「生命科学特別講義Ⅱ 」 1.地衣類概説Ⅰ (9/4 ①) 2.地衣類概説Ⅱ (9/4 ②) 3.地衣類の分類・系統と進化 (9/4 ③)

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「生命科学特別講義Ⅱ 」 1.地衣類概説Ⅰ (9/4 ①) 2.地衣類概説Ⅱ (9/4 ②) 3.地衣類の進化と系統 (9/4 ③)
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「生命科学特別講義Ⅱ 」 1.地衣類概説Ⅰ (9/4 ①) 2.地衣類概説Ⅱ (9/4 ②) 3.地衣類の分類・系統と進化 (9/4 ③) 4.地衣類の一次代謝 (9/4 ④) 5.地衣類の環境耐性 (9/4 ⑤) 6.地衣類の二次代謝 (9/5 ①) 7.地衣成分の生物活性 (9/5 ②) 8. 地衣類観察会 (9/5 ③-⑤) : 羅漢の里) 9 .地衣類の培養と地衣成分生産 (9/6 ①) 10.地衣類の形態形成と人工栽培 (9/6 ②) 11.地衣類の利用 (9/6 ③) 12.地衣類グループ討論 (9/6 ④) 13.地衣類グループ発表 (9/6 ⑤) 2018/9/19

地衣類の二次代謝 地衣成分 地衣成分の分析 地衣成分とは 地衣成分の役割 地衣成分の生合成 呈色反応 顕微結晶法 薄層クロマトグラフィー(TLC) 高速液体クロマトグラフィー(HPLC) HPLC 分析の実際 2018/9/19

芳香族地衣成分 2018/9/19

地衣成分の役割・有用性 薬・染料・香料 環境耐性 対昆虫防御 ラジカル補足 対かび防御 紫外線防御 対細菌防御 増殖制御 対植物(蘚苔類)防御 合成制御 薬・染料・香料 2018/9/19

地衣成分の特徴 ・1000種類以上の化合物が知られている ・菌が産生する ・地衣類特有の化合物が多い ・分類のマーカーの一つとして用いられる ・生物活性を持つ 2018/9/19

地衣成分の役割 2018/9/19

芳香族地衣成分と化学分類 Colored Lichens Common Lichens Letharia Peltigerales Vulpicida Pseudocyphellaria 2018/9/19

芳香族地衣成分の生合成 2018/9/19

Cristazarinsの生合成経路 ポリケチド合成経路 cristazarins ポリケチド合成酵素(PKS)が関与 2018/9/19

ポリケチド合成酵素(PKS)遺伝子 よく保存されたKS領域を増幅 この配列を基に全長遺伝子をクローニング PKS AT ACP KS KR DH ER AT アシル基転移酵素 ACP アシルキャリアータンパク質 KS ケトアシル合成酵素 KR ケトアシル還元酵素 よく保存されたKS領域を増幅 DH 脱水酵素 ER エノイル還元酵素 この配列を基に全長遺伝子をクローニング 2018/9/19

増幅産物の塩基配列と 予想されるアミノ酸配列 775 bp / 239 AA 2018/9/19 1 GAYCCGCGGTTTTTCAATATGTCCCCACGAGAAGCCACGCAAACTGATCCCATGCATCGGCTCGGTCTAGCGAGCGCCTACGAAGCCCTAGAAATGGCAG 100 P R F F N M S P R E A T Q T D P M H R L G L A S A Y E A L E M A G 101 GCTATGTACCAAACCGAACCCCCTCCACAAAACTTGACAGAATTGGCACGTTCTATGGTCAAACCAGTGACGATTGGCGAGAAATCAATGAAGCTCAGGA 200 Y V P N R T P S T K L D R I G T F Y G Q T S D D W R E I N E A Q D 201 TATAGACACGTACTTCATTACTGCTGGTGTCAGAGCGTTCGCACCAgtgagcaacacttccgcctagaaaaccccttgggatctgctgatagagaattag 300 I D T Y F I T A G V R A F A P 301 GGTAGGATCAATTACTACTTCAAGTTTAGTGGTCCCAGCTTTAGCATCGACACTGCCTGCTCCTCAAGTGCCGCAGCTTTACAGCTCGCATGCACGTCCT 400 G R I N Y Y F K F S G P S F S I D T A C S S S A A A L Q L A C T S L 401 TGTGGGCTGGTGACTGCGATACCGCCGTAACAGGGGGTCTCAATGTGATGACCAATTCTGACATCTTCGCTGGGCTCAGCCGGGGTCAATTTCTGTCCAA 500 W A G D C D T A V T G G L N V M T N S D I F A G L S R G Q F L S K 501 GACAGGAAATTGTCAAACGTTTGATAACGACGCAGATGGGTACTGCCGAGGCGATGGTATCGGCAGTTTAGTTATCAAGCGTTTAGACGACGCGTTGTTC 600 T G N C Q T F D N D A D G Y C R G D G I G S L V I K R L D D A L F 601 GACAACGATCGTATCCTGGGCGTCATCCTCGAGACGGCAACGAATCACTCTTCCAATGCGATTTCTATCACCCATCCTCATGCACCAACGCAGGAGCAGC 700 D N D R I L G V I L E T A T N H S S N A I S I T H P H A P T Q E Q L 701 TCTTTAAGAAAGTCTTGGATGACGCTGGTCTTGACCCGCGGTTTTTCAACATGTCGAAATGCACGGCACCGGCAC 775 F K K V L D D A G L D P R F F N M S K C T A P A 775 bp / 239 AA 2018/9/19

