介内容は ⑥洪水・はん濫の情報を確認する手段 ⑦洪水発生時の避難のポイント ⑧居住地域のハザードマップを見てみよう ⑨避難の際の心得
周南市公共施設白書 耐震改修が完了した周南第3住宅第11棟 平成25年11月 周 南 市.
本資料の目的と内容  この資料は、自衛水防をご検討される事業所等の所有者又は管理者を対象に、自衛水防に役立つ情報のご紹介と入手方法等についてまとめたものです。  水害時の対応や、避難確保・浸水防止計画の作成、訓練の実施等にお役立て下さい。 【この資料の見方】 <目次> (1)平常時の情報提供    ①浸水想定区域について.
スマートフォン、携帯電話、パソコン等による情報の取得
+ 延焼遮断帯整備促進事業の制度創設について (密集市街地区域内の都市計画道路の重点的な整備) 新たな制度 「延焼遮断帯整備促進事業」
(2)洪水時の情報提供~①基準水位観測所における設定水位の意味~
【資料3】 条例検討会議について 平成28年8月30日 福岡市障がい者在宅支援課.
高齢者にやさしいまちづくりのモデル調査・研究
平成24年度オープンデータ実証実験 災害関連情報(概要)
次の紹介内容は ⑥洪水・はん濫の情報を確認する手段 ⑦洪水発生時の避難のポイント ⑧居住地域のハザードマップを見てみよう ⑨避難の際の心得
緑陽地域の防災を考える会 中 間 報 告 今までの経緯  (概略) H25・7・14.
海岸構造物の耐震点検 2-3 海岸構造物の詳細耐震点検について ≪南海トラフ巨大地震による影響≫ ■入力地震動.
4 第3次障害者基本計画の特徴 障害者基本計画 経緯等 概要(特徴) 障害者基本法に基づき政府が策定する障害者施策に関する基本計画

