馬ウイルス性動脈炎 (Equine viral arteritis) 届出伝染病: 馬。 動物衛生研究所 「家畜の監視伝染病」 病原体: アルテリウイルス科アルテリウイルスに属する馬動脈炎ウイルス。 感染様式: 主に種雄馬の精液中のEAVが交配あるいは人工授精で繁殖雌馬に感染し、発症した雌馬の鼻汁に排出されるウイルスの飛沫によって伝播する。 疫学: 1953年オハイオ州の生産牧場で流行性感冒様の病気が流行し、同時に妊娠馬の流産が多発した。この時の流産胎仔からウイルスが分離された。世界各地に分布しているが、日本は清浄国。 臨床症状: 潜伏期は、呼吸器感染の場合 1-6日、生殖器感染の場合 6-8日。発熱、元気消失、食欲不振、鼻汁漏出、結膜炎、眼瞼浮腫、下顎リンパ節腫大、後肢下脚部浮腫、頚部から肩部への発疹、下痢、そして種牡馬では陰嚢および包皮の浮腫、妊娠馬の流産など。不顕性感染も多い。 JRA 小動脈中膜の壊死像
眼結膜の充血 表皮の発疹 陰嚢の腫大
2007 7-12 2008 1-6 2008 7-12 2005 1-6 2007 1-6 2006 7-12 2005 7-12 2006 1-6 日本は清浄国 1984年、ケンタッキー州の流行調査で、キャリアーとなった種牡馬の精液に排出されたウイルスが、種付けによって繁殖牝馬に感染することが判った。外見的には健康で種付けに全く支障がないため、健康な種牡馬と同じように種付けに使われた。種付けを終えた繁殖牝馬が自分の牧場に帰ってから次々に発病したことで異変にやっと気が付いた。発病した牝馬は鼻汁中に多量のウイルスを排出するので、仔馬をはじめ周囲の馬が呼吸器感染によって感染し流行が拡大した。