医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○田村 美香子 大前 利道 堀内 純 大前 由美 沼本 美由紀 健診から 禁煙指導へ 医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○田村 美香子 大前 利道 堀内 純 大前 由美 沼本 美由紀 よろしくお願いします。 タイトル 健診から禁煙指導へ
はじめに 当院は新浦安の駅前にあり、利便性がある 為、病院に行く時間がない方が多く、各領域 の検査が短時間で出来るように準備をしてい ます。COアナライザーも早くから導入し、ニ コチネルTTSの保険適応前にスタッフに説明 をして、禁煙指導開始の準備が整いました。 市内数か所の呼吸器科を標榜している医院 は保険適応の禁煙指導を行っていなかった。 当院は新浦安の駅前で、利便性があるため 病院に行く時間がない患者さんが多く、 各領域の検査が短時間でできるように準備をしています。 市内数か所の呼吸器科を標榜している医院は 保険適応の禁煙指導を行っていませんでした。
目的 受検者を禁煙外来に導き、 喫煙によるリスクを軽減させること 目的は、人間ドック、健診受検者を 禁煙外来に導き、喫煙によるリスクを 軽減させることです。
対象 健診受診者の喫煙者のうち、禁煙 の意志があり、なおかつ禁煙指導 の保険が適用する者 期間 平成18年4月~平成19年7月 期間 平成18年4月~平成19年7月 健診受診者の喫煙者のうち、禁煙 の意志があり、なおかつ禁煙指導 の保険が適用する者 対象は、問診で喫煙歴が不明なケースを除いた 平成18年4月から平成19年7月までの全受診者です。
06’4~07’7の全受検者 男性 女性 計 受検者 6197 4273 10470 喫煙者 2822 599 3421 割合 45.5% 14.0% 32.7% この対象期間の全受検者は、10470名です。 男性は、6197名で、そのうちの喫煙者は、 2822名で45.5%。 女性は、4273名で599名が喫煙者で14%でした。 男女会計しますと、32.7%が喫煙者 ということになります。 そのうち、禁煙の意志があり、なおかつ、 禁煙指導の保険が適用する方は30名でした。
男女の比率 男性 23名 女性 7名 計 30名 ~平均年齢~ 男性 52歳(26~74歳) 女性 54歳(29~78歳) 男性 23名 女性 7名 計 30名 ~平均年齢~ 男性 52歳(26~74歳) 女性 54歳(29~78歳) 30名のうちわけは、男性23名、女性7名です。
方法 問診、診察などから指導希望者を選ぶ。 厚生労働省のガイドライン通りに、 禁煙チャートを使い4職種 <医師、看護師、検査技師、クラーク> が1チームとなり指導する。 方法は、健診時の診察で呼吸音聴取時に 捻髪音が聞こえたり、 胸のレントゲンやCTで肺気腫がみられた方などに、 禁煙をすすめていきました。 厚生労働省のガイドライン通りに、 禁煙チャートを使って、医師、看護師、 検査技師、クラークがひとチームとなり、 支援していきました。
チームの役割 クラーク 検査技師 看護師 医師 保険についての説明、禁煙意志の確認 COアナライザー、SpO2、 肺機能などの検査 肺機能などの検査 看護師 禁煙への動機づけ 禁煙のメリットについて (チャートを用いて説明) 医師 ニコチンパッチの処方 喫煙と病気の因果関係 各職種の役割としては、クラークは、 保険についての説明や禁煙する意思があるか 再確認を行っています。 検査技師は、COアナライザーや肺機能の検査の 説明と実施、看護師は、禁煙を何故しようと 思ったかなど、タバコについて、 一緒に話をすることで禁煙への動機付けを はかったり、チャートを用いて禁煙の メリットについて説明をしています。 医師は、ニコチンパッチの処方、喫煙と病気の 因果関係、各種の癌、動脈硬化、COPD についてチャートを用いて説明しています。
