第3課:等級 平成16年10月25日 星の光をどう表現するか?

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J: 系外銀河 単位名 大学院:恒星物理学特論IV 教官名 中田 好一 授業の内容は下のHPに掲載される。
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第4課 輻射の方程式 I 平成16年11月1日 講義のファイルは、
I:銀河系 単位名 大学院:恒星物理学特論IV 教官名 中田 好一 授業の内容は下のHPに掲載される。
K: 恒星スペクトル 2007年1月22日 単位名 学部 :天体輻射論I 大学院:恒星物理学特論IV 教官名 中田 好一
第5課 輻射の方程式 II 平成16年11月8日 講義のファイルは
F: エディントン近似 2006年11月13日 単位名 学部 :天体輻射論I 大学院:恒星物理学特論IV 教官名 中田 好一
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第3課:等級 平成16年10月25日 http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/kisohp/STAFF/nakada/intro-j.html 星の光をどう表現するか? 等級=「基準星よりどのくらい明るい」     実用的なので広く用     という方法                   いられている。    紀元前2世紀にギリシアのヒッパルコスが目で見える星の明るさを1等から6等までの6グループに分けた。(と、プトレマイオスのアルマゲストに書いてあるらしい。) その後、1830年にジョンハーシェルが等級の定量的な研究を行い、1856年ポグソンが定式化した。 ハーシェルは大小の望遠鏡を使い、同じ明るさに見える2つの星を探した。    口径         Da  Db    星の明るさ     A   B    とすると、望遠鏡で同じ明るさに見えるので、     A×Da2 = B×Db2     したがって、     A / B =Db2 /Da2 こうして、等級が1等上がると明るさは                       約 (1/2.5)倍に落ちることを見出した。                     

ちょっと、ハーシェルの真似をして、1等差が明るさで何倍かを推定して見よう。 1等が明るさ(1/A)倍に対応し、星の本当の明るさは皆同じと仮定する。見かけの 明るさは距離Dと1/D2の関係だから、明るさが1/A倍になると距離は(√A)倍、 体積はA3/2倍になる。太陽の周りの星の密度を一定とすると、体積はその等級 までの数に比例するから、1等増える毎に星の数が何倍になるかを調べればA が決まるはずである。 ヒッパルコスの等級の表はしらないので、ややいんちきだが、理科年表から、 実視等級  -1  0  1   2   3   4     5     6    個数      2  7  12  67 190 710  2000  5600 累積      2  9  21  88 278 988  2988  8588  Log 累積 0.30 0.95 1.32 1.94 2.44 2.99 3.48 3.93

ハーシェルの求めた2.5と近いか 外れたか、どちらだろう? 4 Log 累積 =0.95  +0.5等級 =(3等級/2)log A Log A=1/3 A=2.2 ハーシェルの求めた2.5と近いか 外れたか、どちらだろう? 3 2 1 0 0 1 2 3 4 5 6 -1 A=2.2と2.5より少し小さくなったのは、遠方にある巨星が一様等方分布からずれているためかも知れない。

3.1. みかけ等級 見かけ等級(apparent magnitude)は、 F=対象天体を観測した際のフラックス 3.1. みかけ等級 見かけ等級(apparent magnitude)は、 F=対象天体を観測した際のフラックス Fo=基準天体のフラックス       とすると、 見かけ等級 m=ー2.5 log10( F / Fo ) 注意: フラックスではFλとFνが異なる、      ディメンジョンも値も、Fλ≠Fνと言ったが、      等級では、       mλ=mν F(λ) λ log Fo(λ) logF(λ) m(λ) なぜなら、 m(λ)=-2.5 log[F(λ)/Fo(λ)] m(ν)=-2.5 log[F(ν)/Fo(ν)] F(ν) ν log Fo(ν) log F(ν) m(ν) m(λ) =-2.5 log[λF(λ) / λFo(λ)]     =-2.5 log[νF(ν)/ νFo(ν)]     =-2.5 log[F(ν)/ Fo(ν)] = m(ν)

等級と距離 フラックス=F2 F2=L/(4πD22) F1=L/(4πD12) 等級=m2 D2 m2 ーm1 =ー2.5log(F2 /Fo)+ 2.5log(F1 /Fo)   =5log(D2 /D1) フラックス=F1 等級=m1 D1 注意: 2つの天体の等級差は、距離の比を表わす。距離の絶対値ではない。      maーmb=10 だと、5 log(Da/Db)=10 より、Da/Db=100 は正しい。      しかし、Da-Db=10m とか、Da-Db=100pc と考えてはいけない。

