がんの診断.

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がんの診断

肺がんの診断の実際の流れ 存在診断 確定診断 病期診断 治療方針 の決定 自覚症状または胸部X線検査異常・胸部CT異常 病歴聴取(特に喫煙歴)、身体診察 胸部X線、胸部CT(またはPET/CT)、一般検査、腫瘍マーカー 存在診断 喀痰細胞診・気管支内視鏡 (以下は症例によって選択) 胸部穿刺、CTガイド下穿刺、リンパ節生検、胸腔鏡、開胸生検、縦隔鏡 確定診断 PET/CT、脳造影MRI (以下は症例によって選択) 骨シンチグラム、腹部造影CT、超音波 病期診断 治療方針 の決定 主要な臓器機能検査 (一般採血・心機能・肺機能・肝機能・腎機能)

症例:胸部X線像と胸部CT像 胸部X線 単純CT 右下肺野、第7前肋骨と第10後肋骨の重なる位置、横隔膜の近くに淡い結節影を認める。 右肺下葉S9b領域に1.3cm大のほぼ充実性の結節影を認める。 国立がん研究センターがん診療画像レファレンスデータベースより引用

患者は74才男性で、健診にて以上陰影を指摘されて受診。34年間の喫煙歴がある。 存在診断のために胸部X線とCT検査を行なった。右肺下葉に結節を認めた。 次に確定診断が必要になる。そのためには、気管市況などでの組織診が必要になる。 病理組織検査で肺がんの診断がついたら、次に病期診断のためにPET-CT、骨転移や肝転移の有無などを調べる。

スクリーニング検査 自覚症状の無い段階で、がんがあるかどうかを調べるのがスクリーニング検査で、日本では「がん検診」が行われている。

表14.日本におけるがん検診 種類 検査項目 対象者 受診間隔 胃がん検診 問診、胃X線検査 40歳以上 年に1回 子宮がん検診 問診、視診、子宮頚部細胞診、内診 20歳以上 2年に1回 肺がん検診 問診、胸部X線、喀痰細胞診 乳がん検診 問診、視診、触診、マンモグラフィー 大腸がん検診 問診、便潜血検査

米国では肺がん検診や胃がん検診を行なっていない。 日本における胃がん死亡数は横ばいで減少していない。 胃がんの年齢調整死亡率は低下しているが、ピロリ菌の感染率低下の影響もあり、健診によるものとは言えない。 日本における肺がん死亡数は増加している。 肺がんの年齢調整死亡率は横ばい。 費用対効果の検討やメリトでメリットの再評価をすべきだろう。

がんの診断 1)生化学的診断 腫瘍マーカー 2)病理診断・病期診断 3)画像診断 (1)X線検査 (2)造影検査 (3)超音波検査 1)生化学的診断 腫瘍マーカー 2)病理診断・病期診断 3)画像診断  (1)X線検査  (2)造影検査  (3)超音波検査  (4)超音波内視鏡検査  (5)X線CT ヘリカルCT  (6)MRI  (7)核医学検査

腫瘍マーカー がんは正常細胞と異なった異常な細胞なので、正常細胞とは違う目印となる物質が存在する。 それらを生検組織や血中、尿中、便中から検出することで、がんの存在はもとより、がんの種類や病気の広がり、治療の効果予測、治療の効果判定、再発の発見などに役立つ目印を腫瘍マーカーと呼ぶ。 1)正常細胞は産生しないタンパク質や、異常がおこった遺伝子産物。 2)正常細胞にも存在するが、がん細胞の方がよりたくさん産生する物質。 3)がん細胞の影響によって、正常細胞がたくさん産生する物質。

