1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(日本FP協会) 相続対策に必要な知識と 事 例 研 究 Ⅱ (株)シャフト 山本 直子 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(日本FP協会) 平成27年10月 1
法定相続分と遺留分 と 配偶者 子 直系尊属 兄弟姉妹 相続人 1/2 1/3 1/4 2/3 3/4 法定相続分と遺留分 配偶者 子 と 直系尊属 兄弟姉妹 相続人 法定相続分 の1/2 配偶者と子の場合 配偶者と親の場合 配偶者だけの場合 子だけの場合 1/2 1/3 1/4 2/3 3/4 法定相続分 の1/3 親だけの場合 遺留分減殺請求権は、相続開始及び遺留分を侵害している遺贈・贈与があることを知った日から1年以内、または相続の開始から10年を経過したときは時効によって消滅する ※兄弟姉妹には遺留分の減殺請求権はない *相続人である子や兄弟姉妹が相続の開始前に死亡している場合や、相続人である子が欠格者、排除者の時はその子(孫・姪・甥)が相続人となる(代襲相続人)
家系図を作りましょう ・奥さまからご主人の相続の相談です。 ・子どもは長男と長女の2人です。長男が亡くなっていますが、その子は 2人います。長男の子ども(孫長男の長男)を養子としてあとを継いでも らうことを考えています。 ・長女は近くにいますが、離婚して1人で住んでいます。 ・主人は先妻を亡くしており、先妻の子が1人います。その子にも子ども は2人いますが、今はどうしているか私はわかりません。 ・最近分かったのですが・・・・・・・主人には認知した子どもが1人います。 私はよく知りません。
家系図を作りましょう 1.相続税の基礎控除は? 2.法定相続人と法定相続分は?
家系図を作りましょう (1) 基礎控除は 法定相続人と法定相続分は?
家系図から見える(相続人と相続税の問題点) 1.相続税の基礎控除は? (相続税) 2.法定相続人と法定相続分は? (遺産分割) 1.先妻の子どもの居所・性格・生活状況は? 2.認知した子どもの居所・性格・生活状況は? 3.長男の子、孫1と孫2の兄弟仲は? 養子縁組により相続分に差がある 4.同じく長女(子3)との相続分に差がでることへの不満は? 5.遺言がない場合の問題点は? 6.被相続人である夫の考え方は?
家系図を作りましょう(1) 【回答】 基礎控除は 3,000万円+600万円×6人=6,600万円 法定相続人と法定相続分は?
長男の子(孫1)を養子にするとどうかわるでしょうか? 家系図を作りましょう (2) 長男の子(孫1)を養子にするとどうかわるでしょうか? 基礎控除は 法定相続人と法定相続分は?
【参考】 『普通養子』と『特別養子』の違い 【参考】 『普通養子』と『特別養子』の違い 区分 普通養子 特別養子 養親の制限 成人である者 満25歳以上の夫婦 養子の制限 養親より年少者 原則として6歳未満 縁組の手続き 養子が未成年でなければ当事者の届け出(養子縁組届) 家庭裁判所の審判が必要 親子関係 実親との親族関係は終了しない(相続権あり) 実親との親族関係は終了 (相続権なし) 戸籍の記載 「養子」の記載あり 「長男・長女」等、身分事項に 「○年・・・・民法817条の2による裁判確定」と記載 離縁 当事者の協議で可能。養子・養親のいずれの訴えの提起可能 養親からの請求不可 ・昭和62年の民法改正により「特別養子」を新設 ・養子縁組の届け出をした日から養親の嫡出子としての身分を取得する
養子縁組は相続対策にメリットかデメリットか? 養子縁組の税法上のメリット ① 法定相続人の数が増える⇒ ・相続税の基礎控除額 ・相続税法第12条 (死亡保険金、死亡退職金) ・相続税の計算上 ② 孫養子は、世代を飛び越して財産を移すため、相続税が1回飛ぶことによる相続税額の軽減がはかれる 養子縁組の税法上のデメリット ① 養子とすることで遺産分割協議が 期限内にまとまらない可能性もある⇒ 相続税法上の優遇措置(配偶者の税額軽減・小規模宅地の評価の特例)が使えない ② 孫養子には相続税額の2割加算の措置がある ③ 養子を法定相続人の数に含めることで「相続税の負担が不当に減少させる結果となる」ときは、養子の数を法定相続人の数に含めないで、相続税を計算することができる(相続税法63条)
長男の子(孫1)を養子にするとどうかわるでしょうか? 家系図を作りましょう(2)【回答】 長男の子(孫1)を養子にするとどうかわるでしょうか? 基礎控除は 3,000万円+600万円×6人=6,600万円 法定相続人と法定相続分は?