PKS 遺伝子のKS領域の分類 Aspergillus parasiticus1 Dermatocarpon miniatum Penicillium thomii Penicillium griseofulvum Aspergillus fumigatus1 Aspergillus fumigatus2 Aspergillus parasiticus2 Aspergillus nidulans2 Gibberella fujikuroi1 Xanthoria parietina Aspergillus oryzae Gibberella fujikuroi2 Aspergillus terreus Xanthoparmelia orientalis Aspergillus nidulans3 Aspergillus nidulans1 Neurospora crassa Xylaria sp. Botryotinia fuckeliana Monascus purpureus Vulpicida pinastri (CET/PI) Aspergillus niger Xanthoparmelia tuberculiformis Cladonia cristatella Dermatocarpon miniatum Aspergillus parasiticus1 Lecanora nashii Lecanora flotowiana Lecanora macrocyclos Lecanora straminea Lobaria orientalis 2018/9/19

地衣類の二次代謝 地衣成分 地衣成分の分析 地衣成分とは 地衣成分の役割 地衣成分の生合成 呈色反応 顕微結晶法 薄層クロマトグラフィー(TLC) 高速液体クロマトグラフィー(HPLC) HPLC 分析の実際 2018/9/19

呈色反応とは ・地衣類には近縁の種類で成分を異にするものがある。 ・この成分の差が簡単な呈色反応で区別できることがある。 ・地衣類の同定に呈色反応が19世紀中葉から利用されている。 ・呈色反応の種類 C反応:次亜塩素酸ナトリウムの飽和水溶液 K反応:5%水酸化カリウム水溶液 P反応:パラフェニレンジアミンのアルコール液 2018/9/19

呈色反応の実際 近縁で成分を異にするアンチゴケとサボテンアンチゴケ C-:アンチゴケ   C+赤色:サボテンアンチゴケ 2018/9/19

顕微結晶法とは ・地衣類に含まれる地衣成分をアセトンなどの溶媒に溶かし、スライドなどのガラス上で溶媒を蒸発させてアセトンエキスを得る。 ・このアセトンエキスをメスまたはカミソリで掻き取り、別のスライドに移して、GE液(酢酸とグリセリンの混合液)に封じ、少し暖めて溶かし、冷却して再結晶させる。 ・またはアセトンエキスに各種の試薬を加え、錯塩を作らせ、その結晶形を観察する。 ・各結晶は特異的な形状をとる場合が多いので簡易に成分を同定する。 2018/9/19

顕微結晶法の手順 2018/9/19

顕微結晶法による結晶のいろいろ 2018/9/19

クロマトグラフィー 物質の担体と溶媒への吸着力の違いにより分離する ぺーパークロマトグラフィー 薄層クロマトグラフィー 高速液体クロマトグラフィー ガスクロマトグラフィー 我々は、現在地衣類の培養や栽培について研究を進めています。中でも地衣類の生育に培養環境や栽培環境がどのように影響しているかに大変興味を持っています。実際の地衣類の分布や生育に環境がどう影響しているのかについては、大気汚染などに特殊な条件や大まかな気候の影響などでは明らかにされています。しかし、野外調査に出ると、地衣類が豊富なところとそうでないところが隣り合わせといった状況に出会うことが数多くあります。その原因と考えられる湿度や気温、降水量、日照など微環境の影響はほとんど調べられていません。そこで、ある限られた地域で地衣類の分布状況を調査しその違いを明らかにすることで微環境の影響を考察してみようと考えました。 2018/9/19