腫瘍マーカーの役割 1.がんの存在診断に用いられる。 2.治療効果のモニタリング 3.再発の監視    健康診断などでがんの早期発見を目的とした場でのスクリーニングに用いる    のが理想的だが、実際にはがんの早期から異常値を示す腫瘍マーカーはなく、    画像診断などで見つかった腫瘍の悪性度診断などに用いられている。 2.治療効果のモニタリング    がんを摘出したり、抗癌剤や放射線照射などの治療によって小さくなった場合、    腫瘍マーカーの値が低下するので、治療がうまくいっているのかどうかの判定    に使用される。 3.再発の監視    治療によって正常値となった腫瘍マーカーが再発に伴い再び上昇するのを監視    することで、早期に治療の再開を可能にする。

表12.主な腫瘍マーカー 腫瘍マーカー 主な陽性がん種 癌胎児性蛋白 CEA 大腸がん、胃がん、膵がん、胆道がんなど 腫瘍マーカー 主な陽性がん種 癌胎児性蛋白  CEA 大腸がん、胃がん、膵がん、胆道がんなど  AFP 肝細胞がん、卵黄嚢腫瘍 糖鎖  CA19-9 膵がん、胆道がん、大腸がん、胃がんなど  CA125 卵巣がん、子宮がん、膵がんなど ホルモン  hCG 絨毛性疾患、卵巣腫瘍、精巣腫瘍  カルシトニン 甲状腺髄様がん 酵素  PAP 前立腺がん  NSE 肺小細胞がん、甲状腺髄様がんなど 組織産生抗原  PSA 前立腺がん がん関連抗原  SCC 各種扁平上皮がん(肺がん、子宮頸がんなど) がん遺伝子産物  erbB2 乳がん

表13.腫瘍マーカーが偽陽性となる疾患 腫瘍マーカー 主な陽性良性疾患 CEA 糖尿病、喫煙者、慢性肺気腫など 腫瘍マーカー 主な陽性良性疾患 CEA 糖尿病、喫煙者、慢性肺気腫など AFP 慢性肝炎、肝硬変、糖尿病、妊娠など CA19-9 膵炎、胆管炎、閉塞性黄疸、糖尿病など CA125 妊娠、子宮内膜症、子宮筋腫、肝硬変など hCG 妊娠 PAP 前立腺肥大、前立腺炎など NSE 溶血 PSA 前立腺肥大 SCC アトピー性皮膚炎、気管支炎、結核など

表14.各種がんで陽性となる腫瘍マーカー がん種 主な陽性腫瘍マーカー 胃がん・大腸がん CEA、CA19-9 食道がん CEA、SCC がん種 主な陽性腫瘍マーカー 胃がん・大腸がん CEA、CA19-9 食道がん CEA、SCC 膵がん CEA、CA19-9、CA125、Span-1、Elastase-1 胆道がん CEA、CA19-9 肝がん AFP、PIVKA-II 乳がん CEA、CA125、CA15-3 肺がん (腺がん) CEA、CA125   (扁平上皮がん) SCC   (小細胞がん) NSE 卵巣がん CEA、CA125 子宮がん CA125、SCC 前立腺がん PSA、PAP

表15.CA19-9の病期別陽性率(%) 臓器 病期 良性疾患 I II III IV 膵がん 77 75 80 84 13 胆道がん 55 55 70 78 11 胃がん 3 37 67 大腸がん 7 9 30 74 「腫瘍マーカーの見方」日本臨床検査医学会編より引用

図54.CEA値の大腸がん手術前後の変化 A) 根治手術  B) 姑息手術 

図55.がんの再発の早期発見 血中CEA値 手術 再発あり 再発なし 腫瘍マーカーの上昇のほうが画像診断上の再発より数か月早いとされており、再発の早期診断に使用しうる。ただ、1回の測定値で判断するのではなく、持続的な高値を呈することが重要。

