フォークリフト運転技能講習資料 荷 役 編 C HiroTech
荷役 INDEX 1 フォークリフトの定義 荷役装置の構造 2 各部の名称 22 昇降装置の構造 3 荷役装置の構造 1 フォークリフトの定義 2 各部の名称 3 荷役装置の構造 4 用途と特徴 5 後輪操行について 6 車体バランス 7 公道の走行 8 運転業務資格 フォークリフトの分類 9 構造比較 10 動力源別分類 11 サイドステップ走行 12 機能別分類 13 フォークリフトの呼び方 用語の解説 15 基準荷重中心 16 許容荷重 17 主要寸法に関する用語 18 アタッチメント パレット 19 パレット 20 業務用パレット 21 パレットの積み付けパターン 荷役装置の構造 22 昇降装置の構造 23 フォークの昇降機構 24 マストの傾斜機構 油圧装置 25 油圧装置の配置 26 パスカルの原理 27 ギヤポンプの構造 28 制御弁の構造 29 油圧シリンダの構造 30 荷の取りおろし操作 31 荷の積み付け操作 32 荷役操作時の心得 33 フォークリフトの構造から安全を考える 附1 荷重中心の比較 附2 フォークリフト前方転倒試験 附3 フォークリフト実技コース 荷役 Copyright by HiroTech
1.フォークリフトの定義 ◆ フォークの昇降 ◆ マストのチルト ◆ 車両の走行 荷役 フオークリフトとは、荷物を積載するフオークとフオークを昇降させるマストを備えた 動力付き荷役、運搬用車両である フォークリフトの動作 ◆ フォークの昇降 ◆ マストのチルト ◆ 車両の走行 荷役 Copyright by HiroTech
2.フォークリフト各部の名称 荷役 [カウンタバランスフオークリフト] バックレスト ヘッドガード チェーン バランス ウエイト 操向輪 駆動輪 フィンガバー フォーク リフトシリンダ チルトシリンダ マスト 荷役 Copyright by HiroTech
3.荷役装置の構造 荷役 ① ② ③ ④ ⑤ 【ヘッドガード】① 高積みする場合など、荷の落下から運転者を保護する。 荷が落下しても安全な強度を必要とする。最大荷重値の2倍の値(その値が4トンを超えるものに合っては4トン)の等分布荷重に耐えるもの。 【マスト】② コの字形をした断面の厚板鋼板を左右に配置した構造物。 アウタマストの内側にインナマストが組み込まれている。 インナマストはアウタマストをガイドとしてフォークとともに昇降する。 ① ② ③ 【バックレスト】③ 荷物が、マストの後方に荷崩れしないように設けた荷受用の枠 ④ 【フィンガバー】④ リフトブラケットに固定されているフォークを取り付ける横板 ⑤ 【フォーク】⑤ 荷を載せる L 字形のアーム。 通常2本で車体中心から左右に等しい位置に置き、荷重を均等に支える。荷重積載時に十分な強度を必要とする。 最大荷重に対し3倍以上の強度が必要。 荷役 Copyright by HiroTech
荷役 3.荷役装置の構造 ⑥ ⑦ ⑧ 【リフトシリンダ】⑥ 左右のマストの間に装着された油圧シリンダで、インナマストを昇降させると同時にフォークも昇降させる ⑥ 【チェーン】⑦ リフトシリンダ上端に装着されたチェーンホイール(滑車)の昇降により、チェーンを介してフォークを昇降させる。 最大荷重に対し5倍以上の静的強度が必要 ⑦ ⑧ 【チルトシリンダ】⑧ マスト(フォークを含む)を前後に傾ける油圧シリンダ 荷役 Copyright by HiroTech
ラム、クランプ、バケットなどのアタッチメントを使うことが出来る 荷役 3.荷役装置の構造 フオークの代わりに、 ラム、クランプ、バケットなどのアタッチメントを使うことが出来る 荷役 Copyright by HiroTech
◆ フォークの昇降 ◆ マストのチルト ◆ マストのリーチ ◆ 車両の走行 荷役 3.荷役装置の構造 [リーチフォークリフト] Copyright by HiroTech
荷役 3.荷役装置の構造 [リーチフォークリフト] ヘッドガード マスト リフトシリンダ バックレスト 駆動操向輪 フィンガバー フォーク (前輪が駆動できるものもある) 荷役 Copyright by HiroTech
