利用規約 役に立つ薬の情報~専門薬学 : http://kusuri-jouhou.com/ 提供している資料は「同じ会社内、施設内での研修」や「高校生・大学生のプレゼンテーション参考資料」、「市民向けの教材をボランティアで作成するため」などを想定しています。つまり、当サイトの資料の利用は「教育に対して、無償で貢献するために使用すること」が大前提です。

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個人情報を保護する仕組みに 関する一考察(その2) 満保 雅浩 東北大学 情報処理教育センター 情報科学研究科.
利用規約 役に立つ薬の情報~専門薬学 提供している資料は「同じ会社内、施設内での研修」や「高校生・大学生の プレゼンテーション参考資料」、「市民向けの教材をボランティアで作成す るため」などを想定しています。つまり、当サイトの資料の利用は「教育に 対して、無償で貢献するために使用すること」が大前提です。
利用規約 役に立つ薬の情報~専門薬学 提供している資料は「同じ会社内、施設内での研修」や「高校生・大学生の プレゼンテーション参考資料」、「市民向けの教材をボランティアで作成す るため」などを想定しています。つまり、当サイトの資料の利用は「教育に 対して、無償で貢献するために使用すること」が大前提です。
はじめに 近年、飲酒が関与する重大な交通事故が発生しており、未成 年の時からのアルコールについての正しい教育がより重要と なってきている。 タバコは学校において健康被害等の防煙教育が徹底されてき ているが、アルコールは喫煙と異なり健康を促す側面もあり全 否定できないため防酒教育導入の難しさがある。しかし、一方.
利用規約 役に立つ薬の情報~専門薬学 提供している資料は「同じ会社内、施設内での研修」や「高校生・大学生の プレゼンテーション参考資料」、「市民向けの教材をボランティアで作成す るため」などを想定しています。つまり、当サイトの資料の利用は「教育に 対して、無償で貢献するために使用すること」が大前提です。
本日の課題 (1)個人情報の定義を知る。 (2)個人情報の安全な取扱い 方を知る。 個人情報を守ろう!
鎮静管理 JSEPTIC-Nursing.
PTP包装シートの誤飲 平成23年4月 日本薬剤師会.
ハイリスク薬 ワーファリンの調剤について 平成23年4月 日本薬剤師会.
特別養護老人ホームさくら園 副施設長 金谷 龍太郎
第12回 薬剤師が命を救う 5月11日(金) 午後7:30~7:55 (再)5月12日(土) 午後10:05~10:30
医療事故 2002.6.7.
次ページボタン ではなく、 画面をクリックする 「PPT アニメーション機能」で ご覧下さい。
RCA 出来事流れ図の作成例 頂上事象 根本原因1 医師は看護師にボスミン1筒を注射筒に用意するよう指示した。 患者は 死亡した。
研究計画: 「患者の医療安全への参加」促進活動 に関するアクション・リサーチ
特別養護老人ホーム 比謝川の里 看護師 宮城 浩彰
安全管理体制と リスクマネジメント.
企業における母性健康管理体制の現状と課題についてお話いたします。
自動車のリスク 2002.9.15.
社内での競争は組織が払う犠牲は大きい ⇒全体の幸せに無関心 競争原理を持ち込むのはほかの手段より公平で利用価値アリ!
日常の中の危険 ~危険を知ることで安全を守る~
情報は人の行為に どのような影響を与えるか
トピック1 患者安全とは 1 1.
雪印の食中毒 2005.5.5.
学校薬剤師仕事(中教審/学校保健安全法)
医薬品と健康.
開放隅角や閉塞隅角でも治療済みであれば制限はありません
はじめに 糖尿病の患者数も予備軍を含めて1600万人と増加しており、一方糖尿病専門医は3000人あまりとその診療能力には限界があります。糖尿病療養指導士はそのような中で必要不可欠な存在ではありますが、その資格の位置づけなど問題もあります。 現在約1万人の糖尿病療養指導士が活躍しており、第1回資格取得者は4年目を迎え5年の任期を目前とし、資格更新のために努力していると思われます。
事例要因分析から改善へ ~安全な与薬を目指して~ 全員で指差し呼称 ヨシ!!
ドイツの医師職業規則 から学ぶもの 東京医科歯科大学 名誉教授  岡嶋道夫.
市販のソフトウェアが これほど脆弱な理由 (それをどのように解決するか).
社会心理学のStudy -集団を媒介とする適応- (仮)
