高校生の主権者&情報リテラシー - Web発、メール経由、SNS文化へ - 2016/9/21 於:精思高校 高校生の主権者&情報リテラシー - Web発、メール経由、SNS文化へ - 岡山商科大学 経営学部商学科 教授 田中 潔
演題のポイント 情報社会の出現と発展中 かつて「情報化社会」ともてはやされた近未来像。今や日常のこと 情報化の「化」を取って「情報社会」 類:高齢化社会⇒高齢社会または超高齢化社会 コンピュータ誕生から約70年(1945年~) コンピュータ浸透した社会もネットやスマホで新しい「高度情報時代・社会」を迎えた 今後の主権者と情報の活用能力(リテラシー)について少し考えてみよう
講演者のご紹介 田中 潔(たなか きよし) 岡山商科大学経営学部教学部長 兼 大学院商学研究科 教授 田中 潔(たなか きよし) 岡山商科大学経営学部教学部長 兼 大学院商学研究科 教授 担当: ネットワークシステム演習、社会調査実践他 専門分野: 計算機統計学・マーケティング 地元岡山の産業・商店街の各種社会調査やビジョン作りに携わっています。専門社会調査士67号 tanaka@po.osu.ac.jp http://www.osu.ac.jp/~tanaka 「岡山商大 田中」で検索 3
(試験には出ないだろう)情報社会までの足跡 1946 電子計算機(今のコンピュータ)誕生 大型計算機で「集中的」に管理 1977頃 パソコン(PC)の誕生 個性に合わせ、「集中」から「分散」組織へ変貌 「寄らば大樹のかげ」から「自己責任」社会へ 1995頃 Windows95販売 操作性がやさしいパソコンへ、浸透に拍車 1995 インターネット 世界で民間利用開始 ネットワーク社会の出現、「網」の時代到来
参考資料1 コンピュータ歴史 誕生まで 有史以前 そろばん 中国とエジプト 16世紀 パスカルとライプニッツ 参考資料1 コンピュータ歴史 誕生まで 有史以前 そろばん 中国とエジプト 16世紀 パスカルとライプニッツ 数学者、加減計算機、乗除計算機 歯車式 19世紀 バベジの階差機関(アナリティカル・ エンジン) 自動計算の夢、設計図、未完の夢、産業革命 蒸気と歯車による計算機関。加減乗除 1940年頃 最後の機械式計算機Mark-I(米) 歯車→電磁石リレー素子,電気式計算機 1946年 ENIAC誕生(砲弾表) ノイマン、エッカート、モークリーら主導 世界初の電子計算機の誕生(軍事用)
参考資料2 わが国ケータイ電話の略譜 それまでは有線電話が主流、技術進歩と規制緩和の一環から実施された 参考資料2 わが国ケータイ電話の略譜 それまでは有線電話が主流、技術進歩と規制緩和の一環から実施された 1987 NTT初の移動体電話市販(自動車電話) 日本独自のケータイ⇒ガラパゴス携帯(ガラケー)進歩 2008 iphone日本発売~2016 iphone7公表 2011 スマホがガラケーを追い抜く ガラケー 音声+Web閲覧+電子メール利用が基本 スマホ ガラケー+アプリ+画像+位置情報
インターネットの2大機能 ワールド ワイド ウェブ(World Wide Web) 正式呼称: WWWとかWebとか 直訳: 世界的に広がったくもの巣 何?: 情報ページを閲覧する仕組み 正式呼称: WWWとかWebとか 電子メール(E-mail) 何?: 郵便と同じ仕組み
参考資料3 WWW(ウェブ)の進展 そもそもの始まり 今でも、全世界でさまざまな人々がこのWeb技術により情報を発信し、利用している 1989 欧州原子核研究機構CREN(シーレン)の研究者バーナーズ=リーがその仕組みを開発 最初はインターネットを使って論文を発表したい(研究者仲間に対して) 今でも、全世界でさまざまな人々がこのWeb技術により情報を発信し、利用している ホームページ: あるWebページの先頭ページ(別に決まりはない)を指す言葉、野球のホームベースに似た言葉、WWW全体は指してはいない!
