学籍番号: 07024 発 表 者: 張 海燕 指導教員: 鵜川義弘 平成20年度環境研中間発表 『 Flashを用いたマルチメディア教材の開発』 鵜川研究室環境教育実践専修の張海燕です。 これから、「Flashを用いたマルチメディア教材の開発」を研究テーマとして、発表を行います。 まず、このような研究テーマを考えた背景について、説明します。 学籍番号: 07024 発 表 者: 張 海燕 指導教員: 鵜川義弘
研究背景 マルチメディア教材の活用のニーズ 新しいマルチメディア教材のニーズ 環境教育に使えるマルチメディア教材 分かり易い教材で教育の効率化 →時間短縮→成績の向上(新学習指導要領) 教材作成環境の充実 新しいマルチメディア教材のニーズ 対話、体験、参加ができる教材 一斉授業、調べ学習、個別学習 更新し易いマルチメディア教材のニーズ 環境教育に使えるマルチメディア教材 事前、事後学習での利用 来年度から、新学習指導要領が実施され、学校では新しい教育が始まります。 そこでは、すべての授業で情報技術の利用が求められ、効率的な授業を行うことにより、時間短縮をし、成績の向上につなげることを目標にしています。 マルチメディア教材の作成は、コンピュータの機能の充実や、使い勝手(つかいがって)のよいソフトウエアの開発により、作成環境が充実してきています。 また教育現場では、これまでのマルチメディア教材の使用例である、 一斉授業、調べ学習の他に、個別学習でも利用可能な、対話、体験、参加ができる教材が必要と言われています。 環境教育分野では、事前事後学習に、マルチメディア教材を使うことで、学習効果が高まることが知られており、 私は、既存マルチメディア教材について調査を行い、環境教育の事前事後の個別学習に使える、 対話、体験、参加ができるマルチメディア教材を開発したいと考えました。
マルチメディア教材の形態と作成手法 授業提示型 データベース型 対話、参加型 マルチメディア教材の三つのパターン 一斉授業 動画映像 Powerpoint 調べ学習 データベース型 PHP HTML マルチメディア教材は主に実際の授業に繋がる一斉に授業するの授業提示型、調べ学習できるデータベース型と一人一人の興味、ペースで学習できる対話、参加型三つのパターンがあります。 個人学習 対話、参加型 Flash Java
授業提示型マルチメディア教材 ビデオ動画 授業提示、解説ための マルチメディア教材 PowerPoint まず、 授業提示型は主にPowerPoint、ビデオ、DVDなどの問題提示・まとめなどの形で 授業中に教室の前で映写するためのマルチメディア教材です。 授業提示、解説ための マルチメディア教材 PowerPoint
データベース型マルチメディア教材 調べ学習 PHP HTML Online植物アルバム データベース型はインターネットの検索で調べ学習として使われるもので、 PHP,HTMLなどのプログラミングで作成したWeb上のデータベース教材です。 Online植物アルバム 調べ学習のためインターネット蓄積型のマルチメディア教材 PHP、htmlで作成した蓄積型データベース
対話、参加型マルチメディア教材 数学の教材 個別学習のための対話、参加型マルチメディア教材 理科の教材 対話、参加型マルチメディア教材は、 主にJavaやFlashで作成するもので、マウスやキーボードで制御でき、 ユーザの操作をリアルタイムで反映してくれる双方性も持ったマルチメディア教材です。 Javaとは、サンマイクロシステム社が開発したプログラミング言語で、 Flashとは、 Adobe 社が開発した音声と画像の組み合わせでアニメーションを作成するソフトです。 理科の教材
Flashの活用状況 動きがあるWEBサイト ゲーム作成 マルチメディア教材 YouTubeストリーミング 機種依存ことなく ダウンロードしながら再生できるストリーミング機能(flv) ゲーム作成 Flashは、もともとパソコンで動作するアニメーションソフトとして開発されましたが、 フォントに依存することもなく、プラグインはどのOSにも提供され、多くのWebブラウザで利用可能です。 インターネットのホームページで動きのあるバナー広告や、コンテンツに使われるようになり 爆発的に利用されるようになりました。 また、FLVというプラグインによりファイルサイズを軽くでき、ダウンロードしながら再生できるストリーミング機能もあり、 ストレスなくアニメーションを再生することが可能なので、 YouTubeのような視聴者(しちょうしゃ)投稿型(とうこうがた)のサイトにも利用されています。 さらに、内蔵されいるスクリプト言語ActionScriptで、コンテンツの再生制御、 データベースサーバと連携することができ、Flash ゲームなどのインターネットアプリにも活用されています。 そのほか、動きを持たせることが出来るため 理科、英語などの教科のマルチメディア教材の作成に応用され、 最近は、環境教育用のFlash教材も増えてきたました。 内蔵されいるスクリプト言語ActionScript マルチメディア教材 動きを持たせることが出来ため、表現力をますことで