腫瘍マーカーの役割 1.がんの存在診断に用いられる。 2.治療効果のモニタリング 3.再発の監視    健康診断などでがんの早期発見を目的とした場でのスクリーニングに用いる    のが理想的だが、実際にはがんの早期から異常値を示す腫瘍マーカーはなく、    画像診断などで見つかった腫瘍の悪性度診断などに用いられている。 2.治療効果のモニタリング    がんを摘出したり、抗癌剤や放射線照射などの治療によって小さくなった場合、    腫瘍マーカーの値が低下するので、治療がうまくいっているのかどうかの判定    に使用される。 3.再発の監視    治療によって正常値となった腫瘍マーカーが再発に伴い再び上昇するのを監視    することで、早期に治療の再開を可能にする。

がんの確定診断には? 1)生化学的診断 腫瘍マーカー 2)細胞診・組織診 (内視鏡検査を含む) 

細胞診 上の絵の右下の組織図、水色の線と「↑」が現しているように、細胞診は、浅く組織表面全体を撫でて細胞を採取する検査。また、採取される範囲(広さ)は、この絵の左側のコルポ像(膣の側から子宮頚部を覗いて、コルポスコピーで拡大したものの略図)のピンクの丸にそって書いてある水色の点線部分の内側全体、表面をなでて採取する。

子宮頸部の細胞診の実際 左側の図が子宮頸部の正常細胞診を示し、右側が異常細胞の存在を示す。左側の図は均一の大きさと形態を示す細胞集団から構成されているが、右側の図にはひときわ大型の細胞集団が認められる。

表19.細胞診の守備範囲 採取部位 代表的ながん 子宮頚部、子宮体部 子宮頸がん、子宮体がん 喀痰 肺がん、咽頭がん、喉頭がん 尿 膀胱がん、腎盂がん 胸水 肺がん、転移性肺がん 腹水 胃がん、卵巣がん、肝細胞がん 胆汁 胆道がん、膵がん 穿刺吸引細胞診 乳がん、甲状腺がん、悪性リンパ腫

図67.内視鏡検査 胃内視鏡像:胃がん 大腸内視鏡像:大腸がん 胃角部前壁に認められた潰瘍性病変。潰瘍編縁は不整で、周辺は発赤。 病変の大きさは13mmでS状結腸に認められた腫瘤性病変。 国立がん研究センターがん診療画像レファレンスデータベースより引用

図67.病理組織診断 胃がんのHE染色像 胃がんのHE染色像 高分化型管状腺癌で、明瞭な腺管形成が認められる。 印環細胞癌で、細胞質内に粘液を貯留した印環細胞様のがん細胞が認められる。 日本病理学会病理コア画像より引用

がんの診断 1)生化学的診断 腫瘍マーカー 2)細胞診・組織診 (内視鏡検査を含む) 3)画像診断 (1)X線検査 (2)造影検査 1)生化学的診断 腫瘍マーカー 2)細胞診・組織診 (内視鏡検査を含む)  3)画像診断  (1)X線検査  (2)造影検査  (3)超音波検査  (4)超音波内視鏡検査  (5)X線CT ヘリカルCT  (6)MRI  (7)核医学検査

がんの早期診断は可能か? 55~74歳の約15万人を対象に、半数は4年間連続でX線検診を受けた人、半数は何も受けなかった人に無作為に分けて、肺がんによる死亡との関係を13年間、追跡調査した。  この間に肺がんで亡くなったのは、検診を受けた人では1213人、受けなかった人では1230人と、統計的に意味のある差は出なかった。がんの進行度なども、変わらなかった。 JAMA. 2011 Nov 2;306(17):1865-73. Epub 2011 Oct 26

食道癌のX線像と内視鏡像 胸部食道にほぼ全周性の隆起性病変を認める。 胸部食道にほぼ全周性の隆起性病変を認め、内視鏡にてこれ以上先に進むことは不可能だった。

肺癌のX潜像とCT像 左中肺野、第3前肋骨と第6後肋骨の重なる位置に淡い結節影を認める。 気腫性の肺をベースとし、左肺上葉S1+2b領域に1.4cm大の充実性結節影を認める。 国立がんセンター画像レファレンスデーターベースより