4.フォークリフトの用途と特徴 荷役 ・フォークが地面(床面)から2.5m~5mの高さまで上昇・下降ができる (標準揚高は3m) ・フォークが地面(床面)から2.5m~5mの高さまで上昇・下降ができる (標準揚高は3m) ・前輪駆動・後輪操向の方式 (リーチフォークリフトは、後輪駆動、後輪操向の方式が多い) 後輪操向 前輪駆動 荷物を車体の前方で支持するため、後部にバランスウエイトを取付け 安定を良くする。 空荷のときは、後輪タイヤの荷重が大きく、積載時は軽くなるため ハンドル操作が容易となる。 バランスウエイト 荷役 Copyright by HiroTech
荷役 6.フォークリフトの車体バランス フォークリフトは車体の前方に荷物を積み走りますが 、 荷物を規定以上に積むと車体は 「 前のめり 」 になります。 前方に転倒する事態となります 。 規定以上の荷物を積んでも転倒はしない 規定以上の重量の荷物を積むと前に転倒する 荷役 Copyright by HiroTech
16- 4 パレット – 業務用 荷役 (2)ボックスパレット (3) ポストパレット (4) シートパレット 16- 4 パレット – 業務用 (2)ボックスパレット ばら物等を運搬するためにパレットの上部の3面 または全面に鉄板、パイプ、金網等による囲いを 設けたもの。囲いは固定式のほかに、取り外しや 折りたたみの可能、ふた付きのものも る 車輪がついたものはロールボックスパレットという 主に金物、部品等の運搬に使用 スーパ、コンビニ等の店舗内運搬用に多く使用される ロールボックスパレット (3) ポストパレット 支柱をもつパレット 支柱には、固定式、取り外し式、折りたたみ式が あり、横桟をもつものも る ポストパレット (4) シートパレット タブ 主として、プッシュプル装置付き フオークリフトによって荷役される シート状のパレット シートパレット 荷役 Copyright by HiroTech
17 パレットの積み付けパターン 荷役 荷物を1枚のパレットに積付ける場合の荷物の並べ方は、通常、5種類があり、 一般的には交互列積み、レンガ積みが行われる 積み付けは、荷崩れを起こさぬようにきちっと積むことが重要 積み付けのメリット きちっと積むことにより 1.積荷の空間がなく なり作業効率が良く なる。 2.荷崩れがなくなり 作業が安全になる < 正方形のパレットの場合の積み方 > ブロック積み 交互列積み 品物を全部同一方向にならべ各段の 配列も同じ様に積み付ける。 荷崩れしやすいので、バンド締めをしっかりする。 1つの段の荷の配列は全部同じ方向に 積み段ごとに直角に積み方向を変える。 荷崩れしにくく、積み付けが簡単 で、バンド締めもやりやすい 荷役 Copyright by HiroTech
荷役 17 パレットの積み付けパターン レンガ積み スプリット積み ピンホイール積み スキマ 各段の配列は同じだが、 品物を縦横に組み合わせ配列 する。 各段の配列は同じだが、 積み方向を180°変える レンガ積みの場合でも、品物の形状により 品物相互間にスキマができる 品物の縦横を組み合わせて 風車形に配列する。各段毎 に向きを逆にする配列を積 む。長方形の品物を正方形 に積み付けしやすい。 風車形積付けともいう 荷役 Copyright by HiroTech
18 フォーク昇降装置の構造 荷役 チェーンにより昇降する。 滑車を1mリフトすると フォークは2mリフトする シリンダを1mリフトし、 18 フォーク昇降装置の構造 フオークは、リフトシリンダでのピストン昇降―チェーンホイール(滑車)を介して、 チェーンにより昇降する。 [フォークの昇降作動] 滑車を1mリフトすると フォークは2mリフトする シリンダを1mリフトし、 滑車を1m上方へ移動させると 滑車 1m チエーン A点 車体に固定 2m リフト シリンダ B点 リフトブラケットに固定 荷役 Copyright by HiroTech