等級とフラックス (1) Fo(λ)=見かけ等級 0 のフラックス =αLyrae(ベガ)のフラックス(に近い) (1) Fo(λ)=見かけ等級 0 のフラックス =αLyrae(ベガ)のフラックス(に近い) したがって、 等級 m(λ)の星のフラックス F(λ)= 10ーm(λ)/2.5 Fvega(λ) 例1. m=-1    F= Fvega×101/ 2.5=2.512 Fvega      m=+5    F= Fvega×10-5 / 2.5=0.01 Fvega (2) Δm<<1 のとき、  F(m+Δm)/F(m)=10-Δm/2.5=exp (-Δm×ln10 / 2.5 ) = exp(-Δm×2.302/2.5)=exp(-0.921Δm) ≒(1-Δm ) 上の関係は概算の際に便利。 例えば、等級が0.1大きい星は、フラックスで約1割小さい。

写真システム 北極星の周りの96星(周極星)のセットが標準星。 (IAU1922) 3.2. UBVシステム 眼視等級     Hipparcos catalogue 前2世紀               1等=最も明るい星。   6等=目で見える最も暗い星。            Pogson  1856   ma-mb=-2.5log(Ea/Eb)                           m=等級   E=入射エネルギー 口径 D m の望遠鏡を覗いた時、何等まで見えるか?    暗い晩の人間の瞳孔径=7mm  mb=6等   D m                    Eb×( 7mm)2 =Ea ×(D m)2  ma = mb-2.5log(7mm/D m)2 =6+2.5log(D2106/49)                          =16.8+ 5logD 写真システム 北極星の周りの96星(周極星)のセットが標準星。 (IAU1922)       Pg : photographic magnitude  0.43 μm Pv : photovisual magnitude   0.54 μm

UBV Response CurveとA0型星のスペクトル ( ) UBVシステム=最も広く使われていた。      H.L.Johnson and W.W.Morgan, 1953, Ap.J. 117, 313-352 U Corning 3384                   350 nm B Corrning 5030 + Schott GG13 + 1P21 フォトマル 430 nm  V Corning 9863           (RCA)   550 nm UBV Response CurveとA0型星のスペクトル (     )  3,000 4,000 5,000 6,000 λ(A) U B V A0星 透過率

UBV Primary Standard Stars (次ページの ) UBVシステムの標準星 ゼロ等の決定 (次ページの   ) V B-V Sp. V B-V Sp.      αLyr 0.03 0.00 A0V     γUMa 2.45 0.00 A0V 109 Vir 3.75 -0.01 A0V    α CrB 2.23 -0.02 A0V γ Oph 3.72 0.04 A0V HR 3314 3.89 -0.01 A0V B-V=-2.5 log (B出力/V出力)+1.040、 U-B=-2.5 log (U出力/B出力)- 1.120 A0V 6星のカラーの平均値=U-B=B-V=0 UBV Primary Standard Stars   (次ページの   ) V B-V Sp. V B-V Sp. α Ari 2.00 1.151 K2III HR 875 5.17 0.084 A1V β Cnc 3.52 1.480 K4III η Hya 4.30 -0.185 B3V β Lib 2.62 -0.111 B8V α Ser 2.66 1.165 K2III ε CrB 4.15 1.227 K3III τ Her 3.89 -0.155 B5IV 10 Lac 4.88 -0.203 O9V HR8832  5.57 1.010 K3V

UBV 標準星 H.Johnson in Basic Astronomical Data 1963 0 1 2 K2III K2III B8V 3 K4III B5IV 4 K3III B3V O9V 5 A1V K5V 6 0 1 -0.4 1.6

標準星と色補正(1) A B 二つの観測システム A:標準 (例えばJohnson) B:例えばハワイ があった時 標準星と色補正(1)  二つの観測システム  A:標準 (例えばJohnson)  B:例えばハワイ  があった時 AとBでは同じバンドでも感度曲線が異なる。 A B 感度 赤い星 (長波長側が強い) 青い星 (短波長側が強い) λ λA λB 図の赤い星と青い星は、Aシステムでは同じ等級だが、Bシステムでは異なる等級となる。 Bシステムの観測値をA(標準)システムでの値に直す必要がある。