「できることから今すぐやろう!」シート 書き出したものを全て実行することが難しい場合、 社長が判断し、できることからやろう! 前提
~ 回答数  ~ 回答数 206.
平成27年度 埼玉県障害者 虐待防止・権利擁護研修
~携帯用災害時緊急対応カード配布を通して~
併用禁忌の薬剤の投与について 平成24年4月 日本薬剤師会.
医療事故防止におけるダブルチェック 2004/11/17 安心研 東京海上日動メディカルサービス(株) メディカルリスクマネジメント室
ストレスケア:ストレスを感じてからではなく、予防のためできるだけ早い時期からストレスケアを実施してください。
独立行政法人国立病院機構 舞鶴医療センター認知症疾患医療センター 川島 佳苗
2日目 15:30~15:45〔15分〕 【講義】全体のまとめ 国立のぞみの園 志賀利一
介護予防サービス・支援計画表 記入のポイント.
患者さん 歯科衛生士 受付 歯科技工士 歯科医師 はじめに 当院は患者さんの“健康”に目を向け、
アンケート調査結果よりわかった主なポイント・協議会での委員の意見
持参薬変更時の注意点 平成23年4月 日本薬剤師会.
犯行予告の書き込みについて 実際の書き込みの例とその影響について 書き込みには必ず記録が残されている まとめ
物流への興味向上のためのVRを用いた近未来流通センターの構築
スライド資料 C4 ICT機器を活用した授業づくり ④特別支援学校における ICT活用 兵庫教育大学の小川です。一応作者です。
石川雅彦・斉藤奈緒美:リスクアセスメント力が身につく 実践的医療安全トレーニング Web付録 ©医学書院 2016
【「患者のための薬局ビジョン」における薬剤師・薬局の機能概要】
安全管理体制とリスクマネジメント.
女性活用の「組織」「自分」へのメリットを理解する
配合剤の調剤について 平成24年4月 日本薬剤師会.
4.「血液透析看護共通転院サマリーVer.2」
(C)2011女性にやさしい職場づくりナビ.
その他 手法の組合せ.
筑波メディカルセンター病院 緩和ケア病棟 佐々木智美
資料「裁判例に見る体罰」を引用した 体罰事故防止研修 埼玉県教育委員会
ケアマネジャーとしての基本的なケアプラン作成について復習します。
PTP包装シートの誤飲 平成23年4月 日本薬剤師会.
トピック6 臨床におけるリスクの理解と マネジメント 1 1.
食物アレルギー発作時 に使用する 自己注射について
HIV感染症患者のケアの中で 精神科疾患や薬物依存症以外の
1日目 10:05~10:25〔20分〕 【講義】研修の意図と期待すること
議論の前提 ある人獣共通感染症は、野生動物が感染源となって直接又は媒介動物を通じて人に感染を起こす。
インシデント検討会と インシデント再発防止のための取り組み
在宅 役割・準備・訪問   在宅における薬剤師の役割
未病はなぜよくならないのか? 医療者の問題 ① 未病をみることができない ② 健診に携わる医師や総合内科医の不足 ③ 患者さんとの意思疎通力の不足 患者さんの問題 ① 未病の概念をしらない ② 「薬」に対する絶大な信仰心.
私のカルテ 発熱性好中球減少に対する予防的G-CSF製剤使用のための地域連携パス(通称:G連携)
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利用規約 役に立つ薬の情報~専門薬学 : http://kusuri-jouhou.com/ 提供している資料は「同じ会社内、施設内での研修」や「高校生・大学生のプレゼンテーション参考資料」、「市民向けの教材をボランティアで作成するため」などを想定しています。つまり、当サイトの資料の利用は「教育に対して、無償で貢献するために使用すること」が大前提です。 そのため、社外や施設外の研修にこのサイトの資料を利用することは基本的にできません。例えば、製薬企業や医薬品卸が医療機関へ行う得意先研修としての利用は禁止します。 得意先から金銭を受け取っていなくても、間接的な営業支援となり、売上に貢献します。当サイト内の資料を使用することによる利益獲得は禁止です。営利目的で使用する場合、有償にて承っています。 なお、このサイトで提供するパワーポイントはノート部分に原稿を載せてあります。参考にして頂ければと思います。 利用規約 役に立つ薬の情報~専門薬学 : http://kusuri-jouhou.com/ 役に立つ薬の情報~専門薬学