養子縁組は相続対策にメリットかデメリットか? 母はすでに亡くなっており相続人は私だけです。相続税の軽減のため私の子(孫)を父の養子とするアドバイスを受けたのですが、孫を養子にすると相続税が 2割加算されると聞きました。養子縁組したほうが軽減効果はあるのでしょうか? 財産は3億円あります。 孫養子 孫 夫 被相続人 妻 長男 養子縁組前 相続人は長男のみ 納付税額 9,180万円 養子縁組後 相続人は長男と養子 納付税額 長男 3,460万円 養子 4,152万円 (2割加算) 合計 7,612万円 孫養子は2割加算されるが、相続人が少ない場合は税軽減効果は大きい場合が多い
養子縁組することの相続税軽減比較
【参考】 相続税の計算手順からみる税軽減効果 【参考】 相続税の計算手順からみる税軽減効果 課税遺産 総額 遺産に係る 基礎控除 債務控除 非課税財産等 相 続 財 産 法定相続分で分割 配偶者 (1/2) 子 (1/4) 超過累進税率の適用 相続税の総額 相続税総額の計算 配偶者 子 税額控除 納付 各人の納付額の計算 実際の相続割合で按分 財産評価 配偶者控除 未成年者控除 障害者控除等 小規模宅地の評価の特例
相続税は連帯納付義務 連帯納付義務 次男 長男 母 父 長女 【各相続人は相続等を受けた利益の価額を限度として、連帯納付義務を負う】 (督促状の発信から1か月を経過しても完納されない場合に、連帯納付義務者への通知状を発信) (1) 連帯納付義務とは (平成24年改正:相続税法第34条1項) 相続税の納付については、次に掲げる場合を除き、各相続人が相続等により受けた利益の価額を限度として、お互いに連帯して納付しなければならない義務がある ① 申告期限から5年を経過した場合 ② 本来の納税義務者が延納の許可を受けた相続税額に係る相続税 ③ 本来の納税義務者が農地などの相続税の納税猶予の適用を受けた相続税額に係る相続税 連帯納付対策で生命保険を活用 次男 長男 母 父 長女 連帯納付義務 未支払い
相続により財産をもらった人は全員、 「相続税」と言う名の借金の「連帯保証人」! 連帯納付分の相続税は、延納も物納も認められない! そして・・・ 連帯納付分は遅延利息に相当する延滞税も合わせて、 現金で一括納付しなければならない! 不動産のみ 相続した人 相続前から 借金のある人 このような人に未納や 滞納が 起きやすい 遺言で相続人以外の人が財産を受け取っている場合 延納を 許可された人 連帯納付義務者=連帯保証人と同じ
生前贈与は最良の相続(税)対策 今年から相続税率などが大きく変わり、相続税が増税となると聞きました。 今年から相続税率などが大きく変わり、相続税が増税となると聞きました。 そのための相続税の軽減のために「生前贈与」すれば良いと聞きました。 「贈与」と言ってもいろいろあると思いますが、どのような贈与がありますか? また、どのような贈与が効果的でしょうか? 「贈与」しても相続時に持ち戻しがあるとも聞きました。それはどういうことでしょうか? このような質問をされた場合には、どのようなアドバイスをすれば良いでしょうか?