環境教育における補助コンテンツ 教科横断型の環境教育プログラム バタフライガーデン 事前事後の補助コンテンツ 体験学習の題材に沿ったFlash教材 ゲーム勝つをために、文章を覚え、絵を認識、行動に移せる ゲームを繰り返すことで確かな記憶 宮城教育大学には校庭のチョウを題材(だいざい)とした体験学習型の環境教育プログラム「バタフライガーデン」があります。 私はバタフライガーデンの体験学習の事前のガイド、もしくは事後の復習などに使える 対話、参加型のマルチメディア教材として、 Flashゲームを中心に研究開発を行なってきました。 体験学習から得た情報を自分の興味、自分のペースで楽しく学習できるゲームであれば、 繰り返すことで認識が深まると考えました。 では、これまでに作成したコンテンツを紹介します。
チョウのパズルゲーム チョウの体の仕組みを子どもが学習するには、 実物のチョウの標本作りを体験するのが一番ですが、より簡単に体験ができるよう、 Flashでチョウの羽(はね)、触覚(しょっかく)、足などのパーツを用意、 パーツの組み立てを通(とう)して、チョウの体の仕組みを学習できます。
Flash作成の従来の時間軸方法 タイムライン ActionScript いわゆるパラパラ漫画方式で、複数の絵を次々に切り替えることで動いているように見えるというもので、 図のように、この方法で作成したコンテンツは、作るのは簡単ですが、時間の分配方法が複雑で しかも時間を制御するためのプログラムであるActionScriptがあちこちに記述されいるので、 後で編集するのは非常に困難です。 ここが、Flash の弱点でもあります。
『チョウを育てよう!』ゲーム (オブジェクト指向プログラム) チョウと植物の関係、チョウの変態 つぎに作成したのは、「チョウを育てよう」というゲームです。 このゲームは、いわゆる「落ちものゲーム」で落ちてくる植物を判断、幼虫に相応(ふさわ)しい食べ物を選択します。 正解すれば子供がチョウの成長にそって卵から、幼虫、蛹、成虫などの様子を辿ることができます。 このゲームをとおして、学習者はチョウの食物の関係とチョウの成長段階の変化も学習することができます。 このゲームは先ほどの時間軸方法とは違い、よりプログラムし易い、オブジェクト指向のプログラムが用いられています。
オブジェクト指向プログラミング プログラミングを開発設計する際、 個々の操作対象に対して固有の操作方法を設定すること オブジェクト指向プログラミングの利点は図のように、プログラミングを開発設計する際、 個々の操作対象に対して固有の操作方法を設定することです。 作成されたゲームは、改変がし易いのが特徴です。
オブジェクト指向方法 オブジェクト指向型プログラミングは、外部プログラムにリンクする方式なので、 図柄を変更するだけで様々なものに応用ができます。 そのためFlash教材モデルとして使えるので非常に重要だと考えられます。
チョウのクイズゲーム これは、学習者が自分で学習内容を確認できる、チョウのクイズゲームです。 チョウの足は何本ですか。4本、あるいは6本を選択するようになっています。 これまでと同様に、Flashのプログラミング言語であるActionScriptと 新しく、XMLを連携させて作成しています。
XMLと連携して更新性を高める XMLとは Extensible Markup Language(拡張可能なマーク付け言語)の略である XMLがFlashコンテンツの活用 一般Webサイトには、動的なメニュー、スライドショー、Flash地図などの位置つけなどよくみられている。 XMLとは拡張可能なマーク付け言語の略で、 XMLは天気予報など一般Webサイトには、動的なメニュー、スライドショー、 Flash地図の位置づけなどのコンテンツに応用されています。 ここではチョウのクイズゲームを例をとしてActionScriptとxmlの連携について説明します。