説明に要する時間 クラーク 15~20分 検査技師 10~15分 看護師 15~30分 医師 このスライドは、各職種による説明の一人あたりに かかる平均の時間です。看護師と医師は、チャート による説明もありますので、時間がかかり、また、 クラークも質問を受けやすいため、どうしても この位の時間は必要となります。人手不足の中、 これだけの時間をとられてしまうのは、効率が悪く 悩みの種となっています。その結果、当初は 積極的に適応者の選別をやっていたのですが、 数か月後位からは、スタッフがオーバーワークに なるので自然と対象者が減ってしまいました。 着実にガイドライン通りにやろうとすると、 ご本人も大変ですが担当スタッフも大変です。
成績 禁煙成功率 約60% 厚生労働省のガイドラインにのっ とって、初回、2、4、8、12週間後 の5回の来院日を設けて禁煙指導 禁煙成功率 約60% 厚生労働省のガイドラインにのっ とって、初回、2、4、8、12週間後 の5回の来院日を設けて禁煙指導 を行った。途中で通院をやめてしま う人が多い。 成績は、禁煙に成功した方は、約60%でした。 厚生労働省のガイドライン通り、5回の 来院日を設けて禁煙指導を行いました。 次の来院日の予約をとっていますが、 途中で通院をやめてしまう方が多かったですが、 全員が失敗というわけではありません。
通院を途中でやめた割合 0人 6人 4人 2人 7人 13人 失敗例 来院をやめた時期 初回のみの来院でやめた方 2週間後の来院でやめた方 人数 失敗例 初回のみの来院でやめた方 0人 2週間後の来院でやめた方 6人 4人 4週間後 〃 2人 8週間後 〃 7人 最後まで来た方 13人 通院を途中でやめた人の割合です。初回のみで 来なくなった方は、0名で、2回目で 来なくなった方は、6名、3回目は、4名、 4回目は、7名、最後まで通院した方は、 13名でした。そのうちの禁煙に失敗した人数が 失敗例にあげた人数です。来院を途中で やめた方でも成功とした理由は、自分で 希望して、何回通ったらやめると宣言して禁煙に 成功した方と、CT検査で肺癌が見つかり、入院を 余儀なくされた方には、来院分のニコチネルを 処方し禁煙に成功されていますので、 成功ということにしました。
CTで発見された肺癌 禁煙指導を始めてから行う検査として 胸部CT検査があります。 この二つのCTは、30名のうちの2名で 肺がん、COPDとして、 たまたま見つかった例です。
13 5 18 10 2 12 禁煙指導の結果 男性 女性 計 成功 失敗 禁煙指導の結果です。 成功者、男性、13名、女性、5名、計、18名。 失敗した者、男性、10名、女性、2名、 計、12名です。
結語 ・身体的依存は、ニコチンパッチでと れる。 ・精神的依存は、早期2週間以内に 強く介入しなければ、禁煙失敗にな る可能性が高い。 れる。 ・精神的依存は、早期2週間以内に 強く介入しなければ、禁煙失敗にな る可能性が高い。 ・これからの禁煙指導の仕方 結語です。身体的依存は、 ニコチンパッチでとれますが、 精神的依存は、早期2週間以内に強く 介入しなければ、禁煙失敗になる可能性が 高いことがわかりました。 個人情報保護上の配慮もしながら、 携帯電話などに、禁煙継続の確認をし、 励ますというタイミングが 大切と考えられました。
これからの指導の仕方 健診受検者のうち、血液やCTの結 果などから面接時に、医師に禁煙 を勧められたという理由で、禁煙に 成功している方もいました。 健診受検者のうち、血液やCTの結果などから 面接時に、医師に禁煙を勧められたという理由で 禁煙に成功している方も結構いました。 面接とは、健診結果の説明を医師からきく 面談のことです。 今回の対象期間と同じではありませんが、 2006年度の全受検者9880名のうち、 男性110名、女性24名の計134名が 禁煙に成功していました。
市民講座の開設 健診受検者だけでなく地域に呼びかけ て、集合的な禁煙の講座を行うことで、 効率よく、指導を行うことができ、多くの 方に禁煙の必要性を理解していただけ るのではないかと考えています。 健診受検者だけでなく地域に呼びかけて、 集合的な禁煙の講座を行うことで、 効率よく、指導を行うことができ、 多くの方に禁煙の必要性を 理解していただけるのではないかと考えています。