相続(税)対策における生前贈与の効果 ① 暦年贈与による相続税軽減(財産減らし)効果 ① 暦年贈与による相続税軽減(財産減らし)効果 ② 贈与された現金を生命保険料として生命保険加入する(保険 料贈与)ことによる相続人の納税資金・代償分割資金作り ③ 暦年贈与によるトータル税負担の軽減効果 (高い相続税実効税率→低い贈与税実効税率へ移転) ④ 孫への世代飛び越し贈与による相続税負担軽減 ⑤ 自社株贈与(暦年・精算課税)による事業承継対策 ⑥ 相続時精算課税による財産上昇リスク回避による相続税軽減 ⑦ 配偶者への居住用財産の贈与・子等への住宅取得資金、 結婚・子育て資金贈与による財産減らし効果
「暦年贈与」と「相続時精算課税」 選 択 暦年贈与 相続時精算課税 贈与金額-110万円(基礎控除) =課税価格 2,500万円まで非課税 選 択 贈与金額-110万円(基礎控除) =課税価格 税額=課税価格×8段階税率 暦年贈与 【両親・祖父母⇒20歳以上の子・孫へ】 4,500万円超55%の最高税率 【一般への贈与】 3,000万円超55%の最高税率 相続時精算課税 2,500万円まで非課税 (非課税分を超える部分については、一律20%の課税) ・要件:60歳以上の両親・祖父母から20歳以上の子・孫へ 【贈与者の相続時に贈与価格を持ち戻して相続財産に加算。 なお孫への贈与は2割加算あり】
暦年贈与と精算贈与 項目 暦年課税制度 相続時精算課税制度 概要 1年間(1/1~12/31)毎に贈与された価額の合計に対して、贈与税を課税する制度 親・祖父母から子・孫への贈与について、選択制により、相続時に持ち戻して相続税で精算する制度 贈与者 一般制限なし 60歳以上の親・祖父母 受贈者 制限なし 20歳以上の子・孫 選択の届出 一般不要・(軽減:必要か) 必要 (注)選択以後は相続時まで変更不可 控除 基礎控除額(年間):110万円 特別控除額:2,500万円 (限度額まで複数年にわたり使用可) 税率 基礎控除額を超えた部分に対して 10%~55%の8段階累進税率 (20歳以上の直系卑属は税率構造を緩和) 特別控除額を越えた部分に対して 一律20%の税率 適用手続 贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与税の申告書を提出・納税 選択を開始した年の翌年3月15日までに本制度を選択する旨の届出書及び申告書を提出・納税 相続時精算 相続税とは切り離して計算 (注)相続開始前3年以内の贈与は贈与時の時価で相続財産に加算 相続税の計算時に精算(合算) (注)贈与財産は贈与時の時価で評価 20
贈与税の速算表 (暦年贈与) 課税価格 ※基礎控除(110万円)控除後の課税価格 受贈者 一 般 200万円以下 10% 贈与税の速算表 (暦年贈与) ※基礎控除(110万円)控除後の課税価格 課税価格 受贈者 一 般 直系尊属⇒20歳 200万円以下 10% 200万円超-300万円以下 15%-10万円 300万円超-400万円以下 20%-25万円 400万円超-600万円以下 30%-65万円 20%-30万円 600万円超-1,000万円以下 40%-125万円 30%-90万円 1,000万円超-1,500万円以下 45%-175万円 40%-190万円 1,500万円超-3,000万円以下 50%-250万円 45%-265万円 3,000万円超-4,500万円以下 55%-400万円 50%-415万円 4,500万円超 55%-640万円
贈与財産の3年以内の持ち戻し(相続税) 相続により財産を取得した人が、被相続人からその相続開始3年以内(死亡の日から3年前の日から死亡の日までの間)に贈与を受けた財産があるときは、その人の相続税の課税価額に贈与を受けた財産の贈与の時の価額を加算します。 また、その加算された贈与財産の価額に対応する贈与税の額は、加算された人の相続税の計算上控除します。 1.加算する贈与財産の範囲 ・被相続人から生前に贈与された財産のうち相続開始前3年以内に贈与されたもので、 贈与税が課税されているかどうかは関係なく加算する (基礎控除内110万円以内であっても加算) ・非課税とされる生命保険金(500万円×法定相続人の数)を受け取った人 2.加算しない贈与財産 被相続人から生前に贈与された財産であっても下記については加算の必要はなし (1) 贈与税の配偶者控除の特例を受けている又は受けようとする財産のうち、その配偶 者控除額に相当する金額 (2) 直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち、非課税の適用を受けた金額 (3) 直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち、非課税の適用を受けた金額 (4) 直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち、非課税の適用を受けた金 額 (国税庁タックスアンサーから)
基礎控除にこだわらず、いくらまでの贈与なら良いか? 暦年課税贈与の最大の目的は相続税対策 贈与は財産減らし=相続税減 相続財産 ① 相続税軽減 (財産減らし効果) 贈与 ② 受贈者(子・孫)の資産形成、納 税資金の確保 贈与税の実効税率 相続税の実効税率 ③ 高い相続税実効税率から 低い贈与税実効税率へ移転 基礎控除にこだわらず、いくらまでの贈与なら良いか?