標準星と色補正(2) A B mA-mB 感度 星1 星1 星1 星2 β 星2 λ 0 1 カラー(B-V)A λA λB 標準星と色補正(2)  mA-mB A B 感度 星1 星1 星1 星2 β 星2 λ 0 1 カラー(B-V)A λA λB mA=mB+α(B-V)A+β  普通、1次式を仮定して補正する。    αを決めるためには、 (B-V)Aが青(≒0)と赤(≒1.5)の両方欲しい。 ーー> 標準星がO,B,A型(青星)とK型(赤星)から選ばれている。

UBVシステムの拡大 RIJKLMN Johnson/Mitchell 1962 Comm.Lunar Plantary Lab.1,73 Johnson et al. 1966 Comm.Lunar Plantary Lab.4,99   バンド R I J K L M N Q     λc 0.7 0.9 1.25 2.2 3.4 4.9 10.2 20.0 Cousins 1976, Mem.RAS 81, 25 バンド Rc Ic λc 0.638 0.797 H (1.63μ) Glass 1974 MNAS SA,33, 53  注意   λ(R)=0.7μ、λ(Ⅰ)=0.9μ、         λ(Rc)=0.66μ、 λ(Ⅰc)=0.81μ 実際の観測にはもっと大きな標準星表を使う。 UBVRcIc  Landolt 1992、Astron.J. 104,340  JHK Elias et al. 1982、AJ, 87, 1029.

その他のシステム(1) U B V A0星 u b v y 0.3 0.4 0.5 0.6 λ(μ) Stromgren 4-color system uvby   1960年代   バルマー不連続、金属量、温度をより正確に測る。A-F型星向き U B V 透過率 A0星 u b v y  0.3 0.4 0.5 0.6 λ(μ) u: 完全にバルマージャンプより短波長側。  b: メタル吸収の影響をBほどは受けない。 y: 基本的にはVと同じで、巾が狭い。

その他のシステム(2) Stromgren 4-color system 続き m1=(v-b)-(b-y) :  金属量 c1=(u-v)-(v-y) : バルマー不連続 b―y : 温度 DDO system          McClure 1976 AJ 81、182                      G,K型星 35フィルター  4-colorのu 38フィルター  vより金属吸収によい 41フィルター  CNバンド測定 42,45,48  連続光 U B V 透過率 A0星 48 45 38 41 35 42  0.3 0.4 0.5 0.6 λ(μ)

その他のシステム(3) DDO続き U B V A0星 0.3 0.4 0.5 0.6 λ(μ)0.7 その他のシステム(3)   DDO続き (35-38)カラー: バルマージャンプ (38-42)カラー: 金属量 (42-45)カラーと(45-48)カラー: 重力と温度  Thuan-Gunn システム     Thuan/Gunn1976 PASP 88, 543 市街地の水銀線と夜光の[OI]線 を避ける。 U B V 基準星は。 CD+174708 (G型矮星) で、この星の g=9.50 g-r=u-v=v-g=0 と独特の定義。 透過率 A0星 u v g r  0.3 0.4 0.5 0.6 λ(μ)0.7

その他のシステム(4) AB等級 Fν(0等)=3631Jy SDSSで採用 その他のシステム(4)   AB等級 Fν(0等)=3631Jy SDSSで採用 AB=-2.5 log [fν/3631Jy]= 8.900-2.5 log [fν(Jy)] 旧来のゼロ等がABで何等になるか? F(mag=0,ν) バ ンド U B V Rc Ic J H K L M N Q λ(μ) 0.366 0.438 0.545 0.641 0.798 1.22 1.63 2.19 3.45 4.8 10.6 21 Fo(Jy) 1790 4063 3636 3064 2416 1590 1020 640 290 170 36 9.4  AB 0.768 -0.122 –0.002 0.184 0.442 0.897 1.378 1.885 2.744 3.324 5.009 6.467

0等フラックス(1) 単純には、αLyr (A0型) のフラックス = 0等 0等がIAU(International Astronomical Union)1922年総会で定義された時代は 写真等級で、光電管、CCDは存在しなかった。 ーー> 同じバンドでも、研究者によって、有効波長、 0等フラックスが異なる。 現在ではCCD画像の星像のカウントを規準に測光する。 ゼロ等のフラックスは、多数の標準星のセット+精密な大気モデルから、    例えば、 V(ベガ)=0.03、A0V星のカラー=0 として決める。 F(mag=0,ν) バ ンド U B V Rc Ic J H K L M N Q λ(μ) 0.366 0.438 0.545 0.641 0.798 1.22 1.63 2.19 3.45 4.8 10.6 21 Fo(Jy) 1790 4063 3636 3064 2416 1590 1020 640 285 170 36 9.4 Bessell, Castelli,Plez 1998 Rieke,Lebofski,Low 1985

