線形代数学 4.行列式 吉村 裕一.

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1 線形代数学. 2 履修にあたって 電子情報システム学科 必修 2005 年度1セメスタ開講 担当 草苅良至 (電子情報システム学科) 教官室: G I 511 内線: 2095 質問等は上記のいずれかに行なうこと。 注意計算用のノートを準備すること。
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線形代数学 4.行列式 吉村 裕一

4.1 面積、体積(1) 平面 上の二点A,Bをとるとき、座標原点Oと結ぶ線分OA、OBの位置ベクトルを以下のように表す。 4.1 面積、体積(1)   平面  上の二点A,Bをとるとき、座標原点Oと結ぶ線分OA、OBの位置ベクトルを以下のように表す。 今Sの面積を   の関数と考え、 と表し、以下のような性質を持つ (ⅰ)                   (ⅱ)任意のλに対して (ⅲ)                   (ⅳ)

4.1 面積、体積(2) 行列式の表し方 任意の に対し であるので よって と求まる。3次の行列式についても同様にして求めることができる。

4.2 行列式(1) ・行列式の定義 n次正方行列Aに対する行列式を次のように定義する この行列式は次の性質をみたす関数として定義する 4.2 行列式(1) ・行列式の定義 n次正方行列Aに対する行列式を次のように定義する この行列式は次の性質をみたす関数として定義する 1 (交代性)任意のi≠jに対し 2 (多重線形性)任意のiに対し 3 (単位の定義)単位行列Iに対し

4.2 行列式(2) 主な定理 (ⅰ) n個の列ベクトルのどれか2つが等しければ、行列式は0である。 (ⅱ) λをスカラーとするとき 4.2 行列式(2) 主な定理 (ⅰ) n個の列ベクトルのどれか2つが等しければ、行列式は0である。 (ⅱ) λをスカラーとするとき (ⅲ) 任意のスカラーλと任意のi≠jに対し  を      でおきかえても行列式の値は変わらない。 (ⅳ)n次行列式はAの関数として唯1つ存在しその形は (ⅴ)

備考 は(1 2 ・・・ n)を       に並べ替える のに必要なだけ(-1)のべきを作ったもの 例:

4.2 行列式(3) (ⅵ) n個のn次元ベクトル の関数 が行列式の定義の条件のうち が成立する。 1 (交代性)任意のI≠jに対し 4.2 行列式(3) (ⅵ) n個のn次元ベクトル      の関数        が行列式の定義の条件のうち  1 (交代性)任意のI≠jに対し 2 (多重線形性)任意のIに対し をみたしているとき、 が成立する。

4.2 行列式(3) サラスの方法

4.3 行列式とその性質(1) 余因子 定義:行列式detAにおいて を交差点とする行ベクトルと列ベクトルを除いて 作る小行列を 4.3 行列式とその性質(1) 余因子 定義:行列式detAにおいて  を交差点とする行ベクトルと列ベクトルを除いて        作る小行列を 赤枠部分を除いて作った行列 とし、それに(i,j)に対応する符号      をかけたものを とおき、detAの(i,j)-余因子(または余因数)といいこれを用いてdetAを以下のように表せる。

4.3 行列式とその性質(2) 余因子を並べて作った行列を とおき、Aの余因子行列という。また、detA≠0ならAは正則であり、 4.3 行列式とその性質(2) 余因子を並べて作った行列を とおき、Aの余因子行列という。また、detA≠0ならAは正則であり、 逆行列  を次のように表すことができる。 また、連立一次方程式 において、係数行列Aの行列式が0でないならば解xは以下の式より求まる。 :Aの列ベクトル

4.4 行列の積と行列式(1) (1) 2つのn次正方行列A、Bに対し (2) Aが正則ならdetA≠0 4.4 行列の積と行列式(1) 定理 (1)  2つのn次正方行列A、Bに対し (2)  Aが正則ならdetA≠0   (3)  Aを(m,n)-行列、Bを(n,m)-行列としたとき(m,m)-行列AB    の行列式は (i) m>nならば det(AB)=0 (ii) m<nならば det(AB)=

4.4 行列の積と行列式(2) が一次独立であるためにはグラム行列式が0でなければいけない。 グラムの行列式 4.4 行列の積と行列式(2) グラムの行列式 m個のn次元ベクトル       にたいして次の行列式をグラムの行列式という。       が一次独立であるためにはグラム行列式が0でなければいけない。

宿題 1.次の行列式を計算せよ。 2.次の行列は正則かどうか調べ正則であるならば逆行列を調べよ。 3.行列式を用いて次の方程式を解け