参考資料4 WWWはさまざまな使われ方で発展→SNS社会 検索エンジン: ヤフーやグーグル ネット販売: 楽天やアマゾンによる電脳商店街 ブログ: 日記形式のWebページ(WebLog) Twitter: Twitter社の情報サービス(さえずりの意味) 140文字以内でツイート、リツイートで拡散する Facebook: Facebook社の情報サービス米国の一部大学間が学生交流のため配布する本「Face Book」が由来 LINE: 2016一部上場、韓国カカオトークから発展 これらをSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)と総称され全世界で多数が利用
Web社会からSNS社会へ Web社会 Web技術で書籍・カタログ・店などが運営されている社会 大学案内や合否も電報からサイト閲覧へ SNS社会 ある目的の参加者がネットを活用する情報サービス(SNS=ソーシャルネットワーキングサービス) LINE、Twitter、Facebook、ミクシィ、グリー、モバゲー、アメーバなどなど多数 似たものにオンラインゲーム型 パズル&ドラゴンズ(パズドラ)などなど多数
SNSの影 依存~拡散へ深刻化 依存・中毒 恐喝・援助交際の可能性 少女性被害9割以上(スマホ・LINE) 2014新聞記事 暴言・仲間はずれ・動画流出・既読問題 など 個人情報保護やアカウント乗っ取りなども懸念 そして、拡散(「いいね」やリツィート) 投稿した内容や画像は、ほぼネットから消せない(一生恥ずかしい写真が!) グループ内と思ったらいつの間にか流出 ネットから撮影場所が推定可能 悪ふざけが犯罪や後悔に
高度情報化社会こそ人間性や倫理観必要 高度情報社会に向かえば向かうほど、 その人の人間性や対話力・特に倫理が強く問われることになる、権利には義務も伴う 情報を制したつもりが、かえって情報に操られないように 機器利用の巧みさやアプリ利用がクールと勘違いしないように 相手を思いやる・その影響考える 想像力と思いやり
高校生は主権者です 18歳以上は選挙権が2016年より開始 選挙のネット解禁(緩和?)もすでに導入ずみ さらに、今後18歳成人化が近いうちに 選挙権、ネット選挙、成人いずれも18歳へ 注: 飲酒・喫煙など健康系は20歳のまま インターネットで投票はできません 投票は民主主義の基盤・根幹 見た目変わらなくても、投票は重要な権利でもあり、18歳以上の義務
選挙運動とインターネット 選挙運動とは→「特定の候補者のための活動」 有権者の私たち インターネットもケータイも電子メールは一切禁止(個別訪問と同じ) SNSやWebは規制なし 但し、グループメンバーに18歳未満がいた場合、選挙違反の可能性が極高、リツイートやいいねなど拡散に注意 LINEでもSNSとみなされる 落選運動(○△はおとそう運動)も規制なし(禁止されていない
今の高校生 現在の高校には「選挙活動できる人とできない人が混在する」のが現状。同級生同士でも 選挙活動 18歳以上:○、18歳未満:× 選挙活動 18歳以上:○、18歳未満:× メール:×、SNS:規定ない 高校生の選挙活動のルールはこれから 灰色の例題 選挙期間中に、17歳のAさんがB候補のFacebookに「いいね」を押した・・・微妙
大切なこと 恕と行動 ネットも選挙も「こわがってばかり」はダメ 心の中で思うのは自由、行動には責任が伴う 大切なこと 恕と行動 ネットも選挙も「こわがってばかり」はダメ 心の中で思うのは自由、行動には責任が伴う 一歩外界では、相手への「思いやり」を忘れない 「恕(ジョ)」の精神を常に・・・怒(ド)ではない そして、信念や意思に行動する 18歳以上の人は必ず投票する たとえ、良い候補がいなくても、投票がめんどうでも、期日前投票もある。逃げてばかりはダメ 岡山県では10/23(日)、県知事選挙がある
皆さんが子や後輩に伝える重要な担い手 かつて、近江商人(今の滋賀県)の 「三方(さんぽう)よし」 の教え・考え方 売り手(自分)よし 買い手(相手)よし そして 世間よし この三方よしの精神を、ネット社会でもリアル社会でも持ち続け、実践してくれる人材を期待しています。
ご清聴ありがとうございました
【メモ欄】