0等フラックス(2) αLyr αLyr のスペクトルは10000Kの黒体輻射に近い。 しかし、次の2点で 黒体輻射からずれる。 0等フラックス(2) αLyr αLyr のスペクトルは10000Kの黒体輻射に近い。 しかし、次の2点で 黒体輻射からずれる。 IRASが採用した、Fo(ν)を近似する 黒体フラックスと比較すると。    FIRAS=1.57 10-16 B(10,000K,ν)=2.09 10^3 [ x 3 /(exp x - 1) ] Jy            x= hν/kT=hc/kλT =1.4388/ λ(μm)(T/104K) 1) UBVバンドでずれが大きい。後の課で説明する。 2) 下に示すように遠赤外でフラックス超過が見られる。ダスト円盤がついていた バ ンド U B V Rc Ic λ(μ) 0.366 0.438 0.545 0.641 0.798    12 25 60 100 Fo(Jy) 1790 4063 3636 3064 2416 Vega 1736 3941 3527 2972 2343     41.5 11.0 9.5 7.7 FIRAS 2420 2887 2951 2764 2397     28.3 6.73 1.19 0.43

B B V R I J U H K L Fo(Vega) F(IRAS) 1 4 log F(ν) (Jy) 3 2 2  B B V R I J Fo(Vega) U H F(IRAS) K L 1 -0.5 0 0.5 1     1.5 log λ(μ)

3.3. 絶対等級 同じ星を距離D1とD2に置く。 F1=L/4πD12   F2=L/4πD22   m1=-2.5log (F1/Fo) m2=-2.5log (F2/Fo) m1-m2=-2.5log(D2/D1) 2 =5log(D1/D2)       絶対等級( Absolute Magnitude )= 距離10pcからの等級 記号は、見かけ等級: V、 K または、 mV、mK        絶対等級: MV,MK   ある天体のmとMとの関係は、 m-M=5log(D/10pc) 途中で光が吸収されると、見かけ等級mはA等大きくなるので、        m-M=5log(D/10pc)+A        mo=m+A=吸収補正したみかけ等級

mo-M=(m-M)o=5log(D/10pc)= 5log D(pc) -5 距離指数 mo-M=(m-M)o=5log(D/10pc)= 5log D(pc) -5 距離指数( Distance Modulus )= (m-M)o =DM 例    2MASSサーベイはK<17まで観測できる。大マゼラン雲中のRR Lyr     型変光星を2MASSで研究できるか? 典型的なRR Lyr星はA-F型の準巨星で、MK=0.5程度。 LMCの距離指数=18.5. したがって、2MASSの観測には2等暗すぎる。

3.4.輻射等級 見かけ輻射等級 Apparent Bolometric Magnitude : mBOL=-2.5 log [∫F(λ)dλ / FoBOL]=-2.5 log (F / FoBOL) FoBOL : mV=0のF3Vの星の全フラックス        =2.5 10-8 W/m2 通常の等級はA0V星で決めるが、ここだけF3V星が登場する。 その理由は次の輻射補正で考える。 絶対輻射等級 Absolute Bolometric Magnitude MBOLは10pcから見た輻射等級。

輻射補正 (1) logλF(λ) 1 F= ∫F(λ)dλ=共通 B型 暗い A型 やや明るい F型 F型 明るい M型 M型 暗い 輻射補正 (1) F= ∫F(λ)dλ=共通 Vバンド logλF(λ) 1 B型 スペクトル V A型  B型   暗い  A型 やや明るい F型  F型   明るい M型  M型   暗い -1 -0.5 V 0 logλ(μ) 同じ総フラックス同士でV等級をくらべると、F3V型星が最も明るい。 そこで、V=0のF3V星の輻射等級mBOL=0と定めた。 すると、V=0の星のmBOLは全て0より小となる。mBOL(V=0)=BCと呼ぶ。

輻射補正(2) 輻射補正 Bolometric Correctionは、下式で定義される。 mBOL = mV+BC ここに、見かけ輻射等級 Apparent Bolometric Magnitude : mBOL=-2.5log[∫F(λ)dλ/FoBOL]=-2.5log(F/FoBOL) FoBOL : mV=0のF3Vの星の全フラックス=2.5 10-8 W/m2 BCは、mV と、あとカラー[B-V]か温度T程度の情報しかない天体の全フラッ クスを推定するために使用される。