22 パスカルの原理 荷役 油圧装置・・・作動油によって、仕事をする パスカルの原理 を利用し、小さな力で大きな力を作る 22 パスカルの原理 油圧装置・・・作動油によって、仕事をする パスカルの原理 を利用し、小さな力で大きな力を作る < パスカルの原理とは … > 機器の中に閉じ込められた流体の一部に加えた圧力は、大きさが変わることなく、すべての部分にそのまま伝わる ピストンの底面積と力の関係 100N 1N 図のように底面積が1cm2 と100cm2 のピストンを円筒に入れ円筒の底をつなげる。 1cm2 100cm2 小さいピストンに1Nの力を加えると、大きいピストンには100Nの力が生まれる。 荷役 Copyright by HiroTech
パスカルの原理 を利用し、小さな力で大きな力を作る 荷役 22 パスカルの原理 ブレーキ力を大きくするしくみ パスカルの原理 を利用し、小さな力で大きな力を作る 力を受けるピストン(小)の面積に比例 した力が出せる。 ピストン(大)の油圧を受ける面積は 大きいので、ブレーキを押す力も大きい 車輪 ブレーキ ピストン(小) ピストン(大) 大きな力 小さな力 荷役 Copyright by HiroTech
25 油圧シリンダの構造 荷役 油圧シリンダ・・・油の圧力と流量をピストンを介して、ロッドの往復運動に換える コントロールバルブ 構造 25 油圧シリンダの構造 油圧シリンダ・・・油の圧力と流量をピストンを介して、ロッドの往復運動に換える コントロールバルブ 構造 ロッド側ポート ボトム側ポート ピストンロッド ピストン シリンダ コントロールバルブで作動油の流れをロッド側または ボトム側ポートに切り換える。この油により 油圧シリンダのピストンを押し、ピストンロッドを 往復運動させる。また、ロッド側とボトム側ポートへの 油の流れを同時に閉じると、ピストンロッドは静止する 荷役 Copyright by HiroTech
チルトシリンダ、ステアリングシリンダに使用 荷役 25 油圧シリンダの構造 単動形油圧シリンダ 複動形油圧シリンダ ピストンの片側にのみ油圧がかかる したがい、1方向のみ力が作用し、ピストン ロッドの戻りは外力からの力(自重など)を 利用する ピストンの両側に交互に油圧をかけて、 ピストンロッドの押し出し、引き込みの両方に 力を出す リフトシリンダに使用 チルトシリンダ、ステアリングシリンダに使用 荷役 Copyright by HiroTech
25 荷の取りおろし操作 (手順) 荷役 取りおろしする荷の手前にきたら、 速度を安全な速度まで落とす 確認 荷の前に近づいたときは 25 荷の取りおろし操作 (手順) 取りおろしする荷の手前にきたら、 速度を安全な速度まで落とす 確認 荷の前に近づいたときは 一旦停止 台先端とフオーク先のスキマは 30cm以内 積付けしている荷が荷崩れ、 その他の危険がないかを確認 荷役 Copyright by HiroTech
荷役 25 荷の取りおろし操作 マストを垂直にし、フオークを水平に して パレットまたはスキッドの位置まで リフト 25 荷の取りおろし操作 マストを垂直にし、フオークを水平に して パレットまたはスキッドの位置まで リフト フオーク差込みの位置をよく確認して から、まっすぐに向け、 静かに前進して差込む リーチ形では、マストを静かに繰り出し て差込む 荷役 Copyright by HiroTech
リフトし、パレットまたはスキッドを台から少し出るくらい(10~20cm 程度)前に引き出し、一旦降ろす 荷とマストは直角 荷役 25 荷の取りおろし操作 差込んだらわずかに(5~10cm) リフトし、パレットまたはスキッドを台から少し出るくらい(10~20cm 程度)前に引き出し、一旦降ろす 荷とマストは直角 荷によりフオークがたわみ、 先端が下がっていないか チエックし、下がっている 場合は、チルトで修正する パレットの端は少し出る さらにもう1度、フオークを根元まで深く差し込み、 荷がフオークの垂直前面またはバックレストに軽く接触してからリフトする 荷役 Copyright by HiroTech
おわり HiroTech これで説明を終ります。 ありがとうございました。 荷役 安全の技術と信頼の輪を広げる。 これで説明を終ります。 ありがとうございました。 HiroTech 安全の技術と信頼の輪を広げる。 荷役 Copyright by HiroTech
