自転車の最期について 本気出して考えてみた 都市計画実習 スマートキャンパス班 2014年最終発表 自転車の最期について 本気出して考えてみた 指導教員 鈴木勉 TA 西沢昴 越川知紘 香月秀仁 菊地康佑 桑原由貴 鈴木万裕 高野佳佑 野口宇宙 平井元貴 増田裕太郎
南北に5kmもある広大なキャンパス およそ10,000台越える自転車利用 筑波大学は自転車大国
他大学と比較した筑波大学の自転車利用率 筑波大学において自転車は 移動に欠かせないツールに! H24 各大学の学生生活実態調査よりデータ引用
それにともなって 自転車問題も発生 けれどそれで黙ってる大学じゃない!
3学周辺の駐輪問題の主な要因? ➀ ② ③ ICタグが貼付されていない自転車 建物の出入口前、または点字ブロック上の駐輪 駐輪スペース外での駐輪
駐輪問題を解消 快適な自転車利用環境 いいキャンパスライフ オランダ フローニンゲンの街並み オランダ フローニンゲンの街並み (http://www.slowmobility.net/columns/world/2013-07-14_13-55/)
■3学駐輪場全数調査 ■放置自転車数調査 ■アンケート調査 ■ICタグなし自転車移動作業
■3学駐輪場全数調査 ■放置自転車数調査 ■アンケート調査 ■ICタグなし自転車移動作業
<調査方法> ⇒駐輪されている自転車の所有情報の調査 実施日時 2014年5月26日、27日、28日の3限 対象場所 3学駐輪場 調査項目 ■自転車の種類 ■ICタグの有無 ■所属 ■タグの発行年度 ■不適切駐輪の有無 ⇒駐輪されている自転車の所有情報の調査
実は駐輪場は足りている!? 調査対象範囲内における 駐輪可能容量は1665台… 日付 台数 5月26日(月) 1406台 5月27日(火) 1538台 5月28日(水) 1519台 調査対象範囲内における 駐輪可能容量は1665台… 実は駐輪場は足りている!?
所属別駐輪台数(3日間平均) 約36%も貼っていない! 所属別の駐輪台数が分かると言い難い…
3学エリアの駐輪場を 16のエリアに分けた。
3A棟、および天の川周辺における駐輪率は比較的高い 駐輪場利用率 3学エリアの北に位置する場所では 駐輪率は比較的低い。 3A棟、および天の川周辺における駐輪率は比較的高い ループ道路の近く・第3エリア北側等、 利用者の目線では見えづらい駐輪場の利用率は低い
駐輪率が低い場所であればあるほど ICタグ無しの自転車が多い傾向 ・・・からではないか? ICタグなし自転車率 ■ペデ上の駐輪場は摘発の目が行きやすい ■放置されている自転車がペデ外に多い 補足:ICタグなしは全体の36% ・・・からではないか?
■3学駐輪場全数調査 ■放置自転車数調査 ■アンケート調査 ■ICタグなし自転車移動作業
<調査方法> 実施日時 2014年5月30日(貼付)、6月6日(集計) 対象場所 3学駐輪場 調査方法 全ての自転車に目印となる紙の札を貼る ↓1週間後 札が剥がされていない放置自転車を集計 貼る!
放置自転車数は… 221台!! 実は駐輪場に止まってる自転車のうち15%も 放置自転車だったんです…。
あまり駐輪したくない場所 明らかにC・D棟間の軒下駐輪場の 放置自転車割合が高い ■駐輪場容量が少ない ■ペデから遠い ■自転車を出し入れしにくい ■目立たない軒下にある ■暗い つまり あまり駐輪したくない場所
撤去するまでに時間・手間がかかる… 放置自転車にラベルを貼る 各エリアごとに集積 処分 2013年の 撤去台は 1400台 総務課ヒアリングより <放置自転車撤去について> 放置自転車にラベルを貼る 各エリアごとに集積 処分 2ヶ月後 2週間後 撤去するまでに時間・手間がかかる…
使わなくなった自転車を放置させないためには… 利用者が放置しないメリットが必要… それは… デポジット制度
■3学駐輪場全数調査 ■放置自転車数調査 ■アンケート調査 ■ICタグなし自転車移動作業
<調査方法> 実施日時 調査項目 190のサンプルを得た ※デポジット制度の支払い意思額は97のサンプル 2014年6月2日 住まいと住居環境の計画(月5・6) システム工学(月5) 2014年6月5日 社会工学フレッシュマンセミナー(木3) 都市計画原論(木5・6) 調査項目 ■利用している自転車の種類 ■故障や卒業・紛失した等の状況下でどのような行動を取るか ■ICタグの所有の有無 ■ICタグによる取り締まり対象・措置の周知具合 ■デポジット制度の支払い意思額 190のサンプルを得た ※デポジット制度の支払い意思額は97のサンプル
学類別集計数 社工 111 工シス 47 国際 23 比文 3 社学 2 資源 1 知識 芸専
ICycle制度の周知が 十分ではない! 警告メールが3回発信された者は別途呼び出し注意 改善されない者は登録抹消、自転車・バイクの 改善されない者は登録抹消、自転車・バイクの 学内使用が不可能に! ICycle制度の周知が 十分ではない!