ヒューマンエラー ヒューマンエラーに関する研修 役に立つ薬の情報~専門薬学

ヒューマンエラーとは ヒューマンエラーの定義 望まない結果を生じた、人間の行為 システムの許容範囲を超えた、人間の行為 望まない結果を生じる要因 人間による判断ミスや決定ミス システムの許容範囲を超えるとは 例) 自動車で信号を直進したい ヒューマンエラーの定義について紹介します。ヒューマンエラーとは、「望まない結果を生じた人間の行為」や「システムの許容範囲を超えた人間の行為」などを指します。 最初に挙げた「望まない結果を生じる要因」としては、人間による判断ミスや決定ミスがあります。「システムの許容範囲を超える」に関しては理解が難しいので、例を挙げたいと思います。 例えば、自動車で信号を直進する場面を想像して下さい。この時、赤信号を無視した場合であれば違反となります。それに対し、青信号を直進する場合であれば、違反ではありません。 このように、周りの環境によってエラーを犯しているかどうかが左右されます。これが、「システムの許容範囲を超える」ことによるエラーの一例です。 赤信号を無視すると、違反となる(エラーを犯している) 青信号では、違反でない(エラーを犯していない) 周りの環境によって左右される 役に立つ薬の情報~専門薬学

ヒューマンエラーと環境 人間は間違いを起こしやすい ヒューマンエラーの多くは人為的ミス ただし、エラーの要因を取り除くことはより重要 人を責めるのではなく、改善すべきはプロセスである ヒューマンエラーの発生は、 条件や環境に大きく依存 労働環境 : 夜勤など ヒューマンエラーと環境についてです。 ヒューマンエラーの多くは人為的ミスによるものです。ただし、これらエラーの要因を取り除くことはより重要となっています。 エラーを犯した人を責めるのではありません。改善すべきは、エラーを犯すまでのプロセスです。 ヒューマンエラーの発生は、条件や環境に大きく依存しています。例えば、「夜勤などの労働環境」や「技術・知識を必要とする高い専門性」などが関係しています。 これらを踏まえ、「人間は間違いを起こしやすい」という事を認識していただければと思います。 高い専門性 : 技術・知識 人間は間違いを起こしやすい 役に立つ薬の情報~専門薬学

医療現場とヒューマンエラー 医療現場はヒューマンエラーが起こりやすい 認知力の低下 個別対応 夜勤などの労働環境 患者さんごとの対応 慣れによる錯誤 常に変化する現場 計画 知覚・判断 実行 医療現場とヒューマンエラーについて、もう少し確認していこうと思います。 医療行為に限らず、一連の行動は「計画 → 知覚・判断 → 実行」というプロセスをたどります。 計画の段階では、多用な情報を処理しなければいけません。例えば、医療と一言で言っても、類似した薬や方法が多数存在します。これら多くの情報が混在するほど、情報の伝達不足へと繋がります。 また、物事を知覚するとき、認知力が低下している場合もあります。夜勤などの労働環境や慣れによる錯誤がこれに当たります。 判断する場面では、高い専門性が要求されます。医療器具は多岐にわたり、これらを使用する技術・知識の不足が懸念されます。 計画を実行に移す時、個別対応が基本となります。そのため、患者さんごとの対応を行う必要があります。それに加えて、現場は常に変化しているため、その時々によって対応も変化させなければいけません。 このように、医療現場はヒューマンエラーが起こりやすいです。 多用な情報 高い専門性 類似した薬・方法 技術・知識の不足 情報の伝達不足 種類の多い医療器具 役に立つ薬の情報~専門薬学

