熱中症 熱中症(hyperthermia)は、暑熱環境下においての身体適応の障害によっておこる状態。 主な熱中症の症状として、めまい、失神、頭痛、吐き気、気分が悪くなる、体温の異常な上昇、異常な発汗など。 屋内・屋外を問わず高温や多湿等が原因となって起こる。 室内でも発症するケースが年々増加傾向。 5歳以下、65歳以上に起こりやすい。 肥満者、脱水傾向の人、睡眠不足、他疾患で発熱などは要注意。
熱中症を引き起こす要因
III度熱中症の診断基準は暑熱への曝露がある 深部体温40℃以上または腋窩体温38℃以上 脳機能・肝臓機能・腎臓機能・血液凝固のいずれかひとつでも異常徴候がある
熱中症の分類と対応表 すぐに救急車 初期対応 分類 症状 対応1 対応2 涼しい場所 への移動 衣服をゆるめ 身体を冷やす I 度 (熱失神・熱けいれん) 筋肉痛 手足がつる 筋肉がけいれんする めまい 立ちくらみ 気分不良 生理食塩水を補給 (0.9%食塩水) 9g NaCl/1L 水 回復しないときは 救急車要請 II 度 (熱疲労) 全身倦怠感 頭痛 悪心・嘔吐 力が入らない 水分を補給 経口補水液・水を補給 足を高くして寝かせる ↓ 病院受診 III 度* (熱射病) 体温が高い (腋下38度以上) 意識障害 ふらつく 言動が不自然 刺激反応鈍い 呼びかけ反応鈍い すぐに救急車 救急車到着前まで 水をかける 濡れタオルをあてる * III度熱中症 診断基準 暑熱への曝露がある 深部体温40℃以上または腋窩体温38℃以上 脳機能・肝腎機能・血液凝固のいずれかひとつでも異常徴候がある
熱中症の予防法 暑熱馴化を行う。 出来るだけ薄着として、直射日光下では帽子を被る。 吸湿性や通気性の良い衣類を着用する。 体感温度を下げる方法として、日射を防ぐ、通風を確保する、扇風機の風を作業場所へ向ける、スポット冷房する、作業服の内部へ送風する(そのような機能を持った作業服を着用する)、蓄冷剤を利用する、水の気化熱を利用して体温を下げるなどの工夫を行う。手や顔を洗って水で湿らせたり、低温や水のシャワー(急に冷水を浴びる場合は心臓への負担等十分な注意が必要)を浴びる。 冷たいものを摂取することで、体内からも冷やす。飲み物を持ち歩く。 休憩をこまめにとる。 熱中症指数を気にしよう。 http://www.wbgt.env.go.jp/
水分補給NG 甘いジュースや清涼飲料水ばかり飲んでいる のどが渇いた時、大きなペットボトルを一気飲みする 冷蔵庫で飲み水を冷やしている 糖分の摂り過ぎで血糖値が上がり、ペットボトル症候群になることも。また、空腹が感じにくくなり、夏に体力が落ちる原因にもなります。 のどが渇いた時、大きなペットボトルを一気飲みする 一度に大量の水分をとると、胃の働きが低下し、体調を崩しがちです。一度に飲む量はコップ1杯(150~200cc)程度におさえること。 冷蔵庫で飲み水を冷やしている 冷たい方がおいしいから、と冷やしている人も多いようですが、冷やしすぎると胃の働きが悪くなったり、腸を刺激して下痢の原因にもなります。5〜15度程度が腸で吸収しやすい温度なので、冷やし過ぎには注意! 汗をかくたびに、水分と一緒に塩分も補給している 炎天下で短時間に大量の汗をかいた場合は別として、屋内で普段通りの生活をしている場合は塩分補給の必要はありません。塩分のとりすぎで高血圧になってしまいます。 スポーツに夢中になり、水分補給を忘れてしまう 塩分の過剰摂取は別の危険を招きます
夏の日常生活における水分と塩分の摂取について:熱中症予防と高血圧管理の観点から 成人の3人に1人,高齢者の3人に2人は高血圧で,日常生活での塩分制限が勧められます。 高血圧学会の公式コメントです 水分は夏には多く摂ることが望まれます 夏は皮膚よりの蒸発増加により水分が不足しやすくなり,高温環境下や運動などで発汗が多い場合には水分の喪失も多く,熱中症の危険性が高まります。血圧が正常な人も高血圧の人も,水分は十分に摂ることが望まれます。 塩分は高血圧の人は夏でも制限することが望まれます 夏は発汗により塩分(ナトリウム)やカリウムなどのミネラルもいくらか失われますが,日本人の食塩摂取量は平均1日10グラム以上と多く,必要量(1日1グラムほど)をはるかに超えています。高血圧の人は,原則としては夏でも塩分は制限すべきで,食塩摂取は1日6グラム未満が望まれます。 発汗が多い場合には,水分とともに少量の塩分とミネラルを補給することが望まれます 高温環境下や激しい運動などで発汗が多い場合には,水分だけを補給すると血液のナトリウムやカリウムが低くなることがあります。その場合は,水分とともにスポーツドリンクなどで塩分やミネラルを補給することが勧められます。ただし,高血圧の人は,塩分の補給は控えめにすることが望まれます。通常の食事を摂っている方は,意識的に食塩摂取を増やす必要はありません。日頃から減塩を心がけている方は,水分と塩分補給についてかかりつけの先生とご相談下さい。
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