早期胃癌のX線2重造影像 前庭部、小穹寄りの後壁に、形が不整形な小さな浅い陥凹性病変を認める。同部位にわずかな粘膜ひだの集中も認める。 国立がんセンター画像レファレンスデーターベースより

早期大腸癌のX線像と内視鏡像 注腸検査で、直腸の左側壁に扁平な隆起性病変を認める。 病変の境界は明瞭で、最大径12mmであった。 組織学的には、粘膜下浸潤を伴った高分化型腺癌であった。 リンパ管や静脈への侵襲は見られず、リンパ節転移も認められなかった。 国立がんセンター画像レファレンスデーターベースより

大腸の小さな進行癌 切除された腫瘍の肉眼像。 10mm大の無茎性病変が認められる。 本腫瘍は10×10mmの表面隆起性病変である。 表層性陥凹があり、浸潤の存在が疑われる。 切除された腫瘍の肉眼像。 本腫瘍は10×10mmの表面隆起性病変である。 腫瘍は正常な粘膜に囲まれている。 病変の中心は陥凹しており、浸潤の存在が示唆される。 国立がんセンター画像レファレンスデーターベースより

胆嚢癌との鑑別が困難であった慢性胆嚢炎 胆嚢大部に隆起性病変を認める。不整形で内部エコー不均一である。 カラードプラにて病変の内部に血流信号を認める。 胆嚢粘膜はやや粗雑。胆嚢体部中央付近に粘膜下腫瘍様隆起を見る。 国立がんセンター画像レファレンスデーターベースより

小肝細胞癌のMRI、血管造影による診断 造影CT早期相で、S8の腫瘤内に2つの結節状の濃染像を認める。腫瘍内腫瘍(nodule-in- nodule)の所見である。 造影開始5分後のCTで、S8の腫瘤はリング状の高吸収域で縁取りされた低吸収域を呈している。 MRT2強調画像で、S8に高信号域を認める。 肝動脈血管造影動脈相でS8に類円形の濃染像を認める。 国立がんセンター画像レファレンスデーターベースより

病期診断の意義は? 1.今後の見通し 2.治療実績、治療成績の予測 3.治療法の選択 同じ病期にある患者のこれまでの予後に関するデータから、今後どのようん進行するのか、どのくらいの予後になるのか、予測ができる。 2.治療実績、治療成績の予測 同じ病期にあるこれまでの患者のデータをもとに、治療効果を予測できる。 3.治療法の選択 同じ病気の患者の治療実績をもとに、複数の治療法の中から最も効果の高い、しかも負担の軽い治療法を選択できる。

病期の進行度をどう判断するのか? がんがどのくらい大きくなっているのか・・・T因子 周辺のリンパ節への転移は・・・・・・・・・・・・N因子 遠隔臓器に転移しているのか・・・・・・・・・・M因子

表18 TNM分類 原発腫瘍 (T: Tumor=腫瘍) T0 腫瘍なし(塊を作っていない) T1~T4 がんの大きさ、浸潤の程度により、各臓器別に分類 リンパ節転移 (N: Lymph nodes =リンパ節) N0 リンパ節転移なし N1~N4 リンパ節転移の程度により、各臓器別に分類 遠隔転移 (M: Metastasis =転移) M0 遠隔転移なし M1 遠隔転移あり