ICタグの有無とIcycle制度の認知に特別な差がない
自転車が無くなって最初にすること 自転車を購入するということは・・・ 今までの自転車を放置するということ
→価値が高いもの程大切に使用とする意識が高いと 言えるのではないか。 所有自転車種類での自転車紛失時の対応の比較 スポーツバイクは、 ■無くなっても新しいものを買おうとしない ■ママチャリに比べて警察へ届け出る割合が高い →価値が高いもの程大切に使用とする意識が高いと 言えるのではないか。
デポジット制度 みんなが払ってくれる高すぎない金額 みんなが自転車を渡しに来たくなるような金額 使わなくなった自転車を放置させないためには… 適切な金額設定が必要! みんなが払ってくれる高すぎない金額 みんなが自転車を渡しに来たくなるような金額
ICタグ登録料が1,000円、自転車登録料がx円かかるとする。 ※ICタグの貼られていない自転車を提供した場合or自転車を提供しない場合→返金は行われない。 返金されなかった分については、今後の駐輪場新設や学内の道路整備等の費用に充てる Q6.このとき、xがいくら以上なら上記の手続きを踏んで自転車を大学に提供しようと考えますか。 以下の金額のうち最もあてはまるものを○で囲んでください。 1.0円 2.1000円 3.2000円 4.3000円 5.4000円 6.5000円 7.6000円 8.7000円 9.8000円 10.9000円 11.10000円 12.その他:( )円 13.いくらであっても自転車を提供しない
いくらなら渡しに来るか… ICタグ登録料が1,000円、自転車登録料がx円かかるとする。 自転車登録料x円は、大学が一時的に保管する。 ※ICタグの貼られていない自転車を提供した場合or自転車を提供しない場合 →返金は行われない。 返金されなかった分については、今後の駐輪場新設や学内の道路整備等の費用に充てる。 いくらなら渡しに来るか…
ICタグ登録料が1,000円、自転車登録料がx円かかるとする。 ※ICタグの貼られていない自転車を提供した場合or自転車を提供しない場合→返金は行われない。 返金されなかった分については、今後の駐輪場新設や学内の道路整備等の費用に充てる Q6.このとき、xがいくら以上なら上記の手続きを踏んで自転車を大学に提供しようと考えますか。 以下の金額のうち最もあてはまるものを○で囲んでください。 1.0円 2.1000円 3.2000円 4.3000円 5.4000円 6.5000円 7.6000円 8.7000円 9.8000円 10.9000円 11.10000円 12.その他:( )円 13.いくらであっても自転車を提供しない
※0円はデポジットとして不成立となるので 平均値、及び中央値の計算には除く ※30000円、40000円の回答は外れ値として考える 平均値、及び中央値の計算には除く ※30000円、40000円の回答は外れ値として考える ※標本数97 (うち「絶対に返還しない」を選択した7を除く。
<計算結果> 3学の放置自転車数 180台 平均値 2895.5円 中央値 2000円 回収率 51.7% 約90台減る!