遠山ビル URL http://www.hirotech.jp/ ヒロテックは、本教材の使用者が以下の行為をすることを禁止します。 この教材(以下「本コンテンツ」という)を使用する前に、下記の契約内容(以下「本契約内容」という)を必ずお読みください。 お客様は本契約内容に同意いただいた場合のみ、本コンテンツを使用いただくことが出来ます。 本コンテンツの使用を開始した時点で、本契約を同意いただいたものとみなし、本契約が成立します。 ◆使用許諾 ヒロテックは、本コンテンツの使用者が次の範囲で本コンテンツを使用されることを許諾します。 ・本コンテンツを日本国内において1 台のコンピュータ上で使用すること。 ・本コンテンツに収録されているすべてのデータ(以下「本データ」という)を閲覧すること。 有限会社ヒロテック 〒350- 1103 埼玉県川越市霞ヶ関東5 -27 -22 遠山ビル URL http://www.hirotech.jp/ TEL:049- 231- 3266 FAX:049- 231- 3286 ◆禁止事項 ヒロテックは、本教材の使用者が以下の行為をすることを禁止します。 ・本コンテンツを同時に複数のコンピュータで使用すること。(ネットワークによる利用を含みます) ・本コンテンツを日本国外で使用すること。 ・本コンテンツを他の記録媒体(ハードディスクを含む)に複製すること。 ・本コンテンツを閲覧以外の目的に利用すること。 ・本コンテンツを営利目的で紙媒体に印刷し販売すること。 ・本コンテンツの内容の一部または全部をヒロテックに無断でインターネット上に掲載することまたは第三者に貸与・譲渡・販売すること。、 ◆著作権の帰属 本コンテンツならびに付属する取り扱い説明書等のソフトウエアの著作権は、ヒロテックに帰属しています。 ◆免責事由 本コンテンツに収録されている内容と実際の内容または事実とに相違がある場合も、ヒロテックは責任を負いません。本コンテンツに収録されている内容は、 ヒロテックの都合により予告なく変更する場合があります。ヒロテックはいかなる場合でも、本コンテンツのご使用によって、あるいはコンテンツの瑕疵・誤謬 によって、生じたいかなる損害(逸失利益、プログラムやデータの損失、PC の破損等)に対しても責任を負いません。 ◆保証 本コンテンツに物理的瑕疵があることを発見された場合は、ご購入後30 日間に限り、正常な製品と無償で交換させていただきますので、すみやかに購入先に使用許諾条件についてご連絡ください。 ヒロテックは、本条に定める以外の保証はいたしません。 ◆契約の解除 お客様が本契約書の条項及び条件に違反した場合、ヒロテックはただちに本契約を解除することが出来ます。この場合、またお客様自身が本契約を解除 しようとする場合は、お客様は本コンテンツを破棄しなければなりません。 なお、本契約成立後は、本コンテンツの購入代金は一切返還いたしません。 ◆契約期間 本契約は、お客様が本コンテンツの使用の申し込みをされた時点で発行します。なお、お客様は契約期間満了後、速やかに本コンテンツを破棄しな。ければなりません。なお契約の延長は、契約期間満了の10 日前までにヒロテックに申し込みください。 本契約内容について不明な点がございましたら、ヒロテック宛に書面にてご連絡いただきますようお願い申し上げます。 荷役 Copyright by HiroTech
荷役 フオークリフト運転技能講習資料 (荷役) ・2006年3月16日 初版 制作・発行 ヒロテック フオークリフト運転技能講習資料 (荷役) ・2006年3月16日 初版 ・ホームページにはIT教材による能力向上、人材育成を図るための教材一覧を掲載しています。 サンプル教材のダウンロードも可能ですのでぜひご覧ください。 制作・発行 ヒロテック 〒350-1103 埼玉県川越市霞ヶ関東5-27-22 http://www.hirotech.jp/ Mail: webmaster@hirotech.jp 著作 樋口健吾 KENGO HIGUCHI, HiroTech 2006 荷役 Copyright by HiroTech