西大阪地域 高潮対策 (株)ニュージェック 齋藤 憲.
寝屋川の総合治水対策について 都市整備部河川室.
  資料1 平成27年第3回度長久手市防災会議 説明資料.
土砂災害特別警戒区域内の被災住宅再建支援事業
上下水道組織の統合について 平成29年11月 8日  柏市土木部 下水道経営課    柏市下水道マスコットキャラクター    蓮子(れんこ)ちゃん.
平成16年度はこれまで最多の10個の台風が上陸するなど、豪雨災害が頻発
(2)洪水時の情報提供.
前回の振り返り 資料6 2日目のカリキュラムに入る前に、1日目を簡単に振り返ります。
地域における危険性の確認 資料4 前の時間で気象や土砂災害に関する知識を学びました。
地域における危険性の確認 資料3 前の時間で地震・津波に関する知識を学びました。
東京都福祉のまちづくり推進計画改定の基本的考え方(意見具申の概要)
大山崎町洪水ハザードマップ(桂川浸水想定区域図)
※今後、気象台や測候所が発表する最新の防災気象情報に留意してください。
添付図-1:課題⑦-2-1 「巨大都市・大規模ターミナル駅周辺地域における複合災害への対応支援アプリケーションの開発」
日本学術会議主催 学術フォーラム 巨大災害から生命と国土を護る 災害に強い農業生産基盤の整備と国土保全 公益社団法人農業農村工学会 塩沢 昌.
国際博覧会の開催及びIRを含む国際観光拠点形成に向けた 夢洲地区の土地造成・基盤整備事業
公共施設の安全確保・機能維持を図るため、長寿命化を基本とする計画的な維持管理を推進 長寿命化による維持管理費の縮減・平準化例(橋梁)
最先端ICT都市の実現に向け、「ICTの徹底活用」と「ICTの適正利用」を基本に取組をすすめます
一人ひとりの避難計画(前編) 資料5 それでは、一人ひとりの避難計画をつくっていきます。
兵庫県たつの市・上郡町・佐用町における基本計画の概要
施設の立地場所には、どのような危険があるのか確認しましょう。
環境情報学部2年 中本裕之 総合政策学部2年 千代倉永英
大阪市水道経営戦略( )の概要 《工業用水道事業編》 <抜本的な経営改革による収支ギャップ解消イメージ>
住宅まちづくり部の施策概要と30年度の主な取組み 減災に繋げる災害に強い住まいと都市の形成
洪水情報が緊急速報メールで発信されます!
防災・減災対策を重点的に推進するため池:839箇所 進捗管理(PDCAサイクルに基づく施策の推進)
防災力の強化 38 〇 災害救助物資の備蓄 〇 同報系防災行政無線デジタル化
大阪市の帰宅困難者対策の取り組み 大阪市危機管理室 平成29年度 第1回帰宅困難者支援に関する協議会(H )
一人ひとりの避難計画(前編) 資料5 それでは、一人ひとりの避難計画をつくっていきます。
住民勉強会用 水害想定 クロスロードゲーム方式 大雨が降ったら、水害に備えて あなたは何をするでしょうか?
地方公共団体実行計画を核とした地域の低炭素化 基盤整備事業
【補足】 流出防止対策 実施のポイント解説 今回の豪雨災害の概要.
水防法等の改正に伴う 避難確保計画の作成について
前回の振り返り 資料5 2日目のカリキュラムに入る前に、1日目を簡単に振り返ります。
資料1 避難対策ワークショップ はじめに、本日と10月2日の2日間に渡って開催する避難対策ワークショップの全体概要について説明します。
【バリアフリー対応のバス(リフト付バス)】
大野川ダムにおける情報の提供 佐渡地域整備部 大野分室.
スマートフォン、携帯電話、パソコン等による情報の取得
平成31年度 環境保全基金を活用して実施する事業(案) 府民がつくる暮らしやすい、環境・エネルギー先進都市
宅地耐震化推進事業の概要 国土交通省 都市局 都市安全課 平成31年3月更新.
地域の多様な課題に応える低炭素な都市・地域 づくりモデル形成事業
彦根市公共下水道事業・第5期経営計画(素案) 1.各施策の現状と課題及び第5期経営計画での取組方針
自殺対策基本法(振り返り) 資料4 基本理念(第2条)
河川工学 -河川計画- 昼間コース 選択一群 2単位 朝位
次の紹介内容は ④日本の河川の特徴と北海道特有の事情 ⑤洪水・はん濫から街や住民を守る施設の紹介 ⑥洪水・はん濫の情報を確認する手段
土砂災害特別警戒区域内の家屋移転・補強に対する補助制度について
あいサポート条例(愛称)素案の概要 1 制定の目的 2 条例案の内容
日本の河川情報の現状と今後 =データ構造の標準化とソフトについて=
F-08 避難のタイミング情報等_02 避難の目安 状況 発令の目安 どうするの 大雨・洪水注意報
「青少年の家」雨量計記録 及び検証結果について
総合治水条例と取組の展開 兵 庫 県  .
1月府・市町村合同地震・津波災害対策訓練の考え方
Presentation transcript:

第3回「槇尾川ダム建設事業」等に関する有識者会議 平成22年5月19日(水) 第3回「槇尾川ダム建設事業」等に関する有識者会議 資料 5 モデル河川による検証 ~槇尾川~

当面の治水目標の設定事例<槇尾川> 【槇尾川の現状】 ・中下流部の河川改修(50㍉対策)と上流部のダム建設を実施中。 【氾濫解析の前提条件】 ■治水目標の設定の考え方  ・氾濫解析により、50㍉対策完成後の危険度(想定被害)を把握。  ・危険度ⅠもしくはⅡが残れば、想定被害を解消したことにより   得られる対策の「効果」と想定被害を解消するために必要な 対策の「費用」の差「効果-費用」を用いて、槇尾川の当面の   治水目標を設定。 65㍉への対応 80㍉への対応 or 現 況 50ミリ対策 【槇尾川の現状】  ・中下流部の河川改修(50㍉対策)と上流部のダム建設を実施中。 【氾濫解析の前提条件】  ・1洪水を対象として水位がHWLに達すれば、上流から順次破堤するとして   氾濫解析を実施。

