セグメント研削工程の改善 所 仁志 名古屋大学大学院 理学研究科 光赤外天文計測学研究室 第26回新技術望遠鏡技術検討会, 2012年6月9日, 京都大学 セグメント研削工程の改善 所 仁志 名古屋大学大学院 理学研究科 光赤外天文計測学研究室
セグメント製作工程 現状23日/枚、目標9日/枚 (cf. TMT、E-ELTは~2日/枚で量産するつもり) 現状 目標 #170研削 ヤトイ設置 フラッシュ研磨 現状 #1200研削 修正研磨 目標 5 10 15 20 25 (日) Keck・GMTは~30日/枚 現状23日/枚、目標9日/枚 (cf. TMT、E-ELTは~2日/枚で量産するつもり) 2
セグメント製作工程 Cranfield大での実績をもとに、研削工程 を改善する 現状 目標 #170研削 フラッシュ研磨 #12000研削 5 10 15 20 25 (日) Cranfield大での実績をもとに、研削工程 を改善する 3
Cranfield大の製作工程 E-ELTのセグメント鏡を開発中 超精密研削で形状精度を1 mm rmsとすることで、 研磨時間の短縮を狙っている (rms) 4
Cranfield大の研削方法 カップ砥石を用いたクリープフィード研削(切込み 大、砥石送り小)で、ナノオプトの10倍の除去効 率・同程度のSSD深さを実現 カップ砥石 ストレート砥石 5
Cranfield大の研削方法 カップ砥石の回転軸が、ワーク法線に対して20° 傾いている カップ砥石 セグメント 研削液 ・ 1.5 m capacity ・ 3.2×2.1×1.8 m (12 tonnes) 6
加工条件・結果の比較 除去効率が高く、深い切込みなのにSSDは浅い 7
SSDが浅い理由 SSDはワーク法線方向に深く入る ストレート砥石で切込み大でも同じ結果が得られる? ストレート砥石 切込み小 カップ砥石 切込み大 8
Cranfield大の現状 E-ELTセグメント(対角1.45m、六角形)を試作 総切込みは1 mm、総加工時間は20 hr 形状精度:5.4 mm p-v、表面粗さRa = 100~200 nm SSD深さ < 10 mm(研磨で13 mm除去する予定) 9
Cranfield大との比較 まずは加工時間の改善(50 hrくらいに抑える)、次 にSSD深さの改善(形状精度の2~3倍程度) ナノオプト 仕上げ番手 #680 #1,200 形状精度 5.4 mm p-v 1 mm p-v 表面粗さ ~ 200 nm Ra ~ 120 nm Ra SSD深さ < 10 mm 9 mm < 純加工時間 20 hr ~ 160 hr RaはRqより20%くらい小さい #170で30um×(33+7pass):20hr #170でのSSD深さ~100um、#1200で完全に除去するために4um×25pass(150min.)+1um×10pass(300min.)+1um×5pass(300min., 補正加工):140hr まずは加工時間の改善(50 hrくらいに抑える)、次 にSSD深さの改善(形状精度の2~3倍程度) 10
今後の予定:研削の基礎実験 ナガセ社製超精密研削盤(N2C-53U)を使用して 研削実験を行う カップ砥石とストレート砥石の違い クリープフィード研削の有効性の確認 加工条件の最適化(SSD深さ、加工時間) 11
Backup Slide 12
中部大での超精密研削 カップ砥石を用いた各種光学ガラスへの平面研削実験が20年前に行われていた
中部大での超精密研削 #1500<の砥石でマイクロクラックのない研削面が得られた(10 mm程度の切込みまでOK) 砥石送り200 mm/rev.までしか実験していない 光学ガラスNbF1の研削結果 #3000 #2000 #1500 #1000 #200 ナノオプト#1200(180 nm) これより砥石送りが速い時にどうなるか? 200 mm×2000 rpm = 400 mm/min. ⇒セグメント加工時間は64 hr/passで 現実的ではない 14
中部大での超精密研削 Zerodurに対する超精密研削で、曲げ破壊強度の評価からSSDがないと考えられる鏡面が得られた エッチング後に超精密研削 エッチング後に研磨 曲げ破壊強度 MPa エッチング 通常の研削 通常の研削後に研磨 表面粗さp-v nm