日本医療機能評価機構 「医療事故情報収集等事業」 経験年数別のヒヤリハット件数 2 4 8 6 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 (ヒヤリハット件数) (経験年数) 1 3 5 9 7 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 スライドには一年間での経験年数別のヒヤリハット件数を示しています。 ヒヤリハット件数に着目すると、経験年数ゼロで最もヒヤリハット件数が多く、経験年数が上がるにつれてヒヤリハット件数も少なくなっていることが分かります。 ベテランになるほどヒヤリハット件数が少なくなる傾向にありますが、ベテランであっても200~500 件程度のヒヤリハットが毎年発生していることに注意が必要です。 役に立つ薬の情報~専門薬学 日本医療機能評価機構 「医療事故情報収集等事業」

日本医療機能評価機構 「医療事故情報収集等事業」 エラーの発生要因 当事者の行動 ヒューマンファクター 確認を怠った 48.9 % 観察を怠った 17.6 % 報告の遅れ 2.0 % 連携不足 11.8 % 記録の不備 2.2 % 患者への説明不足 8.7 % 判断の誤り 知識不足 15.2 % 技術不足 10.9 % 勤務状況が繁忙 38.1 % いつもと異なる 心理条件下 (緊張、気を取られていたなど) 14.2 % いつもと異なる肉体的条件下 (過労、睡眠不足など) 2.5 % その他 19.2 % エラーの発生要因について紹介します。 当事者の行動として最も多いものに、「確認を怠った」があります。医療行為を行う前にしっかり確認することが必要となります。 また、二番目に多い要因としては「観察を怠った」があります。医療行為前の確認だけでなく、行為後の経過観察も重要であることが分かります。 三番目に連携不足があります。連携不足としては「医師と看護師」の連携も考えられますが、「看護師同士の連携不足」が最も多いと言われています。 また、これらエラーを起こすヒューマンファクターとしては、主に「知識・技術の不足」と「勤務状況・心理条件」の二つに分けられます。 特に、「勤務状況」や「緊張・気をとられていたなどの心理条件」を合わせると半数以上となります。そのため、エラーを減らすには心理的に余裕を持たせることが最も重要であることが分かります。 なお、 「知識・技術の不足」はヒューマンファクターの1/4 を占めます。経験年数が浅いほどヒヤリハット件数が多いことを示しましたが、知識・技術が不足している段階ではベテランによるフォローが必要です。 役に立つ薬の情報~専門薬学 日本医療機能評価機構 「医療事故情報収集等事業」

日本医療機能評価機構 「医療事故情報収集等事業」 エラーの概要 エラーの内訳 影響度 軽微な治療 または処置不要 93.2 % 濃厚な治療 4.0 % 死亡・重篤な状況 2.8 % 薬剤 44.0 % ドレーン チューブ 13.8 % 治療・処置 4.3 % 検査 7.5 % 医療機器等 3.2 % 療養上の世話 18.9 % その他 8.3 % エラーの内訳を確認しますと、その多くが薬剤によるものであることが分かります。そのため、気をつけるべき点として、「誤薬」が挙げられます。 また、「療養上の世話」や「ドレーンチューブ」など、実際に患者さんと接する場面でエラーが起こりやすいことも分かります。 これらエラーの影響度を見てみますと、ほとんどが「軽微な治療、または処置不要」であることが分かります。 しかしながら、「濃厚な治療」や「死亡・重篤な状況」に陥る可能性があることも忘れてはいけません。 役に立つ薬の情報~専門薬学 日本医療機能評価機構 「医療事故情報収集等事業」

1 29 300 ハインリッヒの法則 重大な事故が起こるまでの構図 重大な事故 (死亡事故など) 軽微・中等度の事故 ヒヤリハット 重大な事故が起こるまでの構図として有名なものに「ハインリッヒの法則」があります。 これは、死亡事故などの重大な事故が1 回起こったとき、それまでに軽微・中等度の事故が29 件、ヒヤリハットが300 件起こっているという法則です。 ヒヤリハット自体は大きな事故に繋がらなかったエラーです。しかし、このヒヤリハットが積み重なっていくと三角形の頂点、つまり重大な事故へと繋がります。 ヒヤリハットなどのエラーを含め、ヒューマンエラー自体を減らすことが死亡事故など、重大な事故の防止となります。 ヒヤリハット 300 役に立つ薬の情報~専門薬学