T因子をどう判断するかの基準は癌腫毎に決められている。

表19.肺がんのT因子 T3:腫瘍径が7cmを超えるもの、あるいは以下 T1:腫瘍径が3cm以下 の特徴を有する    腫瘍は肺組織または臓側胸膜に囲まれて    いるが、葉気管支より中枢に浸潤しない    T1a:腫瘍径が2cm以下    T1b:腫瘍径が2cm〜3cm T2:腫瘍径が3cm〜7cm、あるいは以下の特徴   を有する    主気管支に浸潤が及ぶが腫瘍中枢側が    気管分岐部より2cm以上離れている    臓側胸膜浸潤がある    腫瘍によって肺門に及ぶ無気肺あるいは    閉塞性肺炎があるが、1側全体に及ばな    い    T2a:腫瘍径が3cm〜5cm    T2b:腫瘍径が5cm〜7cm T3:腫瘍径が7cmを超えるもの、あるいは以下   の特徴を有する   ・胸壁浸潤   ・横隔膜浸潤   ・横隔神経浸潤   ・縦隔胸膜浸潤   ・壁側胸膜浸潤   ・腫瘍が気管分岐部2cm未満に及ぶが、気    管分岐部に浸潤のないもの   ・腫瘍による無気肺および閉塞性肺炎が一    側肺全体に及ぶもの   ・同一肺葉内に複数の腫瘍結節 T4:腫瘍のサイズは問わず、以下の特徴を有    する   ・縦隔浸潤   ・心臓浸潤   ・大血管浸潤   ・気管浸潤   ・反回神経浸潤   ・食道浸潤   ・椎体浸潤   ・同側肺に存在する複数の腫瘍結節 肺癌取扱い規約(改定第7版)より引用

N因子とM因子をどう判断するかの基準も癌腫毎に決められている。

表20.肺がんのN因子とM因子 N(lymph nodes:所属リンパ節転移) N0:所属リンパ節転移なし   内リンパ節、および/または、同   側の肺門リンパ節への転移あるい   は直接進展 N2:同側の縦隔、および/あるいは、   鎖骨下リンパ節への進展 N3:対側中隔、あるいは対側肺門リン   パ節、あるいは同側・対側の斜角   筋あるいは鎖骨下リンパ節への転   移 M(metastasis:遠隔転移) M0:遠隔転移なし M1:遠隔転移あり M1a:対側肺葉内に存在する腫瘍結    節、悪性胸水、悪性心嚢水 M1b:遠隔転移あり 肺癌取扱い規約(改定第7版)より引用

臨床病期は、T因子、N因子、M因子の組合わせで決められる。

表21.肺がんの臨床病期分類 臨床病期 T N M IA 1a〜1b IB 2a IIA 1 2b IIB 3 IIIA 1a〜3 2 4 IB 2a IIA 1 2b IIB 3 IIIA 1a〜3 2 4 0〜1 IIIB 1a〜4 IV 1〜4 1〜3 1a or 1b 肺癌取扱い規約(改定第7版)より引用

遠隔転移があると、T因子がたとえ早期であっても、ステージIVと診断され、手術適応が無くなり、予後も圧倒的に悪くなる。 遠隔転移の有無の診断には、慎重さが要求される。

図68.画像診断によるがん転移の診断 肝臓造影CT像 骨シンチ像 PET/CT像 造影によってS8の病変は高吸収を示し、周囲の正常組織とコントラストが明瞭となっている。 肺腺がんの患者で、胸椎にホットスポットを認める。 骨シンチ像 PET/CT像 左肺上葉S3の原発巣にはホットスポットが認められ、縦隔リンパ節にも取り込みが認められ、リンパ節転移が疑われた。 国立がん研究センターがん診療画像レファレンスデータベースより引用

CTC (circulating tumor cell); 末梢血循環腫瘍細胞の検出による転移の早期診断 原発臓器を離れて遠隔臓器に転移する場合、必ず血管内を通過するのだから、それを検出すれば転移を早期に診断できる。

CTCの検出方法

病期毎に決まる治療法の選択

表22.肺がんの病期別治療法選択 進行度 非小細胞肺がん 小細胞肺がん I期 手術 手術+化学療法 II期 手術+術後化学療法 限局型 化学療法+胸部放射線療法 III期 分子標的療法 進展型 化学療法 IV期 再発例 肺癌取扱い規約(改定第7版)より引用