現況及び50㍉対策完成後の危険度の把握 ■50㍉対策完成後の危険度 現況及び50㍉対策完成後の危険度の把握     ■50㍉対策完成後の危険度  ・氾濫解析結果より、時間雨量65,80㍉降雨に対して危険度Ⅱが残ることを把握。  ⇒「効果-費用」により、治水施設の整備に必要な当面の治水目標を設定する。 現況の地先の危険度 50㍉対策完成後の危険度 危険度Ⅲ  危険度Ⅱ   危険度Ⅰ 危険度Ⅲ  危険度Ⅱ   危険度Ⅰ 0.01㎢ 14人 33百万円 10人 55百万円 被害なし 27人 47百万円 101百万円 0.97㎢ 7,770人 13,034百万円 0.16㎢ 1,066人 5,739百万円 3.13㎢ 25,893人 52,551百万円 0.67㎢ 4,782人 32,033百万円 被害なし 0.03㎢ 95人 212百万円 0.01㎢ 4人 45百万円 1.01㎢ 8,073人 14,006百万円 0.15㎢ 1,003人 5,317百万円 3.09㎢ 25,523人 52,058百万円 0.67㎢ 4,867人 32,394百万円 次の Step へ

時間雨量50ミリ程度への対応後での氾濫解析結果 時間雨量50ミリ程度への対応後での氾濫解析結果    危険度Ⅲ 危険度Ⅲ 危険度Ⅲ 危険度Ⅱ 危険度Ⅱ 危険度Ⅱ 危険度Ⅰ 危険度Ⅰ 危険度Ⅰ 対象降雨(時間雨量65ミリ程度:1/30) 対象降雨(時間雨量80ミリ程度:1/100) 対象降雨(時間雨量90ミリ程度:1/200)

危険度の解消に必要な対策費用 当面の治水目標 対策案及び対策費用(C) ■対策費用の検討  ・現況から50㍉対策後、65㍉もしくは80㍉対策を実施する場合の概算対策費を検討。    ・当面の治水目標設定に必要な「対策費用(C)」 は、ダム+河川改修、河川改修   にて65㍉、80㍉対策の最適案を検討。  ・ただし、具体的な治水手法選択は、当面の治水目標を踏まえ、現地の状況に応じ      て様々な治水手法を組合せて選択。 当面の治水目標 対策案及び対策費用(C) 現況⇒ 時間65㍉程度への対応 ダム+河川改修 (108億円) 河川改修 (112億円) 時間80㍉程度への対応 (720億円) (749億円)

当面の治水目標の設定 大>小 ■ 当面の治水目標の検討結果 ・効果-費用により、当面の治水目標を時間雨量65㍉程度への対応とする。  ・効果-費用により、当面の治水目標を時間雨量65㍉程度への対応とする。 効果:  153億円 費用:      108億円 効果:      171億円 費用:      720億円 65㍉完成後 80㍉完成後 危険度Ⅲ  危険度Ⅱ  危険度Ⅰ 危険度Ⅲ  危険度Ⅱ  危険度Ⅰ 被害なし 0.19㎢ 1,895人 1,911百万円 0.05㎢ 177人 1,116百万円 2.48㎢ 21,761人 42,846百万円 0.42㎢ 3,036人 19,523百万円 被害なし 2.48㎢ 22,188人 43,962百万円 0.41㎢ 3,221人 20,454百万円 大>小  効果-費用 = 45億円  効果-費用 = -549億円 ⇒ 当面の治水目標を時間雨量65㍉程度への対応とする

時間雨量65ミリ程度への対応後での氾濫解析結果 時間雨量65ミリ程度への対応後での氾濫解析結果    危険度Ⅲ 危険度Ⅲ 危険度Ⅱ 危険度Ⅱ 危険度Ⅰ 危険度Ⅰ 対象降雨(時間雨量80ミリ程度:1/100) 対象降雨(時間雨量90ミリ程度:1/200)

時間雨量80ミリ程度への対応後での氾濫解析結果 時間雨量80ミリ程度への対応後での氾濫解析結果    危険度Ⅲ 危険度Ⅱ 危険度Ⅰ 対象降雨(時間雨量90ミリ程度:1/200)