世代飛び越し贈与は有効な相続税対策 父 母 ① 世代間の相続税負担 の軽減 被相続人 ② 相続開始3年以内の 持ち戻しなし 長男 嫁 ① 世代間の相続税負担 の軽減 財産贈与 ② 相続開始3年以内の 持ち戻しなし 孫
保険料贈与プランの契約形態 加入目的 ① 相続税の納税対策資金 ② 遺産分割対策資金 ③ 相続人の資産形成 ④ 相続財産の軽減 保険種類 ① 相続税の納税対策資金 ② 遺産分割対策資金 ③ 相続人の資産形成 ④ 相続財産の軽減 保険種類 平均余命を超える 長期の生命保険 貯蓄性の生命保険 契約形態 納税・分割対策資金確保を目的 契約者 被保険者 受取人 子 父 被相続人が 加入できない場合 契約者 被保険者 受取人 子 子の相続人
相続時精算課税制度(精算贈与) + 2,500万円超えた場合は一律20%課税 相続税課税 贈与分を贈与時の価格で持ち戻し 20歳以上の子・孫 精算贈与届出 贈与分を贈与時の価格で持ち戻し 以降の贈与は すべて精算贈与 + 相続発生 被相続人 死亡時点の 相続財産 贈与税額を控除 60歳以上の親・祖父母の財産
相続時精算課税で贈与する物は以下のケースが有効 相続時精算課税制度の活用 将来値上がりしそうな財産や、マンション・駐車場などの収益物件を相続時精算課税制度を活用して贈与。これにより被相続人の将来の財産上昇を抑える。 相続時精算課税で贈与する物は以下のケースが有効 賃貸 マンション 駐車場 収益物件 土地 自社株 値上がりしそうな物件
収益物件を相続時精算課税で移す! 父 毎月(毎年)家賃や賃料の入る収益物件(=マンション・駐車場など)を 毎月(毎年)家賃や賃料の入る収益物件(=マンション・駐車場など)を 子どもや孫に相続時精算課税で贈与 (孫の場合は2割加算注意) ① これにより被相続人の将来の財産増加を抑える ② 収益を毎月の保険料(生命保険)に代えて親の納税資金確保 契約者 被保険者 受取人 長男 父 相続人 長男 被相続人 父 精算贈与 マンション 駐車場 収益物件 契約者 被保険者 受取人 長男 長男の相続人 生命保険の 保険料に充当 ① 持ち戻し課税されても贈与時の価格。収益に対する財産の増加を防ぐことができる ② 納税資金等・代償交付金を確保できる
税務当局に「贈与事実の心証」を得るためには、贈与の証拠の積み重ね! (生命保険料)贈与の留意点 税務当局に「贈与事実の心証」を得るためには、贈与の証拠の積み重ね! (1) 確定日付の贈与契約書を毎年作成する (当社サイト規程集にサンプル掲載) (2) 受贈者が贈与税の申告を毎年おこなう ※基礎控除の110万円以内ではなく、基礎控除以上を贈与して申告 ※贈与は単年契約。贈与を毎年同日で同一金額にする必要はない (3) 贈与は受贈者の生活口座におこない、受贈者自身が管理する ※贈与された現金のみの口座は名義預金とみなされる危険性が高い ※自己の口座の通帳・印鑑・保険証券等を受贈者自身で保管する (4) 保険料は受贈者の生活口座から引き落としをおこなう (5) その他 ※受贈者の年齢が幼い子や孫などの場合、親権者が財産管理権と 代理権を行使すれば、贈与は成立すると考えられる ※また、贈与者が生命保険料控除を行使して申告しないこと
相続税調査のデータ 平成25事務年度 実地調査件数 11,909件 申告漏れ等の非違件数 9,809件 非違割合 82.4% 重加算税賦課件数 1,061件 重加算税賦課割合 10.8% 申告漏れ課税価格 3,087億円 のうち重加算税賦課対象 360億円 追徴税額 本税 467億円 加算税 71億円 合計 539億円 申告漏れ1件当たり 申告漏れ 課税価格 2,592万円 452万円 申告漏れ財産の金額構成比 その他 預貯金 有価証券 家屋 土地 国税庁「平成25事務年度における相続税の調査の状況について」