薄層クロマトグラフィー(TLC) 保持距離(Rf) 特徴 呈色 全化合物 TLC :シリカゲル TLC :シリカゲル 流出溶媒 :A トルエン:ジオキサン:酢酸 = 180:45:5 B‘ ヘキサン:メチル-t-ブチルエーテル:ギ酸 = 140:72:18 検出 :10%硫酸噴霧⇒110℃加熱 保持距離(Rf) 特徴 呈色 全化合物 我々は、現在地衣類の培養や栽培について研究を進めています。中でも地衣類の生育に培養環境や栽培環境がどのように影響しているかに大変興味を持っています。実際の地衣類の分布や生育に環境がどう影響しているのかについては、大気汚染などに特殊な条件や大まかな気候の影響などでは明らかにされています。しかし、野外調査に出ると、地衣類が豊富なところとそうでないところが隣り合わせといった状況に出会うことが数多くあります。その原因と考えられる湿度や気温、降水量、日照など微環境の影響はほとんど調べられていません。そこで、ある限られた地域で地衣類の分布状況を調査しその違いを明らかにすることで微環境の影響を考察してみようと考えました。 2018/9/19

薄層クロマトグラフィーの実際 我々は、現在地衣類の培養や栽培について研究を進めています。中でも地衣類の生育に培養環境や栽培環境がどのように影響しているかに大変興味を持っています。実際の地衣類の分布や生育に環境がどう影響しているのかについては、大気汚染などに特殊な条件や大まかな気候の影響などでは明らかにされています。しかし、野外調査に出ると、地衣類が豊富なところとそうでないところが隣り合わせといった状況に出会うことが数多くあります。その原因と考えられる湿度や気温、降水量、日照など微環境の影響はほとんど調べられていません。そこで、ある限られた地域で地衣類の分布状況を調査しその違いを明らかにすることで微環境の影響を考察してみようと考えました。 2018/9/19

高速液体クロマトグラフィー(HPLC) 保持時間(Rt) 特徴 定量性 UVスペクトル 装置 :島津製作所製 HPLC 10A-DP カラム :YMC-Pack ODS-A, 150 x 4.6 mm I. D., S-5 µm, 12 nm 流出溶媒 :MeOH:H2O:H3PO3=80:20:1、流量:1 ml/min カラム温度 :40℃ 検出器 :フォトダイオードアレイ、検出波長:180-700 nm(254 nm) 保持時間(Rt) 特徴 定量性 UVスペクトル 我々は、現在地衣類の培養や栽培について研究を進めています。中でも地衣類の生育に培養環境や栽培環境がどのように影響しているかに大変興味を持っています。実際の地衣類の分布や生育に環境がどう影響しているのかについては、大気汚染などに特殊な条件や大まかな気候の影響などでは明らかにされています。しかし、野外調査に出ると、地衣類が豊富なところとそうでないところが隣り合わせといった状況に出会うことが数多くあります。その原因と考えられる湿度や気温、降水量、日照など微環境の影響はほとんど調べられていません。そこで、ある限られた地域で地衣類の分布状況を調査しその違いを明らかにすることで微環境の影響を考察してみようと考えました。 2018/9/19

高速液体クロマトグラフィーの実際 形態では同定が困難な地衣類の同定 シラチャウメノキゴケ(Ca)とタナカウメノキゴケ(Ct) 67 個体標本 (愛知、三重、滋賀、京都、奈良、大阪、兵庫、 広島、山口、福岡) 2018/9/19

シラチャウメノキゴケとタナカウメノキゴケ 分類:ウメノキゴケ科ハイイロウメノキゴケ属 特徴:灰白色地衣体、粉芽 成分: ペルラトール酸 ジバリカート酸 シラチャウメノキゴケの粉芽 シラチャウメノキゴケ タナカウメノキゴケ 2018/9/19

●シラチャウメノキゴケと●タナカウメノキゴケの HPLC 2018/9/19

●シラチャウメノキゴケと●タナカウメノキゴケの産地分布 ● シラチャウメノキゴケ ● タナカウメノキゴケ 2018/9/19