人間の特性が悪い方面で表れないシステムが重要 ヒヤリハットを減らすために 人間はミスを犯す特性がある これらの特性を変えることは困難 ミスをしない人間はいない 人間の特性 不注意(うっかり・ぼんやり) 錯誤 (思い込み) ヒヤリハットを減らすために、人間の特性について考えていこうと思います。 そもそも、人間はミスを犯す特性があります。これらの特性を変えることは困難であり、ミスをしない人間はいません。 人間の特性としては、うっかり・ぼんやりなどの不注意、思い込みとしての錯誤、慣れや横着による省略行為、先を急ぐ・パニックでの焦りなどがあります。 これら、人間の特性が悪い方面で表れないシステムが重要となります。 省略行為(慣れ、横着 ) 焦り(先を急ぐ、パニック) 人間の特性が悪い方面で表れないシステムが重要 役に立つ薬の情報~専門薬学

「作業数」と「エラーする確率」が減れば、エラー数が減少 エラーの背景 初心者のエラー 初心者はベテランよりもストレスの影響が大きい ストレスの大きい場面では、上司のもとで作業を行う ベテランのエラー 慣れが生じさせる不注意 無意識のうちにエラーを犯す エラーの背景について紹介します。 初心者のエラーについてですが、初心者はベテランよりもストレスの影響が大きいと言われています。そのため、ストレスの大きい場面では、上司のもとで作業を行う必要があります。 それに対し、ベテランのエラーの多くは慣れが生じさせる不注意によるものです。無意識のうちにエラーを犯すので、どの時点でミスをしたか分かりにくいのが特徴です。 これらエラーの発生件数は「作業数」と「エラーする確率」が大きく関係しています。つまり、「作業数」か「エラーする確率」を減らすことができれば、エラー数を減少させることができます。 次のスライドから、具体的な対策についていくつか例を挙げていきます。 エラー発生件数  = 作業数 × エラーする確率 「作業数」と「エラーする確率」が減れば、エラー数が減少 役に立つ薬の情報~専門薬学

① 作業数を減らす・なくす 例) 溶解液が付いてある医薬品 薬剤の溶解作業が増える 溶解したか分からなくなる (溶解液だけを投与の恐れ) 溶解作業がなくなる 先ほど紹介しました通り、エラーを少なくさせるためには作業数を減らすことが大切になります。 医療を行う上で薬は必要不可欠ですが、作業を減らすことができる薬の例として、溶解液が付いてある医薬品があります。 医薬品に溶解液が付いてある例としては注射薬や点眼薬があります。最初から薬剤が溶けていれば良いのですが、溶解液が付いてある医薬品では薬の溶解作業が増えてしまいます。さらに、溶解液に薬剤をきちんと溶かしたかどうかが分からなくなる事があります。つまり、溶解液だけを投与する恐れが出てきます。 そこで、初めから薬剤が溶けて水溶液となっている薬を使用するようにします。これによって溶解作業がなくなり、その分だけ時間を有効活用できるようになります。また、溶解液のみの投与を回避できるため、誤投与の減少にも繋がります。 時間の有効活用 溶解液のみの投与を回避 誤投与の減少

② 認知能の向上 名称・外観が似ている医薬品を排除 ノルバスク ノルバデックス ラシックス アダラート 薬品棚の配置工夫 規格の違う医薬品 次に認知能の向上について紹介します。認知能を向上させることで、エラーする確率を減らすことができます。 一つ目に、名称・外観が似ている医薬品を排除することがあります。スライドにあります「ノルバスク」と「ノルバデックス」は名前が似ています。「ラシックス」と「アダーラト」であれば、見た目が似ています。 これら似ている医薬品を排除し、どちらか一方だけにすればエラーする確率を減らすことができます。 二つ目に、薬品棚の配置工夫があります。スライドの写真には例としてガスター錠の10 mg と20 mg を載せていますが、この配置を工夫します。 具体的には、これら規格の違う医薬品は隣に配置しないが、同じ列に配置することがあります。そして、「規格違いあり」など、棚にラベルを付けて注意喚起することも重要です。 隣に配置しない 同じ列に配置 棚にラベルを付ける 役に立つ薬の情報~専門薬学

