Cluster B Cluster A Cluster C

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Cluster B Cluster A Cluster C 図2.2.2-1  地域Aで発生した群発地震活動。顕著な3つのクラスター(集中的活動)が認められる。クラスターAが最も活発な活動で、平均深度15kmで、水平方向に1km、深さ方向に1.5kmの狭い領域で発生していた。本調査観測期間の内、2003年9月30日から10月1日の2日間に、 –1.0  Mj  2.7 の微小地震が109個震源決定された。同期間中の気象庁一元化震源は、24個であった。

(a) (b) After Takeda et al. 2004 図2.2.2-2 糸魚川-静岡構造線(北部)の地震波速度構造。(a)屈折法に基づく速度構造(Takeda et al., 2004) の東西断面 (b) Area Aで震源決定に用いた、2つの1次元速度構造モデル。北部フォッサマグナの堆積層の上の観測点では遅い速度構造(赤)、基盤岩上の観測点では早い速度構造(青)を用いた。

図2.2.2-3 地域Aで気象庁によって報告されている震源(一元化震源)。2003年 8月24日から10月10日の期間に、109個の地震がこの領域で報告されている。 図2.2.2-4 地域Aで稠密観測データを用いて再決定された震源赤丸(●)。 2003年8月24日から10月10日の観測期間に、334個の地震の震源が決められた。同一の地震について、一元化震源と比較した。緑の棒の先が、一元化震源。

Hour : min of September 30, 2003(JST) (a) Depth (km) Days from August 1, 2003 (JST) Longitude (E) (b) (c) Latitude (N) (d) (e) Hour : min of September 30, 2003(JST) 図2.2.2-5 地域Aで発生したクラスター群発地震活動。2003年8月1日から2ヶ月間の深さー時間分布(a)と、最も顕著なクラスター活動の最初の1時間(2003年9月30日12:30から13:40)の時空間分布(b)-(e)を示す。(a)の60日目は9月29日で、(b)-(e)に示した活動は含まれていない。(b) 震央分布。(c) 緯度ー時間分布。(d) 経度ー深さ分布。(e) 深さー時間分布

図2.2.2-6 トモグラフィー解析も用いた観測点と震源分布。地殻内地震 42個 、やや深発地震10個、バイブレータの集中発振を2カ所から信号を用いた。震源は、気象庁の一元化震源。線状観測は、2003年8月26日から10月16日まで、49地点に3成分の1Hz地震計を設置して実施された。

B A 図2.2.2-7  トモグラフィー解析に用いた格子点(+印)。座標軸の原点は、北緯35.91270 東経 138.251880 にとった。深さの格子点は0, -2, -4, -8, -12, -18, -30 kmに設定した。線状に稠密に設置した観測点のデータによってA-Bを結ぶ側線下の2次元断面の速度分布を得た。

図2.2.2-8 稠密観測データをトモグラヒィー解析した構造で再決定した震源(2003年8月26日から10月16日)。解析では、一元化震源を初期値とした。緑の棒の先端が一元化震源。一元化震源より2-3km浅くなっている。 図2.2.2-9 地域C付近の震源分布。2000年から2004年までの4年間の一元化震源を示す。

A B 図2.2.2-10  P 波速度に対するチェッカーボード分解能テストの結果。各格子点に、 ±10%の速度偏差を、高速度と低速度、交互に与えたモデルから計算された理論走時データを用いて、偏差0%の速度分布を初期値としたインヴァージョンを行い、復元の様子を調べた。図2.2.2-4のA-B断面を示す。分解能の低い領域は、陰を付けた。 A B 図2.2.2-11 P波速度分布図。2.2.2-4のA-B断面を示す。分解能の低い領域は、陰を付けた。赤い丸(●)は、この解析に用いて、この境域内に再決定された震源。

A B 図2.2.2-12 S 波速度に対するチェッカーボード分解能テストの結果。各格子点に、 ±10%の速度偏差を、高速度と低速度、交互に与えたモデルから計算された理論走時データを用いて、偏差0%の速度分布を初期値としたインヴァージョンを行い、復元の様子を調べた。図2.2.2-4のA-B断面を示す。分解能の低い領域は、陰を付けた。 A B 図2.2.2-13 S波速度分布。2.2.2-4のA-B断面を示す。分解能の低い領域は、陰を付けた。赤い丸(●)は、この解析に用いて、この境域内に再決定された震源。

(a) (b) Wakamiya F. Aoyagi F. Log10 resistivity (Wm) Depth (km) 4 0.0 3.5 3 1.0 Depth (km) Log10 resistivity (Wm) 2.5 2.0 2 3.0 1.5 1 4.0 0.5 1 2 3 4 5 Distance (km) 図2.2.2-14 P波速度分布(a)と広帯域Magnetotelluric(MT)法によって得られた地殻比抵抗分布(b)(小川・本蔵、平成15年度成果報告書p31; Ogawa and Honkura、 2004 )との比較。破線は、反射法地震探査(池田他、2004:平成15年度報告書p.24)によって推定された青柳断層の深部形状の大まかな位置。

(a) (b) MTL MTL ISTL (Aoyagi Fault) S44W N44E N44E Yatsugatake volcano Deposit N44E (b) Yatsugatake volcano S44W Chichibu belt Izu-Bonin Arc Ryoke belt Shimanto belt MTL Chichibu belt 図2.2.2-15 P波速度分布(a)と、地質構造(b)との比較。(a)図に糸魚川ー静岡構造線(青柳断層、ISTL)と、中央構造線(MTL)の位置を▽示した。破線は、糸魚川ー静岡構造線(青柳断層)の推定深部形状(池田・他、2004)。赤い丸(●)は、この解析に用いて、この境域内に再決定された震源。