アジア恊働大学院(AUI)構想 AUI推進機構/設立趣意書

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アジア恊働大学院(AUI)構想 AUI推進機構/設立趣意書 松岡 俊二 早稲田大学 2013年6月7日

アジア恊働大学院(AUI)のヴィジョン Diversity Sustainability Resilience Innovation 多様な民族、文化を許容し、認め、尊重する 学術研究や科学技術の成果を活用する 地域・国を超えた地球と人間社会の持続可能性を考える 自然災害や気候変動への抵抗力を強化する 文理社会恊働による 「総合知の共創」 アジアの持続可能な発展を目指した 「未来の社会モデル」の研究開発 研究・教育 社会貢献

AUI構想の5つのポイント 1.地域大学院大学の設立 アジア地域の持続可能な発展を担う地域協力制度の構築・運営に必要な専門的人材を育成するため、国際条約ベースの地域大学院大学が重要。    (Regional University) 国民国家の枠組みを超えた知的プラットフォームとしての地域大学院大学の設立。 (Regional Think Tank)

2. 「総合知の共創」という新たな学問の創成 「文理社会恊働」(文理の専門家と市民の恊働、トランスディシプリン)による「総合知の共創」という新たな学問領域を創成する。 それを学生に教授することで専門的地域協力人材(Professional Regional Designer)の育成を行う。 3. 「未来の社会モデル」を研究開発 アジアの多様性をふまえたイノベーションを創発し、21世紀の「未来の社会モデル」を研究開発し、アジアおよび国際社会へ提示する。

4.AUI設立の意義 日本がアジア諸国と協力してAUIを設立することは、アジア諸国への知的協力のみならず、震災復興政策(特に福島復興)としても、日本の持続可能な発展政策としても大きな意義がある。 5.近隣国との関係強化 2015年ASEAN共同体形成や日本と近隣国との関係を勘案する今こそAUI設立へ踏み出す時である。

AUIの背景と必要性 アジア諸国の急速な経済成長は、同時に多くの環境破壊や社会問題も引き起こした。 アジアの「地域益」、さらには持続可能な社会の形成という「地球益」実現のための地域協力制度が必要である。 国民国家ベースの大学の枠組みを超えた地域大学院大学(AUI)の創設が知的プラットフォームの場として不可欠である。

AUIとは何か アジア地域協力の制度化を進めるためには、その担い手となる専門的人材の育成が不可欠。 地域協力人材にはアジアの多様性への敏感な感性とトランスディシプリンによる「総合知」の修得が求められる。 AUIは地域協力人材の育成だけでなく、地域シンクタンクとして公平で活力ある持続可能な雇用・産業・組織の「未来の社会モデル」を研究開発し、情報発信と政策提言を行う。

AUIの教育研究政策 AUIは「開かれた地域主義」に立脚し、持続可能な地域協力制度を創造するため、文理社会恊働アプローチによる「総合知」を学生に教授する。 「総合知」とは、文理融合のみならず、専門家と市民社会の恊働という新しいアプローチによる、Diversity, Sustainability, Resilience, Innovationを具体化する実践的知識である。

震災復興と成長戦略 としてのAUI:地域シンクタンク 福島原発事故は、大学・学問・科学技術のあり方について根源的な反省を迫ると同時に、科学技術が解決すると思われていた災害対策におけるコミュニティや社会文化の重要性を示した。 AUI設立は、震災支援をしてくれたアジアへの恩返しでもあり、「総合知」を用いて「未来の社会モデル」を創出することで、アジアと手を携えた日本社会の再生を遂げるという意義がある。

AUI設立時期と日本の役割 ASEAN共同体の形成目標年である2015年が画期。

AUI推進機構のプリンシプル 有志連合という「文理社会恊働」による「総合知の共創」という社会実験として取り組む。 「Out of the Box」の発想。 アジアと手を携えた震災復興(特に福島復興策)として位置づける。 AUI推進機構のタイムラインは2期(4年)。