贈与税調査のデータ 無申告事案の状況 申告漏れ財産の内訳 平成24事務 年度 平成25事務 実地調査件数 4,599件 3,786件 申告漏れ等の非違件数 4,152件 3,424件 非違割合 90.3% 90.4% 申告漏れ課税価格 223億円 216億円 追徴税額 63億円 75億円 申告漏れ1件当たり 申告漏れ 課税価格 485万円 571万円 137万円 197万円 申告漏れ財産の内訳 国税庁ではあらゆる機会を通じて把握した生前の資産保有・移動状況に関する情報を蓄積・活用するなどして、贈与税の無申告事案の積極的な調査に努めています。 国税庁「平成25事務年度における相続税の調査の状況について」
【参考】 その他の贈与
配偶者への居住用不動産の贈与 婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例 居住用不動産 または それを取得するための資金の贈与 ー 贈与税の基礎控除 110万円 + 配偶者控除 2,000万円 夫 妻 婚姻年数20年以上 特例を受けるための要件(相続税法21-5、21-6) (1) 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと (2) 配偶者から贈与された財産が、自分が住むための居住用不動産であること又は居住 用不動産を取得するための金銭であること (3) 贈与を受けた年の翌年3月15日まで、贈与により取得した国内の居住用不動産又は 贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住ん でおり、その後も引き続き住む見込みであること (注) 配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか適用を受けることが できません。
-直系尊属からの住宅取得等資金の非課税枠が最高3,000万円に!- 住宅取得等資金の贈与税の非課税特例 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた受贈者が、贈与を受けた年の翌年3月15日までその住宅取得等資金を自己の居住の用に供する一定の家屋の新築若しくは取得又は一定の増改築等の対価に充して新築若しくは取得又は増改築等をし、その家屋を同日までに自己の居住の用に供したとき又は同日後遅滞なく自己の居住の用に供することが確実であると見込まれるときには、住宅取得等資金のうち一定金額について贈与税が非課税となる -直系尊属からの住宅取得等資金の非課税枠が最高3,000万円に!- 契約年 右記以外 (個人売買により中古住宅取得) 消費税10%適用で取得 質の高い住宅 一般の住宅 平成27年 1,500万円 1,000万円 平成28年1月 ~平成28年9月 1,200万円 700万円 平成28年10月 ~平成29年9月 3,000万円 2,500万円 平成29年10月 ~平成30年9月 500万円 平成30年10月 ~平成31年6月 800万円 300万円 消費税10% 【質の高い住宅用家屋の範囲拡充】・・・下記のいずれかの性能を満たす住宅 ① 省エネルギー性の高い住宅(断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4以上) ② 耐震性の高い住宅(耐震等級2以上または免震建築物) ③ バリアフリー性の高い住宅(高齢者等配慮対策等級3以上)・・・新設