使わない自転車を引き取ってくれると考えた結果 どうしてその金額にしたのか? 使わない自転車を引き取ってくれると考えた結果 高すぎず安すぎない値段を払いたいから ある程度のお金なら取り戻したいと思う 捨てるよりも利益になるし卒業後も使うのは輸送が面倒だから
手続きがめんどうそうだから 損得がないため お金を払う意味がないから 手続きがめんどうそうだから 自転車は卒業後も使うから 0円、いくらでも提供しないと回答した人の理由 手続きがめんどうそうだから 損得がないため お金を払う意味がないから 手続きがめんどうそうだから 自転車は卒業後も使うから
■3学駐輪場全数調査 ■放置自転車数調査 ■アンケート調査 ■ICタグなし自転車移動作業
<調査方法> 実施日時 2014年6月10日15:15~19:00 対象場所 3学駐輪場 粉とクリーム前 調査詳細 3学駐輪場 粉とクリーム前 調査詳細 ICタグがない、または放置自転車を階段下に移動 ↓ 現れた持ち主にICタグを貼らない理由、移動されたことに対して感じたことをインタビューする
周知不足 規制の甘さ 問題意識の低さ ICタグ発行の手続きがわからない 貼る必要性がないから 貼ってなくても何もされないから 移動されても何も思わないから みんな貼ってないから 問題意識の低さ
問題点整理
→対策を考える ■学生の不適切駐輪に対する問題意識の低さ ■大学の共有不足・学生の情報不足 ■大学側の規制の甘さ ■駐輪場利用率の飽和 ■大学側の規制の甘さ ■駐輪場利用率の飽和 ■放置自転車の多さ →対策を考える
①SNSを用いた大学公認の目安箱 ■学生の不適切駐輪に対する問題意識の低さ ■大学・学生間の情報共有の不足 ■大学側の規制の甘さ ■大学側の規制の甘さ ■駐輪場利用率の飽和 ■放置自転車の多さ
大学と 学生の壁! 大学 学生 ペラペラ ザワザワ ガヤガヤ 駐輪場作ってほしいよね~~~ 駐輪問題が大変だ・・・ けど駐輪場を作っても 筑波大生には利用者が多くなじみのあるツールといえるでしょう。 大学側にとっては広報の方法として効果的な媒体と言えるでしょう。 どの問題が解決されるかを書く(それぞれ) 他大の導入例 駐輪問題が大変だ・・・ けど駐輪場を作っても また問題が大きくなる・・・ 大学の人が 作ってくれるでしょ ガヤガヤ
①SNSを用いた大学公認の目安箱 学生が感じている学内の問題について、 学生から大学に直接伝わる仕組み作り ex.)Twitterの利用 <具体例> 学生が感じている学内の問題について、 学生から大学に直接伝わる仕組み作り ex.)Twitterの利用
②フレッシュマンセミナーで「学内問題発見」 ■学生の不適切駐輪に対する問題意識の低さ ■大学・学生間の情報共有の不足 ■大学側の規制の甘さ ■駐輪場利用率の飽和 ■放置自転車の多さ
②フレッシュマンセミナーで「学内問題発見」 「学内問題の発見」を行う機会 宿舎祭が終わった5月下旬/6月上旬頃のフレセミに実施 問題の意識・当事者意識
③不適切駐輪に対する規制の強化 ■学生の不適切駐輪に対する問題意識の低さ ■大学・学生間の情報共有の不足 ■大学側の規制の甘さ ■大学側の規制の甘さ ■駐輪場利用率の飽和 ■放置自転車の多さ
これに加えて… ③不適切駐輪に対する規制の強化 違反駐輪の摘発の頻度を増加させる ICタグの貼られていない自転車を即時撤去 結束バンドでタイヤと泥除けを縛る 提案では無く現状として掲載 これに加えて…
③不適切駐輪に対する規制の強化 駐輪場整理作業 違反駐輪を繰り返す者を人員として活用! 副次的効果として 違反駐輪に対する問題意識を 次からは気をつけよう… 人員確保のために、違反を繰り返す者に作業を行わせる制度を提案します。 自動車では、交通違反者を繰り返す者に対して違反者講習会を行うことで免許停止期間が短縮されるという制度がありますが それに近いものと想像してください。 自分達が実際に整理作業を行うことで、その後は違反駐輪を行わないようにしようという内面的な変化があったことにも起因します。 副次的効果として 違反駐輪に対する問題意識を 喚起させられる!