XMLファイルの例 読み込む 問題番号 作成したクイズゲームの例 問題 答え項目 正解 <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <butterfly> <チョウ id="4" question=“チョウの頭についている二本「触覚」といわれるものの仕事は人間の体のどの部分と似ているか" answer1="鼻" answer2="耳" seikai="1"> </チョウ> </butterfly> 読み込む 問題番号 作成したクイズゲームの例 問題 左側は作成したXMLファイルの一部です。右側は作成したクイズケームです。 図のようにチョウのクイズゲームの問題四が問題番号、 問題文、解答の選択肢、正解、説明文などの部分すべてXMLファイルで定義されています。 問題を追加したり、修正したりするときは、Actionscriptによるプログラミングのことを考えることなく、左のXMLを修正すれば済みます。 もしチョウではない場合も、レイアウトの画像を替えれば、ダンゴムシ、環境調査、環境リテラシーなどのクイズを簡単に作れます。 答え項目 正解
XMLと連携ことにより1 問題点 改善方法 プログラミング基礎が必要 変更や修正が困難である 外部ファイルと連携する(XML) 従来、Flashを用いる教材は、作った本人でないと、変更することが難しかったのですが、 このように外部ファイルXMLと連携して、外部テキストファイルを参照、修正することにより、 プログラムを触らなくでも更新することができるようになります。 このことは、他のデータベースと連携するなどの拡張性をもつことにつながると思われます。 たとえば 外部テキストファイル修正するだけで、プログラミング触らなくでも更新を行なえるコンテンツへ
先行研究への活用の検討 XML 仙台市用 XML 東京用 全国対応 XML 大阪市用 ゴミ分別ゲーム ゴミ分別ゲーム 、仙台版しかない、優れたインタフェース無駄ない XML 仙台市用 XML 東京用 全国対応 鵜川研究室所属した堀米千春さんが作られたゴミ分別ゲームは 優れたインタフェースを持ち環境教育コンテンツですですが仙台市しかありません。 もしこの方法でデータや対応関係はすべでxmlで定義すると、各市、県、全国範囲も対応できるではないかと考えられます。 XML 大阪市用 ゴミ分別ゲーム
今後の予定 Flash版チョウ図鑑の完成 作成したコンテンツの実践と評価 携帯用Flashコンテンツの検討 外部XMLファイルによる画像の取り込む ゲームを組み込む 作成したコンテンツの実践と評価 携帯用Flashコンテンツの検討 QRコードの活用 体験学習の案内、ガイドの作成 Flash版チョウ図鑑 今回は説明しませんでしたが、以前に作成したFlash版チョウ図鑑に ここで作成したゲームを組み込むことで完成させたいと考えています。 ゲームはXMLでテキスト中心に作成しましたが、今後は外部に置いた画像も取り込むことで画像も自由に変更が可能なようにしたいと考えています。 そして、体験学習に使ってもらって実践、評価を行いながら、全体として完成させたいです。 また、QRコードを活用して携帯用Flashコンテンツが体験学習の案内、ガイドとして検討する予定です。 QRコード
各作成手法の比較 作成手法 難易度 更新 開発環境 効果 授業提示型 PowerPoint 容易 良い 提示はできる 制御は困難 ビデオ動画 作成手法 難易度 更新 開発環境 効果 授業提示型 PowerPoint 容易 良い 提示はできる 制御は困難 ビデオ動画 動画編集ソフト など データベース PHP、HTML PHPプログラム知識が必要 やや難しい サーバ関係知識が必要 検索はできる 辞書などの機能が充実 対話、参加型 JAVA JAVAの知識が必要 Java, Eclipseなどの統合開発環境が必要 制御ができるがアニメーション作成が複雑 Flash 複雑制御の時Actionscriptの知識が必要 難しい (改善できる) グラフィック&プログラミング アニメーション作成が簡単、 制御できる 図のようにflashはシュミレーション、アニメーション作成するのは簡単です。 複雑制御するときActionScriptの補助が必要ですがグラフィックデザインとプログラミングの統合開発環境なので、 容易な開発環境で教材が作成できますので、本研究はAdobe社のFlashを用いて、対話、参加型のマルチメディア教材を目指し、Flash教材の更新困難という問題点を踏まえ、効率的な作成手法を検討します。 それでは、Flashの各エリアでの活用状況から、教材作成のメリットを説明します。 この他に、数は存在するが、先生方の教育スタイルに合わない、細かい調整ができない 利用方法に合わない、 。 つぎは、この三つのパターンそれぞれの作成手法や機能について説明します。