孫に贈与した教育資金を金融機関に預け入れ 教育資金の一括贈与にかかる非課税措置 受贈者(30歳未満の者に限る)の教育資金に充てるために、その直系尊属が金銭等を拠出し、金融機関に信託等をした場合には、信託受益権の価額又は拠出された金銭等の額のうち受贈者1人につき1,500 万円(学校等以外については500万円限度)までの金額に相当する部分の価額については、贈与税を課さないこととする ・学校等に支払われる入学金その他の金銭 (入学金、授業料、給食費、施設設備費、教育充実費、 修学旅行、学校指定の制服代、通学定期代・進学時の 引っ越し代・留学渡航費等) ・学校等以外に支払われる一定のもの(スポーツ、絵画 等習い事) 払出し可能な使途 父母・祖父母 贈与 子・孫 孫に贈与した教育資金を金融機関に預け入れ 預入金 非課税 限度額 1,500 万円 30歳に達した日に余っている分は一括贈与税 金融機関 預入金 預入金 預入金 預入金 『教育資金贈与』は0歳~30歳まで ※金融機関に提出する領収書等で、1万円以下で、かつ年間24万円以内のものは領収書に変えて支払い金額明細書でOK 0歳 30歳
結婚・子育て費用の贈与税非課税制度 受贈者(20歳以上50歳未満の者に限る)の結婚・子育て資金の支払いに充てるために、その直系尊属が金銭等を拠出し、金融機関に信託等をした場合には、信託受益権の価額又は拠出された金銭等の額のうち受贈者1人につき、1,000万円(結婚に際して支出する費用については300万円限度)までの金額に相当する部分の価額については、贈与税を課さないこととする 贈与 贈与者死亡時は、残額を相続財産の加算 (2割加算なし) 父母・祖父母 子・孫 払出し可能な使途 ・挙式費用 ・新居の住居費 ・引越し費用 ・不妊治療費 ・出産費用 ・産後ケア費用 ・子の医療費 ・子の保育費 (ベ ビーシッター費含む) 贈与者 死亡 贈与者死亡預入金 残額 預入金 非課税 限度額 1,000 万円 50歳に達した日の残額分は一括贈与税 金融機関 金融機関に預け入れ 預入金 預入金 受贈者死亡 預入金 残額 預入金 残額 『結婚・子育資金贈与』は20歳~50歳まで 20歳 50歳 受贈者死亡の場合、残額に贈与税課税なし
最新 相続関連データ
1,268,436人 54,421人 4.3% 21,385万円 2,824万円 最近の相続事情 年間死亡者数(被相続人数) 課税される被相続人数 54,421人 国税庁統計情報 【平成25年度】 課税される被相続人数/死亡者 4.3% 被相続人1人当たりの課税価格 21,385万円 被相続人1人当たりの税額 2,824万円
相談件数は年々増加し、10年で2倍、 年間死亡者の7人に1人! 遺産分割の現状 15,261件 10,302件 遺産分割事件数は年々 増加! ※H23年は震災の影響? 174,494件 75,698件 相談件数は年々増加し、10年で2倍、 年間死亡者の7人に1人! 【平成24年 司法統計年報 家事事件編】
被相続人の約86.5%は 3億円以下、 約94.4%は5億円以下! 被相続人の相続財産の86.5%は3億円以下! 被相続人数 5万4421人 被相続人の約86.5%は 3億円以下、 約94.4%は5億円以下! 国税庁「税務統計‐相続税関係‐(平成25年分)」
取得財産のうち、生命保険金等はわずか28%ほど 平成24年分 2012 平成25年分 2013 取得財産等の種類 被相続人の数 (人) 取得財産価額 (百万円) うち生命保険金等 14,054 415,775 15,327 441,336 合計 52,572 10,782,711 54,421 11,625,252 26.7% 28.1% 生命保険金を財産として残した人は全体の・・ 国税庁HP【平成25年 税務統計】
遺産分割での争いは、 5,000万以内の財産で全体の「76%」! 財産額5,000万 以下で全遺産争い事件の76% 【最高裁判所】H26年度「遺産分割事件のうち認容・調停成立件数 遺産の価額別」 43
被相続人数と相続人数 国税庁「相続税の申告の状況について」(平成25年12月) 単位(人)