◆効率的・効果的な治水手法 1.流出抑制 (1)ため池と校庭貯留の活用 (2)その他の対策 ①森林保全による保水力確保  (1)ため池と校庭貯留の活用  (2)その他の対策    ①森林保全による保水力確保    ②開発に伴う流出抑制施設の恒久化    ③公共施設の貯留浸透施設設置の義務化   ④特定都市河川浸水対策法のエリア拡大   ⑤各戸貯留の促進・強化  箇所数 活用可能量 備 考 ため池   57箇所    465千m3 管理者が明らかなため池 学校施設   10箇所     9千m3 0.15m貯留すると想定

◆効率的・効果的な治水手法 流域内の学校・ため池 位置図

◆効率的・効果的な治水手法 2.治水施設の保全・整備 (1)現状 ・槇尾川では、近年、昭和57年と平成7年に大きな被害が発生。  (1)現状    ・槇尾川では、近年、昭和57年と平成7年に大きな被害が発生。    ・50㍉対策として、上流部にダムを建設、中下流部を河川改修で実施中。  (2)対策    ・当面の治水目標を時間雨量65㍉程度への対応と設定し、50㍉対策後、     流下能力の不足箇所で河床掘削を実施(中下流部、上流部) (中下流部) (上流部)

◆効率的・効果的な治水手法 3.耐水型都市づくり (1)浸水を許容するための制度設計 ①地盤嵩上げ条例の制定  (1)浸水を許容するための制度設計   ①地盤嵩上げ条例の制定   ②地盤嵩上げ・高層化への補助制度創設   ③建築基準法の災害危険区域の設定   ④水害保険・水害補償制度の創設  (2)水害に強いまちづくり   ①家屋の耐水化の推進   ②河畔林による破堤被害拡大防止   ③二線堤の整備

◆効率的・効果的な治水手法 4.情報伝達・避難 ①流況監視カメラを設置し、避難勧告等の体制について検討 ②危険度ランク別想定氾濫区域図の公表 4.情報伝達・避難   ①流況監視カメラを設置し、避難勧告等の体制について検討  ②危険度ランク別想定氾濫区域図の公表   ③実効的な避難勧告等の判断・伝達マニュアルの作成促進   ④地域住民の参加による河川巡視点検の実施   ⑤自主防災組織結成の促進と実働訓練、防災講演会及びイベント等の充実   ⑥危険度の現地表示   ⑦正確でわかりやすいハザードマップの作成(逃げ時・逃げ道マップの作成、マンション等民間施設の避難所指定)    ⑧危険箇所への警報装置等の設置と避難所の整備   ⑨自主防災組織の強化を図る支援制度等の創設 

◆行動計画(案) 流出抑制 治水施設の保全・整備 耐水型都市 情報伝達・避難 1年目 ①利用可能なため池の抽出 ②公共施設の貯留施設設置の義務化の検討 ①氾濫解析の実施 ②危険箇所への土のうの設置を検討 ①家屋の耐水化・高層化、地盤かさ上げの働きかけ ②移転補償制度などの制度づくりの検討 ①流況監視カメラを設置し、避難勧告等の体制について検討 ②危険度ランク別想定氾濫区域図の公表 ③実効的な避難勧告等の判断・伝達マニュアルの作成促進 ④地域住民の参加による河川巡視点検の実施 ⑤自主防災組織結成の促進と実働訓練、防災講演会及びイベント等の充実 ⑥危険度の現地表示 ⑦正確でわかりやすいハザードマップの作成(逃げ時・逃げ道マップの作成、マンション等民間施設の避難所指定)

流出抑制 治水施設の保全・整備 耐水型都市 情報伝達・避難 3年目 ~ 10年目 【平成27年度】 槇尾川の50ミリ対策が完成(ダム完成)  ~ 10年目 ③ため池等の農業施設の治水活用 ④各戸貯留の促進・強化 ⑤水害保険、水害補償制度の創設 【平成27年度】 槇尾川の50ミリ対策が完成(ダム完成) ③固定資産税の減免 ④移転補償制度 ⑤建築基準法の災害危険区域の設定 ⑥家屋の耐水化・高層化、地盤かさ上げ補助 ⑧危険箇所への警報装置等の設置と避難所の整備 ⑨自主防災組織の強化を図る支援制度等の創設