③ 危険の予知・認知をさせる イラスト中に含まれる危険を予知する KYT(危険予知トレーニング) ・ イラストKYT 危険の予知・認知をさせることも大切です。 危険予知トレーニングの有名なものとして、危険(Kiken)、予知(Yochi)、トレーニング(Training)の頭文字を取ってKYT と呼ぶものがあります。 このKYT の中で、スライドにはイラストKYT を載せています。 イラストKYT では、イラストの中に含まれる危険因子について、あらかじめ予知・認知させるトレーニングです。 このイラストであれば、「点滴の台を安定させないと、倒れてしまう恐れがある」、「ベッドの柵が短く、子どもが床へ転倒するかもしれない」、「看護師の持っているお茶が多く、こぼしてしまう危険が高い」などがあります。 このように、イラスト中に含まれる危険を予知することで、危険予知のトレーニングを行うことができます。 イラスト中に含まれる危険を予知する 役に立つ薬の情報~専門薬学

④ 状況確認 指を差して呼称する 指差呼称 よし! よし! 役に立つ薬の情報~専門薬学 エラーを減らすために、状況確認を行うことも重要です。状況確認として有用なものに、指差呼称があります。 スライドには二人の看護師を載せていますが、それぞれ指を刺しながら声を出して確認しているのが分かります。 このように、「声を出す」、「指を刺す」を同時に行って確認することで、エラー数を大幅に減らすことができます。 指を差して呼称する 役に立つ薬の情報~専門薬学

⑤ エラーの検出 ダブルチェック 二人以上の人間によるチェック ドリル式 : 二人同時にチェック リチェック式 : チェック後、時間を置いて再度チェック 権力勾配など、互いに独立している事が望ましい チェックリスト チェックリストを使用することで、 エラーのために対策を行ったとしても、ゼロにすることはできません。そのため、エラーを検出する必要があります。 方法を二つ紹介しますが、一つ目に二人以上の人間によるチェックとして「ダブルチェック」があります。 ダブルチェックには二人同時にチェックする「ドリル式」とチェックした後に時間を置いて再度チェックする「リチェック式」があります。 ダブルチェックでは、「あの先輩がチェックしているから大丈夫」などの思い込みや「間違っているのでは?」と先輩に声をかけづらい状況を作らないことが重要です。 新人とベテランの間で権力勾配が強いと、ダブルチェックの機能が弱くなってしまいます。そのため、権力勾配などを含めて、互いに独立していることが望ましいです。 また、エラー検出の二つ目としてチェックリストがあります。 チェックリストを使用することで、「チェック項目の見過ごしを防ぐことができる」、「認知負担を軽減できる」などの利点があります。 チェック項目の見過ごしを防げる 認知負担を軽減できる 役に立つ薬の情報~専門薬学

⑥ エラー発生へ備える 緊急体制を整える アレルギーの既往歴を見逃した アナフィラキシーショック 用意しておくべき医薬品 アドレナリン注射 ステロイド薬注射 気管支拡張薬 抗ヒスタミン薬 など 組織での対応 実際にエラーが発生した場合に対して、備える必要があります。その一つに緊急体制を整えることがあります。 例えば、アレルギーの既往歴を見逃したことによってアナフィラキシーショックが起こったとします。このとき、用意しておくべき医薬品としては「アドレナリン注射」、「ステロイド薬注射」、「気管支拡張薬」、「抗ヒスタミン薬」などがあります。 これらを予め用意しておくことで、不測の事態が起こったときに迅速な対応を行うことができます。 また、組織での対応も重要です。訴訟・損害賠償への備えとしては、賠償責任保険などがあります。事故発生時の対応を決めておくことも必要となります。 訴訟・賠償への備え 賠償責任保険 など 事故発生時の対応を決めておく 役に立つ薬の情報~専門薬学

まとめ ミスを減らすための 環境・システムが重要 人間の特性 人間はもともとミスを起こしやすい ヒューマンエラーを少なくするために これまでの内容をまとめます。 人間の特性として、「人間はもともとミスを起こしやすい」という事を認識することが必要です。 これらの特性を踏まえた上で、ヒューマンエラーを少なくするために「ミスを減らすための環境・システム」が重要となります。 ミスをした人を責めるのではなく、日々の改善が大切となります。 ミスをした人を責めるのではない 日々の改善が大切となる 役に立つ薬の情報~専門薬学