3.5.カラー 黒体輻射のカラー カラー = M(λ1)-M(λ2) =-2.5 log[F(λ1 )/Fo(λ1 )] +2.5 log[F(λ2 )/Fo(λ2)] =-2.5 log[F(λ1 )/F(λ2 )] +2.5 log[Fo(λ1 )/Fo(λ2)] =-2.5 log[F(ν1 )/F(ν2 )] +2.5 log[Fo(ν1 )/Fo(ν2)] 黒体輻射のカラー  [B-V]BB=-2.5 log[B(T,B )/ B(T,V )] +2.5 log[Fo(B ) /Fo(V)] F,B を ν表示で計算すると、  Fo(ν=B )=4063Jy,Fo(ν=V)=3636Jy  B(T, ν)=1.3338 10 7 T(K) 3 [ X3 / (expX- 1) ] Jy       X=1.4388/λ(μ)/T4   λ(B) =0.44 λ(V) =0.55   T4 =T/10,000    

黒体輻射のカラー(続き) したがって、 [B-V]BB=-2.5 log[f(XB)/f(XV)]+2.5 log(4063/3636)  黒体輻射のカラー(続き) したがって、 [B-V]BB=-2.5 log[f(XB)/f(XV)]+2.5 log(4063/3636)  f(X)=X3/[exp(X)-1]、 XB=1.4388/ 0.44 /T4、  XV=1.4388/ 0.55 /T4 =-0.83+ 2.5 log{[exp(3.27/T4)- 1] / [exp(2.616/T4)- 1]} Uバンド(λ=0.35μm)も考えると、    Fo(ν=U )=1790Jy、 XU=1.4388/ 0.35 /T4 [U-B]BB =ー2.5 log[f(XU)/f(XB)]+2.5 log(4063/1790) =0.890+ 2.5 log{[exp(4.00/T4)- 1] / [exp(3.27/T4)- 1]} T→∞では、 Bν=2kT(c/ν)2=2kT/λ2 なので、 [B-V]=-2.5log(0.55/0.44)2+2.5log(4063/3636)=-0.484+0.121=-0.363 [U-B]= -2.5log(0.44/0.36)2+2.5log(1790/4063)=-0.436-0.890=-1.326

二色図 (Two Color Diagram) 二色図 (Two Color Diagram) B0V 30,000 -1 U-B 1 10,000 6,000 A0V G0V 4,000 黒体輻射 主系列星 M0V 3,000 0 B-V 1 2

問題3 出題10月25日 提出11月1日 3-A A,Bのどちらかに答えよ。天文学部生はなるべくBを選ぶよう。 問題3    出題10月25日 提出11月1日 A,Bのどちらかに答えよ。天文学部生はなるべくBを選ぶよう。 3-A 温度Tの黒体輻射に対する輻射補正BCを考えよう。BCの定義は、 mbol=mv+BC であった。     mBOL=-2.5log[∫F(ν) dν/FoBOL]、 mv= -2.5log[Fv(ν) /FoV] なので、  F(ν) =BB(ν、T)  ∫F(ν) dν =(σ/π)T4           Fv(ν) =3636Jy、 FoBOL =2.5 10-8 W/m2 を代入すればBCが求まるはずである。 下の表と同じ温度の黒体輻射スペクトルの輻射補正BCを求め、星に対するBCと比較せよ。 Sp  B0 F0 M5 Te 30,000 7,300 3,170 BC -3.16 -0.09 -2.73 

B.大マゼラン雲(LMC)の星の近赤外色等級図(Color Magnitude Diagram)   を示す。破線領域の縦に伸びた指は、銀河系内の様々な距離の星+LMCの   青・黄超巨星である。A-B-C-D の系列はLMCの赤色巨星枝である。  点   J-Ks   Ks  A    0.8  14.0  B    1.2  11.1  C    1.9  10.2  D    3.7  11.2  バンド 波長(μm) Fo(Jy)    J   1.215 1630    Ks  2.157  667 LMCまでの距離は80Kpc C D B A

A-B-C-D が黒体スペクトルを持つとして以下の問に答えよ。 (B-1) A、B,C,D の温度 T(K) を推定せよ。 (B-2) A-B-C-D の系列を log T 対 log (L / Lo)  のHR図で表わせ。        log の底は10. Lo=3.845×1026 W である。 (B-3) A-Dの星は漸近巨枝星(AGB星)で、中心にC/O核を持ち、核の       質量Mcと星の光度Lとの間には Paczynski の関係       L/Lo=59,250(Mc/Mo)-30,950       が成立する。       A-DのMcを求めよ。(核はその後、白色矮星となる)