環日本海 経済関係でみると広義と狭義で異なる意味 *広義(日本、中国、朝鮮半島、ロシア) *狭義(日本の日本海側、中国東北三省

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環日本海 経済関係でみると広義と狭義で異なる意味 *広義(日本、中国、朝鮮半島、ロシア) *狭義(日本の日本海側、中国東北三省      朝鮮半島、極東ロシア)

講義および試験について 10月10日、17日、24日、31日 北東アジアの経済と経済関係(今村) 11月7日、14日、21日 10月10日、17日、24日、31日   北東アジアの経済と経済関係(今村) 11月7日、14日、21日  ロシアの工業化とエネルギー問題(森岡) 11月28日、12月5日、12日  日中ロの国境問題(堀江) 12月19日、1月9日、1月16日  農業問題(酒井)

中国の実像

日本と北東アジア、ロシアの貿易 2004年は26.3兆円(日本の貿易の23.8%)

日中貿易の推移

日本の順位 中国の順位 品目 2位 6位 IC 3位 40位 自動車の部品 4位 事務用機器 5位 音響機器 35位 船舶 8位 1位 コンピュータ・部品 9位 39位 半導体ダイオード 10位 テレビ部品

台頭する中国

中国の高成長の要因 1978年12月 改革開放政策の決定 改革(農業分野から~請負制の導入) 開放 貿易権限の委譲 外資導入 1978年12月 改革開放政策の決定  改革(農業分野から~請負制の導入)  開放 貿易権限の委譲      外資導入  計画経済から徐々に市場経済に 92年 鄧小平の南巡講話  市場経済の加速 社会主義市場経済  機会をつかめ~先富論

社会主義社会では 消費者が何を欲しがっているかの情報がない (情報を収集しようとしない) 生産計画は官僚が決める 私有財産が認められていない→利益は悪 売れないモノを作り続けても倒産する心配なし 「働かざるもの食うべからず」 →「働いても働かなくても同じ」 平等社会が建設されるはずだったのだが

体制変化と構造転換 ①共産党~「労働者の前衛」→「国民政党」 ②生産手段~農村(土地の流動化を認める) 企業(小型国有企業の私有化)          企業(小型国有企業の私有化)             (大中型~国有比率の段階               的な引下げ) ③市場が経済活動の支配的な調整システム                                              

漸進性と初期条件 ①改革の目標モデルが明確に示されず ~なし崩し的に ②(1) 増量改革 (2)試験・普及方式   ~なし崩し的に ②(1) 増量改革  (2)試験・普及方式  (3)改革それ自体の「漸進性」 ③経済発展が低かったこと(農業国であった)

なぜ成功したのか(ソ連との比較) 1.文化大革命の払拭 2.経済の後進性→新体制への「転換」ではなくて新体制の「追加」  (外資系企業、郷鎮企業) 3.海外との繋がり→華僑の存在 4.市場マインドが強い 5.改革の順序(ショック療法/漸進主義)

食糧と人口

対外貿易

外資導入

中国と世界 97年 アジア経済危機と中国 01年 WTO加盟(申請から15年) 「世界の工場」から「世界の市場」へ 人民元の問題 97年 アジア経済危機と中国 01年 WTO加盟(申請から15年) 「世界の工場」から「世界の市場」へ 人民元の問題 電力、水不足、賃金 SARS、鳥インフルエンザ China +One戦略

貿易大国となった中国の特徴 2004年には世界3位の貿易大国 (輸出5934億ドル 輸入5614億ドル) (輸出5934億ドル  輸入5614億ドル) 貿易依存度(02年 50.2%) 貿易相手国(2004年)  日本(14.5%) 米国(14.7%) 香港(9.7%) 米国にとって貿易赤字の最大の相手国は中国  (人民元レートの切り上げ圧力)  米貿易赤字6177億ドル(内対中1620億ドル) →05年7月21日 人民元切り上げ

中国経済の問題点 所得格差 賃金 エネルギー 環境問題 政冷経熱+民冷→経熱が経冷にならないために FTA→Win Winの関係の構築

FY-1C画像(2002年3月17日受信:黄色部分は大陸から     黄砂が朝鮮半島や日本海へ飛来する様子を示す) NPEC

中国峨眉山の冷杉の枯死状況 出典:酸性雨研究センター

東北三省と北東アジア 解放直後からの工業基地(重厚長大産業と国有企業) 「東北現象」と東北振興策 *遼寧省~日韓との貿易が中心   (丹東~北朝鮮との貿易増加) *吉林省~韓国との貿易   (北朝鮮との国境貿易、資源の開発輸入) *黒龍江省~増加するロシアとの国境貿易

東北3省と東北アジア 図們江(豆満江)開発計画(95年~05年) 中国琿春は発展(国際協力プロジェクトとしては?)  中国琿春は発展(国際協力プロジェクトとしては?) 05年9月 5カ国閣僚会議  (大図們江行動計画)  中国東北三省と内蒙古、北朝鮮羅先、  モンゴル東部地区、韓国東部沿海都市、  ロシアのプリモルスキー地方  事務局経費の各国負担

中国と北朝鮮 増加する中朝貿易(ただし原油の値上がり要因も大きい) 食糧の対朝輸出04年は激減  食糧の対朝輸出04年は激減  06年 中国(トウモロコシをエタンール・ガソリン)   →国内価格が高くなり、輸出の手控え 中国の対朝投資の増加  *資源外交  *北朝鮮のインフラ未整備、生産性の悪さから撤退する企業も (韓国の警戒感大「中国は北朝鮮を東北の第4の省にするのか」)

北朝鮮をめぐって 6カ国協議の開催 韓国も対北朝鮮経済交流を活発化 開城公団、金剛山観光、白頭山観光 電力支援(核放棄が前提だが)  開城公団、金剛山観光、白頭山観光  電力支援(核放棄が前提だが) 北朝鮮のミサイル発射 支援するコストと崩壊後のコスト  (支援しなければならない期間も問題だが)

江沢民が毎年50万トンの穀物、130万トンの原油、250万トンの石炭の供与を約束 中国の対北朝鮮援助約束 90     江沢民が毎年50万トンの穀物、130万トンの原油、250万トンの石炭の供与を約束 95 3000万元の援助(10万トンのトウモロコシ) 96 12万トンの穀物 97 15万トンの穀物を無償援助 98 10万㌧の穀物、2万トンの化学肥料、8万㌧の原油、無償供与 99 40万トンの穀物、15万トンのコークス 00     穀物と原油を無償援助 01     20万トンの穀物、3万トンのディーゼル油 02 5000万元相当の物資を無償援助(金日成生誕90周年) 03 呉邦国訪朝時、無償援助 04 2億元相当の無償援助を要請(金正日訪中時)(韓国紙報道)

北朝鮮の経済管理改善措置 2002年7月1日 経済管理改善措置 価格の引上げ(闇価格を表に) インセンティブ・システムは働かず 2002年7月1日 経済管理改善措置  価格の引上げ(闇価格を表に)  インセンティブ・システムは働かず →ハイパー・インフレと所得格差の拡大 →03年 人民生活公債の発行 →05年10月 食糧配給の正常化  (05年は天候良好、06年以降続けられるのか)

東北アジアの安定のために 北朝鮮 という 不安定要因       の   経済の崩壊と体制の崩壊は別 ソフトランディング FTA(10+3)  東アジア共同体