④自転車登録料デポジット制度 ■学生の不適切駐輪に対する問題意識の低さ ■大学・学生間の情報共有の不足 ■大学側の規制の甘さ ■大学側の規制の甘さ ■駐輪場利用率の飽和 ■放置自転車の多さ
④自転車登録料デポジット制度 放置自転車の原因 故障してそのまま放置 卒業時に放置 買い替えで放置 ここに注目 ここに注目!
④自転車登録料デポジット制度 入学時→登録時? 卒業時→登録解除時?
④自転車登録料デポジット制度 自転車の最期 大学内の所定の場所で回収(無料) 卒業時 自転車 ICタグ 自分で使い続ける + 知人にゆずる 学生 大学 捨てる デポジットの返金を受けたあとの自転車についてですが、筑波大学を離れる場合、自分で使い続ける・知人にゆずる等の継続利用と、捨てる・処分するという選択肢の2つが考えられます。捨てる場合、大学側は無料で回収を行っているためそこで処分することが可能です。 学内に放置自転車が分散することを防ぐための提案でもあります。 大学内の所定の場所で回収(無料) 3000円
④自転車登録料デポジット制度 キャッシュバック制度を設けることにより 不使用自転車の回収率が上がる 返金されなかった金額は… などへ利用… 50%の学生が自転車を持ってくると回答 全学で700台の放置自転車削減 返金されなかった金額は… ペデストリアン補修 ループ拡張 自転車駐輪場の新設等の整備費用 自転車整理・撤去作業の人件費 などへ利用… アンケート結果より 3000円のデポジットであれば50%の学生が返却しに来ると回答。
自転車リサイクル:大学が回収!! ~放置せず後輩へ【愛Cycle】~ 自転車処分に困っているなら後輩のために提供しませんか? 日程 ①平成26年2月17日(月)~2月21日(金) ②平成26年3月10日(月)~3月26日(水) ※ 月~金 10:00~16:00 場所 大学会館駐車場内 協力 つくば市シルバー人材センター 回収した後の利用 全て新品のタイヤに交換(パンク激減チューブ利用)し、整備・点検した後、安価で販売
④自転車登録料デポジット制度 導入にあたっての課題・懸念 手続きの人員の確保 預かり金を管理することの手間 制度の説明・回収時期の周知の徹底 実際にどのくらいの人が返金請求してくるのか デポジット制度導入にあたっての課題はこのような感じです。 大学の複数個所で回収を行う場合にはその分の人員が必要となります。 また大学側としては金銭管理の手間と責任が伴います。 回収率を上げるための制度の周知も欠かせないでしょう。 また、アンケートでは30%の学生が返金のために学校に自転車を持って行くと回答したものの 実際にどの程度持ってくるかについては検討する必要があります。
~もしも自転車のGPS管理が出来たら~ ⇒1人ずつに駐輪場を割当が出来るのでは・・・? TWINSの講義登録情報 最適な場所への駐輪場分配 指定外の場所へ駐輪している場合は指導 TWINSの講義登録情報
今後の課題
■他エリア・全学エリアの傾向の調査はできなかった ■放置自転車の発生原因が故障した自転車を放置している可能性を 調査出来なかった ■ICタグの貼られていないが多く、所属エリアによる利用駐輪場の 違いが精密には分析できなかった ■ICタグによる規制が本格化されていない段階であったので、 警告による駐輪行動の変化を十分に調査出来なかった
参考文献 筑波大学(2012)『平成24年度学生生活実態調査(学群)報告書』 筑波大学施設・土地委員会(2011)『キャンパスマスタープラン2011』 全学学類・専門学群代表者会議(2011)『駐輪場マップ』 都市計画実習社会的ジレンマ班(2006)『~迷惑駐輪を心理的方略で解決しよう~』 都市計画実習交通班(2007)『迷惑駐輪による混雑への影響の評価とその対策』 都市計画実習スマートキャンパス班(2011)『イラッとしない交通講座~たてる そめる はる~』 都市計画実習生活安全環境班(2012)『そうだ、キックボードで行こう』 リスク工学グループ演習(2013)『筑波大学第3エリアにおける駐輪の実態と避難への影響 ―学生の意識調査と避難行動のシミュレーションによる検討―』
謝辞 菊地 文武 様 (筑波大学学生生活課) 黒岩 直行 様 (筑波大学総務部総務課) 青島 俊行 様 (筑波大学システム情報工学